愛されすぎて、夜が足りない

ぴょす

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性欲剥き出しの仲直りえっち

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部屋まで進む間、会話はなかったけれど、バツの悪そうな颯の顔はしっかり拝んでおいた。なんだかんだでいつも上から目線の颯が、こんなしょぼくれた顔をするなんてな。珍しすぎるだろ。

そして、部屋の扉が閉まった瞬間、それまで控えめにしていた颯の気配がふっと変わった。

静かだった背中が近づいてきて、すぐ後ろで囁くように声がした。

「やっと2人きりですね」

振り返る暇もなく、柔らかな体温が背中に当たった。金髪の頭が鎖骨のあたりに寄り添い、頬を擦り寄せてくる。

「……颯、ちょっと待てって。塩野さんとの約束まで時間ないから」

「それ行かなきゃだめなんですか」

にこっと笑って、颯は俺の手を引いた。
軽い力なのに拒めないのは、その目を見てしまったからだ。整った顔立ちに映る、無邪気でいて、どこか悪戯っぽい光。

「……謝りに来たんじゃねーのかよ」

そう呟くのがやっとで、もう唇が重なっていた。軽くついばむようなキスじゃない。深く、溺れるようなやつだ。息もろとも絡めとられて、俺は目を閉じた。

だめだ、これはもう……一旦…

腰を抱き寄せられ、颯の手がシャツの裾を這おうとした、そのとき。

「……待て」

低く言った。
その声に、自分でも驚くほどの力がこもっていた。

「颯。……まず、ちゃんと説明しろ。なんで音信不通にした?なんでここに来れた?」

目を開けると、近すぎる距離で颯が少し目を丸くしていた。けれど、すぐに目を逸らすようにして、肩を落とす。

「……だって、嫌だったし……でも今はもう……」

「だからって黙ってクラブ行った写真載せて、SNSで当てつけて、で、何も言わずにここ来て……。可愛い顔すりゃ許されると思うなよ」

声は静かに、けれど確実に怒っていた。触れたい、甘えたい、それは俺だって同じだ。でも、だからこそ黙って流されてはいけなかった。

颯は黙って、でも明らかに不服そうに唇を尖らせている。その子供っぽさに、少しだけ苦笑が漏れそうになったけれど、ぐっと堪えて俺は一歩下がった。

「……俺に会いに来たってことは、話すつもりはあるんだろ? 俺だって謝りたいんだよ。なら、ちゃんと話せよ。話してくれたら、……そのあと、好きにしていいから」

ようやく颯の目が真っすぐ俺を見た。不安も、寂しさも、全部を飲み込んだような目だった。

ったく……好きにしていいから、のとこだけ反応しやがって

「……昨日はとりあえず侑成さんに当てつけるためだけにクラブ行ってました」

颯はソファに腰を落ち着けると、ぽつりぽつりと話し出した。さっきまでの勢いは少し落ち着いたけれど、まだ唇は尖ってるし、指先がソファの縁をいじっているのがいかにも“ご機嫌ナナメ”って感じだ。

「仕事だったとしても塩野さんと絡むの、ほんとイヤだったから」

俺は思わず苦笑する。だろうな、とは思ってたけど、こうして面と向かって言われるとちょっと面白い。

「でもさ、友達に言ったら“仕事なんだから仕方なくね?”って言われて。あと、侑成さんを信じてないみたいでかわいそうじゃん?とか言われて……」

颯はむくれた顔のまま横目でちらりと俺を見た。

「……なんか、そうなの?ってなって」

その言葉に、俺の内心では誰か知らんその友達に向けて盛大なガッツポーズが出た。

ありがとう友達……お前の一言、俺の心に染みたよ……

口には出さず、仏のような顔で頷く。だがその間も、颯の話は続いていた。

「で、まぁ、侑成さんのメール、僕のスマホにも連携してるから、泊まるホテルもそこから分かった」

「……ん?」

「だから、ホテルの予約メール見て、“へーここなんだ”って。それで、勢いで……来ました」

全力で突っ込みたい気持ちを抑えて、深く息を吐いた。

「そっかー、連携してたかー……」

颯はというと、「便利ですよ」くらいの顔で俺の隣に座ってくる。

「僕、来ちゃだめでしたか?」

「……いや、まあ。いいけど…いいのか…?」

「それなら良いんです」

満足そうに笑って、すぐぴとっと身体を寄せてくる。ああもう、怒る気にもなれない。むしろ微笑ましいの域。こんな風に振り回されるの、嫌いじゃない。

「……はい、全部話しました。これでいいですよね?」

俺は簡単にベッドに押し倒されてしまう。
見上げればすぐそこに颯の顔。
金髪の前髪がふわりと揺れて、微かに甘い香水の匂いが鼻をかすめる。

「……隣の部屋、塩野さんなんですか?」

颯は、ワイシャツのボタンに指をかけながら聞いてきた。

「うん……そうだけど……」

指先は迷いなく、だけどどこか丁寧に、慎重にシャツを脱がせていく。その一方で颯の声は静かで、けれど火種のように熱を帯びていた。

「じゃあ……声、我慢しないとですね」

「……ちょっ、お前、本気で今するつもり?」

まさか、と思った。時間ないし、ここはビジネスホテル、しかも隣には塩野さん。冗談だろ?と思って顔を見ると

「しない選択肢、あります?嫌われてないかなって不安なんですもん」

キスよりも早く身体を重ねるつもりなんじゃないかってくらい、颯の動きには迷いがなかった。もう脱がされたワイシャツはベッドの端に落ちていて、冷たい空気に肌が晒されるこの感覚。

