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液体だけならノーカウント

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僕の陰茎をちゃんと扱きたいらしいシンヤは、僕に自分の後孔をほぐすのはしばらくやめて欲しいと頼んだ。泣き顔フェチの僕に涙を見せたのが彼の敗因だ。

「んぁあっ♡♡ やぁんっ♡ 指入れちゃったら、俺もぉむりっ♡」

中指を第一関節まで挿入しただけでこの反応。

「無理じゃないの、ちゃんと扱いて。中出しして欲しいんでしょ?」

「して欲しい……♡ ぁうんっ♡♡ んぁあっ♡ 指動かしちゃらめぇっ♡♡」

「僕の扱いた後に君のほぐしたら、僕はどれだけ待たなきゃならないのさ。君のほぐした後で僕の扱くならいいけど……君ほぐすだけでイっちゃってしばらく手震えちゃうしなぁ」

「んんんっ……♡ 今日のヒロくんなんかいじわる」

つい泣き顔が見たくなってしまっていた。ダメだ、故意には泣かせないと決めたのに……快感のあまり涙を流すならセーフだ、そっちを狙おう。

「ごめんごめん、泣いてる君が可愛くてさ、もうちょい見たくなってた」

「……ヒロくん趣味悪いよ」

「君も大概だよ」

僕なんかに一目惚れするのも、僕なんかへの愛情を深め続けるのも、僕にはまったく理解出来ない。

「ひゃんっ♡♡ なんでぇっ、俺ヒロくん大好きなだけっ……ヒロくんかっこいいし、可愛いしぃっ……♡」

「その感性が謎」

「自分の魅力分かってよぉ……ひゃうんっ♡♡♡」

ゆっくりと奥へ進めていた中指が前立腺を捉えた。僕の腹に当てられているシンヤの陰茎、それと同じく膨れている前立腺を軽く撫で回す。

「んぁあぁっ♡♡ はぅうんっ……♡♡ そこらめぇっ♡ 腰がっ……ぁあんっ♡♡♡」

「腰? へこへこ動いちゃってるね、可愛い……シンヤくんが誰かを抱くなんてありえないのに、雄の習性だけはあるんだね」

へこへこと腰が揺れているから、僕の腹にはシンヤの陰茎が擦り付けられている。直に射精するだろう、シャツくらい脱いでおくんだったな。

「んっ……ゆっくり撫でるの辛いみたいだから、とんとんしてあげるね」

ぎゅうぅっ……と陰茎を強く握られた痛みに思わず声が漏れた。シンヤに気付く余裕がなくて助かった、僕は焦らずシンヤの前立腺を優しく叩いた。

「……っ♡ ぁんっ♡♡ あぁんっ♡ ひゃんっ♡♡ ぃやぁあんっ♡♡」

「あっ……ゃ、ばっ……これっ、こっちのがやばいかも……」

ゆっくりと擦って少しずつ快感を高めたら、連動したシンヤの手は僕の陰茎にゆっくりと力を込めた。
しかしトントンと前立腺に途切れ途切れに快感を送ってやると、シンヤはぎゅっぎゅっとリズムよく僕の陰茎を握るようになった。

「……っ、はぁっ……」

ゆっくりとした時と違って大した力ではないから愛撫として成立している。

「シンヤくんっ、ダメだ出ちゃうっ、もう出る、手離して……!」

指一本分緩んだ後孔に亀頭を押し当てる、鈴口がちゃんと収まるように気を付けながら。シンヤの手に手を重ねて扱き、自分の加減で射精した。

「……っ、はぁ……」

白濁液で汚れた後孔を見て思う。これはまだ処女なのだろうか? と。陰茎さえ入れなければ処女だなんて、精液を注いでいるのに──いや、気にしないようにしよう、どうせ男の処女に明確な定義など必要ないのだから、シンヤの処女が散るのは僕の陰茎が挿入された瞬間ということにしよう。
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