1,728 / 2,313
彼氏達に囲まれて (水月+荒凪・アキ・ミタマ・サキヒコ・セイカ)
しおりを挟む
眠るセイカが背後に居て、右膝にはアキが、左膝にはサキヒコが座っている。足の間からは荒凪がこちらを見上げ、その隣ではミタマが俺の足に尻尾を絡めている。天国だ。
「しかしミツキ、本当に風邪は何ともないのか? あんまり元気だから失念していたが朝は熱があったろう」
「なんか治ってたんだよね……プール入ってたせいか今はちょっとダルいけど」
「せっかく治りかけたのに悪化したのか? 全く……」
「みっちゃん」
呆れるサキヒコの背後にミタマが立っていた。糸のように細いけれど、確かに俺を見下ろしている瞳は金色に妖しく輝いている。
「コンちゃん? あれ、いつの間に立ったの? 気付かなかったな……」
「……口を開けぃ」
俺の肩に手をついて身を屈め、もう片方の手で俺の顎を持ち上げながらのこの台詞。キスの誘いだと察した俺は目を閉じ、ミタマからのキスを待った。
「んっ……」
僅かに開けた口に長い舌が入り込む。犬のような長く平たいその舌を伝って唾液が喉の奥へと流れ込む。
「……っ、んん」
少し息苦しい。ミタマは唾液を飲ませるのが好きなのだろうか……いや、違う、これは霊力の供給だ。以前にもやってくれたじゃないか、何故すぐ思い至らなかった?
「んっ、ん…………はぁ、ありがとコンちゃん」
「寝て、食って、回復したばかりじゃと言うに……はぁ、疲れた。ワシもう一眠りするぞぃ」
ミタマの姿が消え、ぴょんと俺の肩に子狐が飛び乗った。かと思えば子狐はまた跳び、セイカの隣に丸まった。
《何だまた寝るのか? 今までは全然寝てなかったくせによ。っとそれより兄貴、俺ともしようぜ》
首にアキの腕が絡む。甘えた声で求めるものはロシア語が分からなくたって察せる。
「……っ、は……ん、にーにぃ」
絡めた舌を離し、唾液の橋を落とす。アキの真っ白な肌は紅潮が分かりやすく、俺をテクニシャンに思わせてくれる。
「ミツキ、風邪を引いているのにそんなことをしていいのか?」
「……え? あっ!? やばっ、アキ免疫弱いのに。ごめんサキヒコくんどいて!」
サキヒコを膝から下ろし、アキを連れて洗面所に急ぐ。戸惑う彼に水を入れたコップを渡し、うがいをするように翻訳アプリを使って伝えた。
《何だよ急に……》
「大丈夫かな、伝染っちゃったかな……ぁー、なんで忘れるかな俺のバカ」
「うがい薬はないのか?」
「ないよそんなもん……アキに風邪薬飲ませとこうかな」
飲ませるとしても食後だから夕飯まで待たなければならない。それまではアキと離れて過ごそう。
《兄貴? 部屋帰んの?》
自室に向かうとアキも着いてきた。セイカもミタマも眠っている今、彼との意思疎通の方法は翻訳アプリしかない。若干愛想のない文章になってしまうだろうが、仕方ない。
《…………あぁ、風邪か。うーん……俺風邪引くと高確率で肺炎コースだからなぁ。分かった、部屋帰っとくよ》
「分かってくれたか? ごめんな」
「にーにぃ、おだいじんするです」
「ふふっ……お大事に、だよ。ありがとう。あぁそうだ、セイカを頼むよ」
「頼む、する、されるしたです! すぇかーちか、よしよし、するです」
「ん……いい子だな、アキは」
アキと別れ、自室に入った。先程感じていたダルさはずっと荒凪の傍に居たから起こったことなのだろう、ミタマとキスをしてから倦怠感は薄れていって、今はもう消えている。
「ふぅ……」
何ともない。風邪はどうなったんだろう、明日は学校に行けるかな? 感染させるかもしれないから休んだ方がいのかな。
(久しぶりの余暇ですな、アニメはリビングの大きなテレビで観たいですし……本腰入れてゲームでもしますか)
学校もバイトも休んでしまって、もう元気なのに風邪をひいているのだからと何もさせてもらえない。彼氏達とイチャつけないのは寂しいが、それならそれで楽しみ方がある。
「みつき、ややとりしたい」
充電中のゲーム機を取りに向かおうとしたところ、扉が開かれ荒凪が現れた。
「えっ? あぁ、あやとりかな? 待ってね、前に作った紐がこの辺に……あぁあった。はい、持ってきな」
アキの部屋に帰るものと思い込んでいたが、あやとり用の毛糸を受け取った荒凪はベッドを背もたれにして床に座った。
「みつき、しよ」
「……うん。せっかくだから滑舌も鍛えよっか。俺が言ったこと続けて言ってね」
ゲームはまた今度にしよう。荒凪の手先がもう少し器用になれば一緒にゲームで遊べるかもしれないし、その時を待とう。
「あいうえあおえお」
「……? あい、ぅえー……お?」
「赤巻紙青巻紙黄巻紙」
「あかまきまきあおかみまみきまみまみ」
