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5月
11.グニユーカリ
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色々な偶然とか事件とかが重なって、私は改めて友人というものの存在なんて難しい事を考え始めた。
香苗は相変わらずクラスメイトを巻き込んで私をシカトし続けていれば、私が泣いて謝るって来ると信じてるようだ。私がねをあげるのを今か今かと待ってるみたいだけど、残念でした、今のところ私にはこちらから謝る気は更々ない。しかも、段々とクラスメイトの女子の中にも、香苗の人の話を聞かない悪い点に気がつき始めた子が現れ始めた。香苗に振り回されてるのに気がつき始めた子が、香苗から離れて行くのが端で見ているのに私には目に見えてわかる。
大体にして、自分の彼氏の自慢話を私が聞かなかったからってクラスメイトを巻き込んでシカトってどうよ?自分の事をいかに彼氏が好きかとか、正直他人の私にはどうでもよくない?彼氏さん自体知りもしないんだよ?
そう、昨日の夜お風呂に入っていて私はふと自分がされていることをユックリじっくり考えてみたのだ。昨日まで真面目に考えなかったのかとは言わないで欲しい。今までがおかしいのにすら気がついていない私が、やっと考えて気がついて結果的にムッとしたのだ。
確かに友達として香苗の話を私が聞いてあげるのは当たり前かもしれない。でもそれを言うなら香苗も同じくらいは私の話を聞いてくれてもいいんじゃなかなと思ったのだ。
何で今更そう思ったのかって?
だって、昨日初めてちゃんと話したのに志賀さんは、私のとりとめ無い話でも最後までちゃんと聞いてくれた。それでいて、ちゃんとその後志賀さんが思った事を、おずおずとではあったけど率直に話してくれた。
友達の会話ってそれが、普通なんじゃないのかな?
そう思う私の方が、香苗的に普通じゃないおかしいと言うんだったらもういいやって、私はそう思ったんだ。
大体にして今までがそうだったのも事実だけど、自分の思いどうりにならないからって、その人をのけ者にして泣いて謝らせるのっておかしいよね。友達の扱いじゃないよね、お手伝いさんっていうか、もう手下とか子分の扱いだよね。
そう言う当の香苗は教室の向こう側で、新しい仲間になったらしい華やいだ感じの女の子達に何やら日曜日のデートの記念に買って貰ったらしい安っぽいネックレスを見せびらかしてる。いや、安いは言い過ぎかもしれないけど、どうみても千円とかで買えそうな気がします。それくらいここから見ても安っぽいチェーンに見えますけど。ついでに、言うけどもう水曜日だよ?毎日日曜の自慢話が何時まで続くのかなー?聞いてる中に、もううんざり顔の子も実はいるよ?まぁ、もう私にはどうでもいい事だけど、せめて香苗も周りの顔色は見れるようになったら良いよね。そしたらきっともっと大人になれるよね、うん。
私はあえて香苗達が華やぐ光景を気にしないようにする。出来れば香苗の視界からというか、私が視界から完全に外したいという気持ちも心の何処かには感じる。でも、私も其所は大人になら無いとね。同じクラスなのでそこは我慢しながら、窓辺で何時ものように静かに本を読む志賀さんにドキドキしながら歩み寄った。
「志賀さん、何読んでるの?」
「宮井さん…。えっと、『思い出』て言う本なの。」
突然歩み寄って話しかけた私に、志賀さんが少し頬を染めて柔らかく微笑んで私に本を見せてくれる。流石正統派文学美少女、微笑み方が完璧です。こんなにはにかんで微笑まれると、私だって嬉しくなっちゃうのは仕方がない。そう言えば志賀さんが教室で誰かと話をするのは見たことがない。もしかしてと思いながら、ちょっと視線をあげるとこちらの様子を伺っている視線がチラホラ見える。
ですよねー。
これって先日の真見塚君が香坂君に話しかけたのと同じ状況なのだろうと内心ニヤリとしてしまう。いやいや、折角志賀さんが読んでいる本を教えて………
「『思い出』って鳥飼澪?」
「うん、あまり有名じゃ無いと思ってたけど宮井さんも読んでるのよね?」
いやいやいや、奇遇だ、私もその本を持ってる。
て言うか、読んでるってどうしてわかったのかな?何にせよその作家さんについてならタップリ語れる。何たって凄く好きな作家さんなんだもの。
「私その人の書いたの、全部持ってるよ?」
「……ホントに?私も最近やっと揃ったと思うの。中々最初の本が手に入らなくて。」
「あれ今はもう殆ど手に入らないんだよ。出版社が潰れちゃったから絶版になってるの。」
志賀さんのちょっと嬉しそうで興奮した声に、私は思わず香苗がするように勝手に前の人の席を拝借した。しっかり顔を見ながら作家さんについて語らねばと意気込む私に、志賀さんも好奇心で目をキラキラさせながら顔を近づける。
「最近エッセイの連載始めたんだよ?」
「うん、この間書店で気が付いた。」
「一番最近の掲載で、駅前の歩いていける場所の喫茶店が載ったんだけど。」
「知ってる、駅の直ぐ傍だしよく通ってるお店なの。」
「ホントに?!いいなぁ!」
予想外の大興奮で交わされる私達2人の会話の盛り上がりに、クラスの中が微かに驚きを込めたざわめきに包まれる。そんなことはお構い無しでわたしたち好奇心満載のキラキラした瞳でお互いの顔を覗き込んでいた。
「私、ホントはね、昨日本見て宮井さんと話したかったの。あれって『落陽の刻』だったでしょ?!」
「うんうん、あれ短編集だけど凄く大好きなの!」
盛り上がる私達の声に背後で香坂君が微かに肩を震わせたのは、残念ながらその時の私には見えていなかった。
香苗は相変わらずクラスメイトを巻き込んで私をシカトし続けていれば、私が泣いて謝るって来ると信じてるようだ。私がねをあげるのを今か今かと待ってるみたいだけど、残念でした、今のところ私にはこちらから謝る気は更々ない。しかも、段々とクラスメイトの女子の中にも、香苗の人の話を聞かない悪い点に気がつき始めた子が現れ始めた。香苗に振り回されてるのに気がつき始めた子が、香苗から離れて行くのが端で見ているのに私には目に見えてわかる。
大体にして、自分の彼氏の自慢話を私が聞かなかったからってクラスメイトを巻き込んでシカトってどうよ?自分の事をいかに彼氏が好きかとか、正直他人の私にはどうでもよくない?彼氏さん自体知りもしないんだよ?
