ポチは今日から社長秘書です

ムーン

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お盆

いちにちめ、よん

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眼前に突き出されたプレートに口を押し付け、ハムをすする。千切りキャベツを舌で巻き取り、バターたっぷりの美味しいトーストを齧る。

「ん……ユキ様、飲み物が欲しいです」

プレートが置かれ、ストローを咥えさせられる。吸うとミルクと砂糖で甘く整えられたコーヒーが広がった。
そうやって拘束されたまま皿とコップ以外の食器を使うことなく食事を終えた俺は、手を合わせられないのでコクリと頷いてお辞儀の代わりにした。

「ご馳走様でした」

「ん。美味しかった?」

「はい……」

俺の下腹には耐えず弱い電流が流されている。前立腺に常に細い針を刺すような刺激が与えられ、食事もそのまま摂らされた。

「口汚れちゃったね、拭くよ」

低周波治療器を改造したような箱型の機械、その裏側から伸びた太いコードは部屋の隅のコンセントと繋がっている。他の玩具と違って電池切れは起こさないということだ。

「よし、綺麗になったね」

「……ありがとうございます」

「うん……ふふっ、うわの空って感じだね、どうしたの?」

「…………腹、が……ずっとピクピクさせられて、その……前立腺にも刺激があるので、気持ちよくて……でも足りなくてっ、もっと欲しくて……頭、変になりそうです」

焦れったさのあまり意味がないと分かっているのに手足を揺らしてしまうし、腰を振ってしまう。勃ちっぱなしの陰茎から溢れた先走りの汁は膝を乗せているクッションにシミを作っている。

「そう……辛いね、可哀想に。どうしてこんなことされてるんだっけ?」

「俺が、ユキ様から……離れた、から……?」

「そう。四日間会えなくて辛かった僕の気持ちを分かってもらうために、四日間絶対にイけないように虐めてあげる」

「お、俺だって、ユキ様に会えなくて、寂しくて……」

雪兎も雪風も居ないのに車に乗せられて、親戚の家を回らされて、嫌な思い出をほじくり返された里帰りだった。その辛さを主張しようとしたが雪兎の手が胸の真ん中に触れ、思わず押し黙った。

「……嘘言わないで。國行くんと楽しくしてたんでしょ」

「それは……でも」

「嘘と言い訳ばっかりだね。本格的に躾け直さないとまずいかな」

先端がヘラのようになった、よくしなる短い鞭が取り出された。平たい先端でぺちぺちと頬を叩かれ、興奮を煽られる。

「ユキ様っ……昨日も、鞭、しましたよね……今日もしてくださるんですか? はぁっ……ぁ、そんなのっ、俺ぇ……!」

「昨日って言うか……昨日も今もまだ一日目だけど、まぁそうだね、昨日もしたね。でも腕に二発だけだったろ? あんなのされたうちに入らないよね? もっと欲しいよね?」

鞭で顎をぐっと持ち上げられる。これが顎クイというものか、ときめきが止まらない。

「はい……!」

「これは一旦外しておくよ、放置用だから」

下腹に貼られていた貼るカイロのような器具が外され、四角い機械も蹴りどかされる。家柄の割に雪兎は足癖が悪い。

「……っ、あぁっ!」

微弱な電流による責めが終わった後も筋肉は痙攣していた。無防備な下腹を鞭で打たれ、ガシャンと拘束具の鎖を鳴らす。

「立派な腹筋してるんだから、少しくらい叩いたって何ともないよね?」

「は、はい……ひぁんっ! ぁ、あぁっ!」

腹筋を鍛えたところで腹側の皮膚が背中側に比べて弱いのは変わらない。強く打たれると褐色の肌もじんわりと色が変わる。

「……うん、この素材ならポチの肌にも痕が残るね。まぁどうせすぐに消えるんだろうけど……ふふっ、イかせないように叩くの難しいかもしれないなぁ」

だらだらと先走りの汁を溢れさせている陰茎を鞭でぐぃっと押され、俺はビクンと震えながらも笑って雪兎を見上げた。
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