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一番の雑用係
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俺はみんなが剥き終えたゆで卵を潰し、マヨネーズと和えて味付けを施す役目を仰せつかった。
「みんな、殻剥き終わったか? ありがとうな」
「こんな地味な仕事じゃなくて俺はもっとカッコイイ仕事がしたいっすよ~」
「なんだレイ、硬度三みたいなこと言って」
「殻を何度か入れてしまった……ちゃんと全部取ったつもりだが、残っていたらすまない」
深皿に移されたゆで卵の中にはいくつか壊れた物が混じっている、歌見が殻剥きの際に力み過ぎて握り潰してしまったらしい。力加減が苦手なんだな、萌える。
「水月くん水月くん」
ゆで卵にマヨネーズをかけているとネザメに肩をつつかれた。
「何ですか?」
ゆで卵を潰しながらそう聞き返す。
「秋風くんと何を話せばいいのかよく分からないよ」
「んなこと俺に言われても……ぁ、誕生日関係の話は避けてくださいよ?」
「分かってるよ、サプライズ感が欲しいものね」
「ネザメさんが聞きたいこと聞けばいいじゃないですか、話したいって言ってたんですから色々あるでしょう?」
「そうなんだけど、頭が真っ白になってしまって……」
視線を下へと逸らし、眉尻を下げてしゅんと落ち込むネザメはとても愛らしい。どうにか彼の悩みを解決してやりたい。その一心で俺は思い付いた。
「アキに向かって言うから緊張するんです、セイカに向かって言うといいですよ」
「えっ……」
聞き耳を立てていたセイカが目を丸くして俺を見つめる。
「なるほど!」
ネザメは笑顔に戻り、今度はアキではなくセイカの前に座った。俺は「いいことをしたなぁ」と気分よく卵のマッシュに戻った。
「秋風くんは美しい、けれど美し過ぎて……神秘的過ぎて、見つめ合うとお喋りなんてしている場合ではなくなってしまう。どうせ彼と話すには君の協力が必要なのだし、君を緊張の壁とさせてもらうよ。構わないね? 狭雲くん」
「……わ、分かった」
「それじゃ、早速お話を……えっと、えーっと……ちょっと待ってね、えっと……あぁ、ダメだ、秋風くんに聞くとなると、秋風くんを直接前にしていなくてもっ、あぁ……!」
ネザメは顔をじわじわと赤くしていき、俯いて黙り込んでしまった。
《んだよボンボン、また俺に照れてんのか? 面白ぇけどいい加減ワンパターンで飽きてきたぜ》
「……て、照れてるのかって……その反応、面白いけど……いい加減にちゃんと接して欲しいって」
「ぇ……あ、秋風くんっ、僕にちゃんと接して欲しいと思ってくれているのかいっ?」
「へっ? ぁ、や……飽きたって、言いにくくて……あの、えと」
「よし、よし! なら……今日の海水浴、楽しみだね。と頼むよ」
セイカがネザメの言葉を翻訳すると、アキは笑顔で短い言葉を返した。
「そうだね、だって」
「……昼食はミフユや君のお兄さんが頑張って作ってくれているよ、おにぎりやサンドイッチがあるそうだ。楽しみだね」
「そうだね、だって」
「…………いつも狭雲くんとはもっとたくさんお話しているじゃないか! どうして僕に対してはこんな短い返事しかくれないんだい? 僕の話の振り方はそんなに下手かい?」
「わ、分かんない……俺と話す時は、だいたい秋風の方から話しかけてくれてるし」
ハッとした様子のネザメはアキを見つめて口を噤んだ。話しかけられるのを待つ作戦に移ったようだ。俺は潰した卵にマヨネーズの追加ついでに塩を振り、味を整えた。
「ちょっと一口……ん~! 美味しい、イケるよみっつん!」
「ありがとう。じゃあこれで終わりでいいかな」
深皿を持ってキッチンへと戻る途中、ネザメの様子を再び確認してみる。
「全然話しかけてきてくれないよ狭雲くん……秋風くんは沈黙を好んでいるようにすら感じる。どういうことだい? 君と僕の何がそんなに違うって言うんだい」
「秋風は話さない時は全然話さないんで……俺と居ても数時間無言とか普通にあるし……」
「……僕に足りないのは根気、そう言いたいんだね? 分かったよ……待つよ」
