1,619 / 2,311
おかあさん、誰? (〃)
しおりを挟む
荒凪をお姫様抱っこで運搬。ダイニングテーブルの真ん中には大皿に盛られた大量のおにぎり。
「あら、勘がいいわね。そろそろ呼ぼうかと思ってたのよ」
大きなソーセージが人数分並べられた皿が盛られたおにぎりの隣に置かれる。
「なんか……いつもと違うね?」
「あのバカが来てたから手の込んだもの作る暇がなくてね。荒凪くん食器持てないみたいだし、おにぎりにしようと思って握りながら話してたのよ」
ソーセージには棒が刺さっている、箸やスプーンは必要なさそうだ。
「中何か入ってるの? タラコ漏れてるヤツあるけど……どれが何?」
「分かんないわよ。店じゃあるまいし種類ごとに並べたりしてないわ。アンタらが嫌いな物は入れてないから適当に食べなさい」
早速おにぎりを一つ取り、齧る。唐揚げ入りだ。
「荒凪くん、食べていいんだよ」
セイカもアキも各々手を伸ばしておにぎりを取っていたが、荒凪が全く動いていなかったので俺が一つ取ってやった。
「…………」
荒凪はこくりと頷いておにぎりを受け取り、かぶりついた。
「知らない子ね、水月くんの友達?」
義母がおにぎりを頬張りながら荒凪を見て言う。
「私の上司の親戚の子、都合が悪くて面倒見れないらしくて預かってるのよ」
「へぇー……夏休みなら分かるんだけど、夏休み明けにって変ね」
「色々あるのよ。葉子はあんまり話しかけないであげてね」
「え? なんで?」
「色々難しい子なのよ」
妖怪だの怪異だのという話が出来ないのは分かるが、それで押し切れるのか?
「分かった。別に興味ないし……そっとしとく」
押し切れたわ。
「あのインナーカラー、綺麗ね。そのくらい話してもいいでしょ? 唯乃となら」
「荒凪くんにじゃないならいいわよ」
「不思議な色~、海みたいね。インナーカラーってちょっと憧れあるかも」
深い海のような静かな青、水中から見る陽光のような神聖さ、海面の飛沫のような煌めき、全てを宿した不思議な髪。色が一定ではないのは見る角度によって違うからだろうか、髪の内側に海を映しているなんて言われても納得は出来る。
「…………み、つき?」
髪をひと房持ち上げてインナーカラーを眺めていた俺を、いい加減に不審に思ったのか荒凪がこちらを向いた。その頬や顎は米粒だらけだ、見れば指にもついている。
「ふふっ……どうすればそんなにご飯粒ついちゃうの。海苔のところ持つんだよ? そうすれば少なくとも手は汚れないと思うんだけどなぁ」
米粒を全て取ってやったら、二つ目を渡す。まだ身体が上手く動かせないだけとはいえ、無表情で大人しい彼が大口を開けておにぎりに食らいつくのは何だか面白い。
「ん……」
荒凪は俺のアドバイス通り海苔の部分を持ってはいたが、かぶりつくと形が崩れ、おにぎりが半分に割れた。なるほど、海苔一枚を真ん中に巻いてあるだけだから割れてしまうと両側を支えるために米の部分を持たなければならないんだな、それで指まで米粒まみれだったのか。
(中身入りのおにぎりですから割れやすいのは分かるんですが……割れませんよな、全然。わたくしのだけでなく、セイカ様も秋きゅんも鈍臭い葉子さんも割ってませんぞ)
一口齧っただけでおにぎりの形を崩してしまうのは、不器用だとかそういう問題なのだろうか。
「…………?」
荒凪は俺達のように食べられないのを不思議がりながら、手のひらについた米粒をぺろぺろ舐めた。これは育て甲斐がありそうだ。
昼食を終え、皿を洗う。大皿二つだけだから今回は楽だ。
「……みつきー?」
よたよたと荒凪がキッチンにやってきた。秘書が帰った時、玄関まで追っていたのを思い出し、まるで母親を追いかける子供のようだと笑みが零れた。
「すぐ終わるから待ってて。歩き回っちゃ足痛いだろ? 座ってなよ」
荒凪はダイニングに戻らず、じっと俺を見つめている。好感度はかなり高そうだ、口説くのもそれほど難しくないかもしれない。
「よし、終わった。おまたせ荒凪くん。アキの部屋戻ろっか」
かけてあるタオルに手を伸ばす。荒凪が俺の手を握る。
「あっ、まだ手濡れてる……」
