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彼氏の嫉妬が化けたモノを突っ込まれ
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塩野さんとの約束、19時にはなんとか間に合わせた。俺を見送る颯がいつもよりご機嫌だったその代償は、正直……めちゃくちゃキツい……
店内は落ち着いた照明で、テーブルには地元の名物料理が次々に並んでいく。
向かいの席にいるはずの塩野さんは、電話に出たまま席を外していて、俺は今のうちにと何度か深呼吸をしておいた。
声の調子からして、どうやら仕事のトラブルらしい。トーンは低く、口調は丁寧だが、切迫感がにじんでいた。
これは長引かないな、と悟る。
良くも悪くも、幸いと言うべきか。
背徳感しかないセックスの最中、なんでもするなんて言ってしまった自分が本当に馬鹿だと思う。
颯が俺に持たせたのは、小さめだけれど威力は十分のローター。体内に秘められた熱の塊が、華奢な見た目とは裏腹にずっしりと重みをもって存在を主張している。知られたら一発で社会的に死ぬ。そう思いながら、俺は必死に下半身を締めつけていた。
塩野さんが戻って来る。椅子に腰を下ろすなり、俺の顔を覗き込んだ。
「……具合悪い?」
眉をひそめる表情には、純粋な心配の色がある。まさかこんな理由とは思いもしないだろう。
「いえ、大丈夫です……ちょっと、疲れが出ただけで」
「まぁ無理しないで。ぱぱっと食べて切り上げような。」
ますます心配されてしまった。
やめて、やめてください塩野さん、あなたのやさしさが今いちばんつらいんです……!
内心で頭を抱えつつも、俺は礼儀正しくうなずいた。
「ん、お疲れ様。」
塩野さんが烏龍茶の入ったグラスを俺のグラスに当てる。たったそれだけの衝動で背筋がピクリと反応した。体の芯で、わずかに……“何か”が、うずいたから。
動くな、動くな、さすがに今は……っ!
心の中で懇願しながら、俺は口元に笑みを貼り付ける。が、それもあまりに引きつっていたのか、塩野が不思議そうな顔で箸を止めた。
「……ほんとに大丈夫? なんか、顔つきがどんどん険しくなってる」
「いえっ、あの、すごく美味しいなと思ってて……!」
無理のある返答に、塩野さんは少し呆れたように吹き出す。
「そう? ならいいけど。なんか汗までかいてるから、辛いの苦手なのかと思った」
「いや、これくらいは全然……っ」
その瞬間、微かに、しかし確実に。
“そこ”が、反応した。
一拍の沈黙。
無言でお冷を一口飲み、脳内で叫ぶ。
……あの野朗っ、やってんなぁ?絶対に仕込んだときから企んでたに違いない。ていうかいつ買ったんだよ、遠隔操作出来るローターなんて!下品なアイテム!
目の前の塩野さんは、そんな俺の悲鳴をよそに、相変わらず穏やかな顔で料理をすすめてくる。
「ここの郷土料理、家庭的でいいよね。なんか落ち着く感じ」
いや落ち着けません、そう言いたいのをぐっとこらえて、俺は箸を取り、味も分からぬまま一口を口に運んだ。
舌よりも敏感な場所が今、それどころじゃないんだよ…
それでもなんとか時間は過ぎていく。体内でうっすら熱を持ち続けている“それ”を意識しないように、自分でも分かるほど饒舌だった。だから地雷を踏んだんだ。
「そういえば、塩野さんって今恋人いないんでしたっけ?」
言ってから、しまった、と思った。こんなタイミングで恋愛話なんて、地雷もいいとこだ。だが塩野さんは、案外あっさりと、
「うん、もうだいぶ前に別れたよ」
と、烏龍茶を手にして微笑む。ここは俺が話すより塩野さんが話してることに相槌打つくらいが楽でいいかも。
「……よかったら聞いてもいいですか。なんで別れちゃったんです?」
「んー……正直に言うと、セックスレスかな」
さらっと、言われて、俺だけ時が止まる。
「俺、性欲あんまりないんだよね。恋人がいたとしても、別に抱きたいとか思わないっていうか……」
その瞬間。俺の中で何かがスパークした。
なんてタイムリーな話題だよ!
目の前の男は、涼しい顔で「性欲ない」と語っている。一方こちらは?どうだよ?物理的に欲を身に宿して?苦しんでいる真っ最中?節操無さすぎて恥ずかしいわマジで……
「……それ、すごく……健康的ですね……」
俺は頬を引きつらせながら返す。体温は確実に上がっていた。別の理由で。
「健康的かな?でも、元カノはすごい不満だったみたいでさ。こっちは普通に仲良くしてるつもりだったんだけど、向こうから“女として見られてないみたいで辛い”って……」
「は、はあ……」
思わず遠い目をする俺。その足元では、仕掛けられた“爆弾”が、まだかまだかと蠢いている。
「ま、今思えば当然だよね。触れられたいって気持ちは大事にしてあげないと」
塩野は湯飲みをくるくる回しながら、ちらりと侑成の様子をうかがった。
「……彼は……いくつなんだっけ?」
「19です」
「……ああ、そっか……」
なんとも言えない空気が落ちる。思わず俺は、口の中で「またこの流れか……」とため息を飲み込んだ。
「いや、なんかさ、すっごい失礼なこと言うかもしれないんだけど……」
塩野さんが声をひそめて、眉尻を下げる。
「やっぱ10も離れてると、そういうの……困んない?ペースとか、体力とかさ……若い子ってやっぱ、ね?」
そこまで言って塩野さんはバツが悪そうに笑う。
“あ、地雷だったかも”という顔だ。
「いや……まぁ、その、ね。ありますよね、そういう差は。多少は、はい……」
しれっと、無難な相槌。
体力の差、っていうか……むしろ俺から誘う日もあるんだけどそんなの恥ずかしすぎて絶対言えねえ。
一瞬、テーブルの下の“仕込み済み”な己の身体に意識が向いて、顔が引きつりかける。
「……まあ、でも、無理はしてないです、はい」
とだけ、きっぱりと締めた。
塩野さんはどこかほっとした顔で「そっか」と笑った。
「……でもさ」
続けて塩野さんは言う。
「俺って、女の人が好きなのか、男の人がいいのか……いまだに、よく分かんないんだよね」
静かな語り口。悪びれも、重たさもない。
「元カノとはさ、最初のうちはよかったんだけど、結局、レスになって別れたわけで。なんか、身体が反応しないっていうか……頑張っても無理だった」
淡々と告白される、私事。俺は相槌のタイミングを探して口を閉じたまま、ただ聞いていた。
「でも、男には反応したことある」
そう言って、塩野は一瞬だけ俺を見た。
無表情に見えるけど、そらは明らかに“含みのある目”だった。
今言う……?それ
喉の奥がひゅっとなって、俺は苦笑いを浮かべるしかなかった。とっくにその気配は察してたけど、あえてお互い黙ってきたのに。
「まあ……今はどうこうって話じゃないけどね」
塩野さんはそう言って、さもないことのように烏龍茶を口に運んだ。
「……でも、まあ」
塩野さんは茶碗を置いて、俺を見る。
「恋人がいる人にちょっかい出すのは、俺の趣味じゃないから。そういうの、好きじゃないしね。」
「……それは…ちゃんと、分かってますよ」
言葉を選びながらも、内心では少しだけホッとしていた。そういう線を、ちゃんと引いてくれる人なのだと。
そのとき、テーブルの上に置いてあった塩野さんのスマートフォンが震えた。表示された名前を見て、塩野さんが「あー……」と眉間に皺を寄せる。
「ごめん、ちょっと出てくる」
席を立ち、少し離れた柱の陰で応対する塩野さん。どうやら仕事絡みらしく、声のトーンも先ほどより幾分真剣だった。
数分して戻ってきた塩野さんは、申し訳なさそうな顔をして席に着いた。
「悪い、どうやらこのあと対応に回らなきゃならないみたいで。食事、途中で切り上げちゃってもいいかな、ごめん」
「いえ、全然。僕も……ちょうど助かったというか」
塩野が軽く笑い、俺もそれに合わせて苦笑を浮かべる。
言えない……助かった理由は、“物理的な意味での限界が近い”からだなんて。
「明日の朝、俺は始発で東京に戻るけど、糸川は予定通りの新幹線で戻っていいから。直帰で午後休使いな。」
「えっ、……いいんですか?」
「当たり前だろ、しっかり休めよ。じゃ俺ちょっと部屋で対応してくるから。おやすみ。」
席を立ち、外に出る。俺も慌てて後をついて店先で別れた。夜の風が頬に当たって少し気が緩んだ俺は、ぞわぞわっと身体が疼くのを感じた。
店内は落ち着いた照明で、テーブルには地元の名物料理が次々に並んでいく。
向かいの席にいるはずの塩野さんは、電話に出たまま席を外していて、俺は今のうちにと何度か深呼吸をしておいた。
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「いえ、大丈夫です……ちょっと、疲れが出ただけで」
「まぁ無理しないで。ぱぱっと食べて切り上げような。」
ますます心配されてしまった。
やめて、やめてください塩野さん、あなたのやさしさが今いちばんつらいんです……!
