冴えないオタクでしたが高校デビューに成功したので男子校でハーレムを築こうと思います

ムーン

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破壊の活用法 (〃)

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ミタマの尻尾が増えてモフ度が増すのはとても喜ばしいことだ。しかし、彼氏全員に今回の話を伝えるというのは、俺は気が進まない。

「こん~、あーんするです」

「ぁむっ……ん~! うまうまじゃ! あーちゃんは特に可愛ええのぅ、他の子らより若いというのがイイ! 人間の幼体は若ければ若いほど愛らしいからのぅ。もう一つアーンしておくれ、あーちゃん」

ミタマはアキとの交流に夢中だ。アキもミタマが本当に元気になったか疑っているのかミタマを観察している、特に首を気にしている。

「あっ……もしもし、先輩?」

不意に握っていたスマホに視線を移し、通話中だったことを思い出した。

『…………お前俺のこと忘れてたろ』

「そ、そんなことは……ちょっとゴタゴタして、返事出来てなかっただけですよ」

『どうだか。助かったんだよな? そのコンって子』

「あ、はい! おかげ様で! 本当先輩のおかげです、あんな方法があったなんて……!」

『……そっか、よかった。もう切るぞ、編集しないとストックヤバいし……あぁいや、俺も用事があるんだ。全然状況分かってないから、今度またゆっくり説明しろよ。じゃあな』

通話が切られた。今説明しろとは言わないんだな、まだこちらがゴタついていると想定してくれたのだろうか、やはりカサネは想像力豊かな優しい人だ。

「しかしまさか壊れた物なら干渉出来るとは……と、いうことは……眼鏡なんかを壊せば霊を見ることが出来るようになる、ということですかね? 破損したコンタクトを使うのは流石に怖いので、やっぱり眼鏡……見た目が気になりますねぇ」

「多分無理じゃぞ」

「え、どうしてですか? あなたの傷は壊した針と糸で縫い合わせられたんですよ?」

「ヌシ、別にそういう信仰持っとらんじゃろ。理屈で納得出来るかどうかと、心に根付いとるかどうかは別じゃ。世界とは心の在り用、宇宙とは世界をどう見るか、全ては自分の考え次第。心に根付いとらん信仰ではこの現象は引き出せんよ」

ミタマはマフラーをズラし、首に残る薄らとした縫い目を指でなぞる。

「……私は仏教徒です」

「めっちゃキリスト教徒っぽい見た目してるのに」

「見た目で判断するのはよくないですよ、水月くん。ミタマさん、今の話は……何教なのかによって起こる超常現象は変化するとと捉えていいんですね?」

「そんな大層な話と違う。神父が悪霊に塩ぶっかけても効かん、坊主がロザリオ振り回してもどうにもならん、そういう話じゃ」

「ふむ……仏教には副葬品を傷付けるといった話はありません、少なくとも私の宗派には。せいぜいお金ですかね、三途の川の渡し賃……実際に入れたことはありませんが聞いたことはあります。水月くんは神道ですか?」

「え、ウチ神棚も仏壇もないし……分かんないです。案を出してくれたのは先輩ですし」

「ならばその者の信仰じゃな。信仰を語るのに肉声かカラクリ越しかなど大した差にならん。ありがたい話じゃ」

「……なら、その子に壊してもらった物なら使えるかもしれない。ということですね?」

「死者が使えるようにするために傷を入れ、共に埋葬するというのを拡大解釈しワシの手当に使うてくれたんじゃろ? ならば壊した眼鏡は霊を見るためではなく、目の悪い霊がかけるための物ということになるのではないかのぅ」

「それは……解釈次第ですよね。その子に私の解釈を受け入れてもらえば私の解釈した通りになるかもしれません、一度試してみなくては。水月くん、会わせてください。眼鏡を壊すくらい別にいいでしょう?」

俺だけじゃなく誰でも便利に使おうとしてくるなぁこの人……

「ん……? 先輩ならサキヒコくんやコンちゃんのアクセとか服作れるってこと? 俺が着て欲しいのとか買ってきて、壊してもらえば……!」

「ワシは化けられるから言ってくれればどんな格好でもするぞぃ」

「コスプレして欲しいのとプレゼントしたいのは違うんだよコンちゃん」

「水月くん、私の話を聞いていましたか? その方に一度会わせて欲しいんですけど」

「ほいほいほいほい公安だのオカルトだのに俺の彼氏を関わらせたくありません!」

「……じゃあ眼鏡買って渡すのであなたが幽霊見たいとか言って壊させてきてください」

「うぅん……それくらいなら……いや俺だいぶ変な人だなぁー……」

「お礼はします」

お礼、か。

「…………何でもいいですか?」

「ええ、私の目的の役に立つ情報や物が手に入るのであれば。何でも」

「……………………ぐへへっ」

「それは流石にドン引きだわ」

「まだ何も言ってませんがなセイカたん!」

「記憶が新鮮なうちに今回のことを個人的にまとめておきたいので家に帰りますね。また連絡します」

どうまとめるか考えているのか、ぶつぶつと呟きながらネイは帰って行った。玄関扉の鍵をかけてダイニングに戻ると、まだセイカにジトーっと睨まれていた。

「セ、セイカ……」

「……対価に身体を要求するとか、最低だと思う」

「そっ、そんなのセイカの勝手な想像だろ! セイカのえっち~! 変態~…………ちょっと思い付いちゃっただけじゃん実際にはやらないからそんな目で俺を見ないでぇ!?」

「…………ふん」

しばらく信頼を回復出来そうにないな。明日には機嫌を治してくれるといいのだが。
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