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お腹の子が欲しがるんだ
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理知的で上品な中年の男は「抱いて」とねだればすぐに抱いてくれるような人間ではない。腹の中の何かに暴れられて喘ぐ俺を見て興奮ではなく心配の方を表に出したから間違いない。
「どうしたんだい? まさか、薬か何かを……? あぁ、大丈夫、大丈夫だよ……まずは家に帰ろうね」
「ぁ、うっ……せーえきっ、ちょうだい……」
胃に留まっている何か今は動きを止めているが、そこに居ると分かっている。自分で自分の腹を引っ掻いてしまう。
「あぁダメだよ、君の肌は繊細なんだ、爪を立てたら傷がついてしまう。お腹が空いたなら……いや、君は兵舎で酷い扱いを受けていたんだろう? なら満腹のはずだ……吐かされていたのか? いや、いや…………薬の影響か? 精液をたくさん飲んで栄養をつければ治ると、そう本能に教えられているんだね?」
「せーえき欲しい……出して、出してぇ……お願い出してぇ」
男の股間に伸ばした手を捕まえられた。腹を引っ掻いていた手も捕まっているので、これで両手とも塞がれた。
「……ほ、ほら! 家に着いたよ。帰ろう」
「…………家の中なら精液くれる?」
「あぁ……そうだね、そうしようか……落ち着いて話も出来ないからね」
男に手を引かれて馬車を下り、使用人らしい柄の悪い男が扉を閉じてすぐ、まだ玄関だというのに俺は男のベルトを外そうとした。
「離せコラ! ったく、油断も隙もありゃしない……大丈夫ですかご主人様。やっぱやめません? こんな訳ありインキュバス匿うの」
「ダメだよ、この子が酷い目に遭ったのは私が売ってしまったからなんだから……悪いけれど洗ってきてくれるかな。優しく、だよ」
「……はーい、ご主人様の言いつけなら、喜んで」
柄の悪い男に広い浴場に運ばれ、乱暴に湯をかけられる。
「兵舎なんかに居たんだ、しっかり洗わないとな」
「せーえきまだぁ?」
「綺麗になったらご主人様がくれるだろ、多分」
「なら、今……あなたの欲しいな」
「主人の物に手ぇ出せるかよ」
誘惑に乗らず本気で抗う相手を押し倒せるような力はインキュバスにはない。今は大人しくして、彼らがヤりたくなるのを待つしかない。
「……あの人、何してる人?」
「査定だ、お前も査定されただろ。おかげで給料ちょっと増えたぜ」
査定……そうだ、あの男は査定士だ。俺を競売にかけた査定士だ。そう言うと聞こえは悪いが確か彼は俺に優しかった。競売で売るのも嫌がっていた。
少なくとも痛い目には合わないだろうと分かって一安心だ。
「あぁ、そういえば……お前を買ったシャルリルって奴、使用人もほとんど全員殺されたんだってな。何でもインキュバスの変異体に襲われたとか……地方の勇者が解決したらしいが…………お前、一体その時どこに行ってたんだ? 盗まれた後だったとか?」
「シャルリル……? シャル! そうだ、シャル……! シャル、シャルが酷い目に遭ってるんだ、俺の弟なんだ!」
困惑する使用人に向かって叫んでいると浴場の扉が開き、査定士が入ってきた。
「ご、ご主人様……なんか、その……弟がどうとかって」
「弟……? 君、よく話してくれるかな?」
傍に屈んだ査定士の瞳は知性に溢れている。これまで見てきた男の目はほとんどが欲情に満ちていたのに。
「ぁ、あの……シャル、俺を助けてくれて、でも王都で捕まってて、助けたくて、戻ってきて……」
「要領を得ませんね、インキュバスの知能は子供並みでしたっけ?」
「いや、見た目相応さ。えぇと……まさか、シャルリル邸を襲ったのは君の弟なのか? その弟の名は?」
「シャル……シャル、泣いてたんだ……だから助けないと。俺も助けられたし」
弟には迷惑をかけてきた、暴言も吐いたし、俺のせいで痛い目に遭ったことも多い、現在進行形かもしれない。どれだけ何者かに記憶を改竄されても、胃の中の何かが暴れ回っても、弟のことだけは忘れてはいけない。
