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通話でイかされるなんて聞いてない
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付き合って、ちょうど一ヶ月が経つ頃。
俺たちの関係は驚くほど平和で、驚くほど穏やかで……なのに、毎日が新鮮だった。
颯と会うたび、新しい一面を知る感じ。笑い方、拗ね方、甘える声……全部がちょっとずつ違って、でもどれも俺の“好き”に刺さってくる。
思い返せば、ちゃんと恋人として始まったのはあの週末だった。過去を話してくれて、弱さも見せてくれて、颯が俺にだけ全部をさらけ出してくれた、あの夜。
そこから、何かが変わった気がする。
今じゃ、何をしてても、どこにいても、ふとした瞬間に颯のことを考えてる。ちょっと重いって言われても否定はできない。でも、それだけ本気ってことだろう。
ただひとつ、困ってるのは。
最近、颯がやたらと忙しいってこと。
大学にバイトにって言ってるけど、詳しく聞いても「んー、ちょっとだけ用事が立て込んでて」なんてはぐらかされる。
そりゃあ、信じてるけど……
颯がそういう嘘をつくタイプじゃないのは知ってるし。
ただ、素直に言うと寂しい。
会えない日が続くと、やっぱり欲も溜まるし、声が聞きたくてつい電話もしちゃう。
今日も、帰り道。残業終わりでぐったりしながらスマホを開くと、まるで向こうも同じタイミングで思い出したかのように、颯からの着信が鳴った。
こういうタイミングが合うのも、相性良過ぎなんだよなぁ
なんて思いながら、通話ボタンを押す。
電話を取った俺は、日付が変わる少し前に会社を出て住宅街をエナドリ片手に歩いていた。
「おつかれー今終わったよー疲れたよーはやとー」
『残業なんて塩野さんにやらせとけばいいのに』
「それちょっとおもろいな」
スマホから聞こえる颯の声は、相変わらず落ち着いていて、でもどこか甘えるような響きを帯びていた。
『僕はずっと会いたかったんですけどね。予定が合わないのは社会人あるあるってやつですね』
「悪かったな、社畜で」
少しだけ笑って、缶を傾ける。ほとんどぬるくなったエナドリが喉を通った。
『まあでも、こうして声は聞けてますし』
「ん、そうだな。颯の声、やけに落ち着くもん。一気に疲れ吹っ飛ぶ感じ」
スマホ越しの空気が少しだけ静かになった。颯が何かを言いかけて、口をつぐんだような気配がする。
『……それは嬉しいです』
「なに?なんか言いたい事あんの?」
冗談っぽく言ったつもりだったけど、颯ははぐらかすように笑っただけだった。
『なんでもないですよ。侑成さんが疲れてるのに、邪魔しちゃ悪いなって思っただけです』
「別にいいのに。……あ、着いた。今ちょうど玄関。風呂入って、今日はー……寝よっかな」
『寝ちゃうんですか?電話、もう終わりですか?』
その一言がやけに名残惜しそうで、ちょっとだけ心が引っ張られる。
「……まあ、風呂上がったら少し話そ。おやすみって言いながら寝たい」
『じゃ、待ってます。あ、そうだ』
「ん?」
『……いえ、なんでもないです。』
「……なんだよ、気になる言い方すんなよ」
『気にしないでください。じゃあ、お風呂、行ってらっしゃい』
通話が切れた。
なんだあいつ。妙にしおらしくて不気味だな?
