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苦痛の時間

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英単語帳をパラパラとめくる、スペルは一つも頭に入ってこない。楽そうな部屋着を着たシンヤにばかり視線が向く。

「んー……うん、出来た。問題出来たよヒロくん」

緩い襟ぐりから覗いている鎖骨をじっと見つめているとシンヤがこちらを向いた。

「現代文の問題三つ作ってみたよ。英単語、何ページ覚えられた?」

「えっ……? いや、一ページも……こんな短時間じゃ無理だよ」

「そうなの……? まぁいいや、三問出すから解いてみて♡」

シンヤはまず僕に国語の教科書を渡し、主人公の行動の真意が分かる文を抜き出せと出題した。よくある現国の設問だ。

「これなら分かるよ、書いてるもん。この文だろ?」

「正解♡ 現国は答えを抜き出すだけだから一番簡単だよね、文法とかやった方がいいかな。ま、とりあえず次の問題……主人公は──」

僕はシンヤが出題した三問の問題のうち、二問正解した。予め報酬を決めていなかったので英単語問題の時と同じものにしようと、尻揉みが許可された。

「立った方がいい?」

「うん……あ、ねぇ、キスもいい? ノーミスで手コキ、一問以下のミスでお尻、二問以下のミスでキスなんだからさ、お尻揉みながらキスしていいんだよね」

「えー……以下なんて言ってないのに。そんなに俺とキスしたいの? そう……♡ ぇへへ……♡♡ 仕方ないなぁヒロくん♡」

「ありがとう!」

僕は立ち上がってシンヤに抱きつき、スウェット越しの尻を鷲掴みにした。

「んっ……♡ ヒロくん、直接でもいいよ……♡」

「本当!? 嬉しい……! あ、キスしてよキス、シンヤくん背が高くて届かないよ」

「えぇ……? ふふ、ヒロくん可愛い♡♡」

スウェットと下着の中に忍び込んだ手が生尻の感触を味わう。真上を向くと長い腕が首に絡められて唇が重なり、ゆっくりと舌が口内に入ってきた。

「ん……! ん、んっ……」

ぬるぬると上顎を舌の腹で撫で回される。僕の上顎の凹凸がどんなふうかシンヤに調べられているような感じがする。

「んんっ……!?」

僕の口を弄ぶシンヤの舌をぢゅーっと吸ってやる。ビクンと身体を跳ねさせた彼の尻を揉みしだき、吸い付くような肌と弾力ある柔らかい肉を楽しむ。

「んっ、ふ……んんっ、く、ぅんっ……!」

もじもじと焦れったそうなシンヤの尻肉を掴んで割れ目を開いてやり、拡がった後孔をすかさず狙うと、シンヤは僕の手を掴んで引き剥がした。

「ぷはっ……も、やりすぎ! お尻揉むだけだって約束したじゃん」

「お尻揉んでただけだよ」

「嘘っ、ぁ、穴……に、指っ……入れた」

「…………揉むのに入らない?」

「入らない! もう……次、文法問題やるよ」

「文法嫌い……」

キスと尻揉みはとても幸せな時間だった、勉強という苦痛の時間があるからこそ幸福が際立ち、好き放題出来ていた今までの日々はどれだけ恵まれていたのだろうとため息をついた。
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