ポチは今日から社長秘書です

ムーン

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ご主人様の留学

おもいでになった、いち

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震えっぱなしの尿道ブジーによる快楽に喘ぎながら目を覚まし、起き上がろうとするとベッドの頭側の柵に絡められた首輪の紐に邪魔された。

「ぁ、んっ……ふぅっ、ふぅぅっ……」

震える手で柵に絡まった首輪の紐をほどき、赤い紐を引きずってベッドから降りる。

「ん、ぅっ……ふぅっ、ぅぅ……」

ゴム製のカバーを亀頭に被せられ、陰嚢の根元まで紐で縛られ、目では確認出来ないが確かに挿入されている尿道ブジーに責められている陰茎を見る。触れると微かに振動が伝わる、尿道ブジーに接続されたローターの震えだ。俺の尿道壁を虐めている。

「ィ、くっ……ふっ、ぅぅぅっ……クソっ、出ねぇ……」

射精出来ない。いや、尿道ブジーやゴム製カバーの隙間から精液が少しずつ染み出てはいる。射精した快楽がないのだ、あの達成感のようなものがない、ずっと尿道を責められているせいで、ずっと射精しているような気分だ。

「は、ぁ……ん、んん…………ユキ様、ユキ様ぁ……?」

のそのそとバスローブを羽織り、犬耳カチューシャを着けたまま部屋を出る。壁に手を当てて覚束無い足取りで長い廊下を歩く。

「ゆき、ひゃまっ……ろこぉ……?」

この家に連れてこられて一年以上経ったはずだが、俺は邸宅の間取りを全く知らない。いつも部屋で雪兎を待っているし、部屋から出ても雪兎に散歩と称して引っ張り回されるくらいだ。たまに庭や家の外へ出かける時も雪兎や使用人に玄関まで案内されるだけ、どこに何があるかなんて全く知らない。

「ゆきっ、ゆきぃ……なんで、どこ……」

ましてやいつの間にか部屋から消えていた雪兎の居場所なんて分かるわけもなく、ガクガクと足を震わせて座り込んでしまう。

「ひぅっ……! ふ、ふぅっ……ユキ様ぁ」

座った拍子に自分の太腿に陰茎が当たり、快感に震える。出来るだけ刺激がないように床に座り込んだまま大きく開脚し、バスローブをめくり上げた。

「はぁっ、はぁぁっ……はぁーっ……」

立てるようになったらまた雪兎を探す気で、誰も居ないからと玩具付きの性器を晒して目を閉じた。

「ゆき……ゆき、と……ゆきとぉ……はぁっ、ぁ……」

瞼の裏に勝手に描かれる雪兎の姿。可愛らしく微笑む彼に会いたい。頬を染める彼を抱き上げたい。恍惚の笑みを浮かべた彼に踏まれたい、首輪を引かれたい、犬の鳴き真似しか許されない時間を与えられたい。

「わん……んっ、んん……」

廊下の真ん中でピクピクと身体を跳ねさせ、雪兎を求めて犬の鳴き真似をする。そんなことをしてもご主人様は首輪を引いてくれなくて、寂しくて涙が溢れてくる。
俺はまだまだ不安定らしい、実の父母を事故で失った心の傷が癒えていない。一人で居ると思い出してしまう、山道で逆走車と正面衝突し、救急車が車で父母の死体に必死に声をかけていたあの雨の夜を。

「はぁっ、はぁっ……ぁ、あぁっ! ん、んんっ、ふぅっ……ユキ様、ユキ様ぁっ」

トラウマを消すため、自分が雪兎の犬だと再確認するため、バスローブを脱いで自慰を始める。目を閉じて雪兎の姿を思い浮かべたまま、紐にぐるぐる巻きにされて扱けない陰茎を揺らし、乳首をつまむ。

「ん、んんっ……はぁっ、ぁ、ユキ様ぁっ、きもちぃ……!」

左手で乳首を弄りながら右手を足の間に下ろす。雪兎の精液を注がれた穴に指を入れる。意識を失っている間に掃除されてしまったのか、精液らしき液体はない。

「ぅ、んんっ……ユキ様ぁ……」

とん、と肩に手が触れる。雪兎が来てくれたのだと確信し、目を開けて腕を広げた。

「ユキ様っ……ぁ」

「…………こ、こんばんは、ポチさん」

そこに居たのは気まずそうな顔をする使用人だった。俺は再び目を閉じた、使用人が俺を呼ぶ声を無視し、羞恥心のあまり気絶したフリをし続けた。
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