そう思いつつも、スマホを充電ケーブルに繋いで、ワイシャツのボタンを外しながらバスルームに向かった。
くっそー……今週はほんとに忙しかったな……
シャツのボタンを半分だけ外して、スラックスのファスナーを下ろしかける。でも、ただ疲れてるだけじゃない。さっきの颯の声……あの甘ったるいトーンが、じんわり頭に残ってた。
……声、エロすぎんだよなぁ
ため息まじりにぼやきながら、手を伸ばす。別に時間をかけるつもりもない。ちゃちゃっと済ませて、風呂に入って、寝るだけ。これはもう作業だ。
それにしても……
頭に浮かぶのは、つい先週見た颯の寝起きの顔とか、シャツ一枚でうちのキッチンに立ってた姿とか。どれもこれも、ドエロい颯ばっか。
シャツの裾が腹のあたりで浮いたまま、下半身に手を伸ばしたとき
——♪
スマホが震えた。
チラッと画面を見ると、やっぱり「颯」の名前。ためらいなくスリープボタンを押して、画面を落とす。今は無理。
が、数秒後。
——♪
……しつけぇ
さすがにイラッときて、無視を決め込む。
が、三度目のバイブが鳴ったところで観念した。片手でスマホを拾い上げ、通話ボタンを押す。
「……なんだよ」
『やっぱり電話繋いだままがいいなーって』
颯の声。いつもと違う。どこか楽しんでるというか、企んでるというか。
「風呂入りたいんだけど?」
『へぇ……。でも、脱衣所のカメラ、ちゃんと映ってましたよ?』
「…………は?」
一瞬、心臓が止まりかけた。
「……え、なに?」
『後ろのバスタオルが積んである所、ちゃんと見た方がいいですよ』
まじで意味がわからなかった。いや、理解したくなかった。
「……嘘、まじ……?」
『ううん、嘘じゃないです。ばっちり見てました。帰ってまずオナろうとしてた侑成さんのこと』
「わーーーーー!!!!!!!」
思わず壁にスマホぶつけそうになった。
顔どころか耳まで熱くなって、情けなくて、今すぐ穴があったら埋まりたいレベル。
『ごめんなさい、だって誰か家に連れ込んでたら嫌だなって不安だったから…カメラ仕込んじゃいました…』
「お前……っ、ほんと……っ」
言葉が詰まって、それ以上言えなかった。完全に主導権握られてる。なのに、どうしてこんなに、声だけでドキドキしちゃうのか。
『泣きそうです?』
「……うっ……せ!」
ほんとに泣きそうだった。悔しくて、恥ずかしくて、でも嬉しい。全部バレたくせに、嫌じゃなかった。もう……どうしようもないな俺…
タオルを腰に巻いてしゃがみ込み、電話越しに「最悪」とぼやいたその声は、自分でも分かるくらい、照れと甘さでぐちゃぐちゃだった。
『でも僕も、したくなってきちゃった』
颯の声が、やけに明るい。まるでコンビニで「アイス買って帰ろうかな」って言うくらいの軽さで、とんでもないことを言いやがる。
「いや、お前……」
『一緒にします?』
「やめろやめろマジでやめろ、俺は風呂に入る!」
『えーでも僕も抜きたいです。聞いて欲しいし聞きたい。』
「はあ?何言ってんのお前マジでばかなの?」
とか言いつつ、ちょっとだけ「マジですんのかな」なんて想像してしまった自分にゲンナリする。
「てかさ、……カメラ、ずっと置いてたの?」
『はい。ほぼ一ヶ月近く? まぁ、途中で一回だけ角度ズレたんですけど、侑成さんが直してくれて助かりました』
「……絶句だわマジで」
つーか、カメラの存在に気づかず、この一週間、俺が何してたと思ってんだ。
思い出したくもない。残業でへとへとになって帰って、たまった気持ちを発散させる颯にも会えなくて。何度も颯をおかずにオナりまくってた!わけで!
「……颯さ、それ、全部見てたわけ?」
『もちろん。録画もしてますよ』
「はっ?」
『しかも、ちゃんと“使わせてもらって”ましたから』
「最低」
膝から崩れ落ちそうだった。いや、落ちた。
「……お前……マジで、それ見て……ヤってたの?」
『はい、毎日。だって、侑成さん可愛かったし』
「っ、くっ……」
思い出すたび、顔から火が出そうになる。よりによって、自分史上いちばん気を抜いてた姿を、おかずに使われるとか何の罰ゲームだ。
「……死にたい」
『え、でも逆に嬉しくないですか?僕以外には見せない顔、僕だけが知ってるって』
確かにって、颯の声にちょっとだけ蕩けそうになってしまうのが腹立たしい。
「……う………うれしいけど…」
『ほら今、ちょっとニヤけましたよね?』
「……もお見んなばか」
思わずカメラに背を向けて脱衣所の床にしゃがみこむ。服は半脱ぎ、全身だらしないまま、颯の声を聞くだけで、今にも爆発しそうなくらい恋しくてたまらない。
『カメラ置いてる事は、怒らないんですか?』
「はぁ…?それは別に良いけどさ…」
『いいんだ』
「でも、でも、もー、恥ずすぎる」
『じゃあ続き……します? 僕、待ってますけど』
「……するかよばか」
そう言いながらも、手はまた下半身に伸びていきたそう。1週間ぶりの、颯の「実質リアルタイム」な声だから。それが心地よく響いてしまったのならしかたない。
「あぁもう…」
『好きでしょ、僕の言う事聞かされるの』
「…………」
『侑成さん』
「っ、すき、だよ…」
言っ……ちゃった…好きって
そこまで言っちゃったらなんかもうどうでも良くなってく
『ねぇそんなに大きくさせて……苦しいでしょ』
「……うん…」
『やる気満々じゃん、結局』
って鼻で笑われるのも今は効く。今、颯のスマホにはどんな俺が映ってるんだろう。そう思ったら曝け出したくなってくる…なんてやばくない?
