冴えないオタクでしたが高校デビューに成功したので男子校でハーレムを築こうと思います

ムーン

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力任せの取り合い

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サンが上機嫌になった。短気ながらにサン相手なら我慢をしてくれるヒトと、ヒトへの嫌悪感を隠さず我慢をしないサンなら、サンの機嫌がいい方が彼らは操りやすい。

(やっぱり弟のが優先されてるってヒトさん感じちゃいそうですが……まぁそこはわたくしの腕が問われるところですな)

最初は学園モノBLゲームに出てきそうな素晴らしい学校の中で、美少年達を数人侍らせ奉仕させたいと考えていただけなのに……今や現ヤクザ組長と元ヤクザ組長の板挟み。人生とは分からないものだ。

「水月、えっちなことしたい?」

「そりゃもちろん!」

「元気がいいねぇ、素直なのもいいよ。また髪でしてあげようか、三つ編みだとまた違うかもよ」

「えっほんとっ? いいのっ? こ、こんな可愛い三つ編みでっ、そんなの……!」

「ちょ……ちょっと鳴雷さん! この部屋は私が予約したんです! そういうことをするなら私とすべきでしょう!」

凶器にもなり得る三つ編みで陰茎を扱いてもらえたら、そんな幸せなことはない。しかし興奮し過ぎはよくない、ヒトが拗ねてしまう。

「あっ、すいません……! 三つ編みが魅力的でつい」

「ヒト兄貴の髪の長さじゃ髪コキは出来ないもんね~」

「か……かみ、こき? 何だか知りませんが私はもっとすごいことが出来ます!」

「へぇ~? 兄貴は水月に何してあげるの~?」

「私は鳴雷さんに……! えっ、と……あっ、口で、口でして差し上げますよ。な、舐めたり……? しゃぶったり……」

三十路前の大人の男にフェラチオをしてもらえるなんて素晴らしい機会だ。ヒトの社会的地位が高いのもあって、最高の優越感が味わえるだろう。テクニック自体は稚拙そうなのが逆にイイな。

「それくらいボクも出来るよ。っていうかしてあげたよね、水月」

「私の方が上手く出来ます! 鳴雷さん、私仕事中は紙パック飲料をよく飲んでいて、ストローを使っているんです。吸引力には自信がありますよ」

「舌の器用さには自信があるんだよね~。水月もキスとフェラで知ってるよね? ボクの舌のすごさ」

れろん、と人並み以上の長さの舌を出す。あの舌はとても繊細な動きが出来る上に力強くもあり、俺の舌や陰茎を骨抜きにしてしまう。元々骨がない部位だけど。

「舌くらい私だって動かせます!」

「ボクさくらんぼのヘタ結べるよ~」

「は……? 舌でそんなこと出来るわけないでしょう。鳴雷さん、サンは実力では私に勝てないからと誇張に走りましたよ。決まりですね」

さくらんぼのヘタを口の中で結ぶことが出来たらキスが上手い、よく聞く話だ。ヒトはそれを知らない上に出来ないと断定した、つまりサンの方が舌自体は器用ということだ。

「水月、ほら……早く選んでよ。どっちにしゃぶらせるのか」

「えっこれそういうのだったの!? えっ、えぇ……一緒にして、じゃ……ダメ?」

「他の子とならいいけど、兄貴とはやだな~」

「同時なら実力の差が分かりやすいでしょうね。それを嫌がるということは……サンは勝つ自信がないということです」

「やっすい挑発。んなのに乗ると思ってんの? はぁ……まぁ、いつまでも口喧嘩してたってしょうがない。いいよ水月、一緒にやってあげる」

睨み合う二人の視線が交わることはないが、火花が散っているのは誰の目にも明らかだ。生唾を飲んだ二人の手が同時にベルトに降りる。

「兄貴邪魔」

「こっちのセリフです」

奪い合うようにベルトを外し、ヒトが俺のズボンを下ろすとその隙にサンが俺の下着に指を引っ掛けた。

「抜け駆け禁止です!」

ヒトが慌てて俺の下着を掴み、サンに対抗するためか俺に履かせるように引っ張った。

「ボク優先なのは順番的に正しいの!」

「鳴雷さんだけはサンに譲りません!」

「ショートケーキのイチゴ以外兄貴から譲られた覚えはないね!」

仲良し兄弟エピソードもあるんだな。

「パンツ破れちゃうから二人とも離して! 自分で脱ぐよ、もぉ……ほら離して離して」

左側は下方向へ、右側は上方向へ引っ張られ、右足の付け根は痛いわ下着は今にも裂けそうな悲鳴を上げるわ、最悪だった。しかし取り合われるのは最高に気持ちよかったな。

「ごめんなさい……」

「兄貴が反対に引っ張ったのが悪い」

謝らず拗ねたような態度を取るところ、末っ子らしくて大変可愛らしい。

「伸びては……ないかな? 一応勝負下着なんですよこれ」

「スポーティでカッコイイです」

「男に勝負下着とかあるの? 女の子ならレースとかヒモとかあるだろうけどさ~」

「普段はセール品だけどこれはブランド品なんだよ。生地がいいよ、毛玉出来ないし」

「……パンツって普通毛玉出来ないよね?」

「あなたが手触りにうるさいからいいのを買ってあげてるんです。早めに替えて差し上げていますし」

サン、ヒトに下着買ってもらってるんだ……実は結構仲がいいのか? 分からなくなってきたな。

「…………大きい」

「水月のちんちん久しぶり~、旅行でも会わなかったもんね」

下着から解放された陰茎は天を突くように反り返り、床にペタンと座っているヒトを唖然とさせ、膝立ちのサンにはきゅっと握られ先端にキスまでされた。

「あっ、ちょっとサン! 私まだ見てるのに!」

「ボク見えないから触るしかないんだよ」

「腹ん中に視力置いてきたのが悪い! 私にも触らせてください、私まだ触ったことないんです!」

「うっわ出すとこ出せば人生終わらせられそうなレベルの暴言。盲人差別はよくないな~」

「ちょっとちょっとそこ一応急所なんですからパンツみたいに取り合いとかやめてくださいよ!? もげちゃう!」

先程の下着のように掴まれ、引っ張られ、取り合われる未来を見た俺は慌てて二人を止めた。不満げにしながらも俺の言うことは素直に聞いてくれる二人の大男を見下ろし、ゾクゾクと背筋に仄暗い快感を走らせた。
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