名無しでも拾ってくれますか?

ある

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1章 おばさんじゃなくてお姉さん

最初のお客様。

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僕は今日もニコニコどうですか?
と言い続けた。
すると、スマホを片手に15センチあるんじゃないかなと思うぐらい高いヒール履いたおばさんがカツカツ大きな紙袋を五六個持って歩いていた。
おばさんはいかにも作り笑いっていう笑みを浮かべながら誰かと通話していた。
通話を切った瞬間表情筋が急死したみたいに、口角が下がった。
そしてイライラしているのか
道に転がっていた石を蹴ろうとしたが
高すぎるヒールのせいでコケてしまった。
僕は、慌てて駆け寄る。
持ってた紙袋にはたくさんの書類が入ってたみたいで、それが白線のように雪崩てしまっている。
僕は、それを拾い紙袋に入れた。
それをおばさんに渡すと
おばさんは、顔を真っ赤にして
「ありがとうっ!」と
キレ気味に言ってくれた。
僕は派手なコケ方したしたから
おばさんがちゃんと帰れるか心配していると言うと、おばさんは
「おばさんじゃなくてお姉さん!!」
と真っ先に怒った。
なるほど、女性にはお姉さんと言った
方が良いのだと学んだ。
おば…お姉さんはやはり足を痛めたらしく、僕は家まで送った。
もう大丈夫だろうと帰ろうとした時
お姉さんが、
「あんた、家はどうしたの?」
と聞いてきた。無理はない。
小学生ぐらいの子供が暗くなっても
家に帰らないのは家出ぐらいだ。
家出は補導される。
だいぶ前に仲良くなったヤンチャなお兄さんに教えてもらったことだ。
お姉さんは、警察に突き出すつもりだろうか?悩んでいたら、
「じゃあ、質問を変えるわ。あんたの拾ってくださいって言うのはどういう意味?」
僕は
「寂しい大人の人に子供を提供することです。」
お姉さんは、は?と意味わからないといった顔になった。
「子供好きだけど子供と居られない人の為に子供として拾われるんです。」
今度は笑顔で押し切ってみる。
お姉さんは、はぁー…と溜息をついて
「じゃあ、お姉さんが拾ってあげる」
と言ってくれた。
僕は、
「お姉さんは自分の代わりに子供が欲しいんですか?」
と聞いた。
お姉さんは、
「違う。小さな下僕。」
と言った。

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