『侑成さんがシコってんのなんかエロいんですよね。いつもちんこ突っ込まれてるだけじゃないですか。なんか新鮮っていうか、男なんだなーって』
「っ……やめろ…実況すんの…」
『カメラ床に置いて、そこ、床に座って、足開きながらヤってくださいよ』
「はっ…………?も……ぉ…注文多い…」
顔は流石に、と思って背けても、すぐに言う事を聞く俺。
『指で広げて、ナカ見せて、』
「や、だ……」
『じゃあもうここで終わります?』
「ゔ…………それもやだ…」
『じゃあ頑張らないと』
低めの声が下腹に響いて、切なくなる。
指じゃ足りないし、玩具でも満たされない。
こんなの…余計に颯が欲しくなるだけなのに……
『そんなんじゃ足りないくせに。もっと奥まで指突っ込んで、下品な音聞かせてくださいよ』
ちゅくちゅくと優しく指先でイジくっていると、甘く囁く指導が入る。それに従ってしまう自分が、たまらなく情けなくて、それ以上に気持ちいい。
もう、完全にペースを奪われてる。
「ん……っ…」
『ね、あれ使いましょうか』
「えっ…………」
ぼぉっとしてきた頭でもその意味が俺にはすぐ分かった。早く、と急かされて、俺の手が隠してあったディルドに伸びる。
「こんなので……興奮する颯もやばいだろ…」
『もうギンッギンですよ、目の前にいたらぶち犯してます』
そんな言葉だけでまた勃起力が強くなる。つぅ…と我慢汁が先端を濡らして、俺はディルドを自分のナカに押し込んでいく。
「ぁ、♡~~~~やば…い…♡♡♡」
颯のに比べたら全然、だけどこれはこれで気持ち良い…かも……でもやっぱ……
「颯のがいい…♡あぁ゛…♡っ、、、…やだこれ♡……」
『ちんこ勃たせながらケツにディルドぶちこんでそれは、説得力なさすぎですよ』
「でもだッ、て♡……しょーがねーじゃんっっ♡けど……♡颯のちんぽ♡だって♡思えばもっとコーフンするっ、、、、、♡♡♡」
『侑成さんて、きもちくなっちゃうと一生えろい事言いながら下品なことしてくれますよね』
「うる、せーよっ♡、、、っん♡すき、なくせに…っ♡」
『はい、好きです………てかその顔やば…犯したいです……肉便器扱いして、オナホみたいに精子ぶちこみたいです。』
「ぉ♡ん゛♡~~~~っ♡♡す、き、、、そゆの、、♡」
颯に抱かれて気付いたことがある。俺にこういう性癖があったことだ。そんな言葉でまんまと感じる俺に、今日の颯はえらくサービスをくれた。
『四つん這いにさせて、いきなり奥まで挿れて僕がイくまでガン突きして、ちんこ抜いた後は指で掻き回してあげたいです』
「あ゛ッ♡、、や♡…っ♡、、、そ、んなの♡♡想像しただけ、で……っ♡♡♡ん…」
『言ってるだけなのに、腰なんか振っちゃって…ほんと雑魚まんこ♡男のくせにまんこでしかイけないんでしょ♡』
「い゛♡っ、あ♡、、ぁ"♡いかなっ♡い゛、、、」
『雑魚呼ばわりされて興奮してるのかわい♡後ろから首絞めながらちんこで奥までずぼずぼして、死ねって中出しされても悦びそうですよね、侑成さんて♡♡♡』
おれ…今どうなってる……?
