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二度目の6月
408.ハナトラノオ
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6月20日 火曜日
そうそう二日も経っててなんだけど、日曜の鈴徳さんの本気はパンケーキだった。勿論ただのパンケーキな訳がなくて、チーズクリームとキウイが飾られたスフレパンケーキで、下の段に行くとメロンのパンケーキに変わる代物だった。上は少し酸味が際立つ爽やかなフルーツパンケーキで、下は甘味の確りしたフルーツパンケーキってお得感満載だよね!恐る恐る食べ始めた衛が美味しいって言ったから、鈴徳さんは達成感満載だったけど最後に「僕、メロンのパンケーキだけでよかったなぁ」なんて事を衛がポツリと言ったものだから……鈴徳さん、まだこれ続ける気ですよね……。衛はまだ子供なんで、大人の味わいまでは無理なんですよーっ!上のパンケーキも絶品でしたよー!マスターさん止めてください!採算とれてないですよっ!!
※※※
それにしても夏の気配がするとかじゃなくて、すっかり夏気分の火曜日。ゲンナリするほど熱い上に、湿度が高くて不快感がとんでもない。来月には期末テストもあるし、去年はなんだか上手いこと避けに避けてきた三者面談もある。勿論夏休みだってあるんだけど、今年は講習どうしようかな……。正直智美君塾やってくれないかなぁ何て思っちゃう。運動部の子達も夏場の大会が三年生には山場だしねー。受験の事だって考えなきゃだし……溜め息出ちゃうよね、色々。
えーと、雪ちゃんのお迎えは実はまだ続いてるんだよね。
少なくともお仕事が元通りになるまでは続ける気みたいなの。それで雪ちゃんはうちのOBで、園芸部に顔を出してあの寄せ植えは花が近すぎるとか、あれの肥料はこっちの方がいいとかって何でか指導しているらしくて。そうそう雪ちゃんって園芸部では伝説の部長さんなんだって、園芸部の子達がキャアキャア言ってる。もともと腐葉土を作り始めたのが雪ちゃんだっていうし、雪ちゃんも本当に園芸好きなんだよね。そして今日は陽当たりが悪いから木立の剪定した方がいいなぁと勝手に、玄関前の庭園の木立の剪定してたのには流石に驚くよ?何してるの?
「ゆ、雪ちゃん、何で庭師さん?」
「あー、これ、剪定しないと駄目な種類なんだよ、まーちゃん。」
あ、庭木に集中してるからまーちゃんって呼んでる。でも、そんなことしてていいの?用務員さんから借りたからいいって、そうじゃなくてー。呆れたようにセンセもやって来て、庭師さんをしてる雪ちゃんを眺めている。
「何やってんだ?雪。」
「あー悌。ツツジの剪定、綺麗にしておかないと日当たり悪くなるからって、貧乏神に言っといて。ツツジは夏前にもやって欲しいなぁ素人でもできるからさ。冬はやってんだろ?」
「おー。言っとくけど、お前すっごい目立ってるぞ?」
「園芸部OBだし。」
「まあ、お前がいいならいいけど。」
うん、本当センセが言う通り、実は目立ってるんだよね。皆一体あの人何してんだろって眺めてるし。まあ、私的には雪ちゃんが楽しそうだからいいかなぁって感じなんだけど。そういわれれば確かに庭園の剪定って冬ごろに業者さんがやってるのをチラッと見るけど、そっかぁ夏前にもした方がいいんだ?って聞いたら、ツツジの花が終わる六月ごろに伸びすぎてしまった枝を中心に剪定しておくと、日当たりの改善と害虫予防になるんだって。バランスの良く無い枝はこの時期に落としておくと、台風対策にもなるからって教えてくれた。そっかぁただ伸びてて成長するのがいい訳じゃないんだ。
「宮井センパーイ、さよならー!」
「宮井ちん、バイバーイ!」
「あ、また明日~。」
何人かクラスメイトや後輩に声をかけられて手を振るうち、雪ちゃんも納得できる状態に剪定ができたみたい。刈った枝を纏めたり剪定ばさみを返したりしてから、何時もと同じく二人で帰ろうとした矢先、何でかまた鉢合わせちゃったのはなんで?
「宮井さん、またその人のお迎えつきなの?」
嫌みっぽく言われてもそれには雪ちゃんは平然としてるし気にもしてないように、見えるけど、五十嵐君何でこんな時間にここにいるの?普段なら帰ってるのにー。
「さ、麻希子、帰ろっか?」
「お仕事暇なんですか?こんなに毎日来て。」
あ、いや、なんでそこで突っかかってくるの?!五十嵐君ってば。
「それ君に答えて何か得するかな?」
「別に損得じゃないですけど、定職ないんだなーって。」
「まさか?人気商売じゃないから、給料は安定してるよ。」
「それって、嫌味ですか?」
「何が?」
うっ!何でだろう、何処か智美君と五十嵐君の口論を思い出すけど、雪ちゃんの方が完全に五十嵐君の口撃をいなしてる気がする。しかもサクッと嫌みを織り混ぜてる気がするのはどうしてだろうか。それが間違いじゃないのは五十嵐君が、うううってなったのでよく分かる。
「宮井さんはコイツのどこがいいわけ?」
「それこそ君に答えることないよね、麻希子がいいと思ってくれなきゃ傍にいないんだし、ね?」
「ええと、」
この口喧嘩をおさめた方がいいんだろうけど、何とも答えにくい状況。ねって言われてはいと言えばいいのか、五十嵐君に雪ちゃんの好きなところをあげるべきなのか。っていうか大体にして何でここで口論なの?!もー穏やかに帰らせてーっ!
