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6月
39.タマビャクブ
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本当に穏やかな、水曜日。ありがたいほどに代わり映えのない1日で、本当に幸せ。なんて言ったら凄く失礼だけどきょうは1日穏やかに過ごした。夏の展覧会様の作品がやっと完成して、後は絵の具が乾くのを待ちだけになったので他の部員よりちょっと早く帰宅する。
香苗のこともなく、普通な1日。
思い煩う事も何もなくって、ただ普通が嬉しい。もう部活でも私に香苗の事を聞いてくる先輩もいないし、先輩も香苗に作品の事を聞くのは完全に諦めたみたいだ。再三呼び出しても来ないって先輩たちが愚痴ってるから、香苗が何を考えているか知らないけど印象がた落ちなんだろう。クラスの中でも香苗は木内梓とベッタリで、木内梓の他のクラスの友達と新しく仲間になっている。
ま、私にはもう関係ない。
あの後他の中学時代の友人からは連絡はない。まあ、元々香苗とずっと続いてる友人なんて数人だから、そっちと連絡を取ってる暇があったら木内梓と彼氏に時間を使うのだろう。
時々雨が降ることはあっても、学校の行き帰りには関係もなくって本当に普通な1日でした。なーんておわりにしてもいいんだけど、最後の最後に普通でない事。
多分思っているより私と彼のお家が、結構近郊で今まで知らなかっただけで生活圏が同じなんだろうと思う。帰り道をテクテク歩いてたら、私は視線の先に鳥飼さんを見つけた。遠くでもあの長身の上あんなにスタイルがいいと知ってれば直ぐわかるようになるみたいで、何となく私は勢いで奥ゆかしさなんて言葉も忘れて駆け寄ってしまた。
「鳥飼さん!お買い物ですか?!」
「あ、あぁ、君か?驚いた。」
私の声に少し驚いたようにしたけど、鳥飼さんは私を見下ろしてにっこりと笑う。買い物かと思ったけどあの布のバックがないから、お仕事の関係だったのかもしれない。鳥飼さんが頭上の曇り空なんか吹き飛ばしちゃうほどの満点な綺麗な笑顔を向けてくれると、仲良くなった感じで少し嬉しいような気がする。
「元気そうだね、悩み事は解決したの?」
「まだです、でも、大事な友達もいるし、色々考えたし。」
私の言葉にゆったりとした表情で微笑むその表情に、私は何故か少し雪ちゃんを思い出してふと首を傾げた。顔とか全然似てないけど、何処か雪ちゃんと鳥飼さんは似てる感じがするような気がしてしまう。
「そういえば、雪ちゃんと今はお仕事のお付き合いなんですよね?」
「雪ちゃん…あぁ・宇野君ね。うん、そうだよ?」
「じゃぁ小説家さんとか?鳥飼さん…が園芸する人な、訳じゃないですよね?」
一瞬キョトンとしたような表情で私を見下ろした鳥飼さんが、突然耐えきれずに噴き出して笑いだしたのを私は驚いたように見つめる。鳥飼さんって何時もの綺麗な微笑みだけじゃなくて、こんな風にちょっと子供みたいに可愛い顔で笑うこともあるんだ。何がそんなに可笑しかったのか分からない私に、子供みたいで凄く可愛い笑顔のまま鳥飼さんがごめんと呟く。
「いや、ごめん、雪はともかく、俺が園芸してるの想像したら、なんか可笑しくて。」
あ、鳥飼さんが雪ちゃんこの事「雪」って呼んでるって思った瞬間、何でだろう何か私の心の奥でザワザワする感じがした。何処かでそう呼ばれる雪ちゃんをよく知ってるような、でも初めてな様な。私が意味の分からないドキドキに顔を赤くして見つめていたら、不意に目の前に影が射していた。視線を向けると会話の種になっていた人のお仕事の姿中なのかスーツではあるけど、ネクタイがないクールビズ姿がそこにある。