こんな奥まで自分で慰めた事、ない、のに……
ずちゅっ、ずちゅって、ずっと汚ねえ音なって、る…
颯に、オナホみたいに使われて
颯に、肉便器になれって躾されながら
めちゃくちゃに、されたい…………
「あ゛ぁっ~~~~~~~♡も、むりっっ♡、、、いっちゃ、い、♡ぁ♡、、、あぁ…っ♡も、むり…♡ん゛ッ♡、、、イ゛っ♡♡、、、イくとこ♡、見てっ♡あ゛ぁ~~~~ッ♡♡♡ぎもぢぃ゛…♡♡♡きもちぃ♡♡♡♡……………ッッ…♡♡♡」
やば………記憶…ままなんねぇ…………
颯、見てんのに…………
こんな姿……
びゅるびゅるーって……せーし……止まんな…ッ
『あーあ………』
「は、や……と……おれ…」
『僕の前で、僕じゃないものでイったから、次会った時はお仕置きです』
って言われても……頭回んね…………
通話で見られながら、なんて初めてだ……
こーやって下品な姿見られるの…ハマりそうでこわい……
『ほんっと変態なんですからー……』
「ごめ……ん…」
『結局僕イけてないですし。次会った時、ばっちばちに犯すんで、覚悟しといてくださいね』
すっかり萎えたちんこがそんな誘いにまた勃起する。正直、30歳手前、あとは下るだけの性欲だと思っていたのに。
ここ最近、性欲が異常なのは絶対に颯のせいだ…
俺たちの関係は驚くほど平和で、驚くほど穏やかで……なのに、毎日が新鮮だった。
颯と会うたび、新しい一面を知る感じ。笑い方、拗ね方、甘える声……全部がちょっとずつ違って、でもどれも俺の“好き”に刺さってくる。
思い返せば、ちゃんと恋人として始まったのはあの週末だった。過去を話してくれて、弱さも見せてくれて、颯が俺にだけ全部をさらけ出してくれた、あの夜。
そこから、何かが変わった気がする。
今じゃ、何をしてても、どこにいても、ふとした瞬間に颯のことを考えてる。ちょっと重いって言われても否定はできない。でも、それだけ本気ってことだろう。
ただひとつ、困ってるのは。
最近、颯がやたらと忙しいってこと。
大学にバイトにって言ってるけど、詳しく聞いても「んー、ちょっとだけ用事が立て込んでて」なんてはぐらかされる。
そりゃあ、信じてるけど……
颯がそういう嘘をつくタイプじゃないのは知ってるし。
ただ、素直に言うと寂しい。
会えない日が続くと、やっぱり欲も溜まるし、声が聞きたくてつい電話もしちゃう。
今日も、帰り道。残業終わりでぐったりしながらスマホを開くと、まるで向こうも同じタイミングで思い出したかのように、颯からの着信が鳴った。
こういうタイミングが合うのも、相性良過ぎなんだよなぁ
なんて思いながら、通話ボタンを押す。
電話を取った俺は、日付が変わる少し前に会社を出て住宅街をエナドリ片手に歩いていた。
「おつかれー今終わったよー疲れたよーはやとー」
『残業なんて塩野さんにやらせとけばいいのに』
「それちょっとおもろいな」
スマホから聞こえる颯の声は、相変わらず落ち着いていて、でもどこか甘えるような響きを帯びていた。
『僕はずっと会いたかったんですけどね。予定が合わないのは社会人あるあるってやつですね』
「悪かったな、社畜で」
少しだけ笑って、缶を傾ける。ほとんどぬるくなったエナドリが喉を通った。
『まあでも、こうして声は聞けてますし』
「ん、そうだな。颯の声、やけに落ち着くもん。一気に疲れ吹っ飛ぶ感じ」
スマホ越しの空気が少しだけ静かになった。颯が何かを言いかけて、口をつぐんだような気配がする。
『……それは嬉しいです』
「なに?なんか言いたい事あんの?」
冗談っぽく言ったつもりだったけど、颯ははぐらかすように笑っただけだった。
『なんでもないですよ。侑成さんが疲れてるのに、邪魔しちゃ悪いなって思っただけです』
「別にいいのに。……あ、着いた。今ちょうど玄関。風呂入って、今日はー……寝よっかな」
『寝ちゃうんですか?電話、もう終わりですか?』
その一言がやけに名残惜しそうで、ちょっとだけ心が引っ張られる。
「……まあ、風呂上がったら少し話そ。おやすみって言いながら寝たい」
『じゃ、待ってます。あ、そうだ』
「ん?」
『……いえ、なんでもないです。』
「……なんだよ、気になる言い方すんなよ」
『気にしないでください。じゃあ、お風呂、行ってらっしゃい』
通話が切れた。
なんだあいつ。妙にしおらしくて不気味だな?
