冴えないオタクでしたが高校デビューに成功したので男子校でハーレムを築こうと思います

ムーン

文字の大きさ
1,798 / 2,313

バイト先に現れたのは (水月+リュウ・レイ・スイ)

しおりを挟む
五、六時間目の授業をやり過ごし、帰路に着く。バイト先の本屋がある俺の家の最寄り駅でリュウも電車を降りた。

「ほな俺は家行っとるわ」

「泊まってくなら母さんに晩飯増やしてもらわないとだし、連絡しとくけど……どうする?」

「ええわ、今日お好み焼きやねん」

「しょっちゅうじゃん」

「そうでもないで。ってかウチの晩飯知らんやろ」

リュウの家の夕飯はだいたい毎日分かる。前日の夕飯の残りが昼食だからな。

「昨日はトンカツだろ」

「なんで分かるん」

本当に気付いていないのかボケなのか、どっちなんだ。

「まぁええわ。終わったら帰るつもりやけど……いつ終わるか分からんねんなぁ、俺が出来ひん言うんをコンちゃんがいつ信用してくれはるかやね」

「りゅーちゃんなら絶対出来るっちゅうとろうに」

「出来へんて言うてますやん……」

「……ま、頑張れよ。じゃあ俺バイトだから」

「おー、ほなな水月ぃ、また明日」

「また明日。あ、コンちゃん。リュウがなんか唱えたり踊ったり葉っぱ振り回したりするようなら撮っといてよ。じゃあまた後でね」

リュウとミタマと別れ、バイト先の本屋へ。

「あっセンパイ、こんにちはーっす」

「……お前もう関係者じゃないんだからバックヤード上がり込むなよ」

バックヤードにはレイが居た。ソファに座り、レモンジュースを飲んで……いやよく見たら酒だなこれ。レモンサワーだ。

「昼間っから呑んで……ったくいいご身分だな」

「仕事終わりに呑まずいつ飲むんすか」

「なんか描き終わったのか?」

「ふっふっふ……秘密っす! あのソシャゲ確かセンパイやってたはずっすから、実装されたら是非引いて欲しいっす」

「……俺がやってるのでレイが描いてるキャラか。結構心当たりあるなぁ、どれだろ。ゃ、新キャラか?」

「実装をお楽しみにっすね」

仕事終わりで浮かれているからとわざわざ辞めたバイト先の店のバックヤードで呑んでるなんて、少し不自然だ。俺に会いに来たと考えるべきだな。

「ウチ来るなら先に母さんに連絡しとけよ、晩飯の用意とかあるんだから」

「行ってもいいんすかっ?」

「……そのつもりで来たのかと思ってたけど、自惚れだったかな」

「行くっす行くっす泊まるっす!」

「そっか。ここで待ってるのも退屈だろうし、先家行っとけよ。アキ辺り構ってやってくれ」

「はーい! お家でお帰りをお待ちしてるっす、新妻のように!」

酒缶片手に大きく手を振り、レイはバックヤードを出ていった。普段以上に陽気なのは酒のせいだろうか。

「サキヒコくん、ちょっとレイ送ってくれない? 酔っ払ってるしちょっと心配でさ……」

「承知した」

「ごめん、お願いね」

さて、そろそろ仕事を始めよう。エプロンを締めて、店に出て……まずは倉庫だな。



倉庫整理を終え、店頭に出る。接客は声をかけられた時だけでいいので気が楽なはずだが、顔のせいか女性客が困ってもいないことで困ったように話しかけてくるから倉庫作業の方が好きだ。

「ふぅ……」

本を並べ、腰を叩く。本屋のバイトは腰にクる。

「ねぇねぇ~」

また女か。いい加減にして欲しいな、俺のこの顔は可愛い男子達のためのものなのだ。女に振りまく愛想はない。

「はーい……」

「きゃ、エプロン似合うー!」

頬に手を当ててキャーとわざとらしい声を上げ、微笑む亜麻色の髪の女性。俺より少し背が高く、女性にしては肩幅が広い。

「………………スイ、さん?」

「なんで半信半疑なのよぅ!」

「いや、だって……なんか、ちっちゃい」

「あぁ……前までは理想のプロポーション作ってたからちょっと大きくなり過ぎちゃってたんだけど、今日は肉体に貼り付けるようにガワ作ってみたの。頭デカいし、足もう少し長くしたいし、くびれないし、肩幅広いし……色々納得行かないんだけど、こっちの方が霊力節約出来るしぃ」

「はぁ」

「……興味なさそうね?」

「だって俺が好きなのスイさんの素顔ですもん。俺女の子興味ないし……」

「そうよ。ナルちゃんがその態度だからアタシ、ガワに力入れないことにしたの。でも素顔でウロつくのは嫌、ナルちゃんにとっては好みでもアタシ的にはクソブスなんだもん」

スイは美人だ。二重でぱっちりした目でなければ可愛くないと思い込んでいる彼には言っても分かってもらえないかもしれないけれど。

「スイさん綺麗なのに……あ、そういえば何か本お探しですか?」

「ナルちゃんと話しに来ただけよ」

「……俺ここでバイトしてるって言いましたっけ。たまたま会ったのかと思っちゃって、すいません」

「アタシ探偵だもん」

調べたってことか? やっぱり言ってないよな、バイト先がどこかなんて。

「なるほどぉ。で、お話とは……? 告白をOKする感じのな返事とかだと大変嬉しいんですけど」

「あー……えっと、違くて」

「……そうですか」

「ご、ごめんね? その……もう少し考えたくて」

「いえいえいえ、お気になさらず……じゃあ、何のご用で?」

「信じられないかもなんだけどぉ、その……アタシの事務所の周りウロウロ探ってた変なおっさんが、実は何時間も前に死んでたーって……ぅー、ごめん、分かんないよね、もうちょいまとめる……」

「…………え」

動く死体の話? スイのところにも来たのか?

「ちょっ、その、その話っ、あの、その死体、俺のとこにも来て……!」

話し始めたその時、ベルが鳴った。

「あっすいません、レジの呼び出しベルが……ちょっと待っててください。この話絶対したいので、すぐ戻ります!」

今優先しなければならないのは仕事だと分かっているけれど、内心苛立ちながらレジへと急いだ。
しおりを挟む
感想 532

あなたにおすすめの小説

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

  【完結】 男達の性宴

蔵屋
BL
  僕が通う高校の学校医望月先生に  今夜8時に来るよう、青山のホテルに  誘われた。  ホテルに来れば会場に案内すると  言われ、会場案内図を渡された。  高三最後の夏休み。家業を継ぐ僕を  早くも社会人扱いする両親。  僕は嬉しくて夕食後、バイクに乗り、  東京へ飛ばして行った。

男子寮のベットの軋む音

なる
BL
ある大学に男子寮が存在した。 そこでは、思春期の男達が住んでおり先輩と後輩からなる相部屋制度。 ある一室からは夜な夜なベットの軋む音が聞こえる。 女子禁制の禁断の場所。

どうしてもお金が必要で高額バイトに飛びついたらとんでもないことになった話

ぽいぽい
BL
配信者×お金のない大学生。授業料を支払うために飛びついた高額バイトは配信のアシスタント。なんでそんなに高いのか違和感を感じつつも、稼げる配信者なんだろうと足を運んだ先で待っていたのは。

見ぃつけた。

茉莉花 香乃
BL
小学生の時、意地悪されて転校した。高校一年生の途中までは穏やかな生活だったのに、全寮制の学校に転入しなければならなくなった。そこで、出会ったのは… 他サイトにも公開しています

一人の騎士に群がる飢えた(性的)エルフ達

ミクリ21
BL
エルフ達が一人の騎士に群がってえちえちする話。

俺、転生したら社畜メンタルのまま超絶イケメンになってた件~転生したのに、恋愛難易度はなぜかハードモード

中岡 始
BL
ブラック企業の激務で過労死した40歳の社畜・藤堂悠真。 目を覚ますと、高校2年生の自分に転生していた。 しかも、鏡に映ったのは芸能人レベルの超絶イケメン。 転入初日から女子たちに囲まれ、学園中の話題の的に。 だが、社畜思考が抜けず**「これはマーケティング施策か?」**と疑うばかり。 そして、モテすぎて業務過多状態に陥る。 弁当争奪戦、放課後のデート攻勢…悠真の平穏は完全に崩壊。 そんな中、唯一冷静な男・藤崎颯斗の存在に救われる。 颯斗はやたらと落ち着いていて、悠真をさりげなくフォローする。 「お前といると、楽だ」 次第に悠真の中で、彼の存在が大きくなっていき――。 「お前、俺から逃げるな」 颯斗の言葉に、悠真の心は大きく揺れ動く。 転生×学園ラブコメ×じわじわ迫る恋。 これは、悠真が「本当に選ぶべきもの」を見つける物語。 続編『元社畜の俺、大学生になってまたモテすぎてるけど、今度は恋人がいるので無理です』 かつてブラック企業で心を擦り減らし、過労死した元社畜の男・藤堂悠真は、 転生した高校時代を経て、無事に大学生になった―― 恋人である藤崎颯斗と共に。 だが、大学という“自由すぎる”世界は、ふたりの関係を少しずつ揺らがせていく。 「付き合ってるけど、誰にも言っていない」 その選択が、予想以上のすれ違いを生んでいった。 モテ地獄の再来、空気を読み続ける日々、 そして自分で自分を苦しめていた“頑張る癖”。 甘えたくても甘えられない―― そんな悠真の隣で、颯斗はずっと静かに手を差し伸べ続ける。 過去に縛られていた悠真が、未来を見つめ直すまでの じれ甘・再構築・すれ違いと回復のキャンパス・ラブストーリー。 今度こそ、言葉にする。 「好きだよ」って、ちゃんと。

平凡ワンコ系が憧れの幼なじみにめちゃくちゃにされちゃう話(小説版)

優狗レエス
BL
Ultra∞maniacの続きです。短編連作になっています。 本編とちがってキャラクターそれぞれ一人称の小説です。

処理中です...