冴えないオタクでしたが高校デビューに成功したので男子校でハーレムを築こうと思います

ムーン

文字の大きさ
78 / 2,313

電車内は流石にちょっと (水月+レイ・リュウ・カンナ・シュカ)

しおりを挟む
流石に電車内でバイブを動かすのはダメだ、ガラガラならまだしも満員電車じゃ他の乗客にバレる可能性がある。ただ気持ち悪がられるだけなら僥倖、リュウに痴漢行為を働く者も出てくるだろう。

「んっ、んゔぅっ……とっ、止めっ……!」

俺は慌てて胸ポケットの中のリモコンを取り出し、スイッチを切った。リュウは熱い息を吐いてレイにもたれている。

「こんっ……ぁ、ほんだらっ……何してくれとんねん」

「リュウせんぱい感じやすいんですね」

「死ね……」

久しぶりに聞いたな、リュウの「死ね」。最近俺にすら言ってくれないから寂しかったんだ。

「あ……水月、次降りなあかん」

「え? なんで?」

「しぐ迎えに行く約束しとるやろ、何ボケとんねん」

「あ、あぁ……ごめんごめん。レイ、彼氏のうちの一人迎えに行くから、次の駅で一旦降りるよ」

レイは案外と嫉妬深くはないようで、笑顔で「分かったっす」と返事をした。ついでに髪に触ったり顔を覗いたりもしないようにと伝えると、同じトーンで同じ返事をした。

(ヤンデレって浮気したら包丁持ち出しちゃうイメージありますが、ヤンデレでも浮気に寛容なパターンっているんですよな。恋人至上主義の、ただただ尽くすタイプの子なら……まぁ浮気相手がダメな人だと見たら包丁コースな感じだったりしますが。好みの人間教えると攫ってくるタイプもありますぞ)

ピンク色の髪を撫でるとレイはうっとりと目を閉じ、俺の手に擦り寄った。

(レイ殿はヤンデレっつーか病み雰囲気ワンコですな。害はなさそうで安心でそ。他の彼氏達との相性も悪くなさそうですし)

電車が停まり、俺達はカンナを迎えに行くために一旦降りた。乗車する者も降車する者も多い、カンナを見つけられるだろうか。

「み……くんっ、てんくんっ……」

自動販売機の影で手を振っているアレがカンナだろうか? 二人を連れて向かってみると、長い前髪で目元を隠した低身長の美少年が満面の笑みで待っていた。

「おはよう、カンナ」

忘れずにおはようのキスをすると笑顔に照れが混じる。

「おはようさん」

「おはようございます! カンナさんって言うんすね、カンナせんぱいと呼ばせていただくっす!」

「……っ!? だ、れ……?」

紹介のためにレイを前に出すと、俺が話す前に自己紹介を始めた。

「五番目の彼氏の木芽このめ れいっす!」

「……バイト先の後輩。新しい彼氏だ、仲良くしてくれ」

「ぅ、ん……ぼく、一番目……?」

「あぁ、カンナが最初の彼氏だな」

「この方が! では一番に尊敬するっす!」

レイはカンナの手を握ってぶんぶんと振る。カンナは戸惑い、怯えているが、なんだかんだ打ち解けてくれるだろう。


四人で電車に乗り、学校の最寄り駅で降りる。駅前の横断歩道に見覚えのあるメガネ美少年を見つけた。

「委員長、おはようございます」

「おはよう、シュカ。新しい彼氏を紹介するよ」

レイの腰に腕を回してシュカの前に導くと、カンナの時と全く同じ自己紹介をした。レイは釣られて笑ってしまう可愛らしい笑顔をするのだが、シュカは全く釣られずに彼をじっと見下ろした。

鳥待とりまち 首夏しゅか。私は四番目……でしたっけね」

「直近のせんぱいっすね。シュカせんぱいと呼ばせていただくっす、よろしくお願いします!」

「……あなた非処女ですか?」

早朝の、駅前の、通学路で、初対面の人間に、何を聞いているんだ? 驚き過ぎて質問すべきではない理由を読点で区切ってしまったじゃないか。

「シュカ、いきなり何聞いてるんだ。レイが困ってるだろ」

レイは貼り付けていたニコニコ笑顔を引き攣った下手くそな笑顔に変え、硬直していた。

「その反応、間違いありませんね。その髪やピアスは前の男の趣味でしょう。委員長、自分のものにしたいなら変えさせた方がいいですよ、こういうタイプは好みを教えたらすぐに見た目変えますから」

「決めつけるな。ごめんな、レイ。シュカは見た目と頭と言葉使い以外全部悪いから……」

「失礼ですね、中身も綺麗ですよ」

「内臓の話やったらな」

シュカの相手はリュウに任せ、俺の腕に抱きついたままのカンナを心の支えにしつつレイを慰めよう。

「せんぱい、は……彼氏は、綺麗な体じゃないと嫌っすか?」

「安心しぃこのメガネが一番汚いわ」

「経験人数的にも傷痕的にも……ってやかましか!」

「漫才ならよそでやれ! レイ、俺はどんなレイでも受け入れるよ。過去に何があっても今は俺だけを見てくれてるんだ、そんな可愛いレイを嫌がるわけないだろ」

まさかシュカの決めつけが当たっていたとは……これが経験の差か。

「……のぅ、俺別にお前汚い思てへんで? 傷痕かっこええし……ボケやからな?」

「本気かどうかくらい分かりますし、本気で言ってたら車道に蹴り飛ばしてますよ」

仲がいいのは嬉しいがアイツらうるさいな、少し離れるか。

「レイ、ちょっとこっちに……レイ、そんなに落ち込むな、俺はお前のこと好きだぞ?」

「はい……ありがとうございますっす」

「……昔のこと話したいなら話してくれていいし、嫌なら話さなくていい。ファッションはお前の好きなようにしてくれ。元彼の趣味にも、俺の趣味にも、引っ張られなくていい」

「お気遣い嬉しいっすけど、ファッションはこれ全部俺の趣味っすよ」

ちょっとシュカ恨もうかな。いや、勝手な決めつけを鵜呑みにした俺が悪いんだ。

「プライベートな話は出来ないっす」

「そうか……まぁ、秘密は別にいいよ」

俺もオタク趣味についてはひた隠しにしている身だ、何でも話せなんて言えない。この負い目からの偽の寛容が愛情のなさと勘違いされないよう、色々と気を付けなければな。
しおりを挟む
感想 532

あなたにおすすめの小説

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

  【完結】 男達の性宴

蔵屋
BL
  僕が通う高校の学校医望月先生に  今夜8時に来るよう、青山のホテルに  誘われた。  ホテルに来れば会場に案内すると  言われ、会場案内図を渡された。  高三最後の夏休み。家業を継ぐ僕を  早くも社会人扱いする両親。  僕は嬉しくて夕食後、バイクに乗り、  東京へ飛ばして行った。

男子寮のベットの軋む音

なる
BL
ある大学に男子寮が存在した。 そこでは、思春期の男達が住んでおり先輩と後輩からなる相部屋制度。 ある一室からは夜な夜なベットの軋む音が聞こえる。 女子禁制の禁断の場所。

どうしてもお金が必要で高額バイトに飛びついたらとんでもないことになった話

ぽいぽい
BL
配信者×お金のない大学生。授業料を支払うために飛びついた高額バイトは配信のアシスタント。なんでそんなに高いのか違和感を感じつつも、稼げる配信者なんだろうと足を運んだ先で待っていたのは。

見ぃつけた。

茉莉花 香乃
BL
小学生の時、意地悪されて転校した。高校一年生の途中までは穏やかな生活だったのに、全寮制の学校に転入しなければならなくなった。そこで、出会ったのは… 他サイトにも公開しています

一人の騎士に群がる飢えた(性的)エルフ達

ミクリ21
BL
エルフ達が一人の騎士に群がってえちえちする話。

俺、転生したら社畜メンタルのまま超絶イケメンになってた件~転生したのに、恋愛難易度はなぜかハードモード

中岡 始
BL
ブラック企業の激務で過労死した40歳の社畜・藤堂悠真。 目を覚ますと、高校2年生の自分に転生していた。 しかも、鏡に映ったのは芸能人レベルの超絶イケメン。 転入初日から女子たちに囲まれ、学園中の話題の的に。 だが、社畜思考が抜けず**「これはマーケティング施策か?」**と疑うばかり。 そして、モテすぎて業務過多状態に陥る。 弁当争奪戦、放課後のデート攻勢…悠真の平穏は完全に崩壊。 そんな中、唯一冷静な男・藤崎颯斗の存在に救われる。 颯斗はやたらと落ち着いていて、悠真をさりげなくフォローする。 「お前といると、楽だ」 次第に悠真の中で、彼の存在が大きくなっていき――。 「お前、俺から逃げるな」 颯斗の言葉に、悠真の心は大きく揺れ動く。 転生×学園ラブコメ×じわじわ迫る恋。 これは、悠真が「本当に選ぶべきもの」を見つける物語。 続編『元社畜の俺、大学生になってまたモテすぎてるけど、今度は恋人がいるので無理です』 かつてブラック企業で心を擦り減らし、過労死した元社畜の男・藤堂悠真は、 転生した高校時代を経て、無事に大学生になった―― 恋人である藤崎颯斗と共に。 だが、大学という“自由すぎる”世界は、ふたりの関係を少しずつ揺らがせていく。 「付き合ってるけど、誰にも言っていない」 その選択が、予想以上のすれ違いを生んでいった。 モテ地獄の再来、空気を読み続ける日々、 そして自分で自分を苦しめていた“頑張る癖”。 甘えたくても甘えられない―― そんな悠真の隣で、颯斗はずっと静かに手を差し伸べ続ける。 過去に縛られていた悠真が、未来を見つめ直すまでの じれ甘・再構築・すれ違いと回復のキャンパス・ラブストーリー。 今度こそ、言葉にする。 「好きだよ」って、ちゃんと。

平凡ワンコ系が憧れの幼なじみにめちゃくちゃにされちゃう話(小説版)

優狗レエス
BL
Ultra∞maniacの続きです。短編連作になっています。 本編とちがってキャラクターそれぞれ一人称の小説です。

処理中です...