「麻希ちゃんに、信哉?どうしてこんなとこで笑って?」
何時もののほほんとした顔じゃない困ったような顔をした雪ちゃん。あれ、雪ちゃんも鳥飼さんのこと名前で呼んでる。もしかして同級生って簡単に言ってたけど、本当は雪ちゃんと鳥飼さんって仲良かったの?なんて事をぐるぐる思いながら、不意の登場に私も面食らう。隣の笑っていた鳥飼さんもその雪ちゃんの表情に少し眉を潜めたけど、やがて何時もの笑顔に戻り雪ちゃんの姿を眺めた。
「雪ちゃん、どうしたの?まーは?」
「う・うん…今丁度麻希ちゃんの家で預かってもらってて迎えにいくんだ…けど。」
私の問いかけに答えながら視線の先に鳥飼さんを見た雪ちゃんの表情は、何時もののほほんじゃなくずっと険しくて何だか知らない人のようだ。そんなことを考えていたら、ふと何か気がついたように鳥飼さんが一瞬眼を細めてにっこりと雪ちゃんに向かって笑顔を向けて肩をポンと叩く。
「丁度そこで会ったんだ、本当に偶然だ。それじゃ、麻希ちゃん、俺はここで。」
ええ?!今鳥飼さん、私のこと名前で呼んだ!!いやーっ!すごーい!何時名前言ったっけ?あ、雪ちゃんが何回も呼んだからか、なんて独りで盛り上がってみたんだけど。
そう言ってあっさりと人ごみに向かって離れていってしまうその綺麗な後姿を眺めながら、まだ困った顔をしたままの雪ちゃんを見上げる。今の2人の会話どういう意味なのと目で聞いても、雪ちゃんは私に答えを教えてくれるつもりはないみたいで帰ろうと呟く。
その後も雪ちゃんは私に何も言わないまま、2人で何だか気まずい雰囲気で家までの道を並んで歩いた。何度か話しかけようとしたけど、横を見ると少し硬い表情の雪ちゃんしかいなくて、何時もの私の知ってるヘラッとした笑顔の暢気な雪ちゃんは息を潜めてしまって戻ってきてくれない。
家の玄関が見えた頃になっても少し困った顔をしたままの雪ちゃんは、本当に私の知らない人のようにも見えて私は何だか少し怖かった。
香苗のこともなく、普通な1日。
思い煩う事も何もなくって、ただ普通が嬉しい。もう部活でも私に香苗の事を聞いてくる先輩もいないし、先輩も香苗に作品の事を聞くのは完全に諦めたみたいだ。再三呼び出しても来ないって先輩たちが愚痴ってるから、香苗が何を考えているか知らないけど印象がた落ちなんだろう。クラスの中でも香苗は木内梓とベッタリで、木内梓の他のクラスの友達と新しく仲間になっている。
ま、私にはもう関係ない。
あの後他の中学時代の友人からは連絡はない。まあ、元々香苗とずっと続いてる友人なんて数人だから、そっちと連絡を取ってる暇があったら木内梓と彼氏に時間を使うのだろう。
時々雨が降ることはあっても、学校の行き帰りには関係もなくって本当に普通な1日でした。なーんておわりにしてもいいんだけど、最後の最後に普通でない事。
多分思っているより私と彼のお家が、結構近郊で今まで知らなかっただけで生活圏が同じなんだろうと思う。帰り道をテクテク歩いてたら、私は視線の先に鳥飼さんを見つけた。遠くでもあの長身の上あんなにスタイルがいいと知ってれば直ぐわかるようになるみたいで、何となく私は勢いで奥ゆかしさなんて言葉も忘れて駆け寄ってしまた。
「鳥飼さん!お買い物ですか?!」
「あ、あぁ、君か?驚いた。」
私の声に少し驚いたようにしたけど、鳥飼さんは私を見下ろしてにっこりと笑う。買い物かと思ったけどあの布のバックがないから、お仕事の関係だったのかもしれない。鳥飼さんが頭上の曇り空なんか吹き飛ばしちゃうほどの満点な綺麗な笑顔を向けてくれると、仲良くなった感じで少し嬉しいような気がする。
