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悪いところもいいところも (水月×セイカ)
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四つん這いで部屋を一周するセイカを見ながら陰茎を扱き、彼の名を呟く。射精の予感に手が早まる。
「…………ん」
陰茎の先端に柔らかいものが触れる。セイカの唇だ。
「セイカっ……!? な、何をっ、ぁ……ちょ、吸うの今ダメだって、出る、出ちゃうからぁっ……」
俺の静止を無視してセイカは俺の亀頭を舐め回し、咥え、また吸う。カリ首を舌で責めながらの吸引に耐えられる訳もなく、セイカの口内に射精してしまった。
「んっ、んん……ぁー」
少し噎せ、軽く咀嚼し、大きく口を開く。突き出された舌に絡んだ白濁液に興奮を煽られる。
「んっ、く…………ふぅ……ぁ」
精液を飲み干すと再び口を開けて俺に見せつける。
「セイカぁ……飲んでくれなんて言ってないのに飲んでくるなんて」
「嫌だったか?」
「すっごいときめいた、嫌な訳ないよ。セイカはホント健気だなぁ。けなかわけなかわ」
「お前ティッシュ用意してないから……床汚す気かよ」
膝を折って正座もどきの姿勢になり、セイカを抱き締めて頭を撫で回しつつ頬に吸い付くと、彼は照れ臭そうに目を逸らした。
「確かに……それも助かった」
「ペットシーツだの何だの買ってるくせにすぐベッド汚して後片付け苦労してるだろお前」
「盛り上がってきたのに中断して準備始めたら盛り下がるだろ? 事前に準備してたら緊張させちゃうしさぁ」
「お前が片付けてる中風呂入ったりぼんやりうたた寝してるの、なんか嫌だよ。他のヤツらも多分そう思ってる。ローション冷たいのもちょっと嫌だし」
「……中断するのと事前にしとくのどっちがいい?」
「えー……人によるんじゃないか、そういうのは。俺は別に……どっちでも」
「今からじゃ中断の方しかないな、次は事前にしとくからどっちのが好きか教えてくれよ。しかしレンジあるの助かるよなこの部屋、ローションすぐ温められる。ちょっと待っててくれな」
「……するの?」
「嫌か?」
「嫌じゃない……嫌な訳ない。鳴雷に求められて、嫌だなんて……そんなのありえない」
俺の服を掴んで縋るように、独り言を呟くように、首を横に振る。胸が締め付けられて息が出来ない、それほどまでに強くときめいている。
「……っ、ふー……今温めるからな。いやホント助かるわコレ」
「秋風が親父にもらったんだって」
「あぁ、冷蔵庫とかもだろ? パイセンへのプレゼント送ってくれたり、いいお父さんやることあるの何なんだろうな」
「一から十までずっと悪いヤツなんか居ないよ」
「……俺は、悪いヤツにはそうあって欲しいよ。人を傷付ける時の最低限の責任だろ、それが」
「俺は?」
「セイカは……セイカ、は……」
「全部悪い?」
「まさか……」
「少しも悪いとこない?」
「……うん」
失笑の後、セイカは俺を抱き締めた。体勢的には「抱きついた」と言うべきかもしれないが、彼の想いと俺の感覚では「抱き締めた」が正しい。
「鳴雷……俺は悪いところの方が多いんだよ」
「そんなことっ……」
「俺がネガティブだからとか、そういうんじゃない。事実だ。俺が悪いところのないヤツだったら、お前はどうして辛い目に遭ったんだ?」
「だって、セイカは虐待されててっ、私は気付けなくて、無意識に煽ったりもしちゃってて、だからっ」
「だから? 虐めてよかったのか? お前のこと……殴ったり蹴ったり物盗ったり、色々酷いことして……よかったのか?」
「…………」