舌足らずな甘えた声のくせに、触れてくる手つきはやけに大人びていて、余計に心がかき乱された。

「待っ……本当に……」

「好きにしていいって言ったの侑成さんでしょ」

「でもっ、声…」

「うん。だから、うつ伏せになって。僕が首絞めながら気持ち良くしてあげますから」

「っ、ゔ…♡♡♡♡、、、っ♡」

ぐるっと身体をひっくり返された、かと思えば、後ろから頭を枕に押し付けられてしまった。

背中に颯の熱をダイレクトに感じてる……
俺のナカに挿入ると颯の呼吸が、ほんの少し揺らぐ……ぜんぶ、ぜんぶ覚えてる……颯のちんぽの形…

「~~~~…っ♡」

「首絞められてる時の侑成さんのお顔、下品すぎて興奮します……♡会いにきて良かったです…♡」

「う"、♡、、、ぁ゛♡だ、め……聞こえちゃ、っ…」

「ぱんっ…♡ぱんっ♡って音、聞こえちゃいますねぇ…♡」

颯の指先が背中をなぞったり、首を絞める力が強くなったり、上から叩きつけるようにピストンされたり、全身の神経が颯の挿入を許したソコに集中してるみたいだ……

「…っ♡」

「奥ぐりぐりしましょっかあ……♡♡♡」

深く繋がるたび、ベッドのきしむ音が、部屋にじわじわと染み込んでいく。

「っ……ふ……や、ば……っ…♡♡」

言葉にしかけた声を、颯のキスが塞ぐ。舌先が喉奥にまで滑り込むような深さに、喉の奥からもれた声が呑まれた。

でも、音は止められない。

肌がぶつかるたびに、空気が震える。俺の身体から生まれる水音は、どこまでもいやらしく、誤魔化しようがないほどに下品な音だ。

「ん……や、颯……ちょ、ほんと……っ、音……っ」

「侑成さんが勝手に、鳴らしてるからでしょ?」

囁く声は、まるで残酷なほど優しい。

「……塩野さんに、聞かれてるかもね。……侑成さんの、こんな声と音…」

「……やめっ……、、っう♡♡」

言葉を詰まらせながらも、快感の波は途切れずに押し寄せる。口を塞がれていても、震える肩や、指先の痙攣で、すべてが晒されていく。

ベッドのヘッドボードが壁にあたる、ごく微細な振動すら、今は恐ろしい。

それでも颯はピストンを止めない。背徳と快楽の綱引きの中で、俺の理性を剥がす遊びのように、楽しんでいる。

「……っ、ん……、もう……っ、むり……」

聞かれるかもしれない。
その恐怖が、快感を一層鋭くする。
身体が、声が、情けないほど反応してしまうことに、もう抗うすべはなかった。

「出張中にこんな事してるの侑成さんだけですよ、きっと」

「俺じゃ、なっ…ぁ゛♡颯がっ、、、ん゛」

「ひどいなぁ。僕のせい?」

「誘ったの……ッ、颯だ…ろ……ッ゛」

「あのね、普通の大人は断るんですよ」

容赦のない一撃が最奥を殴って、お゛ッ♡♡♡って下品にイっちゃって、颯の手が乱暴に俺の髪を後ろから掴む。

「そもそも僕を妬かせるから悪いんですよ」

「んっ、ん゛、、ごめ…ん、…ッて♡♡♡、、ごめん、なさ…い゛♡♡♡」

「自分だけイって終わりだと思ってんのも腹立つし」

「ご、めん…♡、、、颯もきもちく…っ、、♡♡、なっ、て……♡♡」

「じゃあケツ穴緩めてないでさっさと締め直して…………なんのために会いに来たと思ってんの……」

気怠そうな吐息が耳をかすめる。
俺は正直、こういう口の悪い颯が好きだ。

いつもクールで、いつも余裕そうで、そんな颯の強がりにも見えるから。それを言ったら怒られそうだけど。

「は…♡っ、、♡♡でも、おれも妬いた…っ、、」

「あの写真のことですか?」

「ん、おんな…いたし、♡♡、、、てか、颯に近付く奴、みんなきらいだし…♡♡♡、、」

「……そういうの言ってくれるの、はじめて…?」

「てか、今まで颯にこーやって、せっくすしてもらってた奴なんか…♡、、、死ねって、思っ…♡♡、、、」

「ねえ…かわいすぎます、今日の侑成さん…」

「おれ…本気だよ……なんでもする…から…ぁ゛♡♡だから、俺以外なんて嫌だ、よ……ッ…」

こんな時にしか甘い言葉で甘えられないなんて、我ながら情けない……

颯は少しだけ動揺してた、たぶん。
そして、無神経なピストンの後、果てた力のない声で何かを耳打ちした。

その内容に、俺は思わず泣きそうにすらなった。

「……それ…本気?」

声はかすれ、手はシーツを握る。けれど、それを否定するだけの言葉は出てこなかった。

颯は「なんでもするんでしょ?」と笑って、俺の手首を取ると、そっと何かを渡してくる。

その小さな“何か”がどんなものかは認めたくなかった。ただ、俺の目線はそれから離れなくて、ためらいがちに喉を動かすしかできなかった。

「ほら、ちゃんと挿れてください」

それは命令というより、甘やかすような囁き……

「塩野さんと会う時まで、ずっと、ですからね」

俺は顔を背けながらも従う。
その行為にどんな意味があるか、自分がどう見られるか、ちゃんと分かっている。でも、それでも従ってしまう自分を止められない。

この小さな玩具が、今夜の俺と颯を繋げてる……
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