内心で頭を抱えつつも、俺は礼儀正しくうなずいた。
「ん、お疲れ様。」
塩野さんが烏龍茶の入ったグラスを俺のグラスに当てる。たったそれだけの衝動で背筋がピクリと反応した。体の芯で、わずかに……“何か”が、うずいたから。
動くな、動くな、さすがに今は……っ!
心の中で懇願しながら、俺は口元に笑みを貼り付ける。が、それもあまりに引きつっていたのか、塩野が不思議そうな顔で箸を止めた。
「……ほんとに大丈夫? なんか、顔つきがどんどん険しくなってる」
「いえっ、あの、すごく美味しいなと思ってて……!」
無理のある返答に、塩野さんは少し呆れたように吹き出す。
「そう? ならいいけど。なんか汗までかいてるから、辛いの苦手なのかと思った」
「いや、これくらいは全然……っ」
その瞬間、微かに、しかし確実に。
“そこ”が、反応した。
一拍の沈黙。
無言でお冷を一口飲み、脳内で叫ぶ。
……あの野朗っ、やってんなぁ?絶対に仕込んだときから企んでたに違いない。ていうかいつ買ったんだよ、遠隔操作出来るローターなんて!下品なアイテム!
目の前の塩野さんは、そんな俺の悲鳴をよそに、相変わらず穏やかな顔で料理をすすめてくる。
「ここの郷土料理、家庭的でいいよね。なんか落ち着く感じ」
いや落ち着けません、そう言いたいのをぐっとこらえて、俺は箸を取り、味も分からぬまま一口を口に運んだ。
舌よりも敏感な場所が今、それどころじゃないんだよ…
それでもなんとか時間は過ぎていく。体内でうっすら熱を持ち続けている“それ”を意識しないように、自分でも分かるほど饒舌だった。だから地雷を踏んだんだ。
「そういえば、塩野さんって今恋人いないんでしたっけ?」
言ってから、しまった、と思った。こんなタイミングで恋愛話なんて、地雷もいいとこだ。だが塩野さんは、案外あっさりと、
「うん、もうだいぶ前に別れたよ」
と、烏龍茶を手にして微笑む。ここは俺が話すより塩野さんが話してることに相槌打つくらいが楽でいいかも。
「……よかったら聞いてもいいですか。なんで別れちゃったんです?」
「んー……正直に言うと、セックスレスかな」
さらっと、言われて、俺だけ時が止まる。
「俺、性欲あんまりないんだよね。恋人がいたとしても、別に抱きたいとか思わないっていうか……」
その瞬間。俺の中で何かがスパークした。
なんてタイムリーな話題だよ!