そうそう二日も経っててなんだけど、日曜の鈴徳さんの本気はパンケーキだった。勿論ただのパンケーキな訳がなくて、チーズクリームとキウイが飾られたスフレパンケーキで、下の段に行くとメロンのパンケーキに変わる代物だった。上は少し酸味が際立つ爽やかなフルーツパンケーキで、下は甘味の確りしたフルーツパンケーキってお得感満載だよね!恐る恐る食べ始めた衛が美味しいって言ったから、鈴徳さんは達成感満載だったけど最後に「僕、メロンのパンケーキだけでよかったなぁ」なんて事を衛がポツリと言ったものだから……鈴徳さん、まだこれ続ける気ですよね……。衛はまだ子供なんで、大人の味わいまでは無理なんですよーっ!上のパンケーキも絶品でしたよー!マスターさん止めてください!採算とれてないですよっ!!
※※※
それにしても夏の気配がするとかじゃなくて、すっかり夏気分の火曜日。ゲンナリするほど熱い上に、湿度が高くて不快感がとんでもない。来月には期末テストもあるし、去年はなんだか上手いこと避けに避けてきた三者面談もある。勿論夏休みだってあるんだけど、今年は講習どうしようかな……。正直智美君塾やってくれないかなぁ何て思っちゃう。運動部の子達も夏場の大会が三年生には山場だしねー。受験の事だって考えなきゃだし……溜め息出ちゃうよね、色々。
えーと、雪ちゃんのお迎えは実はまだ続いてるんだよね。
少なくともお仕事が元通りになるまでは続ける気みたいなの。それで雪ちゃんはうちのOBで、園芸部に顔を出してあの寄せ植えは花が近すぎるとか、あれの肥料はこっちの方がいいとかって何でか指導しているらしくて。そうそう雪ちゃんって園芸部では伝説の部長さんなんだって、園芸部の子達がキャアキャア言ってる。もともと腐葉土を作り始めたのが雪ちゃんだっていうし、雪ちゃんも本当に園芸好きなんだよね。そして今日は陽当たりが悪いから木立の剪定した方がいいなぁと勝手に、玄関前の庭園の木立の剪定してたのには流石に驚くよ?何してるの?
「ゆ、雪ちゃん、何で庭師さん?」
「あー、これ、剪定しないと駄目な種類なんだよ、まーちゃん。」
あ、庭木に集中してるからまーちゃんって呼んでる。でも、そんなことしてていいの?用務員さんから借りたからいいって、そうじゃなくてー。呆れたようにセンセもやって来て、庭師さんをしてる雪ちゃんを眺めている。
「何やってんだ?雪。」
「あー悌。ツツジの剪定、綺麗にしておかないと日当たり悪くなるからって、貧乏神に言っといて。ツツジは夏前にもやって欲しいなぁ素人でもできるからさ。冬はやってんだろ?」
「おー。言っとくけど、お前すっごい目立ってるぞ?」
「園芸部OBだし。」
「まあ、お前がいいならいいけど。」
うん、本当センセが言う通り、実は目立ってるんだよね。皆一体あの人何してんだろって眺めてるし。まあ、私的には雪ちゃんが楽しそうだからいいかなぁって感じなんだけど。そういわれれば確かに庭園の剪定って冬ごろに業者さんがやってるのをチラッと見るけど、そっかぁ夏前にもした方がいいんだ?って聞いたら、ツツジの花が終わる六月ごろに伸びすぎてしまった枝を中心に剪定しておくと、日当たりの改善と害虫予防になるんだって。バランスの良く無い枝はこの時期に落としておくと、台風対策にもなるからって教えてくれた。そっかぁただ伸びてて成長するのがいい訳じゃないんだ。
「宮井センパーイ、さよならー!」
「宮井ちん、バイバーイ!」
「あ、また明日~。」
何人かクラスメイトや後輩に声をかけられて手を振るうち、雪ちゃんも納得できる状態に剪定ができたみたい。刈った枝を纏めたり剪定ばさみを返したりしてから、何時もと同じく二人で帰ろうとした矢先、何でかまた鉢合わせちゃったのはなんで?
「宮井さん、またその人のお迎えつきなの?」
嫌みっぽく言われてもそれには雪ちゃんは平然としてるし気にもしてないように、見えるけど、五十嵐君何でこんな時間にここにいるの?普段なら帰ってるのにー。
「さ、麻希子、帰ろっか?」
「お仕事暇なんですか?こんなに毎日来て。」
あ、いや、なんでそこで突っかかってくるの?!五十嵐君ってば。
「それ君に答えて何か得するかな?」
「別に損得じゃないですけど、定職ないんだなーって。」
「まさか?人気商売じゃないから、給料は安定してるよ。」
「それって、嫌味ですか?」
「何が?」
うっ!何でだろう、何処か智美君と五十嵐君の口論を思い出すけど、雪ちゃんの方が完全に五十嵐君の口撃をいなしてる気がする。しかもサクッと嫌みを織り混ぜてる気がするのはどうしてだろうか。それが間違いじゃないのは五十嵐君が、うううってなったのでよく分かる。
「宮井さんはコイツのどこがいいわけ?」
「それこそ君に答えることないよね、麻希子がいいと思ってくれなきゃ傍にいないんだし、ね?」
「ええと、」
この口喧嘩をおさめた方がいいんだろうけど、何とも答えにくい状況。ねって言われてはいと言えばいいのか、五十嵐君に雪ちゃんの好きなところをあげるべきなのか。っていうか大体にして何でここで口論なの?!もー穏やかに帰らせてーっ!
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