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お盆
おかえりなさい、にじゅう
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不機嫌な雪兎の冷たい声や態度に興奮し、勃起どころか先走りの汁まで垂らした陰茎を見て雪兎な舌打ちをし、その後で意地悪な笑みを浮かべた。
「四日……だったね、ポチが外に出たのは。じゃあ四日だ。四日間かぁ……変な体勢で縛ると血行止まっちゃうよね、どうしようかな」
ぶつぶつと呟きながら雪兎は全裸の俺の目の前に犬耳のカチューシャや、犬の足を模した分厚い手袋や室内履きのブーツを落とす。
「…………わん」
手足を犬にし、犬の耳を生やし、尻尾がないまま犬ぶって吠える。
「ポチ、ここに膝立ちになって」
「わんっ」
「僕の方向いてね」
雪兎は壁際に置いたクッションの上に膝立ちになるよう言った。銀色のリングが取り付けられ壁と拘束具が鎖で繋げられるようになった物々しい壁を背に、ふかふかのクッションの上でバランスを取る。
「拘束具つけてくから動かないでね」
壁に取り付けられたリングの最下段の二つと、足首に巻かれた黒革の拘束具が鎖で繋がる。両手を限界まで上げさせられ、足と同じように壁に繋がれる。
「……動けませんね。でも体は結構楽ですよ」
腕は上げたままではだるくなりそうだが、普段の肘を掴む形で後ろ手に縛られるやり方よりはマシだ。足も比較的楽だが、壁と俺を繋ぐ鎖はかなり短いため肘や膝の曲げ伸ばしの自由はなさそうだ。いい塩梅だな、流石は雪兎。
「クッションがいい感じですね、膝痛くなりません」
「痛みは僕が全て管理したいからね。じゃあポチ、これからするプレイを説明するよ」
事前説明アリか。何も説明されず責め立てられるのもイイが、説明されるのも期待や恐怖が煽られてイイな。
「ポチにはこれから四日間、僕が一方的に痛みや快楽を与えさせてもらう。その間、絶頂することは許さない」
「……え? よ、四日間……イけないってことですか?」
「うん、ポチに里帰りさせようって話が出た時から決めてたんだ。ポチが僕から離れた日数分、イかさずに責めてあげようって」
「そんなっ……四日間なんて、そんなのっ、イかされ続けた方がマシ……でも、ないかな……いやどっちがマシなんだろこれ、マシじゃない方して欲しいっ、心身共にぶっ壊されてぇ……!」
「…………ま、あんまり嫌がってないようでよかったよ」
嫌味っぽい言葉に思考が声に出ていたことに気付き、慌てて口を押さえようとして手枷と壁を繋ぐ鎖をガシャンと鳴らした。
「あぁそうそう、里帰り中のポチの行動は全部知ってるよ。レポート書くフリして報告書読んでたの」
あのバカ大学生バイトみたいな使用人が報告書なんて作れたことに驚きだ。
「小学生を三人川に落として、中学生を椅子で殴って、叔父さんに繰り返し暴行……ひっどいねぇ。ポチってこんなに悪い子だったんだ」
「えっ? ゃ、俺悪くないですよ」
雪兎はため息をついて鞭を持った。よくしなる棒鞭は皮膚よりも筋肉や骨にダメージを与える。
「ユキ様っ……ぁああっ! いっ、た……ぁあっ、はぁあーっ……!」
右の二の腕を叩かれた。頭上高くに手首を拘束されているから、鞭が打ったのは腕の内側だ、痛すぎる。
「子供に酷いことして、昔ちょっとだけだけど引き取ってくれてた叔父さんにまで酷いことしておいて、ポチは自分は悪くないって言うの?」
「はい、俺は……悪くないです」
腕がズキズキと痛む。久しぶりの痛みへの興奮で呼吸が乱れて上手く話せない。
「どうしてポチは悪くないのか聞いてみようか」
「どうしてって……だって」
「アイツらは國行くんを虐めたんだ、とか言う気?」
「ムカついたんでしょうがなくないですか? 俺悪くないですよ……ムカついたんですからっ、ぁああっ!?」
ほとんど同じ位置を強く打たれ、ガシャンっと鎖を鳴らす。
「……従弟のために怒ったならカッコよかったのになぁ。ムカついたからって……ひっどい理由。四日間で元のいい子なポチに戻してあげるね。その時は──」
これ以上鞭で打てば俺が絶頂してしまうと分かったのか、雪兎は鞭を置いて屈むと俺と唇を重ねた。
