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精液を受け止めたトイレットペーパーをもったいないことにトイレに流し、歌見は服を整えた。
「気持ちよかった……まさか乳首がここまで敏感になってるとはな」
「でも先輩、俺先輩の乳首見れてないですよ。結構強めに吸ったりしてみたのに……出てこないものですね。出たことあります?」
「ピンセットでほじくって出したことはあるぞ、すぐに戻ったが」
「へぇ……」
陥没乳首にも程度があると聞く、歌見のは少しの刺激で顔を出すような軽度のものではないようだ。しかし、引っ張り出せば出るのなら是非拝みたい。
「はぁ……なんかまだ乳首がジンジンするな、乳首の話をしてると意識して余計落ち着かない」
「物足りないって言ってます?」
「言ってない言ってない」
くすくすと笑う歌見はまだ乳首を気にしている様子がある。みぞおち辺りでタンクトップを掴んで布を浮かせ、胸に布が触れないようにしているようだ。
「ふふ……ん? 水月、随分じっと見てるな」
「……先輩の笑顔いいなぁって」
「なっ……お、お前ほどじゃない……」
「照れた顔も見たいです、隠さないでくださいよ」
「水月……」
俺が冗談やからかいを言っていないと分かるのだろう、だからこそ歳下の俺に照れて困るのだろう。
「お前は本当……魔性だな。多くの女……ぁいや、男か、男を泣かせてきたんじゃないか?」
「……泣いた数の方が多いと思いますよ」
「へぇ? その顔で?」
「…………顔が良くたって、どんな言葉を使ったって、そもそも男に振り向く選択肢がない男は多いので」
「……そう、か。そうかもな……俺だって、その選択肢を見つけていないフリをしてた」
二次元への叶わぬガチ恋を思い出し……おっと、過去の恋愛を匂わせ、落ち込んだフリをした俺の頭を歌見は優しく撫でてくれた。
「選んでよかった。水月……キスしていいか?」
「トイレでなんて、風情がないですね」
言いながら歌見の首に腕を絡めると彼は微笑みながら俺の顎をクイッと持ち上げ、唇を重ねてくれた。舌は入れてくれないし、入れさせてもくれない。
「……バードキスばっかり。先輩、元カノさんとは舌入れてしなかったんですか?」
「いや……した、けど」
「…………男の口は嫌ですか?」
「違う! お前は何かにつけて男だからかと拗ねるけどな……俺はちゃんとお前が好きだ、そりゃ男との経験はないけど俺も男なんだから身体の形は分かってる。未知の存在なんかじゃないんだから気味悪がったりするもんか」
「……ごめんなさい。こう言うと先輩気ぃ遣って俺の要求飲んでくれるから……つい、乱用しちゃって」
呆れたように笑った歌見は再び俺の顎を持ち上げ、その手で耳の後ろから首筋をつぅっとなぞった。
「でも、不安だって本心も混じってるんだろ?」
「……まぁ」
「解消するよう努めるよ。そんな綺麗な顔で落ち込まれちゃ、何でも言うこと聞きたくなっちまう」
聞き覚えのあるセリフを吐きながら歌見は再び俺と唇を重ねた。唇を唇ではむはむと甘噛みされ、口を開けば舌がゆっくりと入ってくる。
「……ん」
俺の顎と腰に添えられた手に急に力が入ったり、逆に抜けたり、歌見の緊張が伝わってくる。舌の動きもぎこちなく、閉じた瞼は震えていた。
「んっ……!? ん、んん……」
遠慮しながら口内を舐め回していた歌見の舌に舌を絡める。躊躇う舌を追いかけはしても、歌見にペースを合わせ続ける。
「……っ、ふ……」
震えながら瞼が開き、目が合う。途端、歌見は唇を離してしまった。舌を吸っておけばよかったな。
「水月っ……お前、まさか……ずっと目を開けてたのか?」
「はい」
「普通キスの時は閉じるだろ! クソっ、あぁもうっ……! 俺……変な顔してなかったか?」
「……目閉じた先輩色っぽかったです」
