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守られてばかりの自分が嫌だ
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飛んできた矢はネメスィの頬を掠めて木に刺さっている。ネメスィは剣を杖のように使って立とうとしているが、腕にも足にも力が入らないらしく、苦しそうな呼吸に呻き声が混ざるだけだ。
「……サク、入ってろ……ここは、通さない……お前は夫と静かに暮らすんだ。俺が、それをっ……叶え、る…………俺には、もうっ、それしか……!」
インキュバスは夜目のきく魔物らしく、ようやくこの身体に慣れてきた最近は遠くを見る時のように力めば真っ暗闇でも豆電球を点けた部屋程度に見えるようになる。ネメスィを射った弓矢を持ったゴブリンを見つけられた。
「ネメスィ、アイツ倒したら中に入れてやるからちょっと待ってろよ」
「……!? ま、てっ……サク、ダメだ、出るな……!」
「大丈夫、ネメスィ。一体くらいなら倒せるから」
「サク、待てっ、ゴブリンが一体で居るわけが……!」
手のひらと足の断面が地面に擦れる痛みを堪え、弓矢を持ったゴブリンの元へ向かう。慌てて矢を番えようともたつくゴブリンを見て勝利を確信するが、手に縄らしき物が巻きついた。
「え……罠!?」
地面に置かれていたらしい輪の中に手を入れてしまい、木陰に隠れていたもう一匹のゴブリンがその縄の先を引いて輪を絞り、俺の手首に縄を巻き付けた。
こんな原始的な罠に嵌められるなんて……文明は集団を強くするけれど個人を弱くするのだ。
「ひっ……!?」
木陰に隠れていたゴブリンは多かったようで、俺の手首に巻き付けた縄を協力して持って走り始めた。
「サクっ!? サク! サク…………クソっ、おい、起きろ! 起きろオーガ!」
ネメスィの怒鳴り声がどんどんと遠くなり、森の中を引き摺られる俺はどんどんと傷を負っていく。地面に擦れて肌が剥けてしまうのはもちろん、ゴブリン達が飛び越えた木の根に思い切りぶつかって骨折を確信する痛みを味わうことも多い。
森と草原の曖昧な境界付近まで引き摺られ、激痛に浅い呼吸を繰り返す俺の周りでゴブリン達は性器を膨らませた。
「く、来るなら……一人ずつ来て欲しいな、その方がじっくりできるしさ……な?」
尻尾は自由に動く、一匹ずつなら絞め殺せるかもしれない。
ゴブリン達は俺の言葉が通じているのか通じていないのか、俺の要求に乗らずに集団で飛びかかってきた。何とか一匹の首に尻尾を巻き付かせることができたが、胸に飛び乗られて肺の空気を追い出され、力を抜いてしまった。
「痛いっ、痛いっ……乗るなっ、肋骨絶対折れてっ……!」
木の根に何度も強打された肋骨はきっと折れている。淫魔の骨はきっと人間より脆いのだ、比重が軽そうだから多分そうだ。
短く細い陰茎を挿入されるより、口内に臭い性器を押し付けられるより、全身にカウパーを塗り付けられるより、痛みが嫌だった。
「ぅ、ああっ……助けて、誰かっ……!」
また誰かに頼るのか、俺は。助けたかったのに、役に立ちたかったのに──あぁ、でも、俺の方に引き付けられたのならネメスィは助かったかな。
「助けて女神様ぁっ!」
ほとんど無意識にそう叫ぶと俺の背後から真っ黒の巨大な腕が現れた。右手なのか左手なのかも分からないそれには鋭い鉤爪があり、ゆらりと揺れただけでゴブリンを引き裂き、俺を助けた。
「ぇ……あ、ぁっ……ひっ……グロ……ぅ、おぇえっ……!」
『……助けてあげたよ、サッ君』
「ぅぷ……ぅ? あ、女神様……」
噎せ返る血の匂いと散らばったゴブリンの残骸の凄惨な景色に嗚咽しているといつの間にか女神が隣に居た。
『サッ君、ボクが振るう力はキミの魔力によるんだ。キミしか信者が居ないから信仰を力に変えるのは難しくて、キミの魔力をもらってるんだ、税金みたいなものさ、分かるよね?』
嘔吐のせいか喉が痛いし頭もガンガンする。そんな説明今しないで欲しい。
『キミが男から吸った魔力でボクは強くなって、キミがボクに願うだけでボクは神様として成長する……ボクが何も叶えなくてもね。ふふ……頑張ってねサッ君!』
そういえば何だか腹が減った。アルマとしたばかりなのに……女神に魔力を渡したのか? その魔力によってゴブリンから助けられたのか? もっと早く女神に頼ればよかった、そうすれば森を引きずり回されて大怪我をすることなんてなかったのに。
「……サク? サクなのか? サク……! 大丈夫か!?」
倦怠感で動けずにいると光の球が木々の間を抜けてくるのが見えた。次第に近付くそれはカタラが杖の先を光らせたものだと分かった。
「なんでこんなとこに……ってうわっ! なんだよこれ、ゴブリン……? 他に誰か居たのか? ネメスィは?」
俺の元へ走ってきたカタラはゴブリンの残骸を踏んで転び、白い衣装を血で汚した。ゴブリンが死んでいるのに俺の他に誰も居ないことを不審に思ったようだが、すぐに俺の怪我に気付いてその不審を捨てた。
「酷い怪我だな……ゴブリンにやられたのか? 大丈夫だぞ、馬車に樹液がまだあったはずだ」
カタラの腕が背中の下に潜り、俺の体を持ち上げる。背中の皮は剥けていて腕が触れれば痛いし、持ち上げられると折れた骨が体内を動いて痛い。
「痛っ……!」
「ちょっとだけ我慢してくれ……ぁ、そうだ」
歩き出さずにじっと俺の目を見つめ、しばらくすると痛みが少し引いた。
「……麻痺、効いたか?」
「ちょっとマシ……ありがとう」
木々の隙間を抜けてすぐに馬車が見え、中のランプを灯すとカタラは荷物を漁って魔樹の樹液を俺に飲ませた。高価らしいそれを何の躊躇もなく一瓶飲ませてくれたカタラからは確かな愛情が伝わってくる。
「……治ってきた、かな」
「そうか! よかった……!」
深い青色の瞳に涙を浮かべて喜ぶカタラにネメスィが言っていたような傷の痕跡はない。彼も樹液で体を癒したのだろうか? だが、人間に樹液は魔物ほどの即効性はないらしいし……まぁ、無事ならいいか。
『ねぇサッ君』
何の躊躇もせず高価な物を俺に使ったカタラへの対応を考えていると頭の中で声が響いた。
『ボクが存在し続けるためには魔力がかなり要るんだ。サッ君に特性付けたのはその魔力の効率いい集め方をやらせるつもりなんだよ』
女神の声だ。
『ほら、この人間とヤってよ』
囁かれた途端、身体が熱くなる。ゴブリンから身を守るために女神を呼び出して、それで魔力を使ったのは分かる。召喚魔法みたいなものだったのだろう? それで腹が減るのは分かるが、腹が減ったからといって俺の身体がこんなにも強く男を求めることは今までなかった。
「……っ、カタラ……カタラぁ……」
「お、おぉ……どした、エロい顔して」
「熱いっ……助けて、カタラ……」
危機は脱した、怪我も治った、アルマの元へ戻って彼に抱かれるべきだ、俺は彼の伴侶なのだから。
分かっているのに抑えが効かない。淫魔の本能が身体中を駆け巡り、張り裂けそうなくらいに叫ぶ。
目の前の雄を食えと。
「……サク、入ってろ……ここは、通さない……お前は夫と静かに暮らすんだ。俺が、それをっ……叶え、る…………俺には、もうっ、それしか……!」
インキュバスは夜目のきく魔物らしく、ようやくこの身体に慣れてきた最近は遠くを見る時のように力めば真っ暗闇でも豆電球を点けた部屋程度に見えるようになる。ネメスィを射った弓矢を持ったゴブリンを見つけられた。
「ネメスィ、アイツ倒したら中に入れてやるからちょっと待ってろよ」
「……!? ま、てっ……サク、ダメだ、出るな……!」
「大丈夫、ネメスィ。一体くらいなら倒せるから」
「サク、待てっ、ゴブリンが一体で居るわけが……!」
手のひらと足の断面が地面に擦れる痛みを堪え、弓矢を持ったゴブリンの元へ向かう。慌てて矢を番えようともたつくゴブリンを見て勝利を確信するが、手に縄らしき物が巻きついた。
「え……罠!?」
地面に置かれていたらしい輪の中に手を入れてしまい、木陰に隠れていたもう一匹のゴブリンがその縄の先を引いて輪を絞り、俺の手首に縄を巻き付けた。
こんな原始的な罠に嵌められるなんて……文明は集団を強くするけれど個人を弱くするのだ。
「ひっ……!?」
木陰に隠れていたゴブリンは多かったようで、俺の手首に巻き付けた縄を協力して持って走り始めた。
「サクっ!? サク! サク…………クソっ、おい、起きろ! 起きろオーガ!」
ネメスィの怒鳴り声がどんどんと遠くなり、森の中を引き摺られる俺はどんどんと傷を負っていく。地面に擦れて肌が剥けてしまうのはもちろん、ゴブリン達が飛び越えた木の根に思い切りぶつかって骨折を確信する痛みを味わうことも多い。
森と草原の曖昧な境界付近まで引き摺られ、激痛に浅い呼吸を繰り返す俺の周りでゴブリン達は性器を膨らませた。
「く、来るなら……一人ずつ来て欲しいな、その方がじっくりできるしさ……な?」