言い終わるが早いか荒凪の手に水掻きが生え、爪が伸びてくる。慌てて顔を上げるも、彼の肌は人らしい赤みが差したもので、耳も人間のもののまま、ヒレなどは生えていない。
「……濡れたとこだけ人魚に戻るんだね。こんなちょっとの水分でこの範囲かぁ、気を付けないと」
タオルを取り、荒凪の手を拭くと水掻きは消えていた。長く黒く鋭い爪がボロリと落ち、桜貝のような人間の爪がその下から出てきた。
「鱗とか爪とか入れておく袋作っておいた方がよさそうだね。結構鋭いしビニール一枚じゃ不安だな……」
「みつき」
「ん、大丈夫だよ。行こうか」
とりあえずビニール袋に爪を入れ、俺も手を拭いて荒凪の手を取る。
「……だ、れ?」
「ん?」
荒凪のもう片方の手は母と義母を指している。人を指差すのはよくないと手を下ろさせ、簡単に回答する。
「俺のお母さんとアキのお母さんだよ」
「おかーさん……?」
「そうそう。さ、部屋に戻ろう」
アキとセイカはとっくに部屋に戻っている。荒凪の手を引き、二人を追った。
「……そういえば、荒凪くんのお母さんは?」
「おかーさん……」
荒凪は確か、水槽で目覚める以前の記憶がないんだっけ? その水槽というのは競売の際に使われた物だろうか。
「妖怪に親なんか居るのか?」
ノートパソコンを立ち上げながらセイカは視線も寄越さずそう言った。
「何の話題か知らないけど」
「荒凪くん、ほとんど記憶ないって言ってただろ? 生まれた時のことが分かれば荒凪くんが本当に人魚かどうかの手がかりになるかもじゃん。だから聞いてみた」
「ふーん……荒凪の顔見るに、ハズレだったみたいだな」
「荒凪くんは常にこういう顔だよ」
丸い目を見開いて、真っ直ぐ前を見つめている。話を聞いていないようにも、言葉を理解していないようにも見える絶妙な無表情だ。
「年積……ぁー、ややこしいな……下の名前で呼ぶぞ? いいな? よし。サキヒコは親居るよな、死んだ人間ってだけだし。分野は?」
「強いて言うなら彫った人間じゃな、付喪神としての意識が芽生えるのは制作から百年くらい経った後じゃから、顔も知らんが」
「……狛犬とかってどこも似たような感じだよな、工場生産品じゃねぇのか」
「そうなるとワシの親は工場長になるのか、機械になるのか、職員の誰かなのか……」
「狛犬ならともかく狛狐ってちょっとマイナーだし、何百年も前に工場立ってるとは思えないけどなぁ」
「ま、何にしろ分野には制作者が居るってことだな。荒凪だが……水槽内に自然発生するなんていくら何でも納得出来ない、マジで記憶喪失してて、親人魚が居るか制作者が居るかどっちかって話だな」
「だよねぇ、荒凪くん覚えてない?」
荒凪は首を横に振った。秘書の調査を待つしかないのだろうか、俺ももう少し手柄を立てて彼の期待に大きく応えてみたいものだ。
「あら、勘がいいわね。そろそろ呼ぼうかと思ってたのよ」
大きなソーセージが人数分並べられた皿が盛られたおにぎりの隣に置かれる。
「なんか……いつもと違うね?」
「あのバカが来てたから手の込んだもの作る暇がなくてね。荒凪くん食器持てないみたいだし、おにぎりにしようと思って握りながら話してたのよ」
ソーセージには棒が刺さっている、箸やスプーンは必要なさそうだ。
「中何か入ってるの? タラコ漏れてるヤツあるけど……どれが何?」
「分かんないわよ。店じゃあるまいし種類ごとに並べたりしてないわ。アンタらが嫌いな物は入れてないから適当に食べなさい」
早速おにぎりを一つ取り、齧る。唐揚げ入りだ。
「荒凪くん、食べていいんだよ」
セイカもアキも各々手を伸ばしておにぎりを取っていたが、荒凪が全く動いていなかったので俺が一つ取ってやった。
「…………」
荒凪はこくりと頷いておにぎりを受け取り、かぶりついた。
「知らない子ね、水月くんの友達?」
義母がおにぎりを頬張りながら荒凪を見て言う。
「私の上司の親戚の子、都合が悪くて面倒見れないらしくて預かってるのよ」
「へぇー……夏休みなら分かるんだけど、夏休み明けにって変ね」
「色々あるのよ。葉子はあんまり話しかけないであげてね」
「え? なんで?」
「色々難しい子なのよ」
妖怪だの怪異だのという話が出来ないのは分かるが、それで押し切れるのか?
