ポチは今日から社長秘書です

ムーン

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雪の降らない日々

おとーさんと、ろく

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フェラと乳首責めでの絶頂対決は終結した。しかし、ほぼ同時に絶頂したことによってどちらが勝ちかの判断が難しくなった。

「喉にどぷって来た後に乳首ばちってなってイったんだよ! だからお前が先、お前の負けだって」

「いや、出し終わるまでに雪風がイってた」

雪風は俺の足の間に手をついて上体を起こし、精液臭い息を吐きながら美顔を苛立ちで歪めた。苛立っている顔も当然美しい、笑顔とはまた別の魅力がある。

「じゃあお前が先にイってんじゃねぇかよ」

「出し切った瞬間がイった時だろ」

「出し始めだろ! 出し切るって……中に何滴か残る時もあるだろ?」

「出てる途中で縛られたりして止められたらイった感じしないだろ、出し終わって始めてスッキリ気持ちよくなれるんだから俺の理論が正しい」

陰茎の根元を縛られたプレイや、鈴口に尿道プラグを突っ込まれたプレイを思い出す。同時に雪兎の嗜虐的な笑顔も思い出し、寂しさと興奮で再び勃った。

「いやいやいや、イくとか出るとか言う時は出し始めに言うだろ?」

「アレは予告だよ、予告なしで出したらフェラでもナマでも何か嫌だろ」

「あーもーラチがあかねぇ。お前それだけ言うなら俺とよっぽどやりたい体位あるんだろうな」

「あぁ、久しぶりに会ったし、いいベッドあるから正常位で顔見ながらヤりたい。雪風はどんな体位がいいんだ?」

「…………正常位。顔見たいから」

選択肢も動機も同じ。ならば言い争う必要はない──

「それはそれとして勝負は俺の勝ちだからな」

「しつこいな、俺の勝ちだってば」

──と納得出来るなら初めから勝負なんてしていない。ここまで来たらもう正解なんて関係ない、根気の勝負だ、だが相手に折れられてもプライドが傷付くだろう。そう、勝負とは不毛なものなのだ。

「マジでラチがあかねぇ。二回戦行くか、二回戦の勝ち負けで本当の勝敗が決まるってことにしよう」

「いいけど……何勝負?」

「制限時間は十分、前戯で俺に挿入をねだらせたらお前の勝ち、ねだらなかったら俺の勝ち」

「……喘いだらとかにしろよ、ねだるかねだらないかはお前の匙加減だろ」

「おねだりされる自信ねぇのか?」

笑顔で煽られて俺は不利な勝負を受け入れた。心のどこかで俺は勝負なんてどうでもいいと思っていて、出来るだけ長く雪風に構われていたかった。雪兎が留学してしまって寂しかったのだろう。

「タイマーかけるぜ」

「情緒ねぇな……」

勿体ぶることなく全裸になった雪風はスマホでタイマーをかけ、仰向けに寝転がって自分の頭の隣に置いた。

「準備いいか?」

「……あぁ」

雪風がスマホをタップするのと同時に彼に覆いかぶさり、まずはキスをした。唇の柔らかさを確かめ、舌をねじ込み、 歯並びと唾液の味を再確認した。

「んっ……! ふっ、ん、んうぅっ……はぁっ、はぁ……ちんたらキスなんかしてていいのかよ」

「好きだろ?」

「……好き。なぁ、もっかい」

俺にタイムロスをさせようとしているのだろう。けれど、そんな意図が予想出来るなんてことは、可愛い恋人のキスのおねだりを断る理由にはならない。

「んんっ……!」

今度はベッドに肘をついて雪風の頭を両手ですくい上げるように支え、耳の少し下の血管を軽く押さえながら雪風の口内を犯した。脳に届く酸素が減って、ぼんやりとしたところに上顎や頬の内側を舐め回される快感が届くのはどんな気分だろう? 俺はその答えを知っている。

「ん、ぁっ……はぁ…………キス、上手くなったよな、お前も……気持ちいい、もっと……今度は舌もいっぱい……」

「あぁ、ちょっと待ってくれ」

右手の中指に唾液を絡ませ、左腕で雪風の頭を抱いて再び唇を重ねる。今度は雪風の希望通り舌を重点的に舌で愛撫した。舌先同士をつつき合わせて遊び、舌の腹を舌先でくすぐり、雪風の舌をちゅうっと吸いながら舌で撫で回してやった。

「んっ、ふ、んんっ、んんんっ!」

唾液を絡めた右手は当然雪風の股の間に向かわせている。事前に開脚させておいたのでスムーズに後孔を探り当てられた。
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