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きらきら金曜日 (水月+リュウ)
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ネット、書籍、ゲーム、あらゆるものを参考にして男同士のセックスについて再度勉強した。今までも十分過ぎるくらいにしていたが、準備はすればするほどよくなるものだ。
「よっし、玩具の使い方も確認しましたし、電池も完璧。土曜日が楽しみですぞ~」
はしゃいでいると玄関から物音が聞こえたので、部屋を出て走る。
「おかえりなさいませでそママ上殿ぉ~」
「ただいま……その喋り方やめなさい」
母は荷物を置いてすぐハリセンを持ち、俺の頭を叩いた。
「家でくらいいいじゃん……」
「ふとした時に出たらどうするの。で? なんでそんなテンション高いわけ? 彼氏できた?」
「んぬふふふふ……土曜日! 家にお呼びしますぞ!」
パァーンッ! と自分の頭が叩かれたのでなければ気持ちいい音が響く。
「すごいじゃない、流石私の子! どんな子?」
「関西弁金髪ドM不良! って子。つぶらな瞳が可愛くてですな~」
母は俺に荷物を持たせ、ハリセンで頭を叩いた。
「土曜ねぇー……私が帰るまで引き止めてよ?」
「イエスマム!」
荷物をキッチンまで運び、飲み物などを冷蔵庫に入れる。
「おっ、今日はシチューですな~。そういえばわたくしクラス委員長になったのですぞ」
「あらすごい」
褒めながらもハリセンの威力は変わらない。話せば話すほどハリセンで叩かれるが、話さない選択肢は取れない。聞いて欲しくてついつい話してしまう。
「……あんたが楽しそうに学校のこと話すの、私嬉しいのよ。いつもいつも暗い顔して学校なんてクソだって言ってたあんたが…………だからこそその話し方を矯正したいのよ!」
「痛い! 痛いですぞママ上!」
「普通は叩けば治るものなんだけどね!」
「大昔の家電と同じにしないで欲しいですぞ~!」
ハリセンは音だけだ、大して痛くはない。だから治らないのかもしれない。
「ぁ、そうだ、ママ上に聞きたいことあったんでそ」
「なによ、今からシチュー作るから邪魔にならないことにしてね」
「ディープキスのやり方が分からんので、アドバイスいただけないかと……ママ上殿は経験豊富でいらっしゃるゆえ」
「まぁねん、男女問わず食いまくるには舌技が一番重要だし……」
いつまでも若々しく美しくお盛んな母との血の繋がりを疑ったこともあったが、超絶美形として生まれ変わった俺はもう絶対本物の親子だと確信している。
「ディープねぇ……まずは舌の入れ方よね、相手が乗ってくれないとダメだからムード作りはしっかりね。あと、絶対ダメなのが最初から口開けること、コイみたいでブサイクだからね」
シチューの完成度と俺のキスの知識が同時に高まっていく。
「裏ワザだけどね、顎の付け根あたり押さえてあげるとイイ顔するわよ?」
「顎の付け根……」
「下顎の間接の横のくぼみって感じ? 軽く血管押さえて血ぃ止めて頭ぼーっとさせるのよ、やり過ぎちゃダメよ」
やるかどうかは別として理解はした。
「相手が嫌がったり、おえってなったりしたらすぐやめなさいね。相手の嫌がることしないのが一番大事よ」
「なるほろ……件の金髪くん、痛いやめろと言ってるけど喜ぶドMなのですが」
「Mの嫌だはもっとって意味なの。でも本気で嫌がってる時もあるから気を付けなさいね」
「難しいですぞ……」
「顔見れば分かるわ。とろんっとしてたりニヤケてたら本当は嫌じゃないのよ。まぁ……たまーにね、ガチで痛いの欲しがる子いるけど、高校生ならソフトMよどーせ」
いや、アイツ多分俺を怒らせて本当にサンドバッグになろうとしてたぞ? ボコられたいとか言ってたし、ソフトじゃないだろ。
「ほら、もうシチュー出来るから皿出して」
「はーいでそ」
美味しいシチューを食べ、俺は楽しい一晩を過ごした。
そして夜が明けた。
「ふわぁぁ……ぁー、今日は……金曜日か。明日、童貞卒業……んぬふへへへへ」
駅までの道も自然とスキップになってしまう。胃の中で朝食がたぽたぽ鳴るのを感じつつ、改札を抜ける。流石にホームでスキップをするわけにはいかないので大人しく歩く。
「……お、鳴雷ぃー!」
明るい声と共に手を振りながら走ってくるのはリュウだ。まさかこの駅で降りて俺を待っていたのか? 人混みで俺を見つけられなかったらどうする気だったんだ。連絡先を交換したのだからメッセージでも送ってくればよかったのに。
「おはよーさん、今日もええ顔しとんなぁ」
人懐っこい笑顔は不良らしくない、もうちょっと不良っぽくあって欲しかったけれど──まぁ、賢くて上品な男子校だからな、これが限界か。
「おはよう、リュウ」
挨拶を返しただけなのに失望した顔をされ、舌打ちされた。
「え……? な、なんだよ、お前から来たくせにっ、なんでそんなガッカリしてるんだよ!」
「…………もっとこう、あるやん? ほら「気安く話しかけるな」とか「朝一番にお前の顔なんて最悪だ」とか無視とか腹パンとか! 心えぐるか殴るかして欲しかってんけど。ほんっまガッカリやわ」
あれ? ドMってもしかして攻略難しい?
