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アイドルとお風呂に (〃)
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脱衣所も浴室も可愛らしい。ハロウィンウサギ……通称ハロウサがそこら中に描かれている。メルヘンでホラーな雰囲気はやはり、交尾に向かない。
「見て見てみぃくん、シャワーにウサ耳付いてる!」
「……あぁ、ちょっと待ってくれ」
服を脱ぎ、自分の手のひらをじっと見つめる。もう包帯を巻く必要はなくなったが、瘡蓋だらけで布に触れるとザリザリ音を立てて引っかかった。肌触りは悪い、カミアの柔肌に直接触れるのははばかられる。
「よし……」
ナイロン製の薄くて白い手袋をはめた。包帯を外すなら傷を保湿、保護しろと母に半ば無理矢理持たされたものだ。
「みぃくん? まだ手袋してるの? 他全部脱いでるのに」
「ん、あぁ、これナイロンのヤツだよ。さっきまでのは布だけど」
「火傷したってやつ? 結局どんな怪我か見せてもらってないけど……濡れない方がいいくらい酷いの? 僕、ぐいぐい引っ張っちゃったの……痛かった?」
「いやいや、もう全然痛くないよ。全っ然大丈夫」
パン、と手を叩く。痛い。
「でもほら、ふやけたりしたら皮膚破れちゃうかもしんないだろ? って、言われてさ……持ってこさせられたんだ」
「ふーん……跡残るかなぁ」
「どうだろ、残らないといいけど」
「みいくん傷跡とか嫌なタイプ?」
傷跡が残って嬉しい人間はそう居ないと思う。カンナのことを思い浮かべながらの質問なのだろうか、だとしたら単純な「うん、嫌」という答えはダメだな。
「他のとこならいいんだけど、手のひらはなぁ……」
カミアの頬に触れる。カミアは口元を俺の手のひらに押し付け「ナイロンくさい」とくすくす笑った。
「可愛い彼氏に触るところだから、傷跡残ってザラザラしちゃうのはよくないかなって。お前もザラザラの手よりすべすべした手に触られたいだろ?」
「んー……ザラザラはザラザラで気持ちよかったりすることもあるけど……ちょっと痒い時とか。でも、うん、すべすべがいいかな」
「だよな? だから、手はダメ。他のとこなら……あぁ、顔もダメかな。みんな俺のこの顔が好きだろ? あんまり大きな傷顔にこしらえちゃフラれちゃうかも」
「僕はフラないよ、きっとお兄ちゃんも」
「そうか? 嬉しいな……なぁカミア、お前いつまで服着てるんだ? 俺はもうとっくに脱いでるんだぞ、手袋だけってちょっと変態っぽいカッコで待ってるんだ」
「あ……う、うん。脱ぐよ、すぐ脱ぐ」
共に脱衣所に入ってすぐに俺は服を脱ぎ始めたが、カミアは浴室の内装を確かめるためか服を着たままそこへ入り、バスタブの中まで調べていた。そんなカミアの服をそっと掴み、軽く引っ張る。
「乳首すら解禁してない健全なアイドル様の裸、拝ませてもらおうか?」
カミアにはMっ気がある。リュウのような苛烈な痛みを欲しがるような趣味ではなく、意地悪な言動を好む軽度のMだ。少しばかりやり過ぎに思えるほどのイタズラをされると悦ぶアイドルらしからぬ趣味は、キュートアグレッションを煽る見た目と仕草に合っている。需要と供給の完全一致だ、流石トップアイドル。
「うん……あっ」
恐る恐るゆっくりと脱ごうとするカミアの服を強引に奪い取る。半ば無理矢理脱がせてやったのに、カミアは恍惚の表情で俺を見つめている。
「ほら下も」
