冴えないオタクでしたが高校デビューに成功したので男子校でハーレムを築こうと思います

ムーン

文字の大きさ
2,246 / 2,387

痛いプレゼント (水月+ネイ・ミタマ)

ネイの気持ちを確かめられた。真正面から見つめ合うと彼の疲労がよく分かる。血色が悪い、クマがある、幸せそうに細められている瞳も乾いている。元気なら、もっと若ければ、感情に合わせてしっかり潤むだろう。

(たっまんねぇ~!)

なんという大人の色気、目眩がする。酸いも甘いも噛み締めた大人の深い味わい、人生を達観し始めた気怠い雰囲気、そんな大人が今更になって年甲斐もなく高校生男子に、俺に夢中になる瞬間の輝き!

(やっぱ大人ですわ)

視姦を楽しんでいると、不意にネイが俺の手を離した。一歩離れ、机に置いたままのコーヒーを手に取る。立ったまま飲み干し、微笑む。

「ふぅ……美味しい」

「ネイさんコーヒー好きなんですね。覚えましたよ、俺、あなたの好きな淹れ方」

「……! ふふ」

そして好きな挿入れ方や突き方も覚えてみせる──っと、付き合えたばかりで気が早いな。疲労のせいか時間帯のせいか、性欲が高まっているみたいだ。

「そうだ水月くん、お渡ししたい物があるんですが」

「何ですか?」

「すぐに取ってきますから、ここでお待ちいただけますか?」

「分かりました」

ネイが先程まで座っていた椅子に腰を下ろす。

「座面がぬるい……これがネイさんの体温の残り香。フフ、勃ってきた」

「みっちゃん」

「キモがらないでよ!」

「まだ何も言っとらんし、んなこと言おうと思っとらん」

「そう……俺の被害妄想か、ごめん。何?」

「彼奴の本名は英寧じゃぞ」

知ってるよ。ネイの本名は蛇ノ目じゃのめ 英寧ひでやすだ。

「ひでやす……すっごい、和だね。顔に似合わないなぁ」

「みっちゃん、昨今そういう発言は人種差別でこんぷら違反じゃ」

「慣れてきたね、人の世に。解釈違いだよ狐耳糸目和服美少年にそれ言われるの」

しかし、ネイが本名でないということを思い出させてくれたのはありがたいかもしれない。恋人にだけは本名で呼んで欲しい、とかありがちだし。

「む、戻ってきたな」

足音が近付いてくるとミタマは姿を消した。

「……誰かと話していませんでした?」

「コンちゃんと、ちょっと」

「あぁ、あなたは一人に見えても一人ではないんでしたね。それで……お贈りしたい物なのですが」

話しながらネイが見せてきたのは小さな銀色の……何だこれ。

「ピアスです」

人の耳についていないピアスを見慣れていないから分からなかった。

「綺麗ですね。で、えっと……俺に渡したい、というのは」

「プレゼントです。是非身に付けて欲しい」

ピアスって二個で一つじゃないのか? いや、以前左右対称のピアスはダサいと聞いたような。いやそもそも俺ピアス穴空いてないんだけど。っていうかプレゼントってこんな、物だけ渡す? 包装しろとまでは言わないけど、ピアスってタグとかないの? 取ったの? 中古品じゃないよなコレ。どうしよう嫁の遺品とかだったら、そういうサイコ味出してきてもおかしくない顔してるからなぁこの人。

「……喜んでいただけてはいないようてすね」

「えっ、いや! 嬉しいです、綺麗だし……高そう? だし」

「いいんです、私の自己満足ですから。さ、鳴雷さん。耳を出して、つけてあげます」

「あ……すいません、俺、ピアス穴なくて」

ネイはポケットから何か取り出した。今度こそ全く分からない。見たことがない。

「……? 何です? それ」

ピアスをイヤリングに変えられる便利グッズ、とか?

「ピアッサーです。さ、耳を出して」

「ピアッサー……? って、ちょっ、ちょ、待っ、それ耳に穴ぶちあけるヤツっ、やだちょっと離して! せめて心の準備っ、力強! 離して! 離っ……いっだぁあああっ!?」

ガチンッ、と耳元で音がした。

「ひっ、ひぃい……穴空けられた、身体に穴空いたぁ……」

ジィンと残る衝撃が耳を痺れさせる。痺れがじわじわと引き、痛みと入れ替わっていく。ショックで動けずにいる俺の耳にネイはピアスを通した。

「…………よし。つきました、よくお似合いですよ鳴雷さん」

「傷害事件だぁ!」

「しばらくは雑菌が入らないようあまり触らずに、痒くなっても我慢してください。お風呂や洗顔の時には優しく洗うんですよ。洗う際もピアスを外す必要はありません、つけっぱなしで。穴が治って塞がらないよう、学校に行く時も眠る時もずっとつけていてください」

「痛い……痛いぃ…………学校は、ダメですよ。怒られる……」

「十二薔薇にはピアス禁止の校則はないはずですよ」

「……そうだっけ」

ピアスつけないから気にしたこともない。後で確認しておこう。

「も~……イヤリングくれればいいのに、無理矢理空けるなんて酷いです……血出てるし……」

「ごめんなさい、乱暴だとは分かっていたんですがどうしてもつけて欲しくて。水月くん、こういう痛いこと嫌がるだろうから力づくでやるしかないなって……この償いは如何様にも。許してください水月くん」

