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ある神もどきとの契約
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陰茎や陰嚢は当然、手足さえも、尻尾も羽も耳も何もかも突起は全て触手の口にしゃぶられる。オナホのような触手の体内と分厚い舌に全身を弄ばれ、もう俺に露出している皮膚はない。
「ん……! ぅっ……ふ、ぅ、ぅ……!」
その状態でネメスィは膝立ちになってバックで俺を犯す。その度に俺の脳に火花が散り、突かれる瞬間に意識を失っては次に突かれた際に意識を戻した。
「はぁっ、はぁっ……サク、サク、愛してる……サク」
ネメスィの声がどこから聞こえているのかもハッキリ分からないし、意識を失ったり戻ったりしているせいで何を言っているのかよく分からない。
「サク……お前の全身の味が分かる。どこもかしこも最高だ」
触手の口はお飾りではなく、味覚も触覚もあってネメスィに全て伝わっている。
「サクっ……このまま、ひとつに」
俺は今ネメスィとセックスをしているんだっけ?
触手の生えた化け物に喰われているんだっけ?
「出るっ…………ふぅっ、サク……大丈夫か?」
ネメスィの射精の瞬間に触手の動きが止まり、俺に注ぎ切ると触手はほどけていった。
「ぁ……ィぐっ! ぅ、あぅ……」
ぼすんっとベッドに落とされた振動で絶頂し、うつ伏せのまま全身を痙攣させ、その痙攣のせいでシーツに皮膚が擦れて感じてしまう。
「えっぐいなぁー……つーかグロかったぜネメスィ」
「……水くれ」
カタラとネメスィの声が聞こえるが、うつ伏せになって半ば意識がない俺には彼らの姿は見えない。
「サク? 大丈夫か?」
「兄さん……? お返事出来ませんか?」
アルマとシャルが俺を心配しているけれど、起き上がろうと思考することすら難しい。
「次は旦那ーって言おうとしたけど、こりゃ無理だな。しばらく休ませてやろうぜ」
「当然だ」
大きな手に掴まれてベッドの真ん中に移され、仰向けにされる。丁寧にされたのだが俺の身体は敏感になり過ぎていて、ただの移動ですら快感を覚えた。
「サク、俺はここに居るからな」
アルマはベッドのすぐ隣に椅子を移したようだ。
「兄さん、僕が添い寝していますからね」
シャルが隣に寝転がったようだ。
「…………俺も寝る」
「そっちの端でお願いします」
ネメスィもベッドで眠るようだが、巨大過ぎるベッドでは振動すらも伝わらない。
「俺は部屋を調べてみる。食料あるからっていつまでも閉じ込められてるわけにもいかないしな」
カタラはドアノブをひねることすら出来ない扉を調べるようだ。
「おじさんは何するんですか?」
「私かい? そうだねぇ……私はワインでも飲もうかな」
「……一杯もらいたい」
査定士はアルマの隣に椅子を移動させ、共にワインを飲むらしい。全裸で粘液にまみれ、痙攣している俺を肴にする気だろうか。なんか嫌だ。
話し声を聞きながらゆっくりと眠りに落ち、夢を見ることなく目を覚ます。起き上がると部屋は薄暗かった。
「みんな……?」
シャルは俺の隣で眠っている。アルマと査定士は椅子に腰掛けたまま眠っている。
「…………ぁ、ネメスィ、カタラ……何してんだこいつら」
ベッドから降りるとすぐに二人を見つけた。折り重なるようにして床に転がっている。
「急に眠らせちゃったからかな」
「なるほどね……って、誰だ!」
聞き慣れない声、けれど聞き覚えはある声、慌てて振り向くと漆黒の青年が立っていた。
「ニャルラトホテプ……」
「ナイ君って呼んで」
「……何の用だ」
「ちょっとした契約のお話に、ね……来て」
髪、肌、瞳、全てが黒い美青年。信じられない話だが彼は俺の前世の世界を生きる人類の集合意識または願いが、創作の邪神であるニャルラトホテプを模したものらしい。
「誰がニャルもどきの話なんか聞くかよ」
「……先輩」
青年の美しい声で紡がれた言葉には反応せずにはいられない。
「先輩が何だよっ!」
「取引をしようよ、こっちに来て」
黒い手に掴まれ、インキュバスの力では振りほどくことも満足に出来ず、嫌がりながらも着いていく。