「やっ、待ってよぉ、自分で脱ぐからぁ」
甘えた声で嘘臭く嫌がりながら、服を剥ぎ取る俺の手に合わせて身体を捩り、足を上げる。おかげで簡単に脱がせられた。
「ふぅん……? 最初にお前の裸を見た時と比べたら、細くなってる気がするな。ちゃんと飯食ってんのか?」
「夏場は薄着の衣装が多いから……調整して痩せてるだけだから、心配しないで。っていうかよく分かったね、変わったの五キロちょっとだと思うんだけど」
「その体型で五キロも変われば分かるよ」
「爪の白斑とかいう訳の分かんないので僕とお兄ちゃんの入れ替わりに気付いた観察眼は衰えてないね。この前は歩き方と爪の長さだっけ?」
「爪はたまたま前日に見てたから分かっただけだよ。カンナは超小股って特徴ある歩き方だし、爪は切りたてしゃぶらせてもらったから覚えてただけ。観察眼なんかじゃないよ」
「切りたてしゃぶるって結構気持ち悪いからね……?」
「爪の手入れがちゃんと出来てるか確認するのは彼氏の義務だぞ」
「そう……なの?」
「あぁ、俺が手をしゃぶりたいからな!」
「結構気持ち悪いからね?」
二回も言うことはないだろ。
「気持ち悪い気持ち悪いって酷いなぁ、お前の彼氏だぞ。天下のアイドル様は恋人にそんな気持ち悪いヤツを選んだってことでいいのか?」
「ぅ……ごめんなさい。でも僕みぃくんの気持ち悪いとこ好きだよ? 愛されてるって感じするもん」
「ふぅん? じゃあ、これから気持ち悪いことしても……?」
そっと抱き寄せ、カミアの手首を掴む。彼の手のひらに舌を這わせるとしょっぱい汗の味がした。
「…………ぅ、ん」
手を舐めながら勃った陰茎をカミアの腹にぐりぐりと押し付け、垂れ流している先走りの汁を塗り込んでいく。
「僕に……みぃくんのしたいこと、いっぱいして。ちょっと、意地悪なことも……して欲しい、かも」
返事は言葉ではなくキスで済ませ、唇を重ねたまま彼を浴室に押し込んだ。
「見て見てみぃくん、シャワーにウサ耳付いてる!」
「……あぁ、ちょっと待ってくれ」
服を脱ぎ、自分の手のひらをじっと見つめる。もう包帯を巻く必要はなくなったが、瘡蓋だらけで布に触れるとザリザリ音を立てて引っかかった。肌触りは悪い、カミアの柔肌に直接触れるのははばかられる。
「よし……」
ナイロン製の薄くて白い手袋をはめた。包帯を外すなら傷を保湿、保護しろと母に半ば無理矢理持たされたものだ。
「みぃくん? まだ手袋してるの? 他全部脱いでるのに」
「ん、あぁ、これナイロンのヤツだよ。さっきまでのは布だけど」
「火傷したってやつ? 結局どんな怪我か見せてもらってないけど……濡れない方がいいくらい酷いの? 僕、ぐいぐい引っ張っちゃったの……痛かった?」
「いやいや、もう全然痛くないよ。全っ然大丈夫」
パン、と手を叩く。痛い。
「でもほら、ふやけたりしたら皮膚破れちゃうかもしんないだろ? って、言われてさ……持ってこさせられたんだ」
「ふーん……跡残るかなぁ」
「どうだろ、残らないといいけど」
「みいくん傷跡とか嫌なタイプ?」
傷跡が残って嬉しい人間はそう居ないと思う。カンナのことを思い浮かべながらの質問なのだろうか、だとしたら単純な「うん、嫌」という答えはダメだな。
「他のとこならいいんだけど、手のひらはなぁ……」
カミアの頬に触れる。カミアは口元を俺の手のひらに押し付け「ナイロンくさい」とくすくす笑った。
「可愛い彼氏に触るところだから、傷跡残ってザラザラしちゃうのはよくないかなって。お前もザラザラの手よりすべすべした手に触られたいだろ?」