昼食が完成するまでにアキと話せるといいなぁ。と他人事のように思ったその瞬間、ジュワッと音がした。見ればミフユが油を張った鍋に何かを入れている。
「ミフユさん? それは何を……? 揚げ物、ですか?」
「トンカツだ、サンドイッチの具材にする」
「なるほど……」
「カツサンドに挟むからキャベツの千切りも頼む。半々玉ほどでいい」
俺はサンドイッチ係のシュカに卵を渡し、キャベツを冷蔵室から取り出した。
「水月、千切りボクがやるからおにぎりに海苔巻いてよ」
「え、でも」
「ボクのが細かく均等に食べやすく切れると思うけど?」
「……じゃあ、お願い」
サンは俺よりもずっと包丁の扱いに慣れている、けれどやっぱり不安になる。そんな不安をかき消すように、過剰な心配も差別だと吐き捨てるように、サンは見事な千切りを見せた。
「おぉー……細い、全部同じ細さ……シュカ、見てほら、キャベツの千切り」
「……美味しいですね」
シュカは切られたキャベツを一つまみ勝手に食べた。
「すごいよねサン、速いし細かいし……食義とか習得してる?」
「慣れだよ慣れ。どうせならいつもの包丁がいいんだけど、まぁこれも切れ味はいいしサイズほぼ一緒だからいいけどね」
「……包丁失くしてごめんなさい」
「いいよ、アレはそんなに使ってなかったし」
レイの元カレ対策の武器として勝手にサンの包丁を持ち出してしまったのは、今でも落ち込む行動だ。アイツは包丁を見ても対して怯んでいなかったし、弁償もさせてもらえない。
「みーつーき、本当にいいんだよ。使ってなかったんだから、なくなっても大丈夫、怒っても悲しんでもない」
俺が落ち込んだのを呼吸で察してか、サンは千切りをする手を止めずに俺の肩にズンと頭を乗せた。
「水月が大怪我せずに戻れてよかった、その一助になったんなら彼も本望だよ」
「……ありがとう、サン……でもやっぱり弁償させて欲しいんだけど」
「いいの。そのお金稼いでくる分ボクと一緒に居てくれた方がボクは嬉しいな」
「でも」
「水月はボクの感情より、自分の罪悪感を晴らす方を優先したいの? したいんなら弁償されてあげてもいいけどさ」
「……ううん、サンの気持ちが一番。ごめんね」
満足そうに微笑んだサンは俺に頬擦りをし、俺から頭を離した。
「みんな、殻剥き終わったか? ありがとうな」
「こんな地味な仕事じゃなくて俺はもっとカッコイイ仕事がしたいっすよ~」
「なんだレイ、硬度三みたいなこと言って」
「殻を何度か入れてしまった……ちゃんと全部取ったつもりだが、残っていたらすまない」
深皿に移されたゆで卵の中にはいくつか壊れた物が混じっている、歌見が殻剥きの際に力み過ぎて握り潰してしまったらしい。力加減が苦手なんだな、萌える。
「水月くん水月くん」
ゆで卵にマヨネーズをかけているとネザメに肩をつつかれた。
「何ですか?」
ゆで卵を潰しながらそう聞き返す。
「秋風くんと何を話せばいいのかよく分からないよ」
「んなこと俺に言われても……ぁ、誕生日関係の話は避けてくださいよ?」
「分かってるよ、サプライズ感が欲しいものね」
「ネザメさんが聞きたいこと聞けばいいじゃないですか、話したいって言ってたんですから色々あるでしょう?」
「そうなんだけど、頭が真っ白になってしまって……」
視線を下へと逸らし、眉尻を下げてしゅんと落ち込むネザメはとても愛らしい。どうにか彼の悩みを解決してやりたい。その一心で俺は思い付いた。
「アキに向かって言うから緊張するんです、セイカに向かって言うといいですよ」
「えっ……」
聞き耳を立てていたセイカが目を丸くして俺を見つめる。
「なるほど!」
ネザメは笑顔に戻り、今度はアキではなくセイカの前に座った。俺は「いいことをしたなぁ」と気分よく卵のマッシュに戻った。
「秋風くんは美しい、けれど美し過ぎて……神秘的過ぎて、見つめ合うとお喋りなんてしている場合ではなくなってしまう。どうせ彼と話すには君の協力が必要なのだし、君を緊張の壁とさせてもらうよ。構わないね? 狭雲くん」
「……わ、分かった」
「それじゃ、早速お話を……えっと、えーっと……ちょっと待ってね、えっと……あぁ、ダメだ、秋風くんに聞くとなると、秋風くんを直接前にしていなくてもっ、あぁ……!」
ネザメは顔をじわじわと赤くしていき、俯いて黙り込んでしまった。