「開いた……!? み、みんな! 起きろ! 開いたぞ!」
ドアノブがピクリともしなかった扉が開いた。すぐにみんなを起こそうとするが、彼らの眠りは深い。
「ボクが魔法を解かない限り起きないよ。キミの態度次第では永遠に、ね」
「……っ、大人しくすりゃいいんだろ」
「察しが良くて助かるよ」
手を引かれるままに城の中をしばらく歩き、ある冷えた部屋に入った。家具どころか絨毯も壁紙もない部屋の真ん中には棺桶が、その脇にはカタラのものと思われる服が落ちていた。
「キミの仲間達から取り上げた諸々、魔法の都合上ひっぺがしちゃったけど、別にいらないから返したげる」
「……どうも」
カタラの服をどかすとネメスィの服らしきものがあった。彼が叔父から贈られたナイフも、チョーカーも、ネックレスも全て無事だ。
「チョーカー……! よかった……」
今すぐに着けたくなったが、帰ってネメスィに知らせてから彼に着けてもらおうかと考える。
「……カゴかなんかくれない?」
「ワガママだねぇ」
青年が指を鳴らすとポンっとカゴが現れる。不気味に思いつつも服をカゴに詰め、ネックレスとチョーカーは一番上に置いた。
「ん……? なにこれ」
冷たい床に銀色の輪が転がっている。拾い上げると指輪だと分かった。
「可愛い……」
ハートの彫り物と小さな宝石が可愛らしい指輪だ。誰かこんな指輪をしていたか? 覚えていない。
「…………ぁ、まさかネメスィ」
いつか、ネメスィは「指輪を買うつもりだった」なんて話していた。確か俺がアルマと結婚したと彼が知った後だったから、買うつもりはなくなったのだと思っていたが、重婚のような真似をしているから気が変わったのだろうか。
「ふふ……嬉しいなぁ、こういうの」
ネメスィでないとしても、きっと誰かが俺に贈ろうとしたものだろう。カゴの上に置いたら落としてしまいそうだし、左手の薬指に着けてしまおう。
「サクくーん、もういい?」
青年はわざとらしく暇そうに冷たい床にゴロゴロと転がりながら呆れ混じりの声を俺にかける。
「いいよ、何?」
「契約だよ」
立ち上がった青年は部屋の真ん中に置かれている棺桶の蓋を開けた。
「……せん、ぱい?」
棺桶の中に眠っていたのは先輩だった。首に大きな縫い跡があり、青白い肌をして、真っ白い服を着ている。
「死化粧は面倒だったからやってないけど、血とかは落としたんだよ」
「先輩……先輩っ、ごめんなさい……」
「…………ふふ、上手く視えてるみたいだね」
恐る恐る触れた頬は冷たく、硬い。
俺のために命をかけてくれた感謝、上手く逃げられなかった謝罪、嘘をついてしまった謝罪、そして別れを述べる──
「待った、サッ君。契約だって言っただろ?」
「……何?」
「彼を甦らせ、仲間達の服を返してあげる。その代わり、キミ達は一生あの部屋の中で過ごしてもらう」
「…………ど、どうせまた嘘だろ。お前に人を生き返らせる力なんかない!」
青年は深いため息をつき、手のひらに光の玉を浮かべた。
「キミとの取引に使えるかと思って魂を捕まえておいたんだよ」
「……う、嘘だ。騙されない。俺が何個シナリオをクリアしてきたと思ってるんだよ! ニャルラトホテプとの契約はろくなもんじゃない、最悪を超えるんだ! 絶望しかないっ……!」
「キミねぇ、キミはボクのサナギなんだよ? このままボクが力をつければキミという存在は赤の女神へと変転する。オーガとの婚姻を振り切って、男達の愛情を裏切って、キミは消える」
俺の目の前でこの城の王は青年へと変化した。ありえない話ではない。
「キミが消えたらどうなると思う? キミの弟は生きる意味を失い、自ら命を断つ。キミの夫はキミの死体も手に入らず、キミとキミの弟のために墓を二つ作る。そして空っぽの墓の前でキミに語りかけ続け、衰弱死するのさ」
「……嘘、だ」
「勇者と精霊使いは仇討ちだとボクに挑み、瞬殺……いや、いや、じっくりゆっくり寿命が尽きるまで苦しませて、いや、転生すらも許さず魂だけを未来永劫の苦しみに堕としてあげようか」
「そ、そんなこと絶対させないっ!」
「……あの人間は悲しみはしても何も面白いことにはならないだろうね。ただただキミを想い続け、心労から寿命を早めるだけだ」
あの人間……査定士のことか?