「なるほど……黒髪のインキュバスなんだ、その弟が紫髪の変異体でもおかしくない。お兄さんである君を助けに来て大量殺人を犯し、君を逃がすのに精一杯で弟君は捕まってしまった、そうだね?」
「は、はい……そんな感じ。シャル、シャル助けないと……」
「すごいっすねご主人様、よく分かりますね」
「落ち着いて。君が走り回っても捕まるだけだ。弟君のことは私が調べておくから、とりあえず今は体を洗おうね。君は足の方を頼むよ」
査定士は俺の脇の下に腕を通して俺が動き回らないようにして、もう片方の手で胸を丁寧に洗った。平べったい俺の胸を持ち上げるように揉み、尖った乳首を焦らすように乳輪の外側を軽く摘む。
「足っすね、了解です」
使用人に俺の足を掴んで泡まみれの手のひらで擦っていく。ただ洗われているだけのように思えるが、それでもふくらはぎや太腿の裏、足の裏に触れられると足がビクンと跳ねてしまう。
「ん、んっ……ぁ、はぁっ……ぁ、あの……まんなかっ……乳首、触って……」
査定士はその言葉を待ってましたと言わんばかりの笑みを浮かべ、硬く膨らんだ乳首をきゆっと握った。
「ひぁんっ! んっ……ぅ、あっ、ひぁあっ……それっ、くにくに……するのぉっ……」
「嫌いかい?」
「…………す、きぃ……」
「あぁ、顔が真っ赤だね。そうそう、可愛らしい羞恥心が君にはあるんだよね」
職業柄なのか査定士の指は器用で、胸を揉まれながら乳首を抓られると俺は腰を浮かすほどの快楽を覚えた。
「ぁはっ、ひ、ぁああっ……足の、裏ぁ……らめっ……」
査定士の手に反応しても使用人の手には関係ない。擽るような動きでなくても泡まみれの手のひらで擦られるだけで俺には十分過ぎる刺激だ。
「ぁぅうっ……せーえき、せーえき欲しいっ、ねぇ、ちょうだい……」
「うーん……仕方ないね、抱きなさい」
「えっ!? お、俺がっすか? いいんですか?」
「構わないよ。顔も名前も知らない不潔で乱暴な兵士の後と、口が悪くて仕事が甘い息子のような君の後、どちらがいいかは分かりきっているだろう?」
使用人は俺の膝を手で軽く持ち、ゆっくりと開かせた。精液を欲しがってヒクヒクと震える穴は濡れそぼっており、使用人の「主人より先にするなんて……」という躊躇いを忘れさせる穴としての魅力があるはずだ。
「どうしたんだい? まさか、薬か何かを……? あぁ、大丈夫、大丈夫だよ……まずは家に帰ろうね」
「ぁ、うっ……せーえきっ、ちょうだい……」
胃に留まっている何か今は動きを止めているが、そこに居ると分かっている。自分で自分の腹を引っ掻いてしまう。
「あぁダメだよ、君の肌は繊細なんだ、爪を立てたら傷がついてしまう。お腹が空いたなら……いや、君は兵舎で酷い扱いを受けていたんだろう? なら満腹のはずだ……吐かされていたのか? いや、いや…………薬の影響か? 精液をたくさん飲んで栄養をつければ治ると、そう本能に教えられているんだね?」
「せーえき欲しい……出して、出してぇ……お願い出してぇ」
男の股間に伸ばした手を捕まえられた。腹を引っ掻いていた手も捕まっているので、これで両手とも塞がれた。
「……ほ、ほら! 家に着いたよ。帰ろう」
「…………家の中なら精液くれる?」
「あぁ……そうだね、そうしようか……落ち着いて話も出来ないからね」
男に手を引かれて馬車を下り、使用人らしい柄の悪い男が扉を閉じてすぐ、まだ玄関だというのに俺は男のベルトを外そうとした。
「離せコラ! ったく、油断も隙もありゃしない……大丈夫ですかご主人様。やっぱやめません? こんな訳ありインキュバス匿うの」
「ダメだよ、この子が酷い目に遭ったのは私が売ってしまったからなんだから……悪いけれど洗ってきてくれるかな。優しく、だよ」
「……はーい、ご主人様の言いつけなら、喜んで」
柄の悪い男に広い浴場に運ばれ、乱暴に湯をかけられる。
「兵舎なんかに居たんだ、しっかり洗わないとな」