「そんなにピアス好きなんですか……?」

ピアスフェチなのかな。これで済めばいいが、今後も耳に穴を空けられたら溜まったもんじゃない。鼻や舌なんて考えるだけで痛い。

「……これで最後にしてくださいね」

「はい、ピアスはこれで最後にします」

「ピアス、は……?」

「他のアクセサリーも贈りたくなるかもしれませんから」

「…………痛くないのにしてくださいね」

耳たぶに触れてみた人差し指の指の腹は赤く染まった。まさかこんなことをされるなんて……不意打ちでのキスといい、警察のくせに倫理観が緩くないか?
感想 564

あなたにおすすめの小説

穏やかに生きたい(隠れ)夢魔の俺が、癖強イケメンたちに執着されてます。〜平穏な学園生活はどこにありますか?〜

春凪アラシ
BL
「平穏に生きたい」だけなのに、 癖強イケメンたちが俺を狙ってくるのは、なぜ!? トラブルを避ける為、夢魔の血を隠して学園生活を送るフレン(2年)。 彼は見た目は天使、でも本人はごく平凡に過ごしたい穏健派。
なのに、登校初日から出会ったのは最凶の邪竜後輩(1年)!? 
他にも幼馴染で完璧すぎる優等生騎士(3年)に、不良だけど面倒見のいい悪友ワーウルフ(同級生)まで……なぜか異種族イケメンたちが次々と接近してきて―― 運命の2人を繋ぐ「刻印制度」なんて知らない! 恋愛感情もまだわからない! 
それでも、騒がしい日々の中で、少しずつ何かが変わっていく。 個性バラバラな異種族イケメンたちに囲まれて、フレンの学園生活は今日も波乱の予感!? 
甘くて可笑しい、そして時々執着も見え隠れする 愛され体質な主人公の青春ファンタジー学園BLラブコメディ! 月、水、金、日曜日更新予定!(番外編は更新とは別枠で不定期更新) 基本的にフレン視点、他キャラ視点の話はside〇〇って表記にしてます!

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

人気俳優に拾われてペットにされた件

米山のら
BL
地味で平凡な社畜、オレ――三池豆太郎。 そんなオレを拾ったのは、超絶人気俳優・白瀬洸だった。 「ミケ」って呼ばれて、なぜか猫扱いされて、執着されて。 「ミケにはそろそろ“躾”が必要かな」――洸の優しい笑顔の裏には、底なしの狂気が潜んでいた。 これは、オレが洸の変態的な愛情と執着に、容赦なく絡め取られて、逃げ道を失っていく話。

俺以外美形なバンドメンバー、なぜか全員俺のことが好き

toki
BL
美形揃いのバンドメンバーの中で唯一平凡な主人公・神崎。しかし突然メンバー全員から告白されてしまった! ※美形×平凡、総受けものです。激重美形バンドマン3人に平凡くんが愛されまくるお話。 pixiv/ムーンライトノベルズでも同タイトルで投稿しています。 もしよろしければ感想などいただけましたら大変励みになります✿ 感想(匿名)➡ https://odaibako.net/u/toki_doki_ Twitter➡ https://twitter.com/toki_doki109 素敵な表紙お借りしました! https://www.pixiv.net/artworks/100148872

春野くんち―僕の日常は、過保護な兄弟たちに囲まれている―

猫に恋するワサビ菜
BL
春野家の朝は、いつも賑やかで少しだけ過保護。 穏やかで包容力のある長男・千隼。 明るくチャラめだが独占欲を隠さない次男・蓮。 家事万能でツンデレ気味な三男・凪。 素直になれないクールな末っ子・琉生。 そして、四人の兄弟から猫のように可愛がられている四男の乃空。 自由奔放な乃空の振る舞いに、兄たちは呆れながらも、とろけるような笑顔で彼を甘やかす。

人気アイドルの俺、なぜかメンバー全員に好かれてます

七瀬
BL
デビュー4年目の人気アイドルグループ「ECLIPSE(エクリプス)」に所属する芹沢 美澄(せりざわみすみ)は、昔からどこか抜けていてマイペースな性格。 歌もダンスも決して一番ではないはずなのに、なぜかファンからもメンバーからも目を離されない存在だった。 世話焼きな幼なじみ、明るく距離の近い同い年、しっかり者で面倒見のいい年上、掴みどころのない自由人、そして無言で隣にいるリーダー——。 気づけば、美澄の周りにはいつも誰かがいて、当たり前のように甘やかされていく。

捜査のあとはキミを食べたい!

インナケンチ
BL
警視庁イチ強面で柄が悪いと悪評高い捜査一課の刑事・陣内宗佑、46歳。 未婚の独身で浮いた話もない彼を、一途に慕う美しい青年がいて……。

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

ナッツアーモンド
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模S子。新入社員として入った会社でS子を待ち受ける運命とは....。