俺が消えたらみんな不幸な末路を辿る……青年は未来を見たのだろうか? ただの予想か? そうしてやるという脅しか?
「この先もしも魔神王と戦うことになっても、キミをあの異空間に閉じ込めておけば、キミの中にボクが潜んでいるから、ボクがまた世界から追い出されることはなく、何度でも挑戦できるんだよ。まず戦うことにはならないだろうから……無意味なリスクヘッジだけどね」
「閉じ込められてる間は俺は俺でいられるのか? その……女神に変わったりしないんだな?」
「もちろん、あの異空間は時間から解放されているからね。で、ボクはキミの仲間達で遊びたいとは思ってるけど、他にも人間はいっぱいいるんだし、我慢してあげるから……どうかな? この契約」
青年は光の玉を俺の前に浮かべ、愉悦の笑みを浮かべる。
「契約すればキミは生き返った彼と共にあの部屋で未来永劫大好きな男達と暮らしていける。契約しないならキミはボクへと変転し、キミの大好きな男達は悲惨な末路を辿る」
契約しない理由がない。だが、相手はニャルラトホテプを名乗るバケモノだ。
「ニャルラトホテプが、相手が不幸にならない契約を持ってくるわけないっ……!」
「……ボクって信用ないんだね。キミの中にはボクがいるんだから、特別扱いは当然だろう?」
「お前だけは信じない!」
「あぁ、そう……じゃあ、こうしよう。契約をしないということを視覚的にどういうことか教えてあげる」
青年は手のひらに浮かべていた光の玉を先輩の身体に落とした。
「ん……! ぅっ……ふ、ぅ、ぅ……!」
その状態でネメスィは膝立ちになってバックで俺を犯す。その度に俺の脳に火花が散り、突かれる瞬間に意識を失っては次に突かれた際に意識を戻した。
「はぁっ、はぁっ……サク、サク、愛してる……サク」
ネメスィの声がどこから聞こえているのかもハッキリ分からないし、意識を失ったり戻ったりしているせいで何を言っているのかよく分からない。
「サク……お前の全身の味が分かる。どこもかしこも最高だ」
触手の口はお飾りではなく、味覚も触覚もあってネメスィに全て伝わっている。
「サクっ……このまま、ひとつに」
俺は今ネメスィとセックスをしているんだっけ?
触手の生えた化け物に喰われているんだっけ?