荒凪が人間の姿でも流暢に喋れるようになるまで時間がかかりそうだな。
母の帰宅まで荒凪と遊んで過ごした。食事前に体温を測れと命じられた。
「体調は本当に何ともないんですが……」
「見りゃ分かるわ。朝あんなに辛そうだったのに治り早いのねぇ」
「アキはしばらく寝込むのに……水月くん丈夫ね」
相変わらず義母の言動は癪に障る。だがもちろん口には出さない、笑顔を向けて終わりだ。
「鳴雷、風邪引いてるのにプール入ってたんだ……」
「はぁ?」
「あっこらセイカ! 違うんですよ本当に私元気になって……!」
セイカの告げ口により、俺は説教を受けながら食事を取ることになった。
「しかしミツキ、本当に風邪は何ともないのか? あんまり元気だから失念していたが朝は熱があったろう」
「なんか治ってたんだよね……プール入ってたせいか今はちょっとダルいけど」
「せっかく治りかけたのに悪化したのか? 全く……」
「みっちゃん」
呆れるサキヒコの背後にミタマが立っていた。糸のように細いけれど、確かに俺を見下ろしている瞳は金色に妖しく輝いている。
「コンちゃん? あれ、いつの間に立ったの? 気付かなかったな……」
「……口を開けぃ」
俺の肩に手をついて身を屈め、もう片方の手で俺の顎を持ち上げながらのこの台詞。キスの誘いだと察した俺は目を閉じ、ミタマからのキスを待った。
「んっ……」
僅かに開けた口に長い舌が入り込む。犬のような長く平たいその舌を伝って唾液が喉の奥へと流れ込む。
「……っ、んん」
少し息苦しい。ミタマは唾液を飲ませるのが好きなのだろうか……いや、違う、これは霊力の供給だ。以前にもやってくれたじゃないか、何故すぐ思い至らなかった?
「んっ、ん…………はぁ、ありがとコンちゃん」
「寝て、食って、回復したばかりじゃと言うに……はぁ、疲れた。ワシもう一眠りするぞぃ」
ミタマの姿が消え、ぴょんと俺の肩に子狐が飛び乗った。かと思えば子狐はまた跳び、セイカの隣に丸まった。
《何だまた寝るのか? 今までは全然寝てなかったくせによ。っとそれより兄貴、俺ともしようぜ》
首にアキの腕が絡む。甘えた声で求めるものはロシア語が分からなくたって察せる。
「……っ、は……ん、にーにぃ」
絡めた舌を離し、唾液の橋を落とす。アキの真っ白な肌は紅潮が分かりやすく、俺をテクニシャンに思わせてくれる。
「ミツキ、風邪を引いているのにそんなことをしていいのか?」
「……え? あっ!? やばっ、アキ免疫弱いのに。ごめんサキヒコくんどいて!」
サキヒコを膝から下ろし、アキを連れて洗面所に急ぐ。戸惑う彼に水を入れたコップを渡し、うがいをするように翻訳アプリを使って伝えた。
《何だよ急に……》
「大丈夫かな、伝染っちゃったかな……ぁー、なんで忘れるかな俺のバカ」
「うがい薬はないのか?」
「ないよそんなもん……アキに風邪薬飲ませとこうかな」
飲ませるとしても食後だから夕飯まで待たなければならない。それまではアキと離れて過ごそう。
《兄貴? 部屋帰んの?》
自室に向かうとアキも着いてきた。セイカもミタマも眠っている今、彼との意思疎通の方法は翻訳アプリしかない。若干愛想のない文章になってしまうだろうが、仕方ない。
《…………あぁ、風邪か。うーん……俺風邪引くと高確率で肺炎コースだからなぁ。分かった、部屋帰っとくよ》
「分かってくれたか? ごめんな」
「にーにぃ、おだいじんするです」
「ふふっ……お大事に、だよ。ありがとう。あぁそうだ、セイカを頼むよ」
「頼む、する、されるしたです! すぇかーちか、よしよし、するです」
「ん……いい子だな、アキは」
アキと別れ、自室に入った。先程感じていたダルさはずっと荒凪の傍に居たから起こったことなのだろう、ミタマとキスをしてから倦怠感は薄れていって、今はもう消えている。
「ふぅ……」
何ともない。風邪はどうなったんだろう、明日は学校に行けるかな? 感染させるかもしれないから休んだ方がいのかな。
(久しぶりの余暇ですな、アニメはリビングの大きなテレビで観たいですし……本腰入れてゲームでもしますか)
学校もバイトも休んでしまって、もう元気なのに風邪をひいているのだからと何もさせてもらえない。彼氏達とイチャつけないのは寂しいが、それならそれで楽しみ方がある。
「みつき、ややとりしたい」
充電中のゲーム機を取りに向かおうとしたところ、扉が開かれ荒凪が現れた。
「えっ? あぁ、あやとりかな? 待ってね、前に作った紐がこの辺に……あぁあった。はい、持ってきな」
アキの部屋に帰るものと思い込んでいたが、あやとり用の毛糸を受け取った荒凪はベッドを背もたれにして床に座った。
「みつき、しよ」