「せーえきまだぁ?」
「綺麗になったらご主人様がくれるだろ、多分」
「なら、今……あなたの欲しいな」
「主人の物に手ぇ出せるかよ」
誘惑に乗らず本気で抗う相手を押し倒せるような力はインキュバスにはない。今は大人しくして、彼らがヤりたくなるのを待つしかない。
「……あの人、何してる人?」
「査定だ、お前も査定されただろ。おかげで給料ちょっと増えたぜ」
査定……そうだ、あの男は査定士だ。俺を競売にかけた査定士だ。そう言うと聞こえは悪いが確か彼は俺に優しかった。競売で売るのも嫌がっていた。
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「シャルリル……? シャル! そうだ、シャル……! シャル、シャルが酷い目に遭ってるんだ、俺の弟なんだ!」
困惑する使用人に向かって叫んでいると浴場の扉が開き、査定士が入ってきた。
「ご、ご主人様……なんか、その……弟がどうとかって」
「弟……? 君、よく話してくれるかな?」
傍に屈んだ査定士の瞳は知性に溢れている。これまで見てきた男の目はほとんどが欲情に満ちていたのに。
「ぁ、あの……シャル、俺を助けてくれて、でも王都で捕まってて、助けたくて、戻ってきて……」
「要領を得ませんね、インキュバスの知能は子供並みでしたっけ?」
「いや、見た目相応さ。えぇと……まさか、シャルリル邸を襲ったのは君の弟なのか? その弟の名は?」
「シャル……シャル、泣いてたんだ……だから助けないと。俺も助けられたし」
弟には迷惑をかけてきた、暴言も吐いたし、俺のせいで痛い目に遭ったことも多い、現在進行形かもしれない。どれだけ何者かに記憶を改竄されても、胃の中の何かが暴れ回っても、弟のことだけは忘れてはいけない。
「なるほど……黒髪のインキュバスなんだ、その弟が紫髪の変異体でもおかしくない。お兄さんである君を助けに来て大量殺人を犯し、君を逃がすのに精一杯で弟君は捕まってしまった、そうだね?」
「は、はい……そんな感じ。シャル、シャル助けないと……」
「すごいっすねご主人様、よく分かりますね」
「落ち着いて。君が走り回っても捕まるだけだ。弟君のことは私が調べておくから、とりあえず今は体を洗おうね。君は足の方を頼むよ」
査定士は俺の脇の下に腕を通して俺が動き回らないようにして、もう片方の手で胸を丁寧に洗った。平べったい俺の胸を持ち上げるように揉み、尖った乳首を焦らすように乳輪の外側を軽く摘む。
「足っすね、了解です」
使用人に俺の足を掴んで泡まみれの手のひらで擦っていく。ただ洗われているだけのように思えるが、それでもふくらはぎや太腿の裏、足の裏に触れられると足がビクンと跳ねてしまう。
「ん、んっ……ぁ、はぁっ……ぁ、あの……まんなかっ……乳首、触って……」
査定士はその言葉を待ってましたと言わんばかりの笑みを浮かべ、硬く膨らんだ乳首をきゆっと握った。
「ひぁんっ! んっ……ぅ、あっ、ひぁあっ……それっ、くにくに……するのぉっ……」
「嫌いかい?」
「…………す、きぃ……」
「あぁ、顔が真っ赤だね。そうそう、可愛らしい羞恥心が君にはあるんだよね」
職業柄なのか査定士の指は器用で、胸を揉まれながら乳首を抓られると俺は腰を浮かすほどの快楽を覚えた。
「ぁはっ、ひ、ぁああっ……足の、裏ぁ……らめっ……」
査定士の手に反応しても使用人の手には関係ない。擽るような動きでなくても泡まみれの手のひらで擦られるだけで俺には十分過ぎる刺激だ。
「ぁぅうっ……せーえき、せーえき欲しいっ、ねぇ、ちょうだい……」
「うーん……仕方ないね、抱きなさい」
「えっ!? お、俺がっすか? いいんですか?」
「構わないよ。顔も名前も知らない不潔で乱暴な兵士の後と、口が悪くて仕事が甘い息子のような君の後、どちらがいいかは分かりきっているだろう?」
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