冴えないオタクでしたが高校デビューに成功したので男子校でハーレムを築こうと思います

ムーン

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離れられない理由 (水月+アキ・ミタマ・セイカ・サキヒコ)

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夕飯を食べ終えて、残った稲荷寿司を冷蔵庫に詰めて、風呂に入ったりカサネに改めて礼の電話をかけたり、その他色々な寝支度を整えてベッドに入った。

「にーにぃ~……にぃにぃ、にーに、にーにぃ」

今日はアキの部屋で三人一緒に眠ろうと思う。アキは大喜びのようで先程からずっと俺に頬擦りしている。頬だけじゃなく額や頭頂部も擦り付けてくる。顔はもちろん首や肩、胸にまで。

「……アキの愛情表現って猫っぽくね?」

「俺猫あんま知らない」

俺の左腕を抱いているのはアキだが、右腕を抱いているのはセイカだ。セイカは頬擦りなどはせずじっと俺の肩に頭を預けている。静と動のコンビってワケ。

「はぁ……かわよ…………ん? どしたのサキヒコくん」

目の前に突然サキヒコが現れた。アキは大きく身体を跳ねさせ、セイカは一瞬俺の腕に抱きつく力を強めた。

《驚かすなよゴーストボーイ!》

「急に出てくんのビビるな……」

「すまない二人とも……ミツキ、私は少し近所を散歩してくる。帰る途中で仕留められそうな浮遊霊を一体見つけたんだ、探してみたい」

「行ってらっしゃい。気を付けてね」

「いてらー……」

「行ってらっしゃいです、さきーこ」

「ヒの発音は難しいのか……? 行ってきます」

サキヒコの姿がすぅっと空気に溶けるように消えていく。アキが頬擦りを再開し、セイカの手から力が抜ける。

「みっちゃん」

「うぉっ」

「わっ……」

《……っ、もぉ~!》

鈴の音と共にミタマが突然姿を現した。サキヒコの時は驚かずに応対出来た俺も今度は驚いてしまった、油断していたな

「みっちゃんの驚き方が一番可愛くない」

「悪かったな咄嗟にうおーって言うタイプで! どうしたの? 暇ならサキヒコくん着いてったげなよ」

「うむ、さっちゃんが居ない間に説明しておこうと思ってな。ほれ、ワシがみっちゃんの傍を離れられん理由」

「……あぁ、やっぱり難しいからしないんじゃなかったんだ。俺に聞かせられない理由かなって思ってたけど、サキヒコくんにだったんだ?」

「うむ……ワシは神じゃから人間に取り憑いても直接的な害は与えんのじゃが、さっちゃんは普通の幽霊じゃから取り憑いた相手の体調を崩したりしてしまう……心当たりはあるな?」

大いにある。取り憑かれたばかりの頃は体温が下がり、全身にだる重さがあった。

「りゅーちゃんが作った身代わり人形はさっちゃんからの悪影響のクッションになる。クッションにしかならん、みっちゃんは変わらずさっちゃんから霊力を吸われ続ける……そこでワシが身代わり人形に霊力を注ぐことによりみっちゃんの霊力消費がゼロに! っちゅう訳で、半日以上みっちゃんから離れるとみっちゃんの霊力が吸われ始める訳じゃ」

「……コンちゃん来る前から身代わり人形だけで体調戻ってたから別にいいよ多少吸われても」

「自覚がない程度に体調が崩れるんじゃ! 運もちょっと悪くなる!」

「具体的には?」

「だいもんじが当たらんくなる」

「大問題じゃん傍に居て! 今日当たらなかったのはそういうことだったのか……」

「いや今日は半日も離れとらんからそれは素じゃ」

素かぁ。

「さっちゃんに言うたら落ち込むかと思うてな」

「そうだね。秘密にしておいてあげて。セイカも、アキも、お願いな」

二人の目を見てそれぞれに頼む。

「コンちゃんの話ってアキにも分かるんだよね? 言霊だとかで言語関係ないとかだっけ」

「そうじゃの。じゃが今のは力んどらんかったから多分分かっとらんぞ」

「あ、力むとか要るんだ……じゃあアキ今何話したか分かってないんだなぁ。なんか仲間はずれにしてるみたいで胸が痛いよ、でもこういうの気にして日本語勉強する気になってくれないかな」

俺によく似ているけれど、俺よりも丸みのある瞳で俺をじっと見つめている。頬を撫でてやるとアキは首を傾げて口を開いた。

「にーにぃ、えっちするです?」

「んふふふ……気にしてないなぁお前は。あぁもう可愛い可愛いかわゆいでござるぅ~」

「じゃあ俺お前の部屋で寝るわ。服寄越せ」

「参加しないのか? 服はもう洗濯機突っ込んじゃったよ」

「しない。今着てるのでいい、どうせ脱ぐんだろ」

「追い剥ぎぃ……風呂出て着たばっかだから匂いついてないぞ?」

俺の胸ぐらを掴んで服の匂いを嗅いだセイカは舌打ちをした。ちょっとビクッてなっちゃうからやめて欲しいなぁ、こういう態度取るの。服欲しがるのは可愛いんだけどね。

「ふむ……これでどうじゃ? せっちゃん」

ミタマが俺の姿へと変わる。

「添い寝くらいならしてやるぞぃ。っと……添い寝してやるよ、セイカ」

セイカは無言で俺に化けたミタマの胸元の匂いを嗅ぐ。

「……うっすら獣臭い。いい」

「えっ」

すごくショックを受けた俺の顔ってこんな感じなんだ。

「……ワシ、臭いの?」

テディベアとハムスターのぬいぐるみを持って俺の部屋に向かったセイカを見送り、基本の金髪糸目美少年の姿へと戻った。

「獣の姿ならともかくみっちゃんに化けても獣臭いとは……!」

「俺としても俺に化けて獣臭い印象を植え付けて回られても困るよ」

「そんなにみっちゃんに化けてウロウロするつもりはないわぃ。今日酷い目にあったしのぅ」

《兄貴、早くセックスしようぜ。コンも入れて3Pすんのか?》

「…………ワシ、さっちゃんの様子でも見てこようかのぅ」

ミタマが部屋を出ていった。空気を読んでくれたのだろうか、と、俺に熱っぽい目を向けるアキを見下ろして思った。
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