「分かった。別に興味ないし……そっとしとく」
押し切れたわ。
「あのインナーカラー、綺麗ね。そのくらい話してもいいでしょ? 唯乃となら」
「荒凪くんにじゃないならいいわよ」
「不思議な色~、海みたいね。インナーカラーってちょっと憧れあるかも」
深い海のような静かな青、水中から見る陽光のような神聖さ、海面の飛沫のような煌めき、全てを宿した不思議な髪。色が一定ではないのは見る角度によって違うからだろうか、髪の内側に海を映しているなんて言われても納得は出来る。
「…………み、つき?」
髪をひと房持ち上げてインナーカラーを眺めていた俺を、いい加減に不審に思ったのか荒凪がこちらを向いた。その頬や顎は米粒だらけだ、見れば指にもついている。
「ふふっ……どうすればそんなにご飯粒ついちゃうの。海苔のところ持つんだよ? そうすれば少なくとも手は汚れないと思うんだけどなぁ」
米粒を全て取ってやったら、二つ目を渡す。まだ身体が上手く動かせないだけとはいえ、無表情で大人しい彼が大口を開けておにぎりに食らいつくのは何だか面白い。
「ん……」
荒凪は俺のアドバイス通り海苔の部分を持ってはいたが、かぶりつくと形が崩れ、おにぎりが半分に割れた。なるほど、海苔一枚を真ん中に巻いてあるだけだから割れてしまうと両側を支えるために米の部分を持たなければならないんだな、それで指まで米粒まみれだったのか。
(中身入りのおにぎりですから割れやすいのは分かるんですが……割れませんよな、全然。わたくしのだけでなく、セイカ様も秋きゅんも鈍臭い葉子さんも割ってませんぞ)
一口齧っただけでおにぎりの形を崩してしまうのは、不器用だとかそういう問題なのだろうか。
「…………?」
荒凪は俺達のように食べられないのを不思議がりながら、手のひらについた米粒をぺろぺろ舐めた。これは育て甲斐がありそうだ。
昼食を終え、皿を洗う。大皿二つだけだから今回は楽だ。
「……みつきー?」
よたよたと荒凪がキッチンにやってきた。秘書が帰った時、玄関まで追っていたのを思い出し、まるで母親を追いかける子供のようだと笑みが零れた。
「すぐ終わるから待ってて。歩き回っちゃ足痛いだろ? 座ってなよ」
荒凪はダイニングに戻らず、じっと俺を見つめている。好感度はかなり高そうだ、口説くのもそれほど難しくないかもしれない。
「よし、終わった。おまたせ荒凪くん。アキの部屋戻ろっか」
かけてあるタオルに手を伸ばす。荒凪が俺の手を握る。
「あっ、まだ手濡れてる……」
言い終わるが早いか荒凪の手に水掻きが生え、爪が伸びてくる。慌てて顔を上げるも、彼の肌は人らしい赤みが差したもので、耳も人間のもののまま、ヒレなどは生えていない。
「……濡れたとこだけ人魚に戻るんだね。こんなちょっとの水分でこの範囲かぁ、気を付けないと」
タオルを取り、荒凪の手を拭くと水掻きは消えていた。長く黒く鋭い爪がボロリと落ち、桜貝のような人間の爪がその下から出てきた。
「鱗とか爪とか入れておく袋作っておいた方がよさそうだね。結構鋭いしビニール一枚じゃ不安だな……」
「みつき」
「ん、大丈夫だよ。行こうか」
とりあえずビニール袋に爪を入れ、俺も手を拭いて荒凪の手を取る。
「……だ、れ?」
「ん?」
荒凪のもう片方の手は母と義母を指している。人を指差すのはよくないと手を下ろさせ、簡単に回答する。
「俺のお母さんとアキのお母さんだよ」
「おかーさん……?」
「そうそう。さ、部屋に戻ろう」
アキとセイカはとっくに部屋に戻っている。荒凪の手を引き、二人を追った。
「……そういえば、荒凪くんのお母さんは?」
「おかーさん……」
荒凪は確か、水槽で目覚める以前の記憶がないんだっけ? その水槽というのは競売の際に使われた物だろうか。
「妖怪に親なんか居るのか?」
ノートパソコンを立ち上げながらセイカは視線も寄越さずそう言った。
「何の話題か知らないけど」
「荒凪くん、ほとんど記憶ないって言ってただろ? 生まれた時のことが分かれば荒凪くんが本当に人魚かどうかの手がかりになるかもじゃん。だから聞いてみた」
「ふーん……荒凪の顔見るに、ハズレだったみたいだな」
「荒凪くんは常にこういう顔だよ」
丸い目を見開いて、真っ直ぐ前を見つめている。話を聞いていないようにも、言葉を理解していないようにも見える絶妙な無表情だ。
「年積……ぁー、ややこしいな……下の名前で呼ぶぞ? いいな? よし。サキヒコは親居るよな、死んだ人間ってだけだし。分野は?」
「強いて言うなら彫った人間じゃな、付喪神としての意識が芽生えるのは制作から百年くらい経った後じゃから、顔も知らんが」
「……狛犬とかってどこも似たような感じだよな、工場生産品じゃねぇのか」
「そうなるとワシの親は工場長になるのか、機械になるのか、職員の誰かなのか……」