そう思いつつも、スマホを充電ケーブルに繋いで、ワイシャツのボタンを外しながらバスルームに向かった。
くっそー……今週はほんとに忙しかったな……
シャツのボタンを半分だけ外して、スラックスのファスナーを下ろしかける。でも、ただ疲れてるだけじゃない。さっきの颯の声……あの甘ったるいトーンが、じんわり頭に残ってた。
……声、エロすぎんだよなぁ
ため息まじりにぼやきながら、手を伸ばす。別に時間をかけるつもりもない。ちゃちゃっと済ませて、風呂に入って、寝るだけ。これはもう作業だ。
それにしても……
頭に浮かぶのは、つい先週見た颯の寝起きの顔とか、シャツ一枚でうちのキッチンに立ってた姿とか。どれもこれも、ドエロい颯ばっか。
シャツの裾が腹のあたりで浮いたまま、下半身に手を伸ばしたとき
——♪
スマホが震えた。
チラッと画面を見ると、やっぱり「颯」の名前。ためらいなくスリープボタンを押して、画面を落とす。今は無理。
が、数秒後。
——♪
……しつけぇ
さすがにイラッときて、無視を決め込む。
が、三度目のバイブが鳴ったところで観念した。片手でスマホを拾い上げ、通話ボタンを押す。
「……なんだよ」
『やっぱり電話繋いだままがいいなーって』
颯の声。いつもと違う。どこか楽しんでるというか、企んでるというか。
「風呂入りたいんだけど?」
『へぇ……。でも、脱衣所のカメラ、ちゃんと映ってましたよ?』
「…………は?」
一瞬、心臓が止まりかけた。
「……え、なに?」
『後ろのバスタオルが積んである所、ちゃんと見た方がいいですよ』
まじで意味がわからなかった。いや、理解したくなかった。
「……嘘、まじ……?」
『ううん、嘘じゃないです。ばっちり見てました。帰ってまずオナろうとしてた侑成さんのこと』
「わーーーーー!!!!!!!」
思わず壁にスマホぶつけそうになった。
顔どころか耳まで熱くなって、情けなくて、今すぐ穴があったら埋まりたいレベル。
『ごめんなさい、だって誰か家に連れ込んでたら嫌だなって不安だったから…カメラ仕込んじゃいました…』
「お前……っ、ほんと……っ」
言葉が詰まって、それ以上言えなかった。完全に主導権握られてる。なのに、どうしてこんなに、声だけでドキドキしちゃうのか。
『泣きそうです?』
「……うっ……せ!」
ほんとに泣きそうだった。悔しくて、恥ずかしくて、でも嬉しい。全部バレたくせに、嫌じゃなかった。もう……どうしようもないな俺…
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『でも僕も、したくなってきちゃった』
颯の声が、やけに明るい。まるでコンビニで「アイス買って帰ろうかな」って言うくらいの軽さで、とんでもないことを言いやがる。
「いや、お前……」
『一緒にします?』
「やめろやめろマジでやめろ、俺は風呂に入る!」
『えーでも僕も抜きたいです。聞いて欲しいし聞きたい。』
「はあ?何言ってんのお前マジでばかなの?」
とか言いつつ、ちょっとだけ「マジですんのかな」なんて想像してしまった自分にゲンナリする。
「てかさ、……カメラ、ずっと置いてたの?」
『はい。ほぼ一ヶ月近く? まぁ、途中で一回だけ角度ズレたんですけど、侑成さんが直してくれて助かりました』
「……絶句だわマジで」
つーか、カメラの存在に気づかず、この一週間、俺が何してたと思ってんだ。
思い出したくもない。残業でへとへとになって帰って、たまった気持ちを発散させる颯にも会えなくて。何度も颯をおかずにオナりまくってた!わけで!
「……颯さ、それ、全部見てたわけ?」
『もちろん。録画もしてますよ』
「はっ?」
『しかも、ちゃんと“使わせてもらって”ましたから』
「最低」
膝から崩れ落ちそうだった。いや、落ちた。
「……お前……マジで、それ見て……ヤってたの?」
『はい、毎日。だって、侑成さん可愛かったし』
「っ、くっ……」
思い出すたび、顔から火が出そうになる。よりによって、自分史上いちばん気を抜いてた姿を、おかずに使われるとか何の罰ゲームだ。
「……死にたい」
『え、でも逆に嬉しくないですか?僕以外には見せない顔、僕だけが知ってるって』
確かにって、颯の声にちょっとだけ蕩けそうになってしまうのが腹立たしい。
「……う………うれしいけど…」
『ほら今、ちょっとニヤけましたよね?』
「……もお見んなばか」
思わずカメラに背を向けて脱衣所の床にしゃがみこむ。服は半脱ぎ、全身だらしないまま、颯の声を聞くだけで、今にも爆発しそうなくらい恋しくてたまらない。
『カメラ置いてる事は、怒らないんですか?』
「はぁ…?それは別に良いけどさ…」
『いいんだ』
「でも、でも、もー、恥ずすぎる」
『じゃあ続き……します? 僕、待ってますけど』
「……するかよばか」
そう言いながらも、手はまた下半身に伸びていきたそう。1週間ぶりの、颯の「実質リアルタイム」な声だから。それが心地よく響いてしまったのならしかたない。
「あぁもう…」
『好きでしょ、僕の言う事聞かされるの』
「…………」
『侑成さん』
「っ、すき、だよ…」
言っ……ちゃった…好きって
そこまで言っちゃったらなんかもうどうでも良くなってく
『ねぇそんなに大きくさせて……苦しいでしょ』
「……うん…」
『やる気満々じゃん、結局』
って鼻で笑われるのも今は効く。今、颯のスマホにはどんな俺が映ってるんだろう。そう思ったら曝け出したくなってくる…なんてやばくない?
『侑成さんがシコってんのなんかエロいんですよね。いつもちんこ突っ込まれてるだけじゃないですか。なんか新鮮っていうか、男なんだなーって』
「っ……やめろ…実況すんの…」
『カメラ床に置いて、そこ、床に座って、足開きながらヤってくださいよ』
「はっ…………?も……ぉ…注文多い…」
顔は流石に、と思って背けても、すぐに言う事を聞く俺。
『指で広げて、ナカ見せて、』
「や、だ……」
『じゃあもうここで終わります?』
「ゔ…………それもやだ…」
『じゃあ頑張らないと』
低めの声が下腹に響いて、切なくなる。
指じゃ足りないし、玩具でも満たされない。
こんなの…余計に颯が欲しくなるだけなのに……
『そんなんじゃ足りないくせに。もっと奥まで指突っ込んで、下品な音聞かせてくださいよ』
ちゅくちゅくと優しく指先でイジくっていると、甘く囁く指導が入る。それに従ってしまう自分が、たまらなく情けなくて、それ以上に気持ちいい。
もう、完全にペースを奪われてる。
「ん……っ…」
『ね、あれ使いましょうか』
「えっ…………」
ぼぉっとしてきた頭でもその意味が俺にはすぐ分かった。早く、と急かされて、俺の手が隠してあったディルドに伸びる。
「こんなので……興奮する颯もやばいだろ…」
『もうギンッギンですよ、目の前にいたらぶち犯してます』
そんな言葉だけでまた勃起力が強くなる。つぅ…と我慢汁が先端を濡らして、俺はディルドを自分のナカに押し込んでいく。
「ぁ、♡~~~~やば…い…♡♡♡」
颯のに比べたら全然、だけどこれはこれで気持ち良い…かも……でもやっぱ……
「颯のがいい…♡あぁ゛…♡っ、、、…やだこれ♡……」
『ちんこ勃たせながらケツにディルドぶちこんでそれは、説得力なさすぎですよ』
「でもだッ、て♡……しょーがねーじゃんっっ♡けど……♡颯のちんぽ♡だって♡思えばもっとコーフンするっ、、、、、♡♡♡」
