冴えないオタクでしたが高校デビューに成功したので男子校でハーレムを築こうと思います

ムーン

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不意打ちキスはどこの文化

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ノヴェムを部屋まで運び、ネイと笑い合う。

「今日は本当にありがとうございました、水月くん。重ねてお礼を申し上げます」

「いえいえそんな、このくらいのことで……」

照れつつ返事をしていると突然抱き寄せられ、唇を重ねられた。

「……っ!?」

「ありがとうございました。明日は朝イチでノヴェムをお風呂に入れませんと……早起きしなきゃですね、ふふ……水月くんも明日も学校ですから、早く寝るんですよ。おやすみなさい、水月くん」

「え……ぁ、は、はい……おやすみなさい」

キスをされた、よな。今。不意打ちでキスをする悪癖はノヴェムにも遺伝している、照れるし困るし厄介だ。美人にキスをされること自体は嬉しいのだが、俺は洋画の昼行灯なおじさんキャラのようなスマートな反応が出来ない。

「…………っ、あっ、あの!」

玄関へと向かう前に、俺は振り返った。どうしても言っておかなければと思ったんだ。

「前から思ってたんですけどっ、そうやって誰彼構わずキスするのよくないと思うんですっ! アメリカではどうだか知らないけど、日本では絶対ダメですから!」

そう叫んで、俺は玄関扉に突進するような勢いでネイの家から逃げ出した。

「はぁっ、はぁっ、はぁ……はぁー…………どういうつもりなんだよ、もう……いやどういうつもりも何もないのか、これだからアメリカ人は」

知ってるアメリカ人、あの親子だけだけど。

「…………ん?」

キスやハグなどスキンシップ過剰なのはアメリカの文化と俺は思い込んでいたが、そういえばネイは日本生まれ日本育ちではなかったか? 今は亡き妻と結婚してからはアメリカに居たと言っていたが……ノヴェムの歳からして七、八年? それで二十年以上培ってきた日本の文化が薄れるだろうか?

「え……? じゃあ、何……? なんで……」

道のど真ん中で立ち止まる。

「い、いや……ノヴェムくんがああだから、伝染ったんだ……うん」

俺は自分にそう言い聞かせて自宅へと戻った。

「おかえり、水月」

歌見は扉のすぐ前で待っていた。俺を見送ってからずっとここに居たらしい。

「パイセン、ここで待っててくれたんですか?」

「すぐだろうと思ってたしな」

「どぅふふふ……パイセン、わたくしが待ち切れなかったんですな~? ノヴェムくんの教育に悪いかと我慢していましたが、彼が帰った今! 今は大人の時間! めぐるめくアダルティな夜にいざ!」

歌見の腰に腕を回すも、その手は尻に下ろす前にペシっと払われた。

「風呂に入ってからだ」

「そんなぁ! 考え直してくだされパイセン、汗の匂いがする中でおせっせするのがいいのでそ」

「俺は嫌だ。さっさと入ってこい、俺は後にするから」

「ゔゔゔゔ」

「唸るな」

説得出来なさそうな頑なな態度に俺は唸るしかなかった。



この前シュカを抱いてしまったが、俺の部屋では喘ぎ声が母の部屋まで響く可能性がある。アキの部屋を借りるべきだろう、ということで頼んでみた。

「ナナー、見るする、したいするです……でも、ぼく、眠いするです。ぼく、せーか、にーに部屋、寝るするです」

「あぁ、ごめんな追い出しちゃって……前シュカ抱いた時、ちょっと声聞こえたって母さんに後から言われたんだよ。葉子さんには気付かれなかったらしいからギリセーフなんだけどさ……はは、やっぱヤリ部屋はここだわ」

「ヤリ部屋って」

「あぁごめんごめん、アキの部屋なのにな。ありがとうなアキ、セイカ、部屋貸してくれて」

部屋は借りられた。後は客人のくせに遠慮をして俺よりも後に風呂に入った歌見を待つだけだ。いや、ローションを温めたり、オモチャを準備したりしなければな。

「ふぅっ、これで完璧ですかな。パイセンをヒンヒン鳴かせてやりますぞ~」

準備は終わったが歌見はまだやってこない、暇だ。歌見を出迎える時のキメ顔でも決めておくか。



手鏡片手に百面相中、扉が開いた。俺は慌てて暫定一位のキメ顔を作り、鏡を隠し、歌見を出迎えた。

「お待ちしておりましたぞパイセン!」

「そ、そうか……悪いな、待たせて」

緊張と照れの混じった表情で俯く歌見の瞳は美しい紫色だ、時計のような模様もある。カラコンだ、最近はあまりつけているところを見なかったから、紛失でもしたのかと思っていた。

「色々と……その、手間取って」

「手間取る?」

「あ、いや……」

歌見の視線はベッドの端に置いたローションやオモチャ、コンドームなどに向き、彼の顔はますます赤くなる。

「……さ、さっさとヤ……ぅ……いや、やっぱちょっと待ってくれ」

歌見のタンクトップは風呂に入る前に着ていたものとは違う。アレよりももっと胸元がざっくりと深く、谷間どころか鳩尾までチラチラと見えている。しかもピッチリとした造りではないから、脇のところもスカスカで横乳が楽しめる。腕を上げれば脇も丸見えだろう。

「や、やっぱり……やめないか? 今日は」

「えっ、そ、そんなっ、どうしてでそ、何か不都合がござんすか!?」

「いつも以上に言葉遣いがおかしいな……いや、なんでって言うか……」

「パイセンがどうしても嫌ならわたくし我慢しまっそ。もしかして体調が悪いのでしょうか、毎日暑い中配達しておりますし夏バテとか?」

「…………はぁ」

歌見は深く大きなため息をついた。ここまで大規模なものはなかなか見ない、不安になった俺は俯いた歌見の顔を覗き込んだ。

「本っ当にいいヤツだなお前は。もっと強引に来てもいいんだぞ? ごめんな……ちょっと恥ずかしくなっただけなんだよ、直前になって尻込みしただけ。情けないよな、初めてでもあるまいし」

「いえ、いえ! セックスは結構勇気も体力も必要ですからな、途中まではノリ気でも直前になって嫌ってなっても不自然はありませんぞ」

「……ラブホに入ってシャワー浴びてからやっぱナシって言うようなもんだろ? 普通の男ならブチ切れ展開なんだが……ふふ、いいヤツ過ぎて心配なくらいだ」

歌見は俺を抱き寄せたかと思えば、俺の手を取り自身の頬に触れさせた。

「…………初めてでもないのに俺が尻込みしてしまった理由、聞いてくれるか? 水月」

「ええ、パイセンのお話でしたらいくらでも!」

それよりもほとんど乳首を隠すだけとなっているダルッダルのタンクトップについて詳しく聞きたいし、その頼りない布の下の豊満な肉体を堪能したいのだが、それはグッと堪えて歌見の話を聞くことにした。
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