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お昼ご飯を食べよう
机にびったりと頬をくっつけて眠っているリュウを眺める。むにんと潰れた頬が何とも可愛らしい、頬をつつくと顔を顰めるのも可愛い。
「写真……ふふ」
寝顔を撮影、つついた後の寝顔を撮影、角度を変えて撮影、そんな俺の耳にタイヤが転がる音が──ワゴンを押す音が聞こえてきた。
「ミフユさんっ」
ダイニングの扉を開けるとワゴンを押してきたミフユと目が合った。
「鳴雷一年生、着いていたのか。扉を開けてくれてありがとう、感謝する。すぐに配膳する、席に座って待っていろ」
席に戻ってリュウを揺り起こし、目の前に運ばれた昼食にワッと声を漏らした。
「美味しそう……! お子様ランチですね!」
デミグラスソースがかかったハンバーグ、大きなウィンナー、エビフライ、オムレツ、輪切りにされたトウモロコシ、マッシュポテトにポテトサラダ、プチトマトやブロッコリー、半球形に盛られたチキンライス……それらが一枚のプレートに乗っている。プレートの脇にはカップに入ったコーンスープまである。飲み物はサクランボ付きのメロンクリームソーダだ。
「大人様ランチだ」
ぷす、とチキンライスに日の丸の旗が立てられた。
「わ~い旗だ~」
リュウとネザメのチキンライスにも同じ旗が立てられた。
「……日本のしかないのかい? 僕、イギリスの旗とか格好良くて好きなのだけれど」
「ここは日本ですよ」
お子様ランチは自然に国名と国旗が覚えられる教育にいいものと俺は考えている、様々な国旗を用意してこそではないだろうか。
「日本の国旗は見飽きてるよ」
「サッカーの大会ある時くらいしか見なくないですか?」
服や鞄などのデザインとして人気なのだから、むしろイギリス国旗の方が見慣れているくらいだ。
「お子様ランチ……大人様ランチ? すっごくワクワクします、ありがとうございますミフユさん」
「……うむ! 貴様がフルコースの食べ方を知っているとは思えず、和食を楽しめるとも思えず、頭を悩ませた結果だ。喜んでもらえてミフユはとても嬉しいぞ!」
満面の笑みを浮かべたミフユは自分の分を机に置き、席に着いた。
「…………水月ちょっとバカにされてへん?」
「実際フルコースのマナーとか知らないし、和食の何が材料かよく分からない味の薄い小鉢達とかあんまり好きじゃいし……やっぱりハンバーグとエビフライだよ、男子高校生としてはな」
「アホが喜ぶ食いもんやん、めっちゃ好きやわ。お子様ランチ好きやってんなぁ……懐かしいわぁ」
手を合わせて声を合わせて挨拶をし、各々フォークやスプーンを持つ。俺は早速ハンバーグを一口食べた。
「んんんっ……!」
デミグラスソースというのがまたイイ。俺はハンバーグにつけるなら醤油ベースの和風ソースが一番好きなのだが、デミグラスソースには思い出補正がある。お子様ランチ風のハンバーグにはデミグラスソースに軍配が上がるだろう。
「俺デミグラスソースのが好きやからええんですけど、お子様ランチのハンバーグっちゅうたらケチャップちゃいます?」
「そうなのか? 自分が食べてきたのはデミグラスソースだったぞ」
「当然、僕もね」
「俺も……」
「えー、ケチャップ俺だけぇ? まぁデミグラスのが好きやからええんやけど……納得いかんわ」
太るからと控えてきたタルタルソースをたっぷりエビフライに絡ませ、食べる。エビの身が大きくぷりぷりのしているのは当然、衣も美味い。エビだけが抜けてしまったり衣が剥げてしまったり、そんなことは起こらない、エビと衣がしっかりくっついている。
「美味し過ぎる……!」
チキンライスを食べるため旗を抜く。よく見ると日の丸マークにはマジックペンでぐるぐると描いた跡のようなものがあった。
「……ミフユさん、この旗手作りですか?」
「うむ、しかし円の位置やサイズは正しいぞ」
正しい位置とサイズとかあるんだ……そりゃあるか、国旗だもんな。
「へぇ……ありがとうございます、わざわざ作ってくれたなんて……これ持って帰っていいですか?」
「構わないが、どうするんだそんなもの」
「飾ります」
「いくつか作り置きがある、後で新品を渡そう」
「これがいいんです、ちゃんと洗いますからいいでしょ?」
ミフユは困ったように眉尻を下げながらも嬉しそうに口元を緩ませた。