「元気そうだね、悩み事は解決したの?」
「まだです、でも、大事な友達もいるし、色々考えたし。」
私の言葉にゆったりとした表情で微笑むその表情に、私は何故か少し雪ちゃんを思い出してふと首を傾げた。顔とか全然似てないけど、何処か雪ちゃんと鳥飼さんは似てる感じがするような気がしてしまう。
「そういえば、雪ちゃんと今はお仕事のお付き合いなんですよね?」
「雪ちゃん…あぁ・宇野君ね。うん、そうだよ?」
「じゃぁ小説家さんとか?鳥飼さん…が園芸する人な、訳じゃないですよね?」
一瞬キョトンとしたような表情で私を見下ろした鳥飼さんが、突然耐えきれずに噴き出して笑いだしたのを私は驚いたように見つめる。鳥飼さんって何時もの綺麗な微笑みだけじゃなくて、こんな風にちょっと子供みたいに可愛い顔で笑うこともあるんだ。何がそんなに可笑しかったのか分からない私に、子供みたいで凄く可愛い笑顔のまま鳥飼さんがごめんと呟く。
「いや、ごめん、雪はともかく、俺が園芸してるの想像したら、なんか可笑しくて。」
あ、鳥飼さんが雪ちゃんこの事「雪」って呼んでるって思った瞬間、何でだろう何か私の心の奥でザワザワする感じがした。何処かでそう呼ばれる雪ちゃんをよく知ってるような、でも初めてな様な。私が意味の分からないドキドキに顔を赤くして見つめていたら、不意に目の前に影が射していた。視線を向けると会話の種になっていた人のお仕事の姿中なのかスーツではあるけど、ネクタイがないクールビズ姿がそこにある。
「麻希ちゃんに、信哉?どうしてこんなとこで笑って?」
何時もののほほんとした顔じゃない困ったような顔をした雪ちゃん。あれ、雪ちゃんも鳥飼さんのこと名前で呼んでる。もしかして同級生って簡単に言ってたけど、本当は雪ちゃんと鳥飼さんって仲良かったの?なんて事をぐるぐる思いながら、不意の登場に私も面食らう。隣の笑っていた鳥飼さんもその雪ちゃんの表情に少し眉を潜めたけど、やがて何時もの笑顔に戻り雪ちゃんの姿を眺めた。
「雪ちゃん、どうしたの?まーは?」
「う・うん…今丁度麻希ちゃんの家で預かってもらってて迎えにいくんだ…けど。」
私の問いかけに答えながら視線の先に鳥飼さんを見た雪ちゃんの表情は、何時もののほほんじゃなくずっと険しくて何だか知らない人のようだ。そんなことを考えていたら、ふと何か気がついたように鳥飼さんが一瞬眼を細めてにっこりと雪ちゃんに向かって笑顔を向けて肩をポンと叩く。
「丁度そこで会ったんだ、本当に偶然だ。それじゃ、麻希ちゃん、俺はここで。」
ええ?!今鳥飼さん、私のこと名前で呼んだ!!いやーっ!すごーい!何時名前言ったっけ?あ、雪ちゃんが何回も呼んだからか、なんて独りで盛り上がってみたんだけど。
そう言ってあっさりと人ごみに向かって離れていってしまうその綺麗な後姿を眺めながら、まだ困った顔をしたままの雪ちゃんを見上げる。今の2人の会話どういう意味なのと目で聞いても、雪ちゃんは私に答えを教えてくれるつもりはないみたいで帰ろうと呟く。
その後も雪ちゃんは私に何も言わないまま、2人で何だか気まずい雰囲気で家までの道を並んで歩いた。何度か話しかけようとしたけど、横を見ると少し硬い表情の雪ちゃんしかいなくて、何時もの私の知ってるヘラッとした笑顔の暢気な雪ちゃんは息を潜めてしまって戻ってきてくれない。
家の玄関が見えた頃になっても少し困った顔をしたままの雪ちゃんは、本当に私の知らない人のようにも見えて私は何だか少し怖かった。
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