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喪失
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茹だるような気温も扉を一枚くぐるだけで秋口のような涼しさに変わる。この弱々しい別世界感は僕に先程の出来事を白昼夢のように思わせてくれた。
「…………涼斗さん、あの……」
彼が先程から気にかけてくれるのは嬉しくてたまらない。でも、僕はさっき彼の弟に何度もキスされて、絶頂までした。
穢れた。
下着の中の不快な湿りが少し動く度に広がる。自分だけに分かるグチョグチョという音が気持ち悪い。
「……口、洗いましょう。ね?」
洗面所に連れて行かれ、ぬるい水の入ったコップを手渡される。
「…………ごめんなさい」
「何言ってるんですか。涼斗さんは何も悪くありませんよ、俺が巻き込んだんです……すいません」
「僕っ……あんな、無理矢理……されたのに、嫌だったのにぃっ……気持ちよく、なっちゃって……」
この身体の全ては彼に捧げるためにあったのに。初めての口付けは彼とするはずだったのに。優しく優しく愛されるはずだったのに。
「…………最低の、変態です」
「それは向こうの方ですよ、涼斗さんは──」
「最低ですよっ! 僕……最低です。もう、汚れちゃった」
「…………涼斗さん」
「……変ですよね。キスされただけで、何そんな気にしてるんだって思いますよね。でもっ……でも、僕……好きな人が居て、その人だけが好きでっ……その人にっ……」
あなたのために今まで生きてきたんだと思えた。あなたに尽くすためにここに居ると確信した。
そう言ったら彼はどんな反応を見せるだろう。
「…………カレー、作りますね。少し遅れちゃいました。ごめんなさい……すぐ作りますから。あ……その前に、ちょっと着替えていいですか?」
これ以上話していたら彼に僕の想いがバレてしまう。彼に好きだと伝えてしまう。今はダメだ、今日の出来事がいつか風化する日が来たら──きっと僕には来ないけれど、彼には来るはずだから──その時に純潔のフリをして彼の胸に飛び込もう。
下半身だけのシャワーを済ませ、着替え終わり、台所に置いたスーパーの袋を漁る。
彼は僕を心配そうに見てはいるが、僕が気にかけられることを今は望んでいないことを察し、一定の距離から近寄ってはこない。
「……凪さんって具は大きい方が好きですか? 小さい方が好きですか?」
重苦しい空気を誤魔化そうと時折にそんな質問をしつつ、陽が落ちる頃にはカレーが完成した。自画自賛になるが中々良い出来だ、彼は喜んでくれるだろうか。
「…………美味しい! 美味しいですよ、涼斗さん!」
一口運び、数秒味わった後に彼は大袈裟にそう言った。きっと僕を元気付けようとしてくれているのだろう。
「……ありがとうございます」
雑談代わりに彼の好みを聞きながら作ったから彼の好みにピッタリだとは思うけれど、どんな褒め言葉も僕への気遣いに聞こえてしまう。
本当に美味しいと思ってくれているんだろうか……あいつが来なかったら、何もされなかったら、こんな悩み抱えずに済んだのに。
「ごちそうさまでした」
「……お粗末さま」
彼が僕の作った料理を食べ終わった。それだけなのにとても大きなことを成し遂げた気がして、彼が食べる様を見て興奮していて、それを悟られないように素早く皿を流し台に運んだ。
「……あ、皿洗いは俺が」
「凪さんは座っててください。僕がやりますから」
「…………でも」
「気にしないでください。凪さんはお客様ですし……精一杯もてなしたいなって思ってるんです。汲み取ってくれませんか?」
彼は僅かに眉尻を下げ、僕の頭を撫でて微笑んだ。そして僕のお気に入りのクッションの上に座り、自室から持ってきたらしい雑誌を読み始めた。
「…………凪さんの」
僕は頭を撫でられた余韻に浸りながらも、彼が使っていたスプーンに目を奪われていた。彼がこちらを向いていないことを確認し、水を流して音を立て、背を向けてそのスプーンを口に含んだ。
付着していたルーが綺麗になくなり、持ち手の方に唾液が滴る。こっちも彼が手袋越しとはいえ握っていた部分だ、勿体ないことをした。