「出るっ…………ふぅっ、サク……大丈夫か?」
ネメスィの射精の瞬間に触手の動きが止まり、俺に注ぎ切ると触手はほどけていった。
「ぁ……ィぐっ! ぅ、あぅ……」
ぼすんっとベッドに落とされた振動で絶頂し、うつ伏せのまま全身を痙攣させ、その痙攣のせいでシーツに皮膚が擦れて感じてしまう。
「えっぐいなぁー……つーかグロかったぜネメスィ」
「……水くれ」
カタラとネメスィの声が聞こえるが、うつ伏せになって半ば意識がない俺には彼らの姿は見えない。
「サク? 大丈夫か?」
「兄さん……? お返事出来ませんか?」
アルマとシャルが俺を心配しているけれど、起き上がろうと思考することすら難しい。
「次は旦那ーって言おうとしたけど、こりゃ無理だな。しばらく休ませてやろうぜ」
「当然だ」
大きな手に掴まれてベッドの真ん中に移され、仰向けにされる。丁寧にされたのだが俺の身体は敏感になり過ぎていて、ただの移動ですら快感を覚えた。
「サク、俺はここに居るからな」
アルマはベッドのすぐ隣に椅子を移したようだ。
「兄さん、僕が添い寝していますからね」
シャルが隣に寝転がったようだ。
「…………俺も寝る」
「そっちの端でお願いします」
ネメスィもベッドで眠るようだが、巨大過ぎるベッドでは振動すらも伝わらない。
「俺は部屋を調べてみる。食料あるからっていつまでも閉じ込められてるわけにもいかないしな」
カタラはドアノブをひねることすら出来ない扉を調べるようだ。
「おじさんは何するんですか?」
「私かい? そうだねぇ……私はワインでも飲もうかな」
「……一杯もらいたい」
査定士はアルマの隣に椅子を移動させ、共にワインを飲むらしい。全裸で粘液にまみれ、痙攣している俺を肴にする気だろうか。なんか嫌だ。
話し声を聞きながらゆっくりと眠りに落ち、夢を見ることなく目を覚ます。起き上がると部屋は薄暗かった。
「みんな……?」
シャルは俺の隣で眠っている。アルマと査定士は椅子に腰掛けたまま眠っている。
「…………ぁ、ネメスィ、カタラ……何してんだこいつら」
ベッドから降りるとすぐに二人を見つけた。折り重なるようにして床に転がっている。
「急に眠らせちゃったからかな」
「なるほどね……って、誰だ!」
聞き慣れない声、けれど聞き覚えはある声、慌てて振り向くと漆黒の青年が立っていた。
「ニャルラトホテプ……」
「ナイ君って呼んで」
「……何の用だ」
「ちょっとした契約のお話に、ね……来て」
髪、肌、瞳、全てが黒い美青年。信じられない話だが彼は俺の前世の世界を生きる人類の集合意識または願いが、創作の邪神であるニャルラトホテプを模したものらしい。
「誰がニャルもどきの話なんか聞くかよ」
「……先輩」
青年の美しい声で紡がれた言葉には反応せずにはいられない。
「先輩が何だよっ!」
「取引をしようよ、こっちに来て」
黒い手に掴まれ、インキュバスの力では振りほどくことも満足に出来ず、嫌がりながらも着いていく。
「開いた……!? み、みんな! 起きろ! 開いたぞ!」
ドアノブがピクリともしなかった扉が開いた。すぐにみんなを起こそうとするが、彼らの眠りは深い。
「ボクが魔法を解かない限り起きないよ。キミの態度次第では永遠に、ね」
「……っ、大人しくすりゃいいんだろ」
「察しが良くて助かるよ」
手を引かれるままに城の中をしばらく歩き、ある冷えた部屋に入った。家具どころか絨毯も壁紙もない部屋の真ん中には棺桶が、その脇にはカタラのものと思われる服が落ちていた。
「キミの仲間達から取り上げた諸々、魔法の都合上ひっぺがしちゃったけど、別にいらないから返したげる」
「……どうも」
カタラの服をどかすとネメスィの服らしきものがあった。彼が叔父から贈られたナイフも、チョーカーも、ネックレスも全て無事だ。
「チョーカー……! よかった……」
今すぐに着けたくなったが、帰ってネメスィに知らせてから彼に着けてもらおうかと考える。
「……カゴかなんかくれない?」
「ワガママだねぇ」
青年が指を鳴らすとポンっとカゴが現れる。不気味に思いつつも服をカゴに詰め、ネックレスとチョーカーは一番上に置いた。
「ん……? なにこれ」
冷たい床に銀色の輪が転がっている。拾い上げると指輪だと分かった。
「可愛い……」
ハートの彫り物と小さな宝石が可愛らしい指輪だ。誰かこんな指輪をしていたか? 覚えていない。
「…………ぁ、まさかネメスィ」
いつか、ネメスィは「指輪を買うつもりだった」なんて話していた。確か俺がアルマと結婚したと彼が知った後だったから、買うつもりはなくなったのだと思っていたが、重婚のような真似をしているから気が変わったのだろうか。