「んー……ザラザラはザラザラで気持ちよかったりすることもあるけど……ちょっと痒い時とか。でも、うん、すべすべがいいかな」
「だよな? だから、手はダメ。他のとこなら……あぁ、顔もダメかな。みんな俺のこの顔が好きだろ? あんまり大きな傷顔にこしらえちゃフラれちゃうかも」
「僕はフラないよ、きっとお兄ちゃんも」
「そうか? 嬉しいな……なぁカミア、お前いつまで服着てるんだ? 俺はもうとっくに脱いでるんだぞ、手袋だけってちょっと変態っぽいカッコで待ってるんだ」
「あ……う、うん。脱ぐよ、すぐ脱ぐ」
共に脱衣所に入ってすぐに俺は服を脱ぎ始めたが、カミアは浴室の内装を確かめるためか服を着たままそこへ入り、バスタブの中まで調べていた。そんなカミアの服をそっと掴み、軽く引っ張る。
「乳首すら解禁してない健全なアイドル様の裸、拝ませてもらおうか?」
カミアにはMっ気がある。リュウのような苛烈な痛みを欲しがるような趣味ではなく、意地悪な言動を好む軽度のMだ。少しばかりやり過ぎに思えるほどのイタズラをされると悦ぶアイドルらしからぬ趣味は、キュートアグレッションを煽る見た目と仕草に合っている。需要と供給の完全一致だ、流石トップアイドル。
「うん……あっ」
恐る恐るゆっくりと脱ごうとするカミアの服を強引に奪い取る。半ば無理矢理脱がせてやったのに、カミアは恍惚の表情で俺を見つめている。
「ほら下も」
「やっ、待ってよぉ、自分で脱ぐからぁ」
甘えた声で嘘臭く嫌がりながら、服を剥ぎ取る俺の手に合わせて身体を捩り、足を上げる。おかげで簡単に脱がせられた。
「ふぅん……? 最初にお前の裸を見た時と比べたら、細くなってる気がするな。ちゃんと飯食ってんのか?」
「夏場は薄着の衣装が多いから……調整して痩せてるだけだから、心配しないで。っていうかよく分かったね、変わったの五キロちょっとだと思うんだけど」
「その体型で五キロも変われば分かるよ」
「爪の白斑とかいう訳の分かんないので僕とお兄ちゃんの入れ替わりに気付いた観察眼は衰えてないね。この前は歩き方と爪の長さだっけ?」
「爪はたまたま前日に見てたから分かっただけだよ。カンナは超小股って特徴ある歩き方だし、爪は切りたてしゃぶらせてもらったから覚えてただけ。観察眼なんかじゃないよ」
「切りたてしゃぶるって結構気持ち悪いからね……?」
「爪の手入れがちゃんと出来てるか確認するのは彼氏の義務だぞ」
「そう……なの?」
「あぁ、俺が手をしゃぶりたいからな!」
「結構気持ち悪いからね?」
二回も言うことはないだろ。
「気持ち悪い気持ち悪いって酷いなぁ、お前の彼氏だぞ。天下のアイドル様は恋人にそんな気持ち悪いヤツを選んだってことでいいのか?」
「ぅ……ごめんなさい。でも僕みぃくんの気持ち悪いとこ好きだよ? 愛されてるって感じするもん」
「ふぅん? じゃあ、これから気持ち悪いことしても……?」
そっと抱き寄せ、カミアの手首を掴む。彼の手のひらに舌を這わせるとしょっぱい汗の味がした。
「…………ぅ、ん」
手を舐めながら勃った陰茎をカミアの腹にぐりぐりと押し付け、垂れ流している先走りの汁を塗り込んでいく。
「僕に……みぃくんのしたいこと、いっぱいして。ちょっと、意地悪なことも……して欲しい、かも」
返事は言葉ではなくキスで済ませ、唇を重ねたまま彼を浴室に押し込んだ。
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