冴えないオタクでしたが高校デビューに成功したので男子校でハーレムを築こうと思います

ムーン

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当然無事に到着 (水月+シュカ・カンナ・ミフユ・ハル・スイ・レイ・リュウ・ヒト・フタ)

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まだ到着していないシュカに電話をかけると、俺の不安に反し彼はすぐに電話に出てくれた。

「もしもしシュカっ? 大丈夫か?」

『はぁ……? 何ですかいきなり』

「今どこに居る?」

『……道? 周りに豪邸がたくさんあって居心地が悪いですね』

「あ、そろそろ着く感じ?」

『えぇ』

「そうか……よかった。ごめんなわざわざ。待ってるよ、気を付けて来てくれ」

そう伝えて電話を切り、深く息を吐く。

「無事だった!」

シュカの声を聞けて安心した俺の声はついつい大きくなってしまって、彼氏達の視線を集めた。困惑の表情が多い。

「そんな心配してたの~? 別に時間決めてもないのに~」

「あー、いや、まぁ」

「みっつん心配性だよね~」

あの夢を見ていなければ、ここまで不安を煽られることはなかっただろう。

(……疑問がぶり返しますな。何故シュカたまに乱暴した連中を呪えなかったんでしょう。アレはただの悪夢で……シュカたまはあんな目に遭ったことなんてなくて、アイツらも実在しなくて、って話ならいいんですが)

シュカに直接聞くことは出来ない。もうしばらく俺はこの件に悩まされるだろう。



しばらくしてシュカが到着した。休日だというのに彼は制服に身を包み、スクールバッグを肩から下げている。

「もう全員集まってたんですね、だからってあんな電話かけてこなくても……焦ってましたけど、私の家の辺りで通り魔ニュースでもありました?」

「なーんにも。しゅーが最後だね~って話してたら、みっつんが電話かけてみるーってだけ」

「そうですか。そんなに私が心配でしたか? 水月」

「ゃ……」

「……手間をかけてしまったこと、何度かありますもんね。信用がなくなるのも仕方ないことです」

「そんなっ、信用ないとかじゃないよ!」

「へ……? あ、あぁ、すみません、ちょっと嫌味っぽかったですね。そんなに気にするとは……」

「あ……ごめん、急に大声出して」

彼氏達の視線を感じる。妙に思われただろうか。シュカの夢を覗いてしまってから彼のことを考えたり相対したりすると、調子が崩れてしまう。

「とり、くん……」

「時雨さん、こんにちは。お誕生日おめでとうございます」

「……! ぁ、り……がと」

「鳥待一年生、その荷物は……」

「タッパーです。家にあった分全部持ってきました。余りが出れば是非」

「……出れば、な。置き場を用意してある、来い」

シュカは荷物を置いた後、他の彼氏達と様々話し始めた。俺の挙動不審はみんなの記憶から薄れ、俺と話す彼氏達の瞳からも困惑や不審がる感情は消えていった。

「あっ……忘れるとこだったっす。アンケート取るっすよ! みなさんお耳を拝借! っす!」

不意にレイが叫び、視線を集める。

「せんぱいにピアスは必要か否か! 決を取るっすよ」

「何ですか急に。ピアス?」

「ナルちゃんピアスつけたいの?」

全員揃ったら多数決を取るとレイが決めた際は居なかったシュカとスイが疑問を口にする。

「……水月、その絆創膏は?」

「昨日ピアス穴空けたんだけど、裂けちゃって。ちょっと血ぃ出ただけなんだけどさ、みんな心配してくれて手当てしてくれたんだよ」

「フタはんがピアス引っ張りはってん」

「あっこら」

「はぁ!? またアイツっ……水月ぃ! 今隠そうとしやがったな」

「……シュカがフタさんと仲悪くなったらやだなって」

呆れと怒りが混じった強いため息に、身体が強ばる。直に怒鳴られるのも苦手だが、こういった間接的に怒りを知らされるのも苦手だ。俺は心が弱い。

(原因……)

チラ、とセイカを見る。アキの耳に触れ、くすぐったがるアキと楽しげに笑い合っている。

(またイチャついてる! いや、ピアスの説明改めてしてるだけですよな……要るか? 説明。ロシアにもあるでしょピアス)

現実逃避にセイカへの恨みを思い出すのをやめろ、俺。シュカを止めないと。

「……フタ、さん? アンタ前にも水月を殺そうとしやがったそうじゃないですか」

「シュカ、やめてくれ」

「水月! てめぇは……!」

「フタさん覚えてないんだよ……」

「だからって!」

「俺殺す発想あげたらまた殺しにかかってくるかもしんないだろ……! だからやめてくれホントに、俺殺しちゃダメだってメモ見る前に俺殺しに来たら止めるの大変なんだよ。多分荒凪くんが何とかしてくれるけど……怪力だからなぁ、フタさんの何か折っちゃうかもだし」

「…………折れりゃいいでしょ」

「私もそう思います」

「ヒトさんまで……! ほ、ほら、もうこの話はやめて……アンケート! アンケートやりましょ、レイがやりたがってるんで、ねっ」

「……確かに、今日は時雨さんの誕生日会。揉めるのはよくありませんね。また後日、じっくり話しますからね」

何とかこの場は収められた。先送りにしただけとも言えるが……

「みつきぃ」

「フ、フタさん……変なこと思い付いてませんよね?」

「……? なんか今俺怒られてた? 俺なんかしたっけ」

「っセーフ……いえいえ、フタさんは何もしてませんし、怒られてませんよ。一緒にレイのお話聞きましょ」

「レイ……」

フタは数秒考えた後、諦めてスマホを持った。フタは俺と俺の彼氏全員の顔写真に、名前を添えて保存している。そうつまりこれはいわば──

「ピンク…………居た!」

「な、なんすか!?」

──カンニングだ。レイを指差すのをやめさせ、そのまま手を繋いでレイの話を聞く姿勢を整えさせた。
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