「……気持ち悪いな、僕」
彼がこちらを向いていないことを再確認し、皿洗いを始めた。
皿洗いを終え、そっと彼の隣に膝をつく。
「凪さん、あの……デザート、ありますけど……食べます?」
「デザート?」
「……はい、ショートケーキ。家の前で落としたから、ちょっと崩れちゃったと思うんですけど」
あいつさえ居なければ夕飯もデザートも楽しさだけがあったのに。
「ショートケーキ! 是非!」
ショートケーキと聞いて彼は少年のように目を輝かせる。本当に可愛い人だ。涼やかな大人の美しさがあるのにどこか抜けていて、守りたくなる。
守る……か。自分のファーストキスする守れなかったくせに、何をほざいているんだか。
「ありがとうございます! 俺、ショートケーキ大好きなんですよ!」
「……喫茶店で食べてるの見て……そうじゃないかなって」
「あぁ……そうだ、喫茶店。涼斗さんお金多く置いて行ったでしょう? お釣り取ってあるみたいなのでまた今度行ってみてくださいね」
あの場所では名乗っていなかったが、彼はあの時の僕を覚えていてくれたのか。まぁ、頭を打って紙幣を机に叩きつけて帰るような不審者、そうそう忘れられないか。
「……涼斗さんのはないんですか?」
「はい、僕、甘いものそんなに好きじゃないので……お構いなく」
僕は彼が苺を食むところをもう一度見たかったのだ。どうせならカメラに収めたいところだが、彼には隠しカメラも気付かれてしまったし、ここで携帯を向けるのもおかしな話だ。
「……っ!」
彼の薄桃色の唇が真っ赤な苺を挟んで、そっと中に入れて──そんな美術品のような光景は目に焼き付ける他の選択肢はない。
「…………食べます?」
僕がじっと見ているのを欲しがっていると思ったのか、彼はショートケーキの先端を掬ったフォークを僕に向けた。
「い、いえ、大丈夫です……」
あぁ、今断らずに口を開けていれば「あーん」をしてもらえたのか? 失敗だ。
層になったクリームとスポンジをフォークを横にして切り分け、一口ずつ持ち上げる。一瞬だけ開く唇と、微かに見える白い歯、そして赤い舌。その仕草も口元も何もかもが艶やかで、僕の欲望を煽る。
「……ごちそうさまでした。ありがとうございます、涼斗さん」
最後に唇を舐めて、フォークを置いて手を合わせ、僕の方を向いて微笑む。
「…………凪さん。お願いがあります」
「何ですか? お世話になりましたから出来ることなら何でもしますよ」
「……キスしてください」
「…………へ?」
「何でもしてくれるんでしょう? なら、キスしてください。一瞬だけでいいので」
何を口走っているんだ、僕は。でも、もう言ってしまったし、欲望は止まらない。ケーキなんて買うんじゃなかった、喫茶店で彼が苺を食べた瞬間に勃起した僕が全て食べ終わるまでじっくりと観察して理性を保てる訳がなかった。
「……涼斗さん。それは……ダメです」
当然のことながら断られる。どうして衝動を抑えられなかったのだろう、もう……嫌われてしまった。
「…………キスなんて何でもないって思いたいんですよね? ダメですよ、そんなことしても楽になりません。好きな人とだけしていいものなんです」
好きな人はあなただけなんです。そう言いかけて、戻り始めた理性がブレーキをかける。
「……ショックだったんですよね。すいません……俺の責任です。だから、これからあなたがそのケアのために受診するならその代金は俺が支払います。俺にできる責任の取り方は金銭だけです。あなたのキスの価値を引き下げることなんて出来ません、それはあなたの心をさらに傷付けることになりますから。どうか……よく考えてください。俺にキスされても同じ気持ちになるだけです。嫌な思い出が増えるだけですよ」
同じ気持ちになんてならない。嫌な思い出になんてならない。そう叫びたくてもまだ好意を悟られていないという事実を覆したくなくて黙り込む。
頭を撫でられて涙が零れた。
「…………考え直してくれました?」
頷きながら、心の中だけで叫ぶ。
あなたが好きです。愛してます。全身撫でて、優しくキスをして、思考が蕩けるまで抱いてください。