「他のも作っておくれよミフユ、僕ユニオンジャックが欲しいなぁ。もう少し大きいものがいい、ペン立てに立てられるくらいの」
「どうせすぐ飽きて忘れるくせに……分かりました」
「……水月くん水月くん、最近ミフユは僕のお願いを聞く時にあからさまに面倒臭そうな顔をしたり文句を言ったりするんだけれど、君の影響かな?」
「えっ俺?」
耳元でヒソヒソと突然責任の所在を問われ、焦り、これまでのミフユとの関わり方を思い返す。
「……心当たりはありませんけど──」
一応謝っておくか。
「──ごめ……」
「ありがとうね」
「……え? ダメなことなんじゃ……」
「まさか、嬉しいんだよ」
我儘を二つ返事で聞いてくれなくなって過ごしにくくなったという話ではなかったのか。
「……ミフユは何でも僕のお願いを聞いて、僕に一生懸命尽くしてくれた。それは今でも変わらないけれど……前よりも不満を表すようになったし、僕以外の人間を全て睨み付けるのをやめた。きっと君のおかげだよ、僕以外に深く関わる相手が出来たから……だから、ありがとう」
「ネザメさんは不満を言ってくれるようになったの嬉しいんですか?」
「うん、人間らしくなったなぁって。考えることが増えたはずなのに余裕が出来たように見える。痛々しいくらいの一生懸命さが、健康的に眩しい一生懸命さに変わった気がするんだ。可愛い可愛い僕のミフユ……彼には誰よりも幸せで居て欲しい。君と過ごすミフユはすごく幸せそうに見える。だから、嬉しい」
「…………そうですか、そんなふうに……」
ミフユの変化は付き合いの浅い俺にとっては俺に心を開いてくれたのかなという程度でしか読み取れなかった。付き合いの長いネザメの意見はとても貴重で光栄なものだ。
「これからもミフユを頼むよ」
「はい! でも……そろそろあなたとも恋人らしいことをしたいんですけど。ネザメさんも俺の彼氏なんですよ?」
「おや……ふふ」
「誤魔化さないでくださいよ」
「…………ごめんね、君は美し過ぎて……そう真っ直ぐに見つめられては、会話や軽いスキンシップ以外は……難しくて」
ぽっと頬を赤らめて視線を逸らしたネザメを見て生徒会選挙期間中のことを思い出した、俺を口説いた際のネザメは余裕綽々に見えたがその実限界ギリギリだったのだろうか。ミフユの変化といいネザメは思い出の違った楽しみ方を与えてくれる人だ。
「写真……ふふ」
寝顔を撮影、つついた後の寝顔を撮影、角度を変えて撮影、そんな俺の耳にタイヤが転がる音が──ワゴンを押す音が聞こえてきた。
「ミフユさんっ」
ダイニングの扉を開けるとワゴンを押してきたミフユと目が合った。
「鳴雷一年生、着いていたのか。扉を開けてくれてありがとう、感謝する。すぐに配膳する、席に座って待っていろ」
席に戻ってリュウを揺り起こし、目の前に運ばれた昼食にワッと声を漏らした。
「美味しそう……! お子様ランチですね!」
デミグラスソースがかかったハンバーグ、大きなウィンナー、エビフライ、オムレツ、輪切りにされたトウモロコシ、マッシュポテトにポテトサラダ、プチトマトやブロッコリー、半球形に盛られたチキンライス……それらが一枚のプレートに乗っている。プレートの脇にはカップに入ったコーンスープまである。飲み物はサクランボ付きのメロンクリームソーダだ。
「大人様ランチだ」
ぷす、とチキンライスに日の丸の旗が立てられた。
「わ~い旗だ~」
リュウとネザメのチキンライスにも同じ旗が立てられた。
「……日本のしかないのかい? 僕、イギリスの旗とか格好良くて好きなのだけれど」
「ここは日本ですよ」
お子様ランチは自然に国名と国旗が覚えられる教育にいいものと俺は考えている、様々な国旗を用意してこそではないだろうか。
「日本の国旗は見飽きてるよ」
「サッカーの大会ある時くらいしか見なくないですか?」
服や鞄などのデザインとして人気なのだから、むしろイギリス国旗の方が見慣れているくらいだ。
「お子様ランチ……大人様ランチ? すっごくワクワクします、ありがとうございますミフユさん」
「……うむ! 貴様がフルコースの食べ方を知っているとは思えず、和食を楽しめるとも思えず、頭を悩ませた結果だ。喜んでもらえてミフユはとても嬉しいぞ!」
満面の笑みを浮かべたミフユは自分の分を机に置き、席に着いた。
「…………水月ちょっとバカにされてへん?」
「実際フルコースのマナーとか知らないし、和食の何が材料かよく分からない味の薄い小鉢達とかあんまり好きじゃいし……やっぱりハンバーグとエビフライだよ、男子高校生としてはな」