「──おかえりなさいって言ってあげる」
「…………三度目ですよ」
三度目の正直とはよく言ったものだ。ちょうど、鞭も三発目があれば絶頂出来そうだった。
「四日……だったね、ポチが外に出たのは。じゃあ四日だ。四日間かぁ……変な体勢で縛ると血行止まっちゃうよね、どうしようかな」
ぶつぶつと呟きながら雪兎は全裸の俺の目の前に犬耳のカチューシャや、犬の足を模した分厚い手袋や室内履きのブーツを落とす。
「…………わん」
手足を犬にし、犬の耳を生やし、尻尾がないまま犬ぶって吠える。
「ポチ、ここに膝立ちになって」
「わんっ」
「僕の方向いてね」
雪兎は壁際に置いたクッションの上に膝立ちになるよう言った。銀色のリングが取り付けられ壁と拘束具が鎖で繋げられるようになった物々しい壁を背に、ふかふかのクッションの上でバランスを取る。
「拘束具つけてくから動かないでね」
壁に取り付けられたリングの最下段の二つと、足首に巻かれた黒革の拘束具が鎖で繋がる。両手を限界まで上げさせられ、足と同じように壁に繋がれる。
「……動けませんね。でも体は結構楽ですよ」
腕は上げたままではだるくなりそうだが、普段の肘を掴む形で後ろ手に縛られるやり方よりはマシだ。足も比較的楽だが、壁と俺を繋ぐ鎖はかなり短いため肘や膝の曲げ伸ばしの自由はなさそうだ。いい塩梅だな、流石は雪兎。
「クッションがいい感じですね、膝痛くなりません」
「痛みは僕が全て管理したいからね。じゃあポチ、これからするプレイを説明するよ」
事前説明アリか。何も説明されず責め立てられるのもイイが、説明されるのも期待や恐怖が煽られてイイな。
「ポチにはこれから四日間、僕が一方的に痛みや快楽を与えさせてもらう。その間、絶頂することは許さない」
「……え? よ、四日間……イけないってことですか?」
「うん、ポチに里帰りさせようって話が出た時から決めてたんだ。ポチが僕から離れた日数分、イかさずに責めてあげようって」
「そんなっ……四日間なんて、そんなのっ、イかされ続けた方がマシ……でも、ないかな……いやどっちがマシなんだろこれ、マシじゃない方して欲しいっ、心身共にぶっ壊されてぇ……!」
「…………ま、あんまり嫌がってないようでよかったよ」
嫌味っぽい言葉に思考が声に出ていたことに気付き、慌てて口を押さえようとして手枷と壁を繋ぐ鎖をガシャンと鳴らした。
「あぁそうそう、里帰り中のポチの行動は全部知ってるよ。レポート書くフリして報告書読んでたの」
あのバカ大学生バイトみたいな使用人が報告書なんて作れたことに驚きだ。
「小学生を三人川に落として、中学生を椅子で殴って、叔父さんに繰り返し暴行……ひっどいねぇ。ポチってこんなに悪い子だったんだ」
「えっ? ゃ、俺悪くないですよ」
雪兎はため息をついて鞭を持った。よくしなる棒鞭は皮膚よりも筋肉や骨にダメージを与える。
「ユキ様っ……ぁああっ! いっ、た……ぁあっ、はぁあーっ……!」
右の二の腕を叩かれた。頭上高くに手首を拘束されているから、鞭が打ったのは腕の内側だ、痛すぎる。
「子供に酷いことして、昔ちょっとだけだけど引き取ってくれてた叔父さんにまで酷いことしておいて、ポチは自分は悪くないって言うの?」
「はい、俺は……悪くないです」
腕がズキズキと痛む。久しぶりの痛みへの興奮で呼吸が乱れて上手く話せない。
「どうしてポチは悪くないのか聞いてみようか」
「どうしてって……だって」
「アイツらは國行くんを虐めたんだ、とか言う気?」
「ムカついたんでしょうがなくないですか? 俺悪くないですよ……ムカついたんですからっ、ぁああっ!?」
ほとんど同じ位置を強く打たれ、ガシャンっと鎖を鳴らす。
「……従弟のために怒ったならカッコよかったのになぁ。ムカついたからって……ひっどい理由。四日間で元のいい子なポチに戻してあげるね。その時は──」
これ以上鞭で打てば俺が絶頂してしまうと分かったのか、雪兎は鞭を置いて屈むと俺と唇を重ねた。
「──おかえりなさいって言ってあげる」
「…………三度目ですよ」
三度目の正直とはよく言ったものだ。ちょうど、鞭も三発目があれば絶頂出来そうだった。
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