「悪いけど、俺そういう酷いこと言ったりやったりすんの苦手なんだよ。俺じゃ満足出来ないなら俺に絡むのやめたらどうだ」
もちろん本心ではない。少し拗ねてみただけだ。
「なんでそんないけず言うん……自分の綺麗な顔に見下されるん最高やねん、今までは喧嘩ふっかけてボコられるんで何とかやってきてたのに、他の奴じゃもう満足でけへんわ、舌肥えさせた責任取ってぇや」
失望の表情はどこへやら、打って変わって切なげな表情になる。
(責任取る~取る取る~結婚するぅ~!)
内心はしゃぎながらも冷たい視線を作ってリュウを見つめて電車を待ち、今日も満員のそれに乗る。
「ん……ぎゅうぎゅうやなぁ、息苦しいわぁ」
満足させられないままなんて自分が許せない。俺はリュウの両耳をつまんだ。
「ひぁっ……! なにすんのや……」
期待に満ちた瞳を向けられるのを心地よく思いながら、俺は冷たい視線を意識しながら耳を愛撫した。
「よっし、玩具の使い方も確認しましたし、電池も完璧。土曜日が楽しみですぞ~」
はしゃいでいると玄関から物音が聞こえたので、部屋を出て走る。
「おかえりなさいませでそママ上殿ぉ~」
「ただいま……その喋り方やめなさい」
母は荷物を置いてすぐハリセンを持ち、俺の頭を叩いた。
「家でくらいいいじゃん……」
「ふとした時に出たらどうするの。で? なんでそんなテンション高いわけ? 彼氏できた?」
「んぬふふふふ……土曜日! 家にお呼びしますぞ!」
パァーンッ! と自分の頭が叩かれたのでなければ気持ちいい音が響く。
「すごいじゃない、流石私の子! どんな子?」
「関西弁金髪ドM不良! って子。つぶらな瞳が可愛くてですな~」
母は俺に荷物を持たせ、ハリセンで頭を叩いた。
「土曜ねぇー……私が帰るまで引き止めてよ?」
「イエスマム!」
荷物をキッチンまで運び、飲み物などを冷蔵庫に入れる。
「おっ、今日はシチューですな~。そういえばわたくしクラス委員長になったのですぞ」
「あらすごい」
褒めながらもハリセンの威力は変わらない。話せば話すほどハリセンで叩かれるが、話さない選択肢は取れない。聞いて欲しくてついつい話してしまう。
「……あんたが楽しそうに学校のこと話すの、私嬉しいのよ。いつもいつも暗い顔して学校なんてクソだって言ってたあんたが…………だからこそその話し方を矯正したいのよ!」
「痛い! 痛いですぞママ上!」
「普通は叩けば治るものなんだけどね!」
「大昔の家電と同じにしないで欲しいですぞ~!」
ハリセンは音だけだ、大して痛くはない。だから治らないのかもしれない。
「ぁ、そうだ、ママ上に聞きたいことあったんでそ」
「なによ、今からシチュー作るから邪魔にならないことにしてね」
「ディープキスのやり方が分からんので、アドバイスいただけないかと……ママ上殿は経験豊富でいらっしゃるゆえ」
「まぁねん、男女問わず食いまくるには舌技が一番重要だし……」
いつまでも若々しく美しくお盛んな母との血の繋がりを疑ったこともあったが、超絶美形として生まれ変わった俺はもう絶対本物の親子だと確信している。
「ディープねぇ……まずは舌の入れ方よね、相手が乗ってくれないとダメだからムード作りはしっかりね。あと、絶対ダメなのが最初から口開けること、コイみたいでブサイクだからね」
シチューの完成度と俺のキスの知識が同時に高まっていく。