「アホが喜ぶ食いもんやん、めっちゃ好きやわ。お子様ランチ好きやってんなぁ……懐かしいわぁ」
手を合わせて声を合わせて挨拶をし、各々フォークやスプーンを持つ。俺は早速ハンバーグを一口食べた。
「んんんっ……!」
デミグラスソースというのがまたイイ。俺はハンバーグにつけるなら醤油ベースの和風ソースが一番好きなのだが、デミグラスソースには思い出補正がある。お子様ランチ風のハンバーグにはデミグラスソースに軍配が上がるだろう。
「俺デミグラスソースのが好きやからええんですけど、お子様ランチのハンバーグっちゅうたらケチャップちゃいます?」
「そうなのか? 自分が食べてきたのはデミグラスソースだったぞ」
「当然、僕もね」
「俺も……」
「えー、ケチャップ俺だけぇ? まぁデミグラスのが好きやからええんやけど……納得いかんわ」
太るからと控えてきたタルタルソースをたっぷりエビフライに絡ませ、食べる。エビの身が大きくぷりぷりのしているのは当然、衣も美味い。エビだけが抜けてしまったり衣が剥げてしまったり、そんなことは起こらない、エビと衣がしっかりくっついている。
「美味し過ぎる……!」
チキンライスを食べるため旗を抜く。よく見ると日の丸マークにはマジックペンでぐるぐると描いた跡のようなものがあった。
「……ミフユさん、この旗手作りですか?」
「うむ、しかし円の位置やサイズは正しいぞ」
正しい位置とサイズとかあるんだ……そりゃあるか、国旗だもんな。
「へぇ……ありがとうございます、わざわざ作ってくれたなんて……これ持って帰っていいですか?」
「構わないが、どうするんだそんなもの」
「飾ります」
「いくつか作り置きがある、後で新品を渡そう」
「これがいいんです、ちゃんと洗いますからいいでしょ?」
ミフユは困ったように眉尻を下げながらも嬉しそうに口元を緩ませた。
「他のも作っておくれよミフユ、僕ユニオンジャックが欲しいなぁ。もう少し大きいものがいい、ペン立てに立てられるくらいの」
「どうせすぐ飽きて忘れるくせに……分かりました」
「……水月くん水月くん、最近ミフユは僕のお願いを聞く時にあからさまに面倒臭そうな顔をしたり文句を言ったりするんだけれど、君の影響かな?」
「えっ俺?」
耳元でヒソヒソと突然責任の所在を問われ、焦り、これまでのミフユとの関わり方を思い返す。
「……心当たりはありませんけど──」
一応謝っておくか。
「──ごめ……」
「ありがとうね」
「……え? ダメなことなんじゃ……」
「まさか、嬉しいんだよ」
我儘を二つ返事で聞いてくれなくなって過ごしにくくなったという話ではなかったのか。
「……ミフユは何でも僕のお願いを聞いて、僕に一生懸命尽くしてくれた。それは今でも変わらないけれど……前よりも不満を表すようになったし、僕以外の人間を全て睨み付けるのをやめた。きっと君のおかげだよ、僕以外に深く関わる相手が出来たから……だから、ありがとう」
「ネザメさんは不満を言ってくれるようになったの嬉しいんですか?」
「うん、人間らしくなったなぁって。考えることが増えたはずなのに余裕が出来たように見える。痛々しいくらいの一生懸命さが、健康的に眩しい一生懸命さに変わった気がするんだ。可愛い可愛い僕のミフユ……彼には誰よりも幸せで居て欲しい。君と過ごすミフユはすごく幸せそうに見える。だから、嬉しい」
「…………そうですか、そんなふうに……」
ミフユの変化は付き合いの浅い俺にとっては俺に心を開いてくれたのかなという程度でしか読み取れなかった。付き合いの長いネザメの意見はとても貴重で光栄なものだ。
「これからもミフユを頼むよ」
「はい! でも……そろそろあなたとも恋人らしいことをしたいんですけど。ネザメさんも俺の彼氏なんですよ?」
「おや……ふふ」
「誤魔化さないでくださいよ」
「…………ごめんね、君は美し過ぎて……そう真っ直ぐに見つめられては、会話や軽いスキンシップ以外は……難しくて」
ぽっと頬を赤らめて視線を逸らしたネザメを見て生徒会選挙期間中のことを思い出した、俺を口説いた際のネザメは余裕綽々に見えたがその実限界ギリギリだったのだろうか。ミフユの変化といいネザメは思い出の違った楽しみ方を与えてくれる人だ。
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