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欲しいのは、休息じゃない
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俺と颯の同棲生活は、始まったばかりの熱に浮かされていた。毎日がキラキラしていた。1日が24時間しかないことが悲しいなんて、颯に出会わなければ思う事はなかった。
そして今日も、俺たちの関係が始まった玄関で、颯の帰りを待つ。
時計は深夜0時を回る。
俺は今夜も颯の命令を忠実に守っていた。
全裸で、膝をつき、尻を突き出した姿勢で、疼く穴を自分でほぐしながら颯を待つ。俺にとって、颯の言葉は絶対だから。10歳も年下の颯に躾けられてしまった俺は、痛みも屈辱も快楽に変える性癖に溺れていた。
指は、颯に「使われる」準備を整えるため、自分の奥を執拗に弄るばかり。
「は……っ♡はー…………っ゛♡…」
汗と熱で火照る身体、颯がこの扉を開けるのを想像するだけで、心臓は破裂しそうに高鳴る。
そのタイミングで、本当に玄関のドアが開く音が響いた。
「ただいま」もなしに、颯の姿が現れる。何も言わない。外と夜の匂いをまとったまま、玄関に跪く俺を見下ろす。
颯の唇が、鼻で笑うように歪んで、視線が俺の無防備な姿を舐めるように這うのだ。
「今日は、ちゃんと"準備"して、"待て"もできて偉いですね」
颯の嘲るような声に、身体がビクンと震えた。羞恥と興奮が混ざり合い、目は潤んで頬が紅潮する。
「昨日は……ごめんなさい…今日はちゃんと、した…から」
そう、昨夜は準備が間に合わなくて、いきなり颯のを挿入されてもてすぐに馴染まなくて……怒られて……真っ赤になるまで尻を叩かれて……乱暴に指で無理矢理広げられて……
「颯が昨日っ……してくれたの思い出しながらっ…ちゃんとほぐしたから……っ」
声は掠れ、懇願するほどに震えてしまう。颯は光のない目のままうっすら笑い、靴を脱ぎながら一歩近づく
「侑成さん、健気でほんとに可愛い」
「っ……♡」
シャワーも浴びず、俺の知らない匂いをまとったままの颯の手が、俺の髪を乱暴に掴んだ。
「じゃあ、使いますね」
颯の声は低く、支配的だった。後ろから俺の首筋に指を這わせ、まるで所有物だと確かめるように触れる。俺は床に額を擦りつけ、颯に乗られながら縋った。
「ん……っ!!♡♡♡」
颯は満足そうに笑い、俺の髪を更に強く掴んで顔を上げさせる。その目は獣のように鋭く、俺のすべてを見透かすようだった。
次の瞬間、颯は俺の身体を引き寄せ、まるで自分の欲望を満たす道具のように扱い始めた。颯の熱と匂いが、俺をさらに深い服従へと導く。
「ケツ穴もっと見えるように指で広げて。」
「っ…♡♡♡ん…ぁ♡ちんぽ……♡♡♡当たっ、て…♡」
「ギンギンでしょ、侑成さんのせいだよ……帰ってくる時も車ん中で一生勃起してたんですから」
「ごめっ……なさ…ぁ゛♡♡♡~~~~ぁっ…♡♡っ゛♡」」
「あー…………挿入った…」
「まっ…て、、♡おっきい…のっ、♡、、ゆっくり…♡」
一気に来る圧迫に振り返れば、引き締まった腹筋と胸板を浮かび上がらせた颯と目が合う。大好きな颯の、汗と雄の匂い、それらが鼻腔を刺激する。
「なにこれ、もう奥?」
「お゛っ♡お゛ぉっっ♡、、、だめ、もお…っ♡そんな奥っ♡、、、ちんぽでひろげるの…だめ゛ッ♡い゛ッ!?♡い゛…ッ♡あ゛ッ♡ないっ♡奥♡もお゛♡、、、ないよッ♡」
「侑成さんの下品ケツ穴がこんな浅いわけない、でしょっ」
奥を突き上げられた衝撃。
俺にはどうにもコントロールできるものじゃない。絶頂で撒き散らした白濁が広がり、濃厚な精液の匂いが鼻をつく。
「だからさぁ、オナホのくせに勝手にイくなって何回言えば分かるの」
「ごめ……っ゛、なさ…………で、でも…っ゛」
颯の嘲る声すら俺を絶頂へと導く。床に爪を立て、掠れた声で懇願した。
「ま、まだっ…大丈夫…っ゛…がんば、る、からっ゛…やめない゛っ………でっ……」
「そんなん当たり前だから」
颯は汗で濡れた尻を両手で鷲掴みにしてくる。整えられた爪が尻肉に食い込み、明日には赤い痕を残すんだろう。次の瞬間、颯の熱く脈打つ欲望が、俺の疼く穴に一気に突き刺さる。
「…!!♡あぁ゛…っ♡、、い゛♡、っ、…すご、ぉ゛…ッ゛」
「ここ好きですもんね」
