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嫉妬全開!彼氏に近付くクソ女は容赦なく潰します
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司の隣から彼女がふらつきながら立ち上がった瞬間、俺の視線が鋭く動いた。
消すなら、今しかない。
周囲に悟られないよう、グラスを置いて席を立つ。廊下の奥、トイレへと続く暗がりで彼女の背中が揺れている。前もって渡した濃いめの酒が効いたのか、足取りは危うく、壁に手をついて進んでいた。
タイミングを見計らって、俺は自然な流れで彼女の肩を支える。
「大丈夫ですか」
低めの声、耳元でささやくように落とす。
振り返った彼女の瞳が一瞬で揺らぐのが分かった。「わたせ、さん…?」と呂律の回らない下品な声。虫唾が走る。身長差、背後から支える腕の強さ、涼やかな顔を近づけられて女が簡単にときめく要素を俺は、自分が持っていることを知っている。
「ちょっと、酔いすぎですね。送りますよ」
笑みを浮かべるわけでもない。淡々と、それでも抗えない色気を含んだ声で。
彼女は小さく頷くだけで精一杯だった。まるでお持ち帰りされるとでも思ったのか、頬を赤くして俺に身を預ける。
笑えるくらいに、愚かだな。
内心で冷ややかに吐き捨てながら外に出ると、ちょうど停まった車のドアが開いた。
「気をつけて」
そう言って彼女の背を軽く押し、乗り込ませる。ドアが閉まり、タクシーが夜の街へ消えていく。
バーカ
煙のように消えていく後ろ姿を見送りながら、俺は短く息を吐いた。ほんの少しだけの罪。司を奪うために他人の心を弄んだ。普段なら決してやらないことをした自分に、苦笑すらこぼれる。自分の性格の悪さとか陰湿さには落ち込むけれど、司に悪い虫がつくのなら致し方ないとも思う。
タクシーが視界から消えると、俺は何事もなかったように店へ戻った。中はまだ騒がしく、音楽と笑い声がごちゃ混ぜになっている。
案の定、司の隣はぽっかり空いていて、彼女が消えたことに周囲も気づいていた。森田がグラスを掲げて大声で笑う。
「あれはやり過ぎだよな。アピールし過ぎて逆に無理。」
「でも俺だったらここ来る前に堕ちてたわ、ハニトラに。」
下品な冗談に場が湧き、男たちが口々に茶化す。司は引きつった笑顔で「やめろよ」と笑い飛ばしている。笑ってる場合じゃねーんだよと思いつつ俺も一応笑っておく。
やがて会話の矛先が別の話題に移り、注目が司から外れたその瞬間。俺は司の肩を肩で小突いた。
「……ちょっといい?」
司にしか聞こえないように言う。司は条件反射で立ち上がっていた。背後に感じる慎の気配が妙に重たい。まるで俺のこの不機嫌にはもうずっと前から気付いてましたよって、反省に満ちた気配だ。
薄暗く、壁際に小さな明かりが灯っているだけの通路。
トイレの扉の前に立って振り返れば司と目が合う。
「……っ」
俺の手が司のネクタイを掴み、乱暴に引き寄せた。
抗う間もなく、唇が重なる。
深く、深く、息を奪うような口づけ。
個室に入るより前、誰かが通りかかれば見られるかもしれない危険な場所で。
司の吐息と香水の残り香が混じり合い、俺の心臓は破裂しそうに跳ねる。この強引さの奥にある嫉妬と独占欲を、突きつけたい。分からせたい。
「……俺よりあの女の方がいいか?」
司は赤らむ顔で、ただ喉を鳴らすしかなかった。
「違くて、あいつが勝手に……」
司は必死に弁解しているけど、そんなの聞きたくない。俺の目の前で、女にしがみつかれてヘラヘラしてた事実は変わらない。こっちは見せつけられて、散々我慢してきたってのに。
「言い訳が聞きたいわけじゃないんだけど?」
もう一度、強く口を塞いだ。噛むように唇を奪って、わざと舌を絡める。人が通ったら丸見えの通路で。司は目を見開き、俺の腕をつかんでくるけど、逃がす気はない。
耳元に唇を滑らせて、低く囁く。
「なあ、司。……俺たち付き合ってんだろ?」
「……は…はい…」
「俺たちがどんなセックスしてるかあの女に教えるか?お前が俺のケツ穴で気持ち良くなって必死に腰振ってんのも、俺がお前のちんぽが大好きでザーメンまでぜーんぶ飲み干してんのもさ」
わざといやらしく、熱っぽい声で。
司の顔が一瞬で真っ赤になるのがたまらなかった。
「……何言っ……て」
「秘密の恋もいいけどあんな事されても何も言えないのは、めちゃくちゃムカつく。」
脅し半分。本気半分。司は観念したように、かすれ声で「……ごめん」と落とした。
けど、それだけじゃ収まらない。胸の奥で渦巻く苛立ちと独占欲が、今の謝罪ひとつで消えるわけがない。
俺は司のネクタイを強く引いて、トイレの個室のドアを開けさせる。
「入れ」と顎でしゃくって命令する。
司は小さく頷き、ぎこちなく中に入った。その背中を押すように俺も入り、強めに鍵を閉める。
狭い個室の中。司が何か言う前に、俺は一気にベルトに手をかけた。有無を言わせず、司の下半身をさらけ出させる。
「お前は俺のだろ?」
司が息を呑む音が、密室に響いた。
消すなら、今しかない。
周囲に悟られないよう、グラスを置いて席を立つ。廊下の奥、トイレへと続く暗がりで彼女の背中が揺れている。前もって渡した濃いめの酒が効いたのか、足取りは危うく、壁に手をついて進んでいた。
タイミングを見計らって、俺は自然な流れで彼女の肩を支える。
「大丈夫ですか」
低めの声、耳元でささやくように落とす。
振り返った彼女の瞳が一瞬で揺らぐのが分かった。「わたせ、さん…?」と呂律の回らない下品な声。虫唾が走る。身長差、背後から支える腕の強さ、涼やかな顔を近づけられて女が簡単にときめく要素を俺は、自分が持っていることを知っている。
「ちょっと、酔いすぎですね。送りますよ」
笑みを浮かべるわけでもない。淡々と、それでも抗えない色気を含んだ声で。
彼女は小さく頷くだけで精一杯だった。まるでお持ち帰りされるとでも思ったのか、頬を赤くして俺に身を預ける。
笑えるくらいに、愚かだな。
内心で冷ややかに吐き捨てながら外に出ると、ちょうど停まった車のドアが開いた。
「気をつけて」
そう言って彼女の背を軽く押し、乗り込ませる。ドアが閉まり、タクシーが夜の街へ消えていく。
バーカ
煙のように消えていく後ろ姿を見送りながら、俺は短く息を吐いた。ほんの少しだけの罪。司を奪うために他人の心を弄んだ。普段なら決してやらないことをした自分に、苦笑すらこぼれる。自分の性格の悪さとか陰湿さには落ち込むけれど、司に悪い虫がつくのなら致し方ないとも思う。
タクシーが視界から消えると、俺は何事もなかったように店へ戻った。中はまだ騒がしく、音楽と笑い声がごちゃ混ぜになっている。
案の定、司の隣はぽっかり空いていて、彼女が消えたことに周囲も気づいていた。森田がグラスを掲げて大声で笑う。
「あれはやり過ぎだよな。アピールし過ぎて逆に無理。」
「でも俺だったらここ来る前に堕ちてたわ、ハニトラに。」
下品な冗談に場が湧き、男たちが口々に茶化す。司は引きつった笑顔で「やめろよ」と笑い飛ばしている。笑ってる場合じゃねーんだよと思いつつ俺も一応笑っておく。
やがて会話の矛先が別の話題に移り、注目が司から外れたその瞬間。俺は司の肩を肩で小突いた。
「……ちょっといい?」
司にしか聞こえないように言う。司は条件反射で立ち上がっていた。背後に感じる慎の気配が妙に重たい。まるで俺のこの不機嫌にはもうずっと前から気付いてましたよって、反省に満ちた気配だ。
薄暗く、壁際に小さな明かりが灯っているだけの通路。
トイレの扉の前に立って振り返れば司と目が合う。
「……っ」
俺の手が司のネクタイを掴み、乱暴に引き寄せた。
抗う間もなく、唇が重なる。
深く、深く、息を奪うような口づけ。
個室に入るより前、誰かが通りかかれば見られるかもしれない危険な場所で。
司の吐息と香水の残り香が混じり合い、俺の心臓は破裂しそうに跳ねる。この強引さの奥にある嫉妬と独占欲を、突きつけたい。分からせたい。
「……俺よりあの女の方がいいか?」
司は赤らむ顔で、ただ喉を鳴らすしかなかった。
「違くて、あいつが勝手に……」
司は必死に弁解しているけど、そんなの聞きたくない。俺の目の前で、女にしがみつかれてヘラヘラしてた事実は変わらない。こっちは見せつけられて、散々我慢してきたってのに。
「言い訳が聞きたいわけじゃないんだけど?」
もう一度、強く口を塞いだ。噛むように唇を奪って、わざと舌を絡める。人が通ったら丸見えの通路で。司は目を見開き、俺の腕をつかんでくるけど、逃がす気はない。
耳元に唇を滑らせて、低く囁く。
「なあ、司。……俺たち付き合ってんだろ?」
「……は…はい…」
「俺たちがどんなセックスしてるかあの女に教えるか?お前が俺のケツ穴で気持ち良くなって必死に腰振ってんのも、俺がお前のちんぽが大好きでザーメンまでぜーんぶ飲み干してんのもさ」
わざといやらしく、熱っぽい声で。
司の顔が一瞬で真っ赤になるのがたまらなかった。
「……何言っ……て」
「秘密の恋もいいけどあんな事されても何も言えないのは、めちゃくちゃムカつく。」
脅し半分。本気半分。司は観念したように、かすれ声で「……ごめん」と落とした。
けど、それだけじゃ収まらない。胸の奥で渦巻く苛立ちと独占欲が、今の謝罪ひとつで消えるわけがない。
俺は司のネクタイを強く引いて、トイレの個室のドアを開けさせる。
「入れ」と顎でしゃくって命令する。
司は小さく頷き、ぎこちなく中に入った。その背中を押すように俺も入り、強めに鍵を閉める。
狭い個室の中。司が何か言う前に、俺は一気にベルトに手をかけた。有無を言わせず、司の下半身をさらけ出させる。
「お前は俺のだろ?」
司が息を呑む音が、密室に響いた。
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