「……良かった。涼斗さん……あなたは真っ直ぐ育ってくださいね」
大好きな彼は僕を傷付いた子供として扱って、大切に修理しようとしてくれる。でも、僕の本当の修理の仕方は……あなたに愛されることだけ。
「…………涼斗さん、あの……」
彼が先程から気にかけてくれるのは嬉しくてたまらない。でも、僕はさっき彼の弟に何度もキスされて、絶頂までした。
穢れた。
下着の中の不快な湿りが少し動く度に広がる。自分だけに分かるグチョグチョという音が気持ち悪い。
「……口、洗いましょう。ね?」
洗面所に連れて行かれ、ぬるい水の入ったコップを手渡される。
「…………ごめんなさい」
「何言ってるんですか。涼斗さんは何も悪くありませんよ、俺が巻き込んだんです……すいません」
「僕っ……あんな、無理矢理……されたのに、嫌だったのにぃっ……気持ちよく、なっちゃって……」
この身体の全ては彼に捧げるためにあったのに。初めての口付けは彼とするはずだったのに。優しく優しく愛されるはずだったのに。
「…………最低の、変態です」
「それは向こうの方ですよ、涼斗さんは──」
「最低ですよっ! 僕……最低です。もう、汚れちゃった」
「…………涼斗さん」
「……変ですよね。キスされただけで、何そんな気にしてるんだって思いますよね。でもっ……でも、僕……好きな人が居て、その人だけが好きでっ……その人にっ……」
あなたのために今まで生きてきたんだと思えた。あなたに尽くすためにここに居ると確信した。
そう言ったら彼はどんな反応を見せるだろう。
「…………カレー、作りますね。少し遅れちゃいました。ごめんなさい……すぐ作りますから。あ……その前に、ちょっと着替えていいですか?」
これ以上話していたら彼に僕の想いがバレてしまう。彼に好きだと伝えてしまう。今はダメだ、今日の出来事がいつか風化する日が来たら──きっと僕には来ないけれど、彼には来るはずだから──その時に純潔のフリをして彼の胸に飛び込もう。
下半身だけのシャワーを済ませ、着替え終わり、台所に置いたスーパーの袋を漁る。
彼は僕を心配そうに見てはいるが、僕が気にかけられることを今は望んでいないことを察し、一定の距離から近寄ってはこない。
「……凪さんって具は大きい方が好きですか? 小さい方が好きですか?」
重苦しい空気を誤魔化そうと時折にそんな質問をしつつ、陽が落ちる頃にはカレーが完成した。自画自賛になるが中々良い出来だ、彼は喜んでくれるだろうか。
「…………美味しい! 美味しいですよ、涼斗さん!」
一口運び、数秒味わった後に彼は大袈裟にそう言った。きっと僕を元気付けようとしてくれているのだろう。
「……ありがとうございます」
雑談代わりに彼の好みを聞きながら作ったから彼の好みにピッタリだとは思うけれど、どんな褒め言葉も僕への気遣いに聞こえてしまう。
本当に美味しいと思ってくれているんだろうか……あいつが来なかったら、何もされなかったら、こんな悩み抱えずに済んだのに。
「ごちそうさまでした」
「……お粗末さま」
彼が僕の作った料理を食べ終わった。それだけなのにとても大きなことを成し遂げた気がして、彼が食べる様を見て興奮していて、それを悟られないように素早く皿を流し台に運んだ。
「……あ、皿洗いは俺が」
「凪さんは座っててください。僕がやりますから」
「…………でも」
「気にしないでください。凪さんはお客様ですし……精一杯もてなしたいなって思ってるんです。汲み取ってくれませんか?」
彼は僅かに眉尻を下げ、僕の頭を撫でて微笑んだ。そして僕のお気に入りのクッションの上に座り、自室から持ってきたらしい雑誌を読み始めた。
「…………凪さんの」
僕は頭を撫でられた余韻に浸りながらも、彼が使っていたスプーンに目を奪われていた。彼がこちらを向いていないことを確認し、水を流して音を立て、背を向けてそのスプーンを口に含んだ。
付着していたルーが綺麗になくなり、持ち手の方に唾液が滴る。こっちも彼が手袋越しとはいえ握っていた部分だ、勿体ないことをした。
「……気持ち悪いな、僕」
彼がこちらを向いていないことを再確認し、皿洗いを始めた。
皿洗いを終え、そっと彼の隣に膝をつく。