眉や瞼がピクピク震えていてウブな感じがして可愛かったと言ったら照れるだろうか、拗ねるだろうか、とりあえず安全牌を選んだ。
「はぁ……もう、心臓がもたない……」
「先輩って照れ屋さんなんですね」
「お前の顔がよすぎるのが悪い……綺麗な目しやがって」
歌見の手に顔を包まれる。むにむにと頬を弄ばれ、歌見の方が身長も歳も上なんだなと改めて実感した。
「頬を弄ったところで美人は美人、か。憎たらしいな」
「この顔のおかげで先輩を落とせたみたいなので、俺は自分の顔好きですよ」
「……お前は言動もやばいんだよ。口説き文句しか話せないのか? 俺の心臓をどうする気だ」
歌見はときめきを素直に知らせてくれるから、好かれている自信が持てる。だから口説き文句のようなセリフを安心して言えるのだ。つまり、元を辿れば歌見自身の責任ということだ。
「そろそろトイレ出ます?」
「あぁ、そうだな。いつまでもこんなところじゃな」
「次は先輩の家がいいです」
「妹は早めに追い出すよ」
トイレを出て誤魔化しのために手を軽く洗い、荷物を持ったら店の外へ。表と違って裏口の方は薄暗い、けれど街灯がないわけではないので互いの姿くらいは見える。
「……そういえば、水月の学生服姿は今日初めて見たかもな」
「そうでしたっけ? どうですか?」
「どうって……別に。男の学生服なんてどこの学校も同じだしな」
随分と淡泊な反応じゃないか、これだから元ノンケは。制服萌えとかないのか? 店の制服と同じシャツじゃんとか言う気か? 色とデザインが微妙に違うのに。
「ん……? 待てよ、その制服……名門校のじゃないか。お前顔がいいくせに頭までいいのか」
「テストはまだなので分かりませんけど、多分落ちこぼれな方ですよ?」
「とか言って九十点以上の答案を見せてくるんだ、お前のようなヤツは」
歌見もこう言っている通り、美形にはそれなりの知能が求められる。最初から天然系を演じていたならともかく、俺はキャラ的に悪い点を取るとイメージが悪くなる。
「そんな高得点取れませんよ」
なんて言っても信用されない、超絶美形は辛いな。
「気持ちよかった……まさか乳首がここまで敏感になってるとはな」
「でも先輩、俺先輩の乳首見れてないですよ。結構強めに吸ったりしてみたのに……出てこないものですね。出たことあります?」
「ピンセットでほじくって出したことはあるぞ、すぐに戻ったが」
「へぇ……」
陥没乳首にも程度があると聞く、歌見のは少しの刺激で顔を出すような軽度のものではないようだ。しかし、引っ張り出せば出るのなら是非拝みたい。
「はぁ……なんかまだ乳首がジンジンするな、乳首の話をしてると意識して余計落ち着かない」
「物足りないって言ってます?」
「言ってない言ってない」
くすくすと笑う歌見はまだ乳首を気にしている様子がある。みぞおち辺りでタンクトップを掴んで布を浮かせ、胸に布が触れないようにしているようだ。
「ふふ……ん? 水月、随分じっと見てるな」
「……先輩の笑顔いいなぁって」
「なっ……お、お前ほどじゃない……」
「照れた顔も見たいです、隠さないでくださいよ」
「水月……」
俺が冗談やからかいを言っていないと分かるのだろう、だからこそ歳下の俺に照れて困るのだろう。
「お前は本当……魔性だな。多くの女……ぁいや、男か、男を泣かせてきたんじゃないか?」
「……泣いた数の方が多いと思いますよ」
「へぇ? その顔で?」
「…………顔が良くたって、どんな言葉を使ったって、そもそも男に振り向く選択肢がない男は多いので」
「……そう、か。そうかもな……俺だって、その選択肢を見つけていないフリをしてた」
二次元への叶わぬガチ恋を思い出し……おっと、過去の恋愛を匂わせ、落ち込んだフリをした俺の頭を歌見は優しく撫でてくれた。
「選んでよかった。水月……キスしていいか?」
「トイレでなんて、風情がないですね」