そう、昨日の夜お風呂に入っていて私はふと自分がされていることをユックリじっくり考えてみたのだ。昨日まで真面目に考えなかったのかとは言わないで欲しい。今までがおかしいのにすら気がついていない私が、やっと考えて気がついて結果的にムッとしたのだ。
確かに友達として香苗の話を私が聞いてあげるのは当たり前かもしれない。でもそれを言うなら香苗も同じくらいは私の話を聞いてくれてもいいんじゃなかなと思ったのだ。
何で今更そう思ったのかって?
だって、昨日初めてちゃんと話したのに志賀さんは、私のとりとめ無い話でも最後までちゃんと聞いてくれた。それでいて、ちゃんとその後志賀さんが思った事を、おずおずとではあったけど率直に話してくれた。
友達の会話ってそれが、普通なんじゃないのかな?
そう思う私の方が、香苗的に普通じゃないおかしいと言うんだったらもういいやって、私はそう思ったんだ。
大体にして今までがそうだったのも事実だけど、自分の思いどうりにならないからって、その人をのけ者にして泣いて謝らせるのっておかしいよね。友達の扱いじゃないよね、お手伝いさんっていうか、もう手下とか子分の扱いだよね。
そう言う当の香苗は教室の向こう側で、新しい仲間になったらしい華やいだ感じの女の子達に何やら日曜日のデートの記念に買って貰ったらしい安っぽいネックレスを見せびらかしてる。いや、安いは言い過ぎかもしれないけど、どうみても千円とかで買えそうな気がします。それくらいここから見ても安っぽいチェーンに見えますけど。ついでに、言うけどもう水曜日だよ?毎日日曜の自慢話が何時まで続くのかなー?聞いてる中に、もううんざり顔の子も実はいるよ?まぁ、もう私にはどうでもいい事だけど、せめて香苗も周りの顔色は見れるようになったら良いよね。そしたらきっともっと大人になれるよね、うん。
私はあえて香苗達が華やぐ光景を気にしないようにする。出来れば香苗の視界からというか、私が視界から完全に外したいという気持ちも心の何処かには感じる。でも、私も其所は大人になら無いとね。同じクラスなのでそこは我慢しながら、窓辺で何時ものように静かに本を読む志賀さんにドキドキしながら歩み寄った。
「志賀さん、何読んでるの?」
「宮井さん…。えっと、『思い出』て言う本なの。」
突然歩み寄って話しかけた私に、志賀さんが少し頬を染めて柔らかく微笑んで私に本を見せてくれる。流石正統派文学美少女、微笑み方が完璧です。こんなにはにかんで微笑まれると、私だって嬉しくなっちゃうのは仕方がない。そう言えば志賀さんが教室で誰かと話をするのは見たことがない。もしかしてと思いながら、ちょっと視線をあげるとこちらの様子を伺っている視線がチラホラ見える。
ですよねー。
これって先日の真見塚君が香坂君に話しかけたのと同じ状況なのだろうと内心ニヤリとしてしまう。いやいや、折角志賀さんが読んでいる本を教えて………
「『思い出』って鳥飼澪?」
「うん、あまり有名じゃ無いと思ってたけど宮井さんも読んでるのよね?」
いやいやいや、奇遇だ、私もその本を持ってる。
て言うか、読んでるってどうしてわかったのかな?何にせよその作家さんについてならタップリ語れる。何たって凄く好きな作家さんなんだもの。
「私その人の書いたの、全部持ってるよ?」
「……ホントに?私も最近やっと揃ったと思うの。中々最初の本が手に入らなくて。」
「あれ今はもう殆ど手に入らないんだよ。出版社が潰れちゃったから絶版になってるの。」
志賀さんのちょっと嬉しそうで興奮した声に、私は思わず香苗がするように勝手に前の人の席を拝借した。しっかり顔を見ながら作家さんについて語らねばと意気込む私に、志賀さんも好奇心で目をキラキラさせながら顔を近づける。
「最近エッセイの連載始めたんだよ?」
「うん、この間書店で気が付いた。」
「一番最近の掲載で、駅前の歩いていける場所の喫茶店が載ったんだけど。」
「知ってる、駅の直ぐ傍だしよく通ってるお店なの。」
「ホントに?!いいなぁ!」
予想外の大興奮で交わされる私達2人の会話の盛り上がりに、クラスの中が微かに驚きを込めたざわめきに包まれる。そんなことはお構い無しでわたしたち好奇心満載のキラキラした瞳でお互いの顔を覗き込んでいた。
「私、ホントはね、昨日本見て宮井さんと話したかったの。あれって『落陽の刻』だったでしょ?!」
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