「狛犬ならともかく狛狐ってちょっとマイナーだし、何百年も前に工場立ってるとは思えないけどなぁ」
「ま、何にしろ分野には制作者が居るってことだな。荒凪だが……水槽内に自然発生するなんていくら何でも納得出来ない、マジで記憶喪失してて、親人魚が居るか制作者が居るかどっちかって話だな」
「だよねぇ、荒凪くん覚えてない?」
荒凪は首を横に振った。秘書の調査を待つしかないのだろうか、俺ももう少し手柄を立てて彼の期待に大きく応えてみたいものだ。
10
あなたにおすすめの小説
【完結】 男達の性宴
蔵屋
BL
僕が通う高校の学校医望月先生に
今夜8時に来るよう、青山のホテルに
誘われた。
ホテルに来れば会場に案内すると
言われ、会場案内図を渡された。
高三最後の夏休み。家業を継ぐ僕を
早くも社会人扱いする両親。
僕は嬉しくて夕食後、バイクに乗り、
東京へ飛ばして行った。
平凡ワンコ系が憧れの幼なじみにめちゃくちゃにされちゃう話(小説版)
優狗レエス
BL
Ultra∞maniacの続きです。短編連作になっています。
本編とちがってキャラクターそれぞれ一人称の小説です。
お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?
すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。
お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」
その母は・・迎えにくることは無かった。
代わりに迎えに来た『父』と『兄』。
私の引き取り先は『本当の家』だった。
お父さん「鈴の家だよ?」
鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」
新しい家で始まる生活。
でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。
鈴「うぁ・・・・。」
兄「鈴!?」
倒れることが多くなっていく日々・・・。
そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。
『もう・・妹にみれない・・・。』
『お兄ちゃん・・・。』
「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」
「ーーーーっ!」
※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。
※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。
※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)
男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
男子寮のベットの軋む音
なる
BL
ある大学に男子寮が存在した。
そこでは、思春期の男達が住んでおり先輩と後輩からなる相部屋制度。
ある一室からは夜な夜なベットの軋む音が聞こえる。
女子禁制の禁断の場所。
日本一のイケメン俳優に惚れられてしまったんですが
五右衛門
BL
月井晴彦は過去のトラウマから自信を失い、人と距離を置きながら高校生活を送っていた。ある日、帰り道で少女が複数の男子からナンパされている場面に遭遇する。普段は関わりを避ける晴彦だが、僅かばかりの勇気を出して、手が震えながらも必死に少女を助けた。
しかし、その少女は実は美男子俳優の白銀玲央だった。彼は日本一有名な高校生俳優で、高い演技力と美しすぎる美貌も相まって多くの賞を受賞している天才である。玲央は何かお礼がしたいと言うも、晴彦は動揺してしまい逃げるように立ち去る。しかし数日後、体育館に集まった全校生徒の前で現れたのは、あの時の青年だった──
ストーカー後輩を放置できなくて矯正してたら、なぜか付き合うことになった
ささい
BL
教育学部の後輩・真白蓮は、俺にとって「流せる範囲の変な奴」だった。
目が合うと妙に嬉しそうで、困ったタイミングでやたら近くにいる。
偶然にしては出来すぎている。でも、追及するほどの根拠もない。
——図書館でノートを拾うまでは。
『日向先輩動向ログ』
時間、場所、席の位置。俺の一日が几帳面に記録されていた。
普通なら距離を置く。けど真白の目に悪意はなかった。
あるのは、壊れそうなほど真っ直ぐな執着。
放っておいたら関係なく壊れる。だから俺が見ることにした。
「書くな。連絡しろ」
日向×真白(先輩×後輩)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる