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小人達を紹介 (水月+カサネ・クンネ・歌見・レイ・セイカ)
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荒凪の鱗やヒレをビニール袋に詰め、その口を縛った。ロボット掃除機が吸った分も一応回収しておいた。
(電化製品がバグる霊現象ってありがちですからな)
もし荒凪の影響でロボット掃除機が壊れたらと考えると身震いする。見た目の真新しさからして最新機種だ、弁償がいくらになるか……
『荒凪くんを助けに行った先で何があったかは明日までに文章でまとめてグルチャに送ろうと思ってるんですけど』
「あぁ、まぁそれでいいぞ。全員に話すならそれが一番楽だしな」
「なかなか全員集合出来ないっすし、それがいいっすね」
『でも今話しておかなきゃならないこともあって、とりあえずカサネ先輩と合流しましょう』
寝室を出てリビングに向かい、ソファを背もたれにして床に座り、膝に愛犬を乗せているカサネに声をかける。
『先輩』
「あっ、な、鳴雷くん……話すのはスマホ使う感じなんだ? 首大丈夫……?」
『大丈夫です。ちょっと紹介したい子が居るので時間いいですか?』
「あ、うん……荒凪くん? ぼんやり知ってるけど……」
『荒凪くんを助けに行ったところは、お化けを人工的に作ってるところでした。恨みを持って死ぬように、たくさん苦しめて……ほとんどは動物でしたけど、人も、まぁ』
脳に術を彫り込まれて操作されていた連中は、自らの意思で物部の元に集ったのだろうか。騙されたのか、賛同したのか、前者だとしたら──いや、やめよう。
『ほとんどは祓わなきゃならない凶暴なお化けだったんですけど、中には無理矢理働かされてただけの善良な妖怪? も居て……今紹介しますね』
ダイニングの机の上、優しくふんわりと丸められたタオルをそっと持ち上げてリビングのローテーブルの上に乗せる。
《ミツキか? 寝てたんだけど……なんかあった?》
タオルの中からひょこっとクンネが顔を出し、荒凪以外の彼氏達が目を見開く。驚きつつもクンネの小ささを気遣ってか、歌見は自らの口を押さえた。セイカとレイは息を呑んで黙ってしまうタイプの驚き方をしたみたいだ。
『小人の兄妹です。道中で解放してあげたら、荒凪くん救出を手伝ってくれた大恩人です』
「……こ、びと。お前ホント……色々拾ってくるな……もう何が来ても驚かねぇと思ってたけど、これは…………驚いた」
「ちっちゃ~……1/15、ゃ、ぬーすとくらいっすかね?」
「ちょっと怖いサイズだな、潰しそうで……あぁ悪い、無神経だったな。えぇと、歌見 七夜だ。よろしくな」
しゃがんだ歌見が固い笑顔で挨拶をすると、クンネは困ったような表情で俺を見上げた。
《誰だコイツ……ミツキ、知り合いか? 危なくねぇんだよな?》
「ん? なんか喋ったな」
「全然聞き取れなかったっす。このサイズ差は結構辛いかもっすね」
『言葉が通じないんだ。コンちゃんは言霊で会話出来るから通訳頼んでたんだけど、コンちゃんどこ行ったか知らない?』
「分野……? 居ないのか? 俺達が知る訳ないだろ」
「ゃ、俺達は来る時に会ったぞ。確か、サキヒコくんの消耗が激しいとか何とか……浮遊霊? 食べ放題ツアー? とか何とか……言ってたよな?」
「そういやなんかそんなこと言ってたっすね」
ふわっとしてるなぁ……だが、まぁ、近所に居るみたいでよかった。外出の理由もしっかりとしている、心配する必要はないだろう。
『コンちゃん達が帰ってくるまで話せません』
「俺達はまぁいいけど、この子は嫌なんじゃないか? よく分からん男に囲まれてるなんて、捕まってたとかなら怖いだろ」
「そうっすね、あんまり近寄らないであげましょーっす」
「繰言、犬あんまり近付けるなよ。こういうサイズだと食うだろ、犬猫って」
カサネは少し不快そうな顔をしながらも何も言わず、膝の上でくつろぐパグ犬を抱き締めた。
《ミツキ……? なぁ、コイツら誰? 大丈夫なんだよな?》
クンネが話しかけてきている。その表情は少し不安そうだ。俺は絨毯の上に腰を下ろし、クンネに手のひらを差し出した。彼は困惑した様子ながらも俺の親指をきゅっと抱き締める。
(……? カサネたん?)
パグ犬を下ろし、カサネが俺の隣に膝をつく。
《俺と、彼らに、君を、傷付ける……ぁー……意思、ない》
《……! 言葉通じるのか、よかった! 昔、人間と交易してた時に使ってた言葉らしいってエカシが言ってた、なのに狐以外に通じないから……やっぱり人間との交易なんかただの御伽噺なんじゃないかと疑ってたんだ。本当だったんだな》
今、カサネが呟いた言葉……クンネの話しているものと同じ言語か?
《あ、悪い悪い。大丈夫なんだよな、ミツキが連れてきたんだ、優しいヤツらに決まってる……疑ってごめん。妹がまだ動けないからちょっと過敏になっちまってる》
《妹、居る?》
《この中だ。ペケレって言うんだ。ペケレ、挨拶しろ。ミツキの知り合いだってさ》
クンネがタオルの中に戻り、妹をおぶって戻ってくる。妹は動かない手足を垂らしたまま、気まずそうな笑顔でカサネに何か言った。
「……話せてる? 小人さんと会話出来てるっすよねカサネくん!」
『すごい! カサネ先輩、助かります!』
「いや……ごめん。無理かも。話してみたんだけど、四割くらい何言ってるか分かんない。人間との交易は御伽噺だと思ってたとか言ってるし、同じ言葉使ってたのはかなり前で……コロポックルの間で勝手に独自の進化遂げてる感じじゃねぇかなこれ。通訳ってほどのは無理。ごめん鳴雷くん」
『いえ、ちょっとでも話せて助かりました』
クンネ達の緊張もかなりほぐれたようだ。表情が明るいし、何より兄妹揃ってカサネに話しかけまくっている。
「そ、そんなに分かんねぇんだって俺ぇ……」
カサネは冷や汗をかいているが、まぁ、仲良くなれそうでよかった。
(電化製品がバグる霊現象ってありがちですからな)
もし荒凪の影響でロボット掃除機が壊れたらと考えると身震いする。見た目の真新しさからして最新機種だ、弁償がいくらになるか……
『荒凪くんを助けに行った先で何があったかは明日までに文章でまとめてグルチャに送ろうと思ってるんですけど』
「あぁ、まぁそれでいいぞ。全員に話すならそれが一番楽だしな」
「なかなか全員集合出来ないっすし、それがいいっすね」
『でも今話しておかなきゃならないこともあって、とりあえずカサネ先輩と合流しましょう』
寝室を出てリビングに向かい、ソファを背もたれにして床に座り、膝に愛犬を乗せているカサネに声をかける。
『先輩』
「あっ、な、鳴雷くん……話すのはスマホ使う感じなんだ? 首大丈夫……?」
『大丈夫です。ちょっと紹介したい子が居るので時間いいですか?』
「あ、うん……荒凪くん? ぼんやり知ってるけど……」
『荒凪くんを助けに行ったところは、お化けを人工的に作ってるところでした。恨みを持って死ぬように、たくさん苦しめて……ほとんどは動物でしたけど、人も、まぁ』
脳に術を彫り込まれて操作されていた連中は、自らの意思で物部の元に集ったのだろうか。騙されたのか、賛同したのか、前者だとしたら──いや、やめよう。
『ほとんどは祓わなきゃならない凶暴なお化けだったんですけど、中には無理矢理働かされてただけの善良な妖怪? も居て……今紹介しますね』
ダイニングの机の上、優しくふんわりと丸められたタオルをそっと持ち上げてリビングのローテーブルの上に乗せる。
《ミツキか? 寝てたんだけど……なんかあった?》
タオルの中からひょこっとクンネが顔を出し、荒凪以外の彼氏達が目を見開く。驚きつつもクンネの小ささを気遣ってか、歌見は自らの口を押さえた。セイカとレイは息を呑んで黙ってしまうタイプの驚き方をしたみたいだ。
『小人の兄妹です。道中で解放してあげたら、荒凪くん救出を手伝ってくれた大恩人です』
「……こ、びと。お前ホント……色々拾ってくるな……もう何が来ても驚かねぇと思ってたけど、これは…………驚いた」
「ちっちゃ~……1/15、ゃ、ぬーすとくらいっすかね?」
「ちょっと怖いサイズだな、潰しそうで……あぁ悪い、無神経だったな。えぇと、歌見 七夜だ。よろしくな」
しゃがんだ歌見が固い笑顔で挨拶をすると、クンネは困ったような表情で俺を見上げた。
《誰だコイツ……ミツキ、知り合いか? 危なくねぇんだよな?》
「ん? なんか喋ったな」
「全然聞き取れなかったっす。このサイズ差は結構辛いかもっすね」
『言葉が通じないんだ。コンちゃんは言霊で会話出来るから通訳頼んでたんだけど、コンちゃんどこ行ったか知らない?』
「分野……? 居ないのか? 俺達が知る訳ないだろ」
「ゃ、俺達は来る時に会ったぞ。確か、サキヒコくんの消耗が激しいとか何とか……浮遊霊? 食べ放題ツアー? とか何とか……言ってたよな?」
「そういやなんかそんなこと言ってたっすね」
ふわっとしてるなぁ……だが、まぁ、近所に居るみたいでよかった。外出の理由もしっかりとしている、心配する必要はないだろう。
『コンちゃん達が帰ってくるまで話せません』
「俺達はまぁいいけど、この子は嫌なんじゃないか? よく分からん男に囲まれてるなんて、捕まってたとかなら怖いだろ」
「そうっすね、あんまり近寄らないであげましょーっす」
「繰言、犬あんまり近付けるなよ。こういうサイズだと食うだろ、犬猫って」
カサネは少し不快そうな顔をしながらも何も言わず、膝の上でくつろぐパグ犬を抱き締めた。
《ミツキ……? なぁ、コイツら誰? 大丈夫なんだよな?》
クンネが話しかけてきている。その表情は少し不安そうだ。俺は絨毯の上に腰を下ろし、クンネに手のひらを差し出した。彼は困惑した様子ながらも俺の親指をきゅっと抱き締める。
(……? カサネたん?)
パグ犬を下ろし、カサネが俺の隣に膝をつく。
《俺と、彼らに、君を、傷付ける……ぁー……意思、ない》
《……! 言葉通じるのか、よかった! 昔、人間と交易してた時に使ってた言葉らしいってエカシが言ってた、なのに狐以外に通じないから……やっぱり人間との交易なんかただの御伽噺なんじゃないかと疑ってたんだ。本当だったんだな》
今、カサネが呟いた言葉……クンネの話しているものと同じ言語か?
《あ、悪い悪い。大丈夫なんだよな、ミツキが連れてきたんだ、優しいヤツらに決まってる……疑ってごめん。妹がまだ動けないからちょっと過敏になっちまってる》
《妹、居る?》
《この中だ。ペケレって言うんだ。ペケレ、挨拶しろ。ミツキの知り合いだってさ》
クンネがタオルの中に戻り、妹をおぶって戻ってくる。妹は動かない手足を垂らしたまま、気まずそうな笑顔でカサネに何か言った。
「……話せてる? 小人さんと会話出来てるっすよねカサネくん!」
『すごい! カサネ先輩、助かります!』
「いや……ごめん。無理かも。話してみたんだけど、四割くらい何言ってるか分かんない。人間との交易は御伽噺だと思ってたとか言ってるし、同じ言葉使ってたのはかなり前で……コロポックルの間で勝手に独自の進化遂げてる感じじゃねぇかなこれ。通訳ってほどのは無理。ごめん鳴雷くん」
『いえ、ちょっとでも話せて助かりました』
クンネ達の緊張もかなりほぐれたようだ。表情が明るいし、何より兄妹揃ってカサネに話しかけまくっている。
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