尻尾は自由に動く、一匹ずつなら絞め殺せるかもしれない。
ゴブリン達は俺の言葉が通じているのか通じていないのか、俺の要求に乗らずに集団で飛びかかってきた。何とか一匹の首に尻尾を巻き付かせることができたが、胸に飛び乗られて肺の空気を追い出され、力を抜いてしまった。
「痛いっ、痛いっ……乗るなっ、肋骨絶対折れてっ……!」
木の根に何度も強打された肋骨はきっと折れている。淫魔の骨はきっと人間より脆いのだ、比重が軽そうだから多分そうだ。
短く細い陰茎を挿入されるより、口内に臭い性器を押し付けられるより、全身にカウパーを塗り付けられるより、痛みが嫌だった。
「ぅ、ああっ……助けて、誰かっ……!」
また誰かに頼るのか、俺は。助けたかったのに、役に立ちたかったのに──あぁ、でも、俺の方に引き付けられたのならネメスィは助かったかな。
「助けて女神様ぁっ!」
ほとんど無意識にそう叫ぶと俺の背後から真っ黒の巨大な腕が現れた。右手なのか左手なのかも分からないそれには鋭い鉤爪があり、ゆらりと揺れただけでゴブリンを引き裂き、俺を助けた。
「ぇ……あ、ぁっ……ひっ……グロ……ぅ、おぇえっ……!」
『……助けてあげたよ、サッ君』
「ぅぷ……ぅ? あ、女神様……」
噎せ返る血の匂いと散らばったゴブリンの残骸の凄惨な景色に嗚咽しているといつの間にか女神が隣に居た。
『サッ君、ボクが振るう力はキミの魔力によるんだ。キミしか信者が居ないから信仰を力に変えるのは難しくて、キミの魔力をもらってるんだ、税金みたいなものさ、分かるよね?』
嘔吐のせいか喉が痛いし頭もガンガンする。そんな説明今しないで欲しい。
『キミが男から吸った魔力でボクは強くなって、キミがボクに願うだけでボクは神様として成長する……ボクが何も叶えなくてもね。ふふ……頑張ってねサッ君!』
そういえば何だか腹が減った。アルマとしたばかりなのに……女神に魔力を渡したのか? その魔力によってゴブリンから助けられたのか? もっと早く女神に頼ればよかった、そうすれば森を引きずり回されて大怪我をすることなんてなかったのに。
「……サク? サクなのか? サク……! 大丈夫か!?」
倦怠感で動けずにいると光の球が木々の間を抜けてくるのが見えた。次第に近付くそれはカタラが杖の先を光らせたものだと分かった。
「なんでこんなとこに……ってうわっ! なんだよこれ、ゴブリン……? 他に誰か居たのか? ネメスィは?」
俺の元へ走ってきたカタラはゴブリンの残骸を踏んで転び、白い衣装を血で汚した。ゴブリンが死んでいるのに俺の他に誰も居ないことを不審に思ったようだが、すぐに俺の怪我に気付いてその不審を捨てた。
「酷い怪我だな……ゴブリンにやられたのか? 大丈夫だぞ、馬車に樹液がまだあったはずだ」
カタラの腕が背中の下に潜り、俺の体を持ち上げる。背中の皮は剥けていて腕が触れれば痛いし、持ち上げられると折れた骨が体内を動いて痛い。
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「ちょっとだけ我慢してくれ……ぁ、そうだ」
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「……治ってきた、かな」
「そうか! よかった……!」
深い青色の瞳に涙を浮かべて喜ぶカタラにネメスィが言っていたような傷の痕跡はない。彼も樹液で体を癒したのだろうか? だが、人間に樹液は魔物ほどの即効性はないらしいし……まぁ、無事ならいいか。
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女神の声だ。
『ほら、この人間とヤってよ』
囁かれた途端、身体が熱くなる。ゴブリンから身を守るために女神を呼び出して、それで魔力を使ったのは分かる。召喚魔法みたいなものだったのだろう? それで腹が減るのは分かるが、腹が減ったからといって俺の身体がこんなにも強く男を求めることは今までなかった。
「……っ、カタラ……カタラぁ……」
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危機は脱した、怪我も治った、アルマの元へ戻って彼に抱かれるべきだ、俺は彼の伴侶なのだから。
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