冴えないオタクでしたが高校デビューに成功したので男子校でハーレムを築こうと思います

ムーン

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ご利益あげる (水月+ミタマ・セイカ・アキ)

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その後もしばらく届き続けた稲荷寿司やきつねうどんを四人で食べていると、母が帰ってきた。

「……は?」

ポカンとしている。そりゃそうだ。

「何……えっ、全部稲荷寿司? うどんもある……寿司頼むんなら色々頼みなさいよ」

「あ、いや、コンちゃんに頼んだんだけど……いっぱいあるから、ちょっと俺達も分けてもらおうと思って」

「あぶらげ天国なのじゃ~」

ミタマは席に着いてからずっと尻尾を振っている。筋肉痛にならないのだろうか、マッサージしてやるとか言って尻を揉みしだいてやろうかな。

「こんなに頼むってアンタ何が欲しいのよ。マンション?」

母は大量の稲荷寿司をミタマに大きな願いごとをする代償だと思っているようだ。

「……ゲ、ゲーミングPC」

彼氏達にはフタの件を話すと決めたが、母には隠すと悩むことなく決めた。ミタマもセイカも分かってくれているようで何も言わない。

「宝くじの金で買えばいいじゃない、百万あれば十分でしょ。まさかもう使い切っちゃったの?」

「いえいえ、まだ半分以上残ってますぞ」

「半分!? アンタ結構金遣い荒いのね……服装とか変わんないけど、何買ったの?」

「バイクとか……」

「バイクぅ? アンタ乗れないでしょ。車庫にないし。どこ置いてんのよ」

「ぁ、いえ、彼氏に……」

「彼氏に数十万のバイク買ってあげたの!? いや……アンタが当てた金だから好きにすればいいとは言ったけど、あんまりそういう貢ぐみたいなのはしない方がいいわよ……?」

「ち、違うんです、貸してるんです! まとまった金がないけど、目を付けてたバイクが売れそうで……だから代わりに買ってあげて、ゆっくりお金返してねって」

「……あんまりうるさく言いたくないけど、お金の貸し借りも控えなさいね」

「はい……」

叱られてしまったけれど、上手く誤魔化せたかな。

「いや五十万ちょいもあればPCくらい買えるでしょ。そんな高いの欲しいの?」

「ゃ……えっと、まぁ、他にも欲しい物色々あるし……セックス漬けなので腰痛めませんようにとか健康面も…………注文ミスはしましたな、はい……」

「……なんか怪しいわね。はぁ……今日は夕飯は要らないわね、明日は買い物行かなくてよくなったわ」

今日の夕飯の材料を冷蔵庫に詰めながら母はため息をついている。

「コンちゃん全部食べれない?」

「食おうと思えばいくらでも食えるが、祠が完成するまでは余剰分の力は漏れ出すばかりでちょっともったいないぞぃ。なんかご利益やろうか? 手ぇ合わせぇ。せっちゃんもあーちゃんも、さっちゃんも」

「……腰痛になりませんように」

パンパンと手を叩き、ミタマを拝む。腰痛回避程度では願いとして弱いだろうか、もっと霊力を使わせるデカい願いごとが必要かもしれない。

「合わせる手がない」

「言葉の綾じゃ。許せ」

セイカはアキに何かを伝えた後、太腿をパンパンと叩いて頭を下げた。

「……腕が生えますように」

「せっちゃん」

「足も」

「せっちゃん」

「…………幻肢痛、早く治りますように」

「うむ。そのくらいなら何とかなるじゃろう。しかし健康面での願いごとはどこまで効くか分からんぞ? ワシが与えられるご利益は運が良かったと思える程度のものじゃからの」

宝くじ百万当選、一斗缶が飛んでくる、いいタイミングで知り合いの車が助けに入ってくれる、などなど……奇跡レベルの幸運だけどな。

「絶対に腰を痛めんとは約束出来んし、せっちゃんのも急に治ったりはせん。そこんとこ肝に銘じといとくれ、後から文句言われんの嫌じゃからのぅ」

「二個目いい?」

「願いごとのサイズにもよるが一人三つ四つ大丈夫じゃと思うぞぃ」

「太りませんようにっ……!」

「胴回りが多いのぅ」

「……肌、すべすべになりますように。なんか、霞染とかと比べると肌も髪も微妙な気がするんだ……もっと鳴雷の触り心地のいい身体になりたい」

「あーちゃんは何かないのか?」

「説明はしたけど……」

アキはミタマに何かを願う素振りは見せず、稲荷寿司を頬張っている。願いは自分の力で叶えるもんだぜ! なんてカッコイイことを考えているのだろうか?

《…………兄貴もスェカーチカも昼間居なくて寂しい。ガキが帰ってくるまでずーっと一人とか……最悪。ガキのお守りも退屈と寂しさは紛らわせるが、そんなに面白くねぇしよ。祈るようなことなんざねぇ、んなこと聞くならアンタが家に居てくれよ》

「あーちゃん……」

「アキなんて?」

「昼間、一人で居るの寂しいってさ。ノヴェムが来るまで一人だし、来ても子供のお守りなんてつまんないって」

食材の整理と着替えを終えた母が日本酒片手に席に着いた。

「……葉子さんは?」

「毎月のアレで寝込んでるわ。飯は後で部屋まで持ってってあげようかしらね」

「そう……」

「葉子のこと別に気にしてないくせに。アンタが話したいのはアキのことでしょ」

「……うん。でも、俺もセイカも学校だし……仕方ないよ」

「コンちゃんは水月から離れられないの?」

「連日半日はみっちゃんの傍に居らんっちゅうんは厳しいのぅ」

「なんで? 俺に取り憑いてるサキヒコくんならともかく、コンちゃんは単独行動持ってるよね」

「んー……説明は難しいのぅ。とにかく無理じゃ」

ミタマが説明を放棄するとは珍しい。途中で面倒臭くなってやめたり、分かりやすいような分かりにくいような微妙な喩えを出してややこしくして切り上げたりはよくするけれど、最初からしないのは初めてじゃないか?

「……そっか。じゃあ……仕方ないね」

説明が難しいからしないだとか、しても俺が理解出来なさそうだからしないだとか、そういう訳ではなさそうだ。多分あまり聞かせたくない理由なのだろう、なら聞かないでおくべきだ。
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