「ダメだよな。ごめんな鳴雷、筋の通った悪者じゃなくて……後悔して、贖罪したがるような半端なヤツで。恨みにくいよな、嫌えなかったんだよな、ごめんな。憎まれ役になれなくてごめん。その代わり、他のことは何でも……俺に出来ることは、お前が俺にして欲しいことは、何でもするよ」
温め完了の音が鳴る。けど、レンジの電子音なんてもはや遠い、唾液と先走りの汁が絡んだ水音が、セイカの手が俺の陰茎を扱く微かな音が、俺の鼓膜を揺さぶっている。
「セイ、カ……」
「何して欲しい? 鳴雷」
セイカの不機嫌を治してあげるつもりだったのに、体育祭で感じた嫌な思いを癒してあげたかったのに、俺が奉仕される側に回ってしまった。
「……名前で呼んで」
「ぁ……う、うん。そう呼ぶ約束だったな、こういう時は……ごめん。み、水月……」
「俺のことどう思ってるか言って」
「どう……? えっと、なる……ぁ、水月は、その……嫌いなヤツは嫌いになれるように、嫌なとこしかあって欲しくないって……それは、ちょっとでもいいとこあれば嫌えないっていう、お人好しの表れだと思うから……水月自身は生き辛いかもしれないけど、長所だと思う」
「…………」
水月大好きーとか言わせたかっただけなんだけどな、なんか真面目な答え返されちゃった。
「ぁ……な、なんか手でしちゃってた……その、どうしようか? このまま、手で……? 口がいい? それとも、その…………だ、く? 俺を……」
「……抱いていい?」
「い、いいってば、だから……何回も聞くなよ、恥ずかしい…………ぁ、まさかそれが目的か!? 恥ずかしがらせるの……はぁ、本当、変態……」
頬を赤らめ俯いたセイカを横目にペットシーツをベッドに敷いて、その上にセイカを横たわらせた。温め終わったローションを手に絡め、温度の確認と調整をし、セイカを見つめた。
「ちょうどいい温度だと思うけど、どうかな」
濡れた指で太腿をなぞる。
「うん……温かい。えっと、じゃあ……どう、ぞ?」
何度も身体を重ねているのにセイカはまだ不慣れな仕草でゆっくりと足を開き、俺に全てを晒した。
「…………ん」
陰茎の先端に柔らかいものが触れる。セイカの唇だ。
「セイカっ……!? な、何をっ、ぁ……ちょ、吸うの今ダメだって、出る、出ちゃうからぁっ……」
俺の静止を無視してセイカは俺の亀頭を舐め回し、咥え、また吸う。カリ首を舌で責めながらの吸引に耐えられる訳もなく、セイカの口内に射精してしまった。
「んっ、んん……ぁー」
少し噎せ、軽く咀嚼し、大きく口を開く。突き出された舌に絡んだ白濁液に興奮を煽られる。
「んっ、く…………ふぅ……ぁ」
精液を飲み干すと再び口を開けて俺に見せつける。
「セイカぁ……飲んでくれなんて言ってないのに飲んでくるなんて」
「嫌だったか?」
「すっごいときめいた、嫌な訳ないよ。セイカはホント健気だなぁ。けなかわけなかわ」
「お前ティッシュ用意してないから……床汚す気かよ」
膝を折って正座もどきの姿勢になり、セイカを抱き締めて頭を撫で回しつつ頬に吸い付くと、彼は照れ臭そうに目を逸らした。
「確かに……それも助かった」
「ペットシーツだの何だの買ってるくせにすぐベッド汚して後片付け苦労してるだろお前」
「盛り上がってきたのに中断して準備始めたら盛り下がるだろ? 事前に準備してたら緊張させちゃうしさぁ」
「お前が片付けてる中風呂入ったりぼんやりうたた寝してるの、なんか嫌だよ。他のヤツらも多分そう思ってる。ローション冷たいのもちょっと嫌だし」
「……中断するのと事前にしとくのどっちがいい?」
「えー……人によるんじゃないか、そういうのは。俺は別に……どっちでも」
「今からじゃ中断の方しかないな、次は事前にしとくからどっちのが好きか教えてくれよ。しかしレンジあるの助かるよなこの部屋、ローションすぐ温められる。ちょっと待っててくれな」
