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やっぱり何かムカつくんだよな
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頭の中でパチパチと火花が散っている。体内を触手で満たされて中の肉を擦り上げられ、俺の体を内外ひっくり返そうとしているのかなんて疑ってしまうほどだ。
「……っ、ん……ぅっ……!」
喉も性器として使われ、触手のイボに内壁を引っ掻かれているから、当然声も出せない。指の一本さえ動かせない。ただただ痙攣し続けるしかなくなった俺は静かに意識を闇に落とした。
『やぁ! サッ君、久しぶり!』
「ん……え? ぁ、女神……」
『なんか色々大変だったみたいだねぇ』
真っ暗闇に赤い服を着た女が佇んでいる。俺は夢を見ているようだ。女神は続けて「キミの体内に別の神が入り込んだから話しかけられなかった」と残念そうに眉尻を下げ、愉しそうに口の端を吊り上げて話した。
「女神……俺の体内に居たのってなんだったんだ? アレも神様……なんだよな」
『あぁ、そうだね、皮膚の無い神様だったらしい』
「……女神、お前とは関係ないんだよな?」
『あぁ、キミのナカの環境が良かったから寄ってきただけさ、このボクとは別の顕現だよ』
女神は常にニヤニヤと笑っていて不愉快だが、ネメシスに快楽を注がれていたせいか頭がボーッとしていて、あまり気にならない。
「…………で、何か用?」
『催促さ。もっともっと男と交わって魔力を溜めて欲しい、ボクの顕現にはまだまだ足りないよ』
「お前はそう言うけどさ……そんな何人もとヤりまくるのは無理だよ。俺結婚したんだしさぁ、何人もとヤってたらそいつらが喧嘩始めるだろ」
女神は肩を竦めて手のひらを上に向け、呆れたようにため息をついた。
『まぁ、キミに何かあったら本末転倒だからね。バレないようにコソコソ浮気してよ』
「無茶言うなよ……」
女神が俺の額に手を翳すと夢の中だというのに強い眠気に襲われた。
『にしてもキミ、本当にボクが誰か分からないんだね。前世では結構ボクと遊んでくれたのに……ボクのこと大好きだったくせにさ。分からない方が計画的には助かるけど、悲しいなぁ、寂しいよ。ま、ばいばいサッ君』
女神が何か言っているが、よく聞き取れない。俺はゆっくりと目を閉じ、夢の中の冷たい床に横たわった。
「……サク、サク、大丈夫? 起きた?」
俺は柔らかいベッドの上に横たわっていた。身体はとてもだる重い、しかし幸福感に満ちている。
「ネメシス……? 俺、寝ちゃってた? ごめん」
「いいよ別に。それでどうだった? お兄ちゃんより気持ちよかった?」
ネメシスはネメスィの弟だ、弟が居るなんて話ネメスィには聞いていないけれど。
「……まぁ、そりゃ。でも反則だろ、触手なんか」
ネメスィは切れ長の瞳をしていて男らしい顔つきだ、筋骨隆々で髪は短め。ネメシスは丸っぽい瞳で中性的な顔つき、細身でボブヘア。
顔も体格も全く似ていない、髪と目が同じ色だからギリギリ納得出来ているけど。
「お兄ちゃんに会う予定ある?」
「多分近いうちに会うけど、いつになるか分かんないぞ」
「じゃあこれ渡しておいてくれる? 叔父上様に頼まれたんだ」
ネメシスは体内から紙製の箱と紙袋を取り出した。気持ち悪いと言ってはいけないとは分かっているが、腹の辺りが溶けて黒い粘液に代わり、そこからにゅるんと出てくる様は気持ち悪いとしか思えない。
「……なにこれ」
「ケーキとプレゼント。お兄ちゃんちょっと前誕生日だったんだって」
ネメスィは毎年叔父にケーキとプレゼントを送られているのだろうか。直接ではないにせよ、今回のように人づてだとかで。もしそうなら彼が叔父を敬愛している理由が分かる気がする。
「それじゃ、俺は帰るね。ばいばい」
「え……あ、ちょっと待てよ!」
ネメシスは扉を開けて出ていく。慌てて追いかけたが廊下に彼の姿はなかった。不思議に思って数秒後、近くで雷が落ちた音が響き、思わず身体が跳ねた。
「……なんなんだよ」