『侑成さんて、きもちくなっちゃうと一生えろい事言いながら下品なことしてくれますよね』
「うる、せーよっ♡、、、っん♡すき、なくせに…っ♡」
『はい、好きです………てかその顔やば…犯したいです……肉便器扱いして、オナホみたいに精子ぶちこみたいです。』
「ぉ♡ん゛♡~~~~っ♡♡す、き、、、そゆの、、♡」
颯に抱かれて気付いたことがある。俺にこういう性癖があったことだ。そんな言葉でまんまと感じる俺に、今日の颯はえらくサービスをくれた。
『四つん這いにさせて、いきなり奥まで挿れて僕がイくまでガン突きして、ちんこ抜いた後は指で掻き回してあげたいです』
「あ゛ッ♡、、や♡…っ♡、、、そ、んなの♡♡想像しただけ、で……っ♡♡♡ん…」
『言ってるだけなのに、腰なんか振っちゃって…ほんと雑魚まんこ♡男のくせにまんこでしかイけないんでしょ♡』
「い゛♡っ、あ♡、、ぁ"♡いかなっ♡い゛、、、」
『雑魚呼ばわりされて興奮してるのかわい♡後ろから首絞めながらちんこで奥までずぼずぼして、死ねって中出しされても悦びそうですよね、侑成さんて♡♡♡』
おれ…今どうなってる……?
こんな奥まで自分で慰めた事、ない、のに……
ずちゅっ、ずちゅって、ずっと汚ねえ音なって、る…
颯に、オナホみたいに使われて
颯に、肉便器になれって躾されながら
めちゃくちゃに、されたい…………
「あ゛ぁっ~~~~~~~♡も、むりっっ♡、、、いっちゃ、い、♡ぁ♡、、、あぁ…っ♡も、むり…♡ん゛ッ♡、、、イ゛っ♡♡、、、イくとこ♡、見てっ♡あ゛ぁ~~~~ッ♡♡♡ぎもぢぃ゛…♡♡♡きもちぃ♡♡♡♡……………ッッ…♡♡♡」
やば………記憶…ままなんねぇ…………
颯、見てんのに…………
こんな姿……
びゅるびゅるーって……せーし……止まんな…ッ
『あーあ………』
「は、や……と……おれ…」
『僕の前で、僕じゃないものでイったから、次会った時はお仕置きです』
って言われても……頭回んね…………
通話で見られながら、なんて初めてだ……
こーやって下品な姿見られるの…ハマりそうでこわい……
『ほんっと変態なんですからー……』
「ごめ……ん…」
『結局僕イけてないですし。次会った時、ばっちばちに犯すんで、覚悟しといてくださいね』
すっかり萎えたちんこがそんな誘いにまた勃起する。正直、30歳手前、あとは下るだけの性欲だと思っていたのに。
ここ最近、性欲が異常なのは絶対に颯のせいだ…
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頼られたら嫌とは言えない南澤燈真は高校二年生。クールなイケメン後輩、北門唯が置き忘れたスマホを手に取ってみると、ロック画が何故か中学時代の燈真だった! 北門はモテ男ゆえに女子からしつこくされ、燈真が助けることに。その日から学年を越え急激に仲良くなる二人。燈真は誰にも言えなかった悩みを北門にだけ打ち明けて……。一途なメロ後輩 × 絆され男前先輩の、救いすくわれ・持ちつ持たれつラブ!
☆ノベマ!の青春BLコンテスト最終選考作品に加筆&新エピソードを加えたアルファポリス版です。
淫愛家族
箕田 はる
BL
婿養子として篠山家で生活している睦紀は、結婚一年目にして妻との不仲を悩んでいた。
事あるごとに身の丈に合わない結婚かもしれないと考える睦紀だったが、以前から親交があった義父の俊政と義兄の春馬とは良好な関係を築いていた。
二人から向けられる優しさは心地よく、迷惑をかけたくないという思いから、睦紀は妻と向き合うことを決意する。
だが、同僚から渡された風俗店のカードを返し忘れてしまったことで、正しい三人の関係性が次第に壊れていく――
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