「……するの?」
「嫌か?」
「嫌じゃない……嫌な訳ない。鳴雷に求められて、嫌だなんて……そんなのありえない」
俺の服を掴んで縋るように、独り言を呟くように、首を横に振る。胸が締め付けられて息が出来ない、それほどまでに強くときめいている。
「……っ、ふー……今温めるからな。いやホント助かるわコレ」
「秋風が親父にもらったんだって」
「あぁ、冷蔵庫とかもだろ? パイセンへのプレゼント送ってくれたり、いいお父さんやることあるの何なんだろうな」
「一から十までずっと悪いヤツなんか居ないよ」
「……俺は、悪いヤツにはそうあって欲しいよ。人を傷付ける時の最低限の責任だろ、それが」
「俺は?」
「セイカは……セイカ、は……」
「全部悪い?」
「まさか……」
「少しも悪いとこない?」
「……うん」
失笑の後、セイカは俺を抱き締めた。体勢的には「抱きついた」と言うべきかもしれないが、彼の想いと俺の感覚では「抱き締めた」が正しい。
「鳴雷……俺は悪いところの方が多いんだよ」
「そんなことっ……」
「俺がネガティブだからとか、そういうんじゃない。事実だ。俺が悪いところのないヤツだったら、お前はどうして辛い目に遭ったんだ?」
「だって、セイカは虐待されててっ、私は気付けなくて、無意識に煽ったりもしちゃってて、だからっ」
「だから? 虐めてよかったのか? お前のこと……殴ったり蹴ったり物盗ったり、色々酷いことして……よかったのか?」
「…………」
「ダメだよな。ごめんな鳴雷、筋の通った悪者じゃなくて……後悔して、贖罪したがるような半端なヤツで。恨みにくいよな、嫌えなかったんだよな、ごめんな。憎まれ役になれなくてごめん。その代わり、他のことは何でも……俺に出来ることは、お前が俺にして欲しいことは、何でもするよ」
温め完了の音が鳴る。けど、レンジの電子音なんてもはや遠い、唾液と先走りの汁が絡んだ水音が、セイカの手が俺の陰茎を扱く微かな音が、俺の鼓膜を揺さぶっている。
「セイ、カ……」
「何して欲しい? 鳴雷」
セイカの不機嫌を治してあげるつもりだったのに、体育祭で感じた嫌な思いを癒してあげたかったのに、俺が奉仕される側に回ってしまった。
「……名前で呼んで」
「ぁ……う、うん。そう呼ぶ約束だったな、こういう時は……ごめん。み、水月……」
「俺のことどう思ってるか言って」
「どう……? えっと、なる……ぁ、水月は、その……嫌いなヤツは嫌いになれるように、嫌なとこしかあって欲しくないって……それは、ちょっとでもいいとこあれば嫌えないっていう、お人好しの表れだと思うから……水月自身は生き辛いかもしれないけど、長所だと思う」
「…………」
水月大好きーとか言わせたかっただけなんだけどな、なんか真面目な答え返されちゃった。
「ぁ……な、なんか手でしちゃってた……その、どうしようか? このまま、手で……? 口がいい? それとも、その…………だ、く? 俺を……」
「……抱いていい?」
「い、いいってば、だから……何回も聞くなよ、恥ずかしい…………ぁ、まさかそれが目的か!? 恥ずかしがらせるの……はぁ、本当、変態……」
頬を赤らめ俯いたセイカを横目にペットシーツをベッドに敷いて、その上にセイカを横たわらせた。温め終わったローションを手に絡め、温度の確認と調整をし、セイカを見つめた。
「ちょうどいい温度だと思うけど、どうかな」
濡れた指で太腿をなぞる。
「うん……温かい。えっと、じゃあ……どう、ぞ?」
何度も身体を重ねているのにセイカはまだ不慣れな仕草でゆっくりと足を開き、俺に全てを晒した。
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