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夏休み
がまんがまん、なな
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雪兎に顔を撫でられる快感に酔いながら、陰茎を締め付ける貞操帯による痛みも堪能する。贅沢な俺を見下し自らも興奮している赤紫の視線を引き金として、俺は僅かに身体を反らして下腹を中心にビクビクと震えた。
「ん……?」
ぎゅっと目を閉じ、それから口を開け、遅れて開けた目を胡乱に変えた俺を見下ろし、雪兎は首を傾げる。
「……ポチ、まさかイった?」
「ひゃ、い……」
「何で? 僕、未だにポチが何でイったのか分かんない時あるんだけど」
「すみましぇん……」
どろんと蕩けてしまった俺は舌すらまともに動かない。
「説明してくれる?」
「は、い……ユキ様が望むなら」
「うん、望むよ。何でイったの?」
「ユキ様に、顔を撫でていただいて……気持ちよくて、嬉しくて、お腹がきゅんきゅんして、勃ってきて……貞操帯がギチッてして、痛くて、興奮して…………ユキ様の目が俺を見下してることと、俺に興奮してくださってることに気付いたら……もう、お腹きゅうぅってなって、イきましたぁ……」
「ふぅん」
回らない舌での必死の説明に対し、雪兎は興味なさげな返事をした。しかし、俺には分かってしまう、雪兎が俺の説明を脳内で何度も再生して楽しんでいることが。
分かってしまうのは少し残念だ、雪兎の演技を本心だと受け止めてショックを受けたいのに。雪兎との時間と愛が増えすぎた結果だから、喜ばしいのだけれど。
「ポチは僕の目でイくの?」
「はい……ユキ様の目は、お美しい。まるで楽園の朝焼けです……そんな綺麗な目に俺などを映してくださって、その上……俺を見下してくださるっ! そんなの……ぁあ、だめっ、またイっちゃう……なんかクセついてるぅっ……!」
「へぇ? 面白いねぇ。すごいよポチは、まだまだ知らないことがたくさんあるし、できていってる。大好きだよ」
「……っ、くぅぅんっ! ん、んん……ずるい、そんなこと言われたら……イっちゃうに決まってますぅ……」
当然ながら貞操帯によって勃起すら禁じられた陰茎は射精も許されていない。
「はぁん……ユキ様ぁ、嬉しい……俺幸せですっ、あなたのような美しい方に飼っていただけて、あなたのような可愛らしい方に好きになっていただけて、俺……とても幸せです」
日頃感じている幸福を改めて口にする。本来なら照れが混じってしまう行為だが、絶頂直後の俺はふわふわとした多幸感に満ちており、恥や照れから遠くなっていた。
「あぁ……その目、俺を慈しんでくださる目……どんなに見下したって、あなたの瞳の奥には俺への劣情がギラついてるっ……性から遠く離れた天使のようなあなたが、俺に肉欲を……! ぁあ……ぁん……ユキ様ぁ……」
上手く動いてはいない舌で愚かしくも饒舌に雪兎を語る俺の顔を、雪兎は優しく愛撫し続けている。
「あぁユキ様っ、俺のご主人様……あなたに犯されるのは俺だと言うのに、天使のようなあなたに精液を出させるのはどうもあなたを穢しているような気分になり、俺はいつも背徳感にも悶えておりますっ……!」
「へぇ? そうだったんだ。ふふ……すっごい饒舌。気持ち悪いよ、僕のこと神聖視しすぎ。僕はただの人間だよ」
「俺にとっては違いますっ……あなたが、俺の、唯一絶対の……ご主人様っ! 俺の全てはあなたのために!」
「ふふふふふ……可愛いけどさぁ、テンション上がりすぎで怖いよ。撫ですぎもよくないのかな?」
俺のこの高揚は愛撫によるものなのだろうか。そうに違いない、柔らかな手のひらが頬を撫でる度にゾクゾクと多幸感が脊椎を駆け抜けるのだから。
「やぁんっ……撫でてくださいユキ様ぁ」
俺が何故雪兎に撫でられるだけでこんなになってしまうのか、その理由はもう分かっている。
飼い主の帰宅で走り回り、撫でられて狂乱する犬は多い。犬を飼っていなくともそんな動画の一つは誰しも見たことがあるだろう。俺はそんな飼い主を愛する犬の一匹だというだけだ。
「ん……?」
ぎゅっと目を閉じ、それから口を開け、遅れて開けた目を胡乱に変えた俺を見下ろし、雪兎は首を傾げる。
「……ポチ、まさかイった?」
「ひゃ、い……」
「何で? 僕、未だにポチが何でイったのか分かんない時あるんだけど」
「すみましぇん……」
どろんと蕩けてしまった俺は舌すらまともに動かない。
「説明してくれる?」
「は、い……ユキ様が望むなら」
「うん、望むよ。何でイったの?」
「ユキ様に、顔を撫でていただいて……気持ちよくて、嬉しくて、お腹がきゅんきゅんして、勃ってきて……貞操帯がギチッてして、痛くて、興奮して…………ユキ様の目が俺を見下してることと、俺に興奮してくださってることに気付いたら……もう、お腹きゅうぅってなって、イきましたぁ……」
「ふぅん」
回らない舌での必死の説明に対し、雪兎は興味なさげな返事をした。しかし、俺には分かってしまう、雪兎が俺の説明を脳内で何度も再生して楽しんでいることが。
分かってしまうのは少し残念だ、雪兎の演技を本心だと受け止めてショックを受けたいのに。雪兎との時間と愛が増えすぎた結果だから、喜ばしいのだけれど。
「ポチは僕の目でイくの?」
「はい……ユキ様の目は、お美しい。まるで楽園の朝焼けです……そんな綺麗な目に俺などを映してくださって、その上……俺を見下してくださるっ! そんなの……ぁあ、だめっ、またイっちゃう……なんかクセついてるぅっ……!」
「へぇ? 面白いねぇ。すごいよポチは、まだまだ知らないことがたくさんあるし、できていってる。大好きだよ」
「……っ、くぅぅんっ! ん、んん……ずるい、そんなこと言われたら……イっちゃうに決まってますぅ……」
当然ながら貞操帯によって勃起すら禁じられた陰茎は射精も許されていない。
「はぁん……ユキ様ぁ、嬉しい……俺幸せですっ、あなたのような美しい方に飼っていただけて、あなたのような可愛らしい方に好きになっていただけて、俺……とても幸せです」
日頃感じている幸福を改めて口にする。本来なら照れが混じってしまう行為だが、絶頂直後の俺はふわふわとした多幸感に満ちており、恥や照れから遠くなっていた。
「あぁ……その目、俺を慈しんでくださる目……どんなに見下したって、あなたの瞳の奥には俺への劣情がギラついてるっ……性から遠く離れた天使のようなあなたが、俺に肉欲を……! ぁあ……ぁん……ユキ様ぁ……」
上手く動いてはいない舌で愚かしくも饒舌に雪兎を語る俺の顔を、雪兎は優しく愛撫し続けている。
「あぁユキ様っ、俺のご主人様……あなたに犯されるのは俺だと言うのに、天使のようなあなたに精液を出させるのはどうもあなたを穢しているような気分になり、俺はいつも背徳感にも悶えておりますっ……!」
「へぇ? そうだったんだ。ふふ……すっごい饒舌。気持ち悪いよ、僕のこと神聖視しすぎ。僕はただの人間だよ」
「俺にとっては違いますっ……あなたが、俺の、唯一絶対の……ご主人様っ! 俺の全てはあなたのために!」
「ふふふふふ……可愛いけどさぁ、テンション上がりすぎで怖いよ。撫ですぎもよくないのかな?」
俺のこの高揚は愛撫によるものなのだろうか。そうに違いない、柔らかな手のひらが頬を撫でる度にゾクゾクと多幸感が脊椎を駆け抜けるのだから。
「やぁんっ……撫でてくださいユキ様ぁ」
俺が何故雪兎に撫でられるだけでこんなになってしまうのか、その理由はもう分かっている。
飼い主の帰宅で走り回り、撫でられて狂乱する犬は多い。犬を飼っていなくともそんな動画の一つは誰しも見たことがあるだろう。俺はそんな飼い主を愛する犬の一匹だというだけだ。
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