過労死で異世界転生したのですがサキュバス好きを神様に勘違いされ総受けインキュバスにされてしまいました

ムーン

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蜘蛛って交尾そこでするんだ

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目を覚ますと月が見えた。まだ夜だ、幸運にも何時間も眠らなかったらしい。俺を包んだペガサスはぐっすりと眠っている、今なら逃げられるだろう。
起こさないように慎重に逃げ出し、膝上で切られた足の断面や手のひらを擦りむきながら森を進んでいく。

「痛っ、ぁ……うぅ、また血が……」

かさぶたや皮膚が剥がれて血が零れ出すともう痛みで歩けない。それでも何とか木陰に隠れる程度の移動は果たし、木を背もたれに休むことにした。かさぶたが張ったらまた歩こう、そう考え、再生を待った。

「…………ん? 雨?」

ポタ、ポタ……と頭や肩に水が落ちてきた。雨にしては生温い。シュゥゥ……と息を吐くような音に前世で見たSFホラー映画を思い出し、嫌な予感を抱えつつ見上げれば、巨大な蜘蛛の影が月を隠していた。

「ひっ……!?」

四つん這いで移動していたから引っかからず気付きもしなかったが、この周囲の木には月光に煌めく糸が絡まっている、ここは蜘蛛の巣だ。

「ぁ、あっ……お、お邪魔しました」

慌てて逃げようとするも、のろい俺はあっさりと捕まってしまった。手足を大の字に広げるように蜘蛛の巣に縛りつけられ、巣に持ち上げられた時に落としてしまったアルマの首に手を伸ばす。しかし当然手は動かない。丈夫なだけでなく粘っこい蜘蛛の糸を解く力は俺にはない。

「ゃ……やめ、て、食べないで……俺には、助けなきゃいけない奴がいるんだ。ここで俺を食ったら、お前はそいつらも殺すことになるんだぞ!?」

殺人に罪悪感を抱く訳もない化け物に、言葉すら通じない遠く離れた種の魔物に、そんなことを言っても無駄だ。それでも諦め悪く喚いていると蜘蛛は俺の口に顔の真横に生えた短い脚らしきモノを突っ込んだ。

「んっ、んゔぅぅううっ! んーっ! んぅーっ!」

蜘蛛はどんな風に獲物を食うんだったか。毒は持っているのか? 溶かして飲むんだったか? やめて、助けて──蜘蛛に食われるのだと確信していた俺の口内に何かが流し込まれた。

「ん……? んっ!? んぅっ、んっ……ん、んっ……」

美味しい。

「んっ……ぷはっ、な、何……精液?」

まさか、性器……なのか? 顔の横にあるのか? 待て、性器? 俺に興奮している? この蜘蛛も特性が効いて俺に欲情した雄なのか?
蜘蛛はシュウシュウと鳴いて首を傾げ、身体を反転させた。穴間違えたってか? ふざけるな、気付くな、どっちにしたって孕まないからな。

「ゃ、やめろっ、やめろよっ、俺男だって! なぁ! つーか形違いすぎる! どこに入れればいいのかも分かってねぇくせにヤりたがるなよ、同種のメスとヤって食われちまえよぉっ! あぁあキモいキモいキモい腹見せんなぁあっ! ぁーっ! 足っ、足多いっ、キモいんだよぉっ!」

虫は嫌だ、虫は嫌だ、虫は嫌だ、獣の方がまだマシだ。八本の足が目の前でうねっているのも嫌なのに、毛が生えていると目で分かってしまうことも嫌なのに、虫は前世から大嫌いなのに、虫に犯されるなんて考えたくもない。
しかしどれだけ嫌だと叫んでもそれは言葉にならないし、誰にも届かない。蜘蛛の性器はあっさりと俺に挿入された。

「んっ、んゔぅっ、んくぅうっ! ぅ、あぁっ! ひっ、拡げるなぁっ、やめっ、ぁああっ!」

ぐちゅぐちゅと穴を掻き回す二本の脚っぽいモノ。体温もないし肉の棒なんかじゃない、やはり虫は生き物として俺達と根本的に違う。
不快と嫌悪に満たされても腸壁を引っ掻く刺々しい性器は俺に快楽を与え、声を甘えたものに変えさせる。勝手にカクカクと腰が揺れ始め、精液を欲しがってきゅうきゅうと締め付ける。

「やだっ、やぁあっ、イくっ、やだっ、イっ……ぁ、あっ…………ぁ? きたっ、んぁ……おい、しぃ……」

絶頂を迎えた直後、精液が流し込まれる。人型の者とは違って勢いよく噴き出すのではなく、注入されている気分だ。
巣に縛り付けられた身体をガクガクと震わせていると、俺に精液を注いでいた蜘蛛の身体が真っ二つに割れた。続けて蜘蛛の巣を持ち上げていた糸達が切られ、俺は地面に落とされた。

「……サク」

巣ごと落とされた俺はまだ身動きが取れず、背中を打った痛みに呻き、勃起したままの性器を揺らし、月明かりに輝く金髪の眩しさに目を細めた。

「いってぇ…………あ、ネメスィ……?」

「……平気か、サク」

「ぅ、うん、えっと……体の方も剥がしてくれると嬉しいんだけど」

粘着質な糸は俺を解放していない。地面と接着されてしまったかもしれない。

「……お、おい、ネメスィ……? ゃ、んっ! 何してっ、あぁっ! お前っ、状況考えろよぉっ!」

屈んだネメスィに蜘蛛の糸からの救出を期待したが、ネメスィは糸には触れずに勃起したままだった性器をつついた。

「ぁ、はぁっ……ダメっ、さきっちょくりくりしちゃっ、らめぇっ、らめなのっ……らめっ、らってぇっ!」

ゴブリンやペガサスや蜘蛛や……人型ではない魔物ばかりを相手にしてきた俺の身体は知性を持った相手による愛撫に悦んでいた。自分の欲望を満たすためではなく触れられる悦びに気付いてしまっていた。

「イくっ、イくからっ、イくからぁっ! らめっ……今イったら、死んじゃうっ……!」

あと一擦りで射精する、そんな瞬間にネメスィは手を止めた。

「……腹が減っていたのか、悪かったな。だが蜘蛛のすぐ後なのは少し……サク、もう少し辛抱しろよ」

寸止めされた理由が分からずに腰を振っているとネメスィの指が後孔に突っ込まれ、既に吸収してしまっているのに精液を掻き出すように引っ掻かれた。その腸壁を擦られる刺激で絶頂しかけたがなんとか耐え、性器を挿入された瞬間に精液をまき散らした。
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