「……うん。せっかくだから滑舌も鍛えよっか。俺が言ったこと続けて言ってね」
ゲームはまた今度にしよう。荒凪の手先がもう少し器用になれば一緒にゲームで遊べるかもしれないし、その時を待とう。
「あいうえあおえお」
「……? あい、ぅえー……お?」
「赤巻紙青巻紙黄巻紙」
「あかまきまきあおかみまみきまみまみ」
荒凪が人間の姿でも流暢に喋れるようになるまで時間がかかりそうだな。
母の帰宅まで荒凪と遊んで過ごした。食事前に体温を測れと命じられた。
「体調は本当に何ともないんですが……」
「見りゃ分かるわ。朝あんなに辛そうだったのに治り早いのねぇ」
「アキはしばらく寝込むのに……水月くん丈夫ね」
相変わらず義母の言動は癪に障る。だがもちろん口には出さない、笑顔を向けて終わりだ。
「鳴雷、風邪引いてるのにプール入ってたんだ……」
「はぁ?」
「あっこらセイカ! 違うんですよ本当に私元気になって……!」
セイカの告げ口により、俺は説教を受けながら食事を取ることになった。
100
あなたにおすすめの小説
男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
【完結】 男達の性宴
蔵屋
BL
僕が通う高校の学校医望月先生に
今夜8時に来るよう、青山のホテルに
誘われた。
ホテルに来れば会場に案内すると
言われ、会場案内図を渡された。
高三最後の夏休み。家業を継ぐ僕を
早くも社会人扱いする両親。
僕は嬉しくて夕食後、バイクに乗り、
東京へ飛ばして行った。
男子寮のベットの軋む音
なる
BL
ある大学に男子寮が存在した。
そこでは、思春期の男達が住んでおり先輩と後輩からなる相部屋制度。
ある一室からは夜な夜なベットの軋む音が聞こえる。
女子禁制の禁断の場所。
どうしてもお金が必要で高額バイトに飛びついたらとんでもないことになった話
ぽいぽい
BL
配信者×お金のない大学生。授業料を支払うために飛びついた高額バイトは配信のアシスタント。なんでそんなに高いのか違和感を感じつつも、稼げる配信者なんだろうと足を運んだ先で待っていたのは。
見ぃつけた。
茉莉花 香乃
BL
小学生の時、意地悪されて転校した。高校一年生の途中までは穏やかな生活だったのに、全寮制の学校に転入しなければならなくなった。そこで、出会ったのは…
他サイトにも公開しています
俺、転生したら社畜メンタルのまま超絶イケメンになってた件~転生したのに、恋愛難易度はなぜかハードモード
中岡 始
BL
ブラック企業の激務で過労死した40歳の社畜・藤堂悠真。
目を覚ますと、高校2年生の自分に転生していた。
しかも、鏡に映ったのは芸能人レベルの超絶イケメン。
転入初日から女子たちに囲まれ、学園中の話題の的に。
だが、社畜思考が抜けず**「これはマーケティング施策か?」**と疑うばかり。
そして、モテすぎて業務過多状態に陥る。
弁当争奪戦、放課後のデート攻勢…悠真の平穏は完全に崩壊。
そんな中、唯一冷静な男・藤崎颯斗の存在に救われる。
颯斗はやたらと落ち着いていて、悠真をさりげなくフォローする。
「お前といると、楽だ」
次第に悠真の中で、彼の存在が大きくなっていき――。
「お前、俺から逃げるな」
颯斗の言葉に、悠真の心は大きく揺れ動く。
転生×学園ラブコメ×じわじわ迫る恋。
これは、悠真が「本当に選ぶべきもの」を見つける物語。
続編『元社畜の俺、大学生になってまたモテすぎてるけど、今度は恋人がいるので無理です』
かつてブラック企業で心を擦り減らし、過労死した元社畜の男・藤堂悠真は、
転生した高校時代を経て、無事に大学生になった――
恋人である藤崎颯斗と共に。
だが、大学という“自由すぎる”世界は、ふたりの関係を少しずつ揺らがせていく。
「付き合ってるけど、誰にも言っていない」
その選択が、予想以上のすれ違いを生んでいった。
モテ地獄の再来、空気を読み続ける日々、
そして自分で自分を苦しめていた“頑張る癖”。
甘えたくても甘えられない――
そんな悠真の隣で、颯斗はずっと静かに手を差し伸べ続ける。
過去に縛られていた悠真が、未来を見つめ直すまでの
じれ甘・再構築・すれ違いと回復のキャンパス・ラブストーリー。
今度こそ、言葉にする。
「好きだよ」って、ちゃんと。
平凡ワンコ系が憧れの幼なじみにめちゃくちゃにされちゃう話(小説版)
優狗レエス
BL
Ultra∞maniacの続きです。短編連作になっています。
本編とちがってキャラクターそれぞれ一人称の小説です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる