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お盆
いぬのひるね、いち
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自分の白濁液にまみれた身体を綺麗にしてから雪兎の元へ四つん這いで移動する。優しい瞳で俺を見下ろす雪兎はベッドに腰かけており、俺は飼い主に犬が甘えるように彼の太腿に顔を押し付けた。
「わんっ、わん……くぅん」
「どうしたの僕のワンちゃん、可愛いポチ、もうおねむかな?」
下手くそな犬の泣き真似をして、犬の足を模した分厚い手袋で雪兎の足をかしかし引っ掻いて、バイブによって尻に生やされている尻尾飾りを揺らして、眠くもないのに欠伸をして見せる。
「眠そうだね。ベッドにお乗りよ」
雪兎はぽんぽんと自分の隣を叩いた。俺はドッグランで遊んだ犬達の動きを思い出し、四つん這いのままベッドに飛び乗った。
「おぉ……すごい、本物の犬みたい」
「わふん」
「ドヤ顔しちゃって」
顎の下を撫でられ、くすぐったさに身を震わせる。背中にゾクゾクと寒気が走る。
「寝てる間に落ちちゃダメだから、ベッドの真ん中で寝ようね。ほら、おいで」
ベッドの中心の方へ目をやって俺は硬直してしまった。ボールギャグや拘束具などその他諸々のSM用玩具が無造作に置かれていたのだ。
「ごろんして、ワンちゃん」
「わ、ん……」
玩具を避けて恐る恐るベッドに横たわる。犬は丸まって寝るんだっけ、なんて考える俺を他所に雪兎は赤い縄を腕に巻き付けている。
「ポチ、コックリングはめて」
「……はい」
内側に突起がある円形の玩具。これは陰茎の根元を締め付けて射精禁止、勃起持続などを行うものだ。もちろん寝ている間に付けるものではない。
「んっ……! キッツ……血ぃ止まって腐り落ちちゃいますよ」
硬いゴム製のコックリングで陰茎の根元を締め付ける。内側の突起がくい込んで痛い。痛みで勃起した陰茎を扱いたところで今、精液は出ないだろう。
「使っていい時間はちゃんと頭に入ってるよ」
「でしょうけど」
「それよりポチ、あーん」
「……あーん、んっ!」
いくつかの穴が空いたボールを咥えさせられ、そのボールを固定するためのベルトを頭の後ろで固定される。
「んんぅ……ゔぅー」
「よく似合うよ。でも犬ってこういうの使わないからなぁ……気持ち的には微妙。口輪買おうかなぁ、でもアレ口閉じちゃうからヨダレだらだら垂らす感じじゃないんだよね。ポチはどっちがいい?」
「わゔー……」
「何言ってんのか分かんない! これぞ犬だね」
異物が口内にある不快感、革と金属で出来たベルトが頬にくい込む痛み、人間の尊厳とも呼べる言葉を封じられた屈辱、それら全て雪兎の望み。
「可愛いよポチ。意思疎通が出来ないのって不便なはずなのに、とっても可愛い!」
歳下の男の言いなりになって犬に扮する情けない男、それが俺。自覚する度に、改めて頭の中で言葉にする度に、ゾワゾワと快感が脳を支配する。
「んぅ……」
ボールギャグを取り付けられた情けない顔のまま、雪兎の胸に頭を擦り付ける。
「ん? 甘えたいの? よしよし……ふふっ、意思疎通全然出来ないってわけじゃないね。これが犬との絆ってヤツかな?」
犬として可愛いがられている間だけは不安が消え去る。過去も未来も何もなく、ただ現在の幸せを享受していられる。
「うっとりしちゃってる? うぅん、眠いんだよね。ほら、ごろんして」
犬のようにではなく人間のようにベッドに横たわる。これから体勢の指示をされるのだろうか? 雪兎が手にした拘束具で俺はどんな恥ずかしい体勢で固定されるのだろうか?
考えるだけで、もう、たまらない。コックリングがなければ射精していただろう。
「わんっ、わん……くぅん」
「どうしたの僕のワンちゃん、可愛いポチ、もうおねむかな?」
下手くそな犬の泣き真似をして、犬の足を模した分厚い手袋で雪兎の足をかしかし引っ掻いて、バイブによって尻に生やされている尻尾飾りを揺らして、眠くもないのに欠伸をして見せる。
「眠そうだね。ベッドにお乗りよ」
雪兎はぽんぽんと自分の隣を叩いた。俺はドッグランで遊んだ犬達の動きを思い出し、四つん這いのままベッドに飛び乗った。
「おぉ……すごい、本物の犬みたい」
「わふん」
「ドヤ顔しちゃって」
顎の下を撫でられ、くすぐったさに身を震わせる。背中にゾクゾクと寒気が走る。
「寝てる間に落ちちゃダメだから、ベッドの真ん中で寝ようね。ほら、おいで」
ベッドの中心の方へ目をやって俺は硬直してしまった。ボールギャグや拘束具などその他諸々のSM用玩具が無造作に置かれていたのだ。
「ごろんして、ワンちゃん」
「わ、ん……」
玩具を避けて恐る恐るベッドに横たわる。犬は丸まって寝るんだっけ、なんて考える俺を他所に雪兎は赤い縄を腕に巻き付けている。
「ポチ、コックリングはめて」
「……はい」
内側に突起がある円形の玩具。これは陰茎の根元を締め付けて射精禁止、勃起持続などを行うものだ。もちろん寝ている間に付けるものではない。
「んっ……! キッツ……血ぃ止まって腐り落ちちゃいますよ」
硬いゴム製のコックリングで陰茎の根元を締め付ける。内側の突起がくい込んで痛い。痛みで勃起した陰茎を扱いたところで今、精液は出ないだろう。
「使っていい時間はちゃんと頭に入ってるよ」
「でしょうけど」
「それよりポチ、あーん」
「……あーん、んっ!」
いくつかの穴が空いたボールを咥えさせられ、そのボールを固定するためのベルトを頭の後ろで固定される。
「んんぅ……ゔぅー」
「よく似合うよ。でも犬ってこういうの使わないからなぁ……気持ち的には微妙。口輪買おうかなぁ、でもアレ口閉じちゃうからヨダレだらだら垂らす感じじゃないんだよね。ポチはどっちがいい?」
「わゔー……」
「何言ってんのか分かんない! これぞ犬だね」
異物が口内にある不快感、革と金属で出来たベルトが頬にくい込む痛み、人間の尊厳とも呼べる言葉を封じられた屈辱、それら全て雪兎の望み。
「可愛いよポチ。意思疎通が出来ないのって不便なはずなのに、とっても可愛い!」
歳下の男の言いなりになって犬に扮する情けない男、それが俺。自覚する度に、改めて頭の中で言葉にする度に、ゾワゾワと快感が脳を支配する。
「んぅ……」
ボールギャグを取り付けられた情けない顔のまま、雪兎の胸に頭を擦り付ける。
「ん? 甘えたいの? よしよし……ふふっ、意思疎通全然出来ないってわけじゃないね。これが犬との絆ってヤツかな?」
犬として可愛いがられている間だけは不安が消え去る。過去も未来も何もなく、ただ現在の幸せを享受していられる。
「うっとりしちゃってる? うぅん、眠いんだよね。ほら、ごろんして」
犬のようにではなく人間のようにベッドに横たわる。これから体勢の指示をされるのだろうか? 雪兎が手にした拘束具で俺はどんな恥ずかしい体勢で固定されるのだろうか?
考えるだけで、もう、たまらない。コックリングがなければ射精していただろう。
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