「凪さん、あの……デザート、ありますけど……食べます?」
「デザート?」
「……はい、ショートケーキ。家の前で落としたから、ちょっと崩れちゃったと思うんですけど」
あいつさえ居なければ夕飯もデザートも楽しさだけがあったのに。
「ショートケーキ! 是非!」
ショートケーキと聞いて彼は少年のように目を輝かせる。本当に可愛い人だ。涼やかな大人の美しさがあるのにどこか抜けていて、守りたくなる。
守る……か。自分のファーストキスする守れなかったくせに、何をほざいているんだか。
「ありがとうございます! 俺、ショートケーキ大好きなんですよ!」
「……喫茶店で食べてるの見て……そうじゃないかなって」
「あぁ……そうだ、喫茶店。涼斗さんお金多く置いて行ったでしょう? お釣り取ってあるみたいなのでまた今度行ってみてくださいね」
あの場所では名乗っていなかったが、彼はあの時の僕を覚えていてくれたのか。まぁ、頭を打って紙幣を机に叩きつけて帰るような不審者、そうそう忘れられないか。
「……涼斗さんのはないんですか?」
「はい、僕、甘いものそんなに好きじゃないので……お構いなく」
僕は彼が苺を食むところをもう一度見たかったのだ。どうせならカメラに収めたいところだが、彼には隠しカメラも気付かれてしまったし、ここで携帯を向けるのもおかしな話だ。
「……っ!」
彼の薄桃色の唇が真っ赤な苺を挟んで、そっと中に入れて──そんな美術品のような光景は目に焼き付ける他の選択肢はない。
「…………食べます?」
僕がじっと見ているのを欲しがっていると思ったのか、彼はショートケーキの先端を掬ったフォークを僕に向けた。
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あぁ、今断らずに口を開けていれば「あーん」をしてもらえたのか? 失敗だ。
層になったクリームとスポンジをフォークを横にして切り分け、一口ずつ持ち上げる。一瞬だけ開く唇と、微かに見える白い歯、そして赤い舌。その仕草も口元も何もかもが艶やかで、僕の欲望を煽る。
「……ごちそうさまでした。ありがとうございます、涼斗さん」
最後に唇を舐めて、フォークを置いて手を合わせ、僕の方を向いて微笑む。
「…………凪さん。お願いがあります」
「何ですか? お世話になりましたから出来ることなら何でもしますよ」
「……キスしてください」
「…………へ?」
「何でもしてくれるんでしょう? なら、キスしてください。一瞬だけでいいので」
何を口走っているんだ、僕は。でも、もう言ってしまったし、欲望は止まらない。ケーキなんて買うんじゃなかった、喫茶店で彼が苺を食べた瞬間に勃起した僕が全て食べ終わるまでじっくりと観察して理性を保てる訳がなかった。
「……涼斗さん。それは……ダメです」
当然のことながら断られる。どうして衝動を抑えられなかったのだろう、もう……嫌われてしまった。
「…………キスなんて何でもないって思いたいんですよね? ダメですよ、そんなことしても楽になりません。好きな人とだけしていいものなんです」
好きな人はあなただけなんです。そう言いかけて、戻り始めた理性がブレーキをかける。
「……ショックだったんですよね。すいません……俺の責任です。だから、これからあなたがそのケアのために受診するならその代金は俺が支払います。俺にできる責任の取り方は金銭だけです。あなたのキスの価値を引き下げることなんて出来ません、それはあなたの心をさらに傷付けることになりますから。どうか……よく考えてください。俺にキスされても同じ気持ちになるだけです。嫌な思い出が増えるだけですよ」
同じ気持ちになんてならない。嫌な思い出になんてならない。そう叫びたくてもまだ好意を悟られていないという事実を覆したくなくて黙り込む。
頭を撫でられて涙が零れた。
「…………考え直してくれました?」
頷きながら、心の中だけで叫ぶ。
あなたが好きです。愛してます。全身撫でて、優しくキスをして、思考が蕩けるまで抱いてください。
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