目の前の男は、涼しい顔で「性欲ない」と語っている。一方こちらは?どうだよ?物理的に欲を身に宿して?苦しんでいる真っ最中?節操無さすぎて恥ずかしいわマジで……
「……それ、すごく……健康的ですね……」
俺は頬を引きつらせながら返す。体温は確実に上がっていた。別の理由で。
「健康的かな?でも、元カノはすごい不満だったみたいでさ。こっちは普通に仲良くしてるつもりだったんだけど、向こうから“女として見られてないみたいで辛い”って……」
「は、はあ……」
思わず遠い目をする俺。その足元では、仕掛けられた“爆弾”が、まだかまだかと蠢いている。
「ま、今思えば当然だよね。触れられたいって気持ちは大事にしてあげないと」
塩野は湯飲みをくるくる回しながら、ちらりと侑成の様子をうかがった。
「……彼は……いくつなんだっけ?」
「19です」
「……ああ、そっか……」
なんとも言えない空気が落ちる。思わず俺は、口の中で「またこの流れか……」とため息を飲み込んだ。
「いや、なんかさ、すっごい失礼なこと言うかもしれないんだけど……」
塩野さんが声をひそめて、眉尻を下げる。
「やっぱ10も離れてると、そういうの……困んない?ペースとか、体力とかさ……若い子ってやっぱ、ね?」
そこまで言って塩野さんはバツが悪そうに笑う。
“あ、地雷だったかも”という顔だ。
「いや……まぁ、その、ね。ありますよね、そういう差は。多少は、はい……」
しれっと、無難な相槌。
体力の差、っていうか……むしろ俺から誘う日もあるんだけどそんなの恥ずかしすぎて絶対言えねえ。
一瞬、テーブルの下の“仕込み済み”な己の身体に意識が向いて、顔が引きつりかける。
「……まあ、でも、無理はしてないです、はい」
とだけ、きっぱりと締めた。
塩野さんはどこかほっとした顔で「そっか」と笑った。
「……でもさ」
続けて塩野さんは言う。
「俺って、女の人が好きなのか、男の人がいいのか……いまだに、よく分かんないんだよね」
静かな語り口。悪びれも、重たさもない。
「元カノとはさ、最初のうちはよかったんだけど、結局、レスになって別れたわけで。なんか、身体が反応しないっていうか……頑張っても無理だった」
淡々と告白される、私事。俺は相槌のタイミングを探して口を閉じたまま、ただ聞いていた。
「でも、男には反応したことある」
そう言って、塩野は一瞬だけ俺を見た。
無表情に見えるけど、そらは明らかに“含みのある目”だった。
今言う……?それ
喉の奥がひゅっとなって、俺は苦笑いを浮かべるしかなかった。とっくにその気配は察してたけど、あえてお互い黙ってきたのに。
「まあ……今はどうこうって話じゃないけどね」
塩野さんはそう言って、さもないことのように烏龍茶を口に運んだ。
「……でも、まあ」
塩野さんは茶碗を置いて、俺を見る。
「恋人がいる人にちょっかい出すのは、俺の趣味じゃないから。そういうの、好きじゃないしね。」
「……それは…ちゃんと、分かってますよ」
言葉を選びながらも、内心では少しだけホッとしていた。そういう線を、ちゃんと引いてくれる人なのだと。
そのとき、テーブルの上に置いてあった塩野さんのスマートフォンが震えた。表示された名前を見て、塩野さんが「あー……」と眉間に皺を寄せる。
「ごめん、ちょっと出てくる」
席を立ち、少し離れた柱の陰で応対する塩野さん。どうやら仕事絡みらしく、声のトーンも先ほどより幾分真剣だった。
数分して戻ってきた塩野さんは、申し訳なさそうな顔をして席に着いた。
「悪い、どうやらこのあと対応に回らなきゃならないみたいで。食事、途中で切り上げちゃってもいいかな、ごめん」
「いえ、全然。僕も……ちょうど助かったというか」
塩野が軽く笑い、俺もそれに合わせて苦笑を浮かべる。
言えない……助かった理由は、“物理的な意味での限界が近い”からだなんて。
「明日の朝、俺は始発で東京に戻るけど、糸川は予定通りの新幹線で戻っていいから。直帰で午後休使いな。」
「えっ、……いいんですか?」
「当たり前だろ、しっかり休めよ。じゃ俺ちょっと部屋で対応してくるから。おやすみ。」
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