冴えないオタクでしたが高校デビューに成功したので男子校でハーレムを築こうと思います

ムーン

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うぃるゆーまりーみー (水月×ネイ・ノヴェム)

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ネイに股間を掴まれている、いや、揉まれている、揉まれているぞ。散々撫で回された後のその刺激は甘く、足に力が入らなくなった。ネイは強い力で俺を押さえ付けている訳ではないのに、ベッドから立ち上がれない。

「ミツキ……」

言い負かされたばかりのサキヒコは眉尻を下げ、心配そうに俺を見つめている。彼が強い言葉で止めてくれればどうにか踏みとどまれたかもしれないけれど、そんな望みももう尽きた。ネイがゆっくりと顔を近付けるのに対し、俺は目を閉じてキスを受け入れた。

「んっ……ん、ふ……んんっ……!」

慣れた舌に口内を蹂躙され、更に身体の力が抜けていく。単に上手くて、めちゃくちゃ気持ちがいいのだ。このキスの上手さこそがネイがしょっちゅうこんなふうに好意をチラつかせて人を騙している証だ。

「んんんんっ……! ふ、ぁ……ねい、さん」

嘘つきめ。そう叫んでやろうかとも思ったけれど、口が溶けるような錯覚を覚えるまでに上手いキスと、滲んだ視界の中でも分かるほど俺を真っ直ぐに見つめている優しい碧い瞳に、黙らされた。

(騙されてぇ~! ダメでそ、わたくしはもうわたくし一人の身体ではないと言うのに! ぬぅうしかし、しかし! このような魅力的な方に押されて落ちるなという方が無茶でそ!)

もう身を任せてしまおうか?

「……そんな可愛い顔も出来るんですね。知らなかった……ふふ、もっと教えてください、水月くんの色んな顔」

カチャカチャと金属音が聞こえてきた。俺のベルトが外される音だ。ファスナーが下ろされる振動が微かに伝わり、緊張と興奮で呼吸がどんどん荒くなっていく。

「喜んでくれていますか?  水月くんはとても美しいので、彼氏もたくさん居て……この程度じゃ効かないと思っていましたが、ふふ、存外ウブですね。本当に可愛い……ますます本気になっいちゃいます」

ネイの指が下着にかかった瞬間、俺は反射的に下着のウエストを両手で強く掴んだ。

「…………水月くん?」

ネイは一瞬驚いたように目を見開いたが、すぐに表情を整えて、彼が今一番魅力的に見える角度に顔を傾けた。

「大丈夫ですよ、何も心配いりません。痛いことも怖いことも何もありません。気持ちよくしてあげますから、私に全て任せて……ね?」

「……ゃ、でも、あの……お、俺、んっ……!? ん、ぅ、んっ」

口を口で塞がれる。酸素が薄れ、思考力が削がれる。ネイの手が下着の隙間から中へと入ってくる。ネイの手を掴めばいいのか、下着をもっと引っ張れば隙間なんて生まれないのか、鈍った頭では判断が遅れる。

「おにーちゃーん」

カチャ、と扉が開く音。と共に耳に届いたのは可愛らしい声。

「……っ、ノヴェム」

ネイが慌てて俺から離れる。俺は急いでファスナーを上げ、下着を隠した。

《…………なにしてるの、お父さん。なんで……なんでお兄ちゃんとちゅーしてるのぉっ! 前した時にダメって言ったじゃん! 前言ったじゃんお兄ちゃんぼくのおよめさんなの! お父さんちゅーしちゃダメなのぉ!》

ノヴェムは叫びながらネイの元まで走り、彼の胸や腹をぽこぽこ叩いた。次第に声は涙混じりになっていく。

《ノ、ノヴェム、落ち着いて》

《おどーざんのばがぁあああっ! ぅあぁああああんっ! おにぃぢゃんぼぐのっ、ぼぐのおよめさんなのぉ! ばかぁ! ばかぁあ!》

《ノヴェム……》

《でてけ! でてけばかぁっ!》

ノヴェムは床に落ちていたクッションを拾い、ネイにバンバンと叩きつける。

《……っ、わ、分かりました、分かりましたよ、一旦出ます》

ノヴェムの剣幕に負け、ネイは部屋から出ていった。俺は深いため息をつき、このため息に含まれる感情が「残念」なのか「助かった」なのか、後から考え込んだ。

《お兄ちゃんっ、お兄ちゃん……》

「……ありがとうね、ノヴェムくん。助かった……助かったよ、うん、助かった」

「あり、がとー?」

「うん、さんきゅー」

《…………ノヴェム来て、よかったの? お兄ちゃん、お父さんとちゅー、やだったの? お兄ちゃんお父さん好きじゃない? ノヴェム好き? お父さんのお嫁さんならない?》

ぐずりながらの英語は聞き取りが難しい。簡単な単語、父親だとか好きだとか、そういうのは何となく分かるのだが、文章として組み立てられない。リスニングは苦手だ。

《ぼく……ぼく、お母さん死んじゃったけど、でも、お母さんはお母さんだけだから、お兄ちゃんお母さんになるのやだ……》

今度は母親? 何の話をしているんだろう。

《ぼく、ぼくね、ずっとお母さんと二人でね、お母さんの彼氏あんまり好きじゃなくてね、お母さん死んじゃって一人になって……お父さん来たけど、お父さんお仕事ばっかりでぼく一人でぇ…………でも、でもお兄ちゃん、お兄ちゃんのとこに居たらね、さみしくなくてね……お兄ちゃんと家族になりたくてね》

「ちょ、ちょっと待ってノヴェムくん。翻訳してもらうからセイカかハル、コンちゃんのとこ行こう?」

ずびずびと鼻を鳴らすノヴェムを抱き上げ、部屋を出る。

《だからね、お兄ちゃんノヴェムのおよめさんなって欲しいの。ぼく、おっきくなったらお仕事がんばるし、家事もいっぱいするの。しあわせにするから、およめさんなって、お兄ちゃん》

「よしよし、ちょっと先に洗面所行こうな」

洗面台の前で膝を立てて屈み、太腿の上にノヴェムを立たせ、顔を洗わせた。

《……およめさん、なってくれる? お兄ちゃん》

タオルで顔を拭ったノヴェムは真っ直ぐに俺を見つめ、舌っ足らずな英語でゆっくりとそう言った。

「………………今度また、日本語で言ってくれる?」

いくら英語は赤点スレスレかつリスニングは壊滅的と言っても、あれだけゆっくりと単純な単語だけなら、分かる。内容も、その本気度も。
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