《んだよボンボン、また俺に照れてんのか? 面白ぇけどいい加減ワンパターンで飽きてきたぜ》
「……て、照れてるのかって……その反応、面白いけど……いい加減にちゃんと接して欲しいって」
「ぇ……あ、秋風くんっ、僕にちゃんと接して欲しいと思ってくれているのかいっ?」
「へっ? ぁ、や……飽きたって、言いにくくて……あの、えと」
「よし、よし! なら……今日の海水浴、楽しみだね。と頼むよ」
セイカがネザメの言葉を翻訳すると、アキは笑顔で短い言葉を返した。
「そうだね、だって」
「……昼食はミフユや君のお兄さんが頑張って作ってくれているよ、おにぎりやサンドイッチがあるそうだ。楽しみだね」
「そうだね、だって」
「…………いつも狭雲くんとはもっとたくさんお話しているじゃないか! どうして僕に対してはこんな短い返事しかくれないんだい? 僕の話の振り方はそんなに下手かい?」
「わ、分かんない……俺と話す時は、だいたい秋風の方から話しかけてくれてるし」
ハッとした様子のネザメはアキを見つめて口を噤んだ。話しかけられるのを待つ作戦に移ったようだ。俺は潰した卵にマヨネーズの追加ついでに塩を振り、味を整えた。
「ちょっと一口……ん~! 美味しい、イケるよみっつん!」
「ありがとう。じゃあこれで終わりでいいかな」
深皿を持ってキッチンへと戻る途中、ネザメの様子を再び確認してみる。
「全然話しかけてきてくれないよ狭雲くん……秋風くんは沈黙を好んでいるようにすら感じる。どういうことだい? 君と僕の何がそんなに違うって言うんだい」
「秋風は話さない時は全然話さないんで……俺と居ても数時間無言とか普通にあるし……」
「……僕に足りないのは根気、そう言いたいんだね? 分かったよ……待つよ」
昼食が完成するまでにアキと話せるといいなぁ。と他人事のように思ったその瞬間、ジュワッと音がした。見ればミフユが油を張った鍋に何かを入れている。
「ミフユさん? それは何を……? 揚げ物、ですか?」
「トンカツだ、サンドイッチの具材にする」
「なるほど……」
「カツサンドに挟むからキャベツの千切りも頼む。半々玉ほどでいい」
俺はサンドイッチ係のシュカに卵を渡し、キャベツを冷蔵室から取り出した。
「水月、千切りボクがやるからおにぎりに海苔巻いてよ」
「え、でも」
「ボクのが細かく均等に食べやすく切れると思うけど?」
「……じゃあ、お願い」
サンは俺よりもずっと包丁の扱いに慣れている、けれどやっぱり不安になる。そんな不安をかき消すように、過剰な心配も差別だと吐き捨てるように、サンは見事な千切りを見せた。
「おぉー……細い、全部同じ細さ……シュカ、見てほら、キャベツの千切り」
「……美味しいですね」
シュカは切られたキャベツを一つまみ勝手に食べた。
「すごいよねサン、速いし細かいし……食義とか習得してる?」
「慣れだよ慣れ。どうせならいつもの包丁がいいんだけど、まぁこれも切れ味はいいしサイズほぼ一緒だからいいけどね」
「……包丁失くしてごめんなさい」
「いいよ、アレはそんなに使ってなかったし」
レイの元カレ対策の武器として勝手にサンの包丁を持ち出してしまったのは、今でも落ち込む行動だ。アイツは包丁を見ても対して怯んでいなかったし、弁償もさせてもらえない。
「みーつーき、本当にいいんだよ。使ってなかったんだから、なくなっても大丈夫、怒っても悲しんでもない」
俺が落ち込んだのを呼吸で察してか、サンは千切りをする手を止めずに俺の肩にズンと頭を乗せた。
「水月が大怪我せずに戻れてよかった、その一助になったんなら彼も本望だよ」
「……ありがとう、サン……でもやっぱり弁償させて欲しいんだけど」
「いいの。そのお金稼いでくる分ボクと一緒に居てくれた方がボクは嬉しいな」
「でも」
「水月はボクの感情より、自分の罪悪感を晴らす方を優先したいの? したいんなら弁償されてあげてもいいけどさ」
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満足そうに微笑んだサンは俺に頬擦りをし、俺から頭を離した。
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