「ふふ……嬉しいなぁ、こういうの」
ネメスィでないとしても、きっと誰かが俺に贈ろうとしたものだろう。カゴの上に置いたら落としてしまいそうだし、左手の薬指に着けてしまおう。
「サクくーん、もういい?」
青年はわざとらしく暇そうに冷たい床にゴロゴロと転がりながら呆れ混じりの声を俺にかける。
「いいよ、何?」
「契約だよ」
立ち上がった青年は部屋の真ん中に置かれている棺桶の蓋を開けた。
「……せん、ぱい?」
棺桶の中に眠っていたのは先輩だった。首に大きな縫い跡があり、青白い肌をして、真っ白い服を着ている。
「死化粧は面倒だったからやってないけど、血とかは落としたんだよ」
「先輩……先輩っ、ごめんなさい……」
「…………ふふ、上手く視えてるみたいだね」
恐る恐る触れた頬は冷たく、硬い。
俺のために命をかけてくれた感謝、上手く逃げられなかった謝罪、嘘をついてしまった謝罪、そして別れを述べる──
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「……何?」
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「…………ど、どうせまた嘘だろ。お前に人を生き返らせる力なんかない!」
青年は深いため息をつき、手のひらに光の玉を浮かべた。
「キミとの取引に使えるかと思って魂を捕まえておいたんだよ」
「……う、嘘だ。騙されない。俺が何個シナリオをクリアしてきたと思ってるんだよ! ニャルラトホテプとの契約はろくなもんじゃない、最悪を超えるんだ! 絶望しかないっ……!」
「キミねぇ、キミはボクのサナギなんだよ? このままボクが力をつければキミという存在は赤の女神へと変転する。オーガとの婚姻を振り切って、男達の愛情を裏切って、キミは消える」
俺の目の前でこの城の王は青年へと変化した。ありえない話ではない。
「キミが消えたらどうなると思う? キミの弟は生きる意味を失い、自ら命を断つ。キミの夫はキミの死体も手に入らず、キミとキミの弟のために墓を二つ作る。そして空っぽの墓の前でキミに語りかけ続け、衰弱死するのさ」
「……嘘、だ」
「勇者と精霊使いは仇討ちだとボクに挑み、瞬殺……いや、いや、じっくりゆっくり寿命が尽きるまで苦しませて、いや、転生すらも許さず魂だけを未来永劫の苦しみに堕としてあげようか」
「そ、そんなこと絶対させないっ!」
「……あの人間は悲しみはしても何も面白いことにはならないだろうね。ただただキミを想い続け、心労から寿命を早めるだけだ」
あの人間……査定士のことか?
俺が消えたらみんな不幸な末路を辿る……青年は未来を見たのだろうか? ただの予想か? そうしてやるという脅しか?
「この先もしも魔神王と戦うことになっても、キミをあの異空間に閉じ込めておけば、キミの中にボクが潜んでいるから、ボクがまた世界から追い出されることはなく、何度でも挑戦できるんだよ。まず戦うことにはならないだろうから……無意味なリスクヘッジだけどね」
「閉じ込められてる間は俺は俺でいられるのか? その……女神に変わったりしないんだな?」
「もちろん、あの異空間は時間から解放されているからね。で、ボクはキミの仲間達で遊びたいとは思ってるけど、他にも人間はいっぱいいるんだし、我慢してあげるから……どうかな? この契約」
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「契約すればキミは生き返った彼と共にあの部屋で未来永劫大好きな男達と暮らしていける。契約しないならキミはボクへと変転し、キミの大好きな男達は悲惨な末路を辿る」
契約しない理由がない。だが、相手はニャルラトホテプを名乗るバケモノだ。
「ニャルラトホテプが、相手が不幸にならない契約を持ってくるわけないっ……!」
「……ボクって信用ないんだね。キミの中にはボクがいるんだから、特別扱いは当然だろう?」
「お前だけは信じない!」
「あぁ、そう……じゃあ、こうしよう。契約をしないということを視覚的にどういうことか教えてあげる」
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―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
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全105話*六月十一日に完結する予定です。
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