距離はゼロだ。肌と肌が密着し、汗と体液が混ざり合う淫らな音が廊下に響きっぱなし。颯の高速ピストンは容赦なく、俺をガクガクと揺らし、内壁を擦り上げるたび、俺の獣のような喘ぎが溢れる。
「ぁ゛♡すきい゛っ♡奥ちんぽでがんがんされるのっ♡は♡はー………♡はっ♡あっ♡」
「ケツ上げて、動きにくい」
「っう♡……ぁ、い゛♡♡♡」
「足がくがくさせながら目イってんの可愛すぎ…」
「ぃ♡ぁっ♡っ゛ん゛‼︎‼︎」
「ケツ叩かれて締め付けんのも、ちょーかわいい…」
「っ゛♡や、だも…む、り…出るっ、イくっ、い゛きたい゛ッ……‼︎」
惨めな姿を晒す俺に颯は「じゃあ」と何かを企んだ。
「お尻5回叩かれるのイかずに我慢できたらイっていいですよ、それ以外でイったらやり直し。頑張ったらご褒美です」
「へ…ぁ、、?は…ぁ゛、い…」
その場で再び四つん這いになって尻を突き出す。汗と蜜で濡れた穴はさっきまで颯のちんぽをぐっぽり咥えていたというのに、今はただひくつくだけ。
颯は汗で滑る尻を片手で掴む。次の瞬間、颯の熱く脈打つちんぽが、再び穴に突き刺さる。
「んい゛っ⁉︎♡♡♡♡」
「あ、いきなりすぎました?ちんぽ挿れながらのが、気持ち良いかなと思って」
あまりに軽いノリで言うけれど、俺には耐え難く歯を食いしばった。
「はい、まず1回目いきますよー」
颯の手が高く掲げられ、最初のスパンキングが振り下ろされる。パチン!という鋭い音が響き、痛みと快楽が混ざり、俺の体は電流のような震えに襲われる。
「っ、ふ……ふー…………♡♡う゛ッ゛♡♡」
「我慢できましたねえ、偉いですねえ」
あやすようなその声とは裏腹に、強い力で2回目のスパンキングが尻を打った。汗と精液の匂いが漂う中、情弱な俺はあっけなく限界を迎える。まだ濃厚な精液が、先端からぱたぱたっ…と虚しく落ちるのは誤魔化せるわけもない。
「ぁ……う……ごめんなさい…っ゛」
「イったらやり直しって言いましたよね?雑魚すぎ」
そうして与えられた2回目のチャンスも、スパンキングが3回目を迎える前に、快楽に耐えきれず絶頂に達する始末で。床に滴る白濁が増えただけ。
「やり直し」
「っ、ひぁ…あ゛……い…ッ」
スパンキングの音、肌と肌のぶつかる音、何度目かのやり直し。ようやく迎えた5回目のスパンキング……
それを乗り越えた時。
「いい子でしたね」
次の瞬間、浅いトコばかりだった颯のピストンが怒涛の勢いで始まる。四つん這いの俺を物のように。腰を掴み、まるで所有物を刻むように。
「~~~~ッ♡♡あぁッ゛♡ん゛ぉッ♡、、、きもち、いこれ゛…っ♡ん゛ぃ…っ♡、、、ひッ…あ゛ぇ゛♡」
「なんでそんなに……可愛いんですか、侑成さん……」
颯の右手が首筋を滑り、後ろから口内に強引に指を突っ込まれる。颯の指が舌を押し潰し、唾液が溢れて顎を伝う。目は涙で潤み、喉の奥から溢れる喘ぎ声をどうにもすることはできなくて。
「疲れてたのに……侑成さんの顔見たら、全部、どうでもよくなる……」
腰を打ちつけながら、縋るように頬をこすりつけてくるその姿が、とにかく愛おしくて。
「……好き…侑成さんの……歪む顔……気持ちよくて、僕……興奮しちゃう……こんなひどいの…やめられない……どうしても……無理……」
言いながら、颯の動きはどんどん速さを増し、欲望を刻み込んでいく。
「……好きすぎて、おかしくなるの……止められない…」
喘ぐような声で告白して、その直後、颯の身体がびくんと大きく震えた。
熱い息を吐き、奥で一方的に絶頂を迎えた。
汗が背中に滴る。
俺を押し潰すようにしながらも、背中に顔を埋める颯は、どこか小さくて弱かった。
でも同時に、その愛は、どうしようもないほど真っ直ぐで、狂おしいほど深いものだと伝わった。
颯の乱暴な愛は、俺にとっての至上の快楽であり、この上ない幸せになってしまったらしい。
行為の余韻が残るまま、互いに汗を拭って、また肌を重ねて、それから、たしかに俺たちは眠ったはずだった。
ほんの少し肌寒さを感じて目を覚ますと、隣にいるはずの颯がいないことに気付く。
時計は朝の4時前。
喉が渇いて、水でも飲みに行ったんだろ
と、起き上がるつもりだったのに。
ふと、脱衣所から小さく水音が聞こえた。水道?にしては不規則なリズムだ。
足音を立てずにそっと覗いたそこには
颯がいた。
Tシャツとパンツだけの姿。Tシャツの裾を歯で咥え、引き締まった腹筋が露わになっている。
鋭い目元と柔らかな唇、からは想像もつかない、オトコ味溢れる姿。颯の手が、自分を激しく慰めている……