「裏ワザだけどね、顎の付け根あたり押さえてあげるとイイ顔するわよ?」
「顎の付け根……」
「下顎の間接の横のくぼみって感じ? 軽く血管押さえて血ぃ止めて頭ぼーっとさせるのよ、やり過ぎちゃダメよ」
やるかどうかは別として理解はした。
「相手が嫌がったり、おえってなったりしたらすぐやめなさいね。相手の嫌がることしないのが一番大事よ」
「なるほろ……件の金髪くん、痛いやめろと言ってるけど喜ぶドMなのですが」
「Mの嫌だはもっとって意味なの。でも本気で嫌がってる時もあるから気を付けなさいね」
「難しいですぞ……」
「顔見れば分かるわ。とろんっとしてたりニヤケてたら本当は嫌じゃないのよ。まぁ……たまーにね、ガチで痛いの欲しがる子いるけど、高校生ならソフトMよどーせ」
いや、アイツ多分俺を怒らせて本当にサンドバッグになろうとしてたぞ? ボコられたいとか言ってたし、ソフトじゃないだろ。
「ほら、もうシチュー出来るから皿出して」
「はーいでそ」
美味しいシチューを食べ、俺は楽しい一晩を過ごした。
そして夜が明けた。
「ふわぁぁ……ぁー、今日は……金曜日か。明日、童貞卒業……んぬふへへへへ」
駅までの道も自然とスキップになってしまう。胃の中で朝食がたぽたぽ鳴るのを感じつつ、改札を抜ける。流石にホームでスキップをするわけにはいかないので大人しく歩く。
「……お、鳴雷ぃー!」
明るい声と共に手を振りながら走ってくるのはリュウだ。まさかこの駅で降りて俺を待っていたのか? 人混みで俺を見つけられなかったらどうする気だったんだ。連絡先を交換したのだからメッセージでも送ってくればよかったのに。
「おはよーさん、今日もええ顔しとんなぁ」
人懐っこい笑顔は不良らしくない、もうちょっと不良っぽくあって欲しかったけれど──まぁ、賢くて上品な男子校だからな、これが限界か。
「おはよう、リュウ」
挨拶を返しただけなのに失望した顔をされ、舌打ちされた。
「え……? な、なんだよ、お前から来たくせにっ、なんでそんなガッカリしてるんだよ!」
「…………もっとこう、あるやん? ほら「気安く話しかけるな」とか「朝一番にお前の顔なんて最悪だ」とか無視とか腹パンとか! 心えぐるか殴るかして欲しかってんけど。ほんっまガッカリやわ」
あれ? ドMってもしかして攻略難しい?
「悪いけど、俺そういう酷いこと言ったりやったりすんの苦手なんだよ。俺じゃ満足出来ないなら俺に絡むのやめたらどうだ」
もちろん本心ではない。少し拗ねてみただけだ。
「なんでそんないけず言うん……自分の綺麗な顔に見下されるん最高やねん、今までは喧嘩ふっかけてボコられるんで何とかやってきてたのに、他の奴じゃもう満足でけへんわ、舌肥えさせた責任取ってぇや」
失望の表情はどこへやら、打って変わって切なげな表情になる。
(責任取る~取る取る~結婚するぅ~!)
内心はしゃぎながらも冷たい視線を作ってリュウを見つめて電車を待ち、今日も満員のそれに乗る。
「ん……ぎゅうぎゅうやなぁ、息苦しいわぁ」
満足させられないままなんて自分が許せない。俺はリュウの両耳をつまんだ。
「ひぁっ……! なにすんのや……」
期待に満ちた瞳を向けられるのを心地よく思いながら、俺は冷たい視線を意識しながら耳を愛撫した。
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