ベッドの上に戻り、ホールケーキが入っているのだろう箱をどうするか悩む。ネメスィに渡すのは当然だが、それまでどうやって保存すればいいのか。そもそもネメシスの体内にどれだけの時間あったんだ? もう傷んでるんじゃないのか? って言うかこの箱精液臭いんだけど……多分俺のだ、最悪だ。
「はぁ……ごめんネメスィの叔父さん、ごめんネメスィ……ケーキの箱にぶっかけちゃった。わざとじゃないんだよ」
俺の精液を同じ場所で取り込んだネメシスが悪い。俺は悪くない。そう思いながらの謝罪に心はない。
プレゼントの中身を見てしまおうか迷っていると部屋の外から俺を呼ぶ声が聞こえたので、ケーキとプレゼントはベッドの上に置いて部屋を出た。
「兄さんっ!」
「サクっ!」
シャルとカタラが俺を同時に見つけ、同時に抱きついてきた。
「よかった、兄さん……よかった! 無事だったんですね、怪我はありませんか?」
「サク、よかった……無事だったんだな。怪我は? ごめんな守れなくて」
似たような言葉と俺を抱き締める腕の力に愛されていることを実感し、下腹をきゅんと疼かせた。
「……ありがとう二人とも。ちょっと話があるんだ、部屋来てくれよ」
たった今ネメシスに失神するまで抱かれたばかりなのに何を抱かれたくなっているんだと自分を戒め、ネメシスが悪い奴ではなかったこととネメスィへの贈り物を説明するために二人を部屋に招いた。
「……っ、ん……ぅっ……!」
喉も性器として使われ、触手のイボに内壁を引っ掻かれているから、当然声も出せない。指の一本さえ動かせない。ただただ痙攣し続けるしかなくなった俺は静かに意識を闇に落とした。
『やぁ! サッ君、久しぶり!』
「ん……え? ぁ、女神……」
『なんか色々大変だったみたいだねぇ』
真っ暗闇に赤い服を着た女が佇んでいる。俺は夢を見ているようだ。女神は続けて「キミの体内に別の神が入り込んだから話しかけられなかった」と残念そうに眉尻を下げ、愉しそうに口の端を吊り上げて話した。
「女神……俺の体内に居たのってなんだったんだ? アレも神様……なんだよな」
『あぁ、そうだね、皮膚の無い神様だったらしい』
「……女神、お前とは関係ないんだよな?」
『あぁ、キミのナカの環境が良かったから寄ってきただけさ、このボクとは別の顕現だよ』
女神は常にニヤニヤと笑っていて不愉快だが、ネメシスに快楽を注がれていたせいか頭がボーッとしていて、あまり気にならない。
「…………で、何か用?」
『催促さ。もっともっと男と交わって魔力を溜めて欲しい、ボクの顕現にはまだまだ足りないよ』
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女神は肩を竦めて手のひらを上に向け、呆れたようにため息をついた。
『まぁ、キミに何かあったら本末転倒だからね。バレないようにコソコソ浮気してよ』
「無茶言うなよ……」
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『にしてもキミ、本当にボクが誰か分からないんだね。前世では結構ボクと遊んでくれたのに……ボクのこと大好きだったくせにさ。分からない方が計画的には助かるけど、悲しいなぁ、寂しいよ。ま、ばいばいサッ君』
女神が何か言っているが、よく聞き取れない。俺はゆっくりと目を閉じ、夢の中の冷たい床に横たわった。
「……サク、サク、大丈夫? 起きた?」
俺は柔らかいベッドの上に横たわっていた。身体はとてもだる重い、しかし幸福感に満ちている。
「ネメシス……? 俺、寝ちゃってた? ごめん」
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ネメシスはネメスィの弟だ、弟が居るなんて話ネメスィには聞いていないけれど。
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顔も体格も全く似ていない、髪と目が同じ色だからギリギリ納得出来ているけど。
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「……なにこれ」
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