ポチは今日から社長秘書です

ムーン

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夏休み

がまんがまん、に

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媚薬は効果をまだ発揮していない。俺は雪兎が媚薬を塗り込む手つきによって絶頂を迎えた。金属製の貞操帯にギチギチと締め付けられている陰茎からは射精なんて出来ない、ただ仰け反っただけだ。

「ポチ? イっちゃった? ならエプロン戻すよ」

谷間に布を押し込んでいたのを元の形に戻される。解放されていた胸筋が再び布に覆われ、微かに締め付けられている感覚……いや、包まれている、支えられている感覚と言うべきか。女性のブラジャーの付け外しはこんな感覚が伴うのだろうかなんて考え、そんなことを考えるなんて気持ち悪い奴だなと自分を罵った。

「ぼーっとしてるね、疲れちゃった?」

「いえ……」

「休んでていいよ、今日は何もしないから」

媚薬は塗ってからどのくらいで効いてくるのだろう。そもそも本当に媚薬だったのだろうか、媚薬というのは俺を勘違いさせて楽しむための嘘で本当はただの保湿クリームとかだったりするんじゃないか?

「何もしないんですか?」

「うん、ごめんね。乳首必死に勃たせてアピールしてくれてるのにね」

言われると余計意識してしまう。エプロンの下で硬く膨らんでいる乳首はエプロン越しにも目立っている。

「痛い……くらい、なんですけど」

一度絶頂させられ、勃ったままの乳首はズクズクと疼いている。エプロンの内側に微かに擦っていることもあり、その疼きは痛いくらいにまで発展した。

「というか、なんか……痒い」

表面がヒリヒリしてきた、エプロンに擦れているからだろうか? 陰茎にも同じ感覚がある、こちらもエプロンに擦れてはいるが乳首ほどではないはずだ。

「痒いっ……ん、あぁああっ! ぁ、あーっ! は、ぁあああ……ガリガリすんのっ、気持ちぃい……!」

俺はベッドに寝転がって片足を曲げ、エプロン越しに乳首と陰茎をガリガリと引っ掻いた。普段なら痛くて手を止めてしまうだろうに、今日は止まらない。

「そんなに掻いちゃダメだよ、怪我になっちゃう」

「んなこと言われたって無理ですっ! 掻くのめちゃくちゃ気持ちぃっ、ひぃいっ……!」

「掻くのをやめろ。僕の命令が聞けないの?」

「……っ、はい……やめます」

赤紫の瞳に冷たく睨まれ、俺は胸と股間から手を離した。ベッドの端に座り直し、膝の上に行儀よく手を置いた。

「…………ぁ、あの……ユキ様、乳首を虐めていただけませんか?」

「今日はもう何もしないってば。ゆっくり休んで」

痒い。乳首と陰茎だけが異常なほどに痒い。これはさっき塗られた媚薬の効果か? 今まで使われた媚薬は熱く昂るだけで痒みなんて大してなかったのに効……そういえば効能の説明で痒みという言葉を聞いた気がする。

「……っ、んんん……!」

俺は歯を食いしばって拳を握り締め、太腿を拳で擦って痒みを誤魔化そうとした。しかし、無駄だ。痒みで気が狂いそうだ。

「ユ、ユキ様っ……少しだけ、少しだけ掻かせてくださいっ、少しだけでいいんです」

「だーめ。我慢して。僕の命令が聞けないの?」

「………………っ、手枷をくださいっ! このままじゃ命令を破ってしまいます!」

自ら拘束を求めた俺に雪兎は目を見開いて驚き、それから嗜虐的な笑みを浮かべ、俺に後ろ手に手錠をかけた。掻くのを我慢しなくても掻けないから大丈夫だと思ってしまうともう我慢できず、俺は掻きたい一心で手錠をガシャガシャと鳴らした。
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