言いながら歌見の首に腕を絡めると彼は微笑みながら俺の顎をクイッと持ち上げ、唇を重ねてくれた。舌は入れてくれないし、入れさせてもくれない。
「……バードキスばっかり。先輩、元カノさんとは舌入れてしなかったんですか?」
「いや……した、けど」
「…………男の口は嫌ですか?」
「違う! お前は何かにつけて男だからかと拗ねるけどな……俺はちゃんとお前が好きだ、そりゃ男との経験はないけど俺も男なんだから身体の形は分かってる。未知の存在なんかじゃないんだから気味悪がったりするもんか」
「……ごめんなさい。こう言うと先輩気ぃ遣って俺の要求飲んでくれるから……つい、乱用しちゃって」
呆れたように笑った歌見は再び俺の顎を持ち上げ、その手で耳の後ろから首筋をつぅっとなぞった。
「でも、不安だって本心も混じってるんだろ?」
「……まぁ」
「解消するよう努めるよ。そんな綺麗な顔で落ち込まれちゃ、何でも言うこと聞きたくなっちまう」
聞き覚えのあるセリフを吐きながら歌見は再び俺と唇を重ねた。唇を唇ではむはむと甘噛みされ、口を開けば舌がゆっくりと入ってくる。
「……ん」
俺の顎と腰に添えられた手に急に力が入ったり、逆に抜けたり、歌見の緊張が伝わってくる。舌の動きもぎこちなく、閉じた瞼は震えていた。
「んっ……!? ん、んん……」
遠慮しながら口内を舐め回していた歌見の舌に舌を絡める。躊躇う舌を追いかけはしても、歌見にペースを合わせ続ける。
「……っ、ふ……」
震えながら瞼が開き、目が合う。途端、歌見は唇を離してしまった。舌を吸っておけばよかったな。
「水月っ……お前、まさか……ずっと目を開けてたのか?」
「はい」
「普通キスの時は閉じるだろ! クソっ、あぁもうっ……! 俺……変な顔してなかったか?」
「……目閉じた先輩色っぽかったです」
眉や瞼がピクピク震えていてウブな感じがして可愛かったと言ったら照れるだろうか、拗ねるだろうか、とりあえず安全牌を選んだ。
「はぁ……もう、心臓がもたない……」
「先輩って照れ屋さんなんですね」
「お前の顔がよすぎるのが悪い……綺麗な目しやがって」
歌見の手に顔を包まれる。むにむにと頬を弄ばれ、歌見の方が身長も歳も上なんだなと改めて実感した。
「頬を弄ったところで美人は美人、か。憎たらしいな」
「この顔のおかげで先輩を落とせたみたいなので、俺は自分の顔好きですよ」
「……お前は言動もやばいんだよ。口説き文句しか話せないのか? 俺の心臓をどうする気だ」
歌見はときめきを素直に知らせてくれるから、好かれている自信が持てる。だから口説き文句のようなセリフを安心して言えるのだ。つまり、元を辿れば歌見自身の責任ということだ。
「そろそろトイレ出ます?」
「あぁ、そうだな。いつまでもこんなところじゃな」
「次は先輩の家がいいです」
「妹は早めに追い出すよ」
トイレを出て誤魔化しのために手を軽く洗い、荷物を持ったら店の外へ。表と違って裏口の方は薄暗い、けれど街灯がないわけではないので互いの姿くらいは見える。
「……そういえば、水月の学生服姿は今日初めて見たかもな」
「そうでしたっけ? どうですか?」
「どうって……別に。男の学生服なんてどこの学校も同じだしな」
随分と淡泊な反応じゃないか、これだから元ノンケは。制服萌えとかないのか? 店の制服と同じシャツじゃんとか言う気か? 色とデザインが微妙に違うのに。
「ん……? 待てよ、その制服……名門校のじゃないか。お前顔がいいくせに頭までいいのか」
「テストはまだなので分かりませんけど、多分落ちこぼれな方ですよ?」
「とか言って九十点以上の答案を見せてくるんだ、お前のようなヤツは」
歌見もこう言っている通り、美形にはそれなりの知能が求められる。最初から天然系を演じていたならともかく、俺はキャラ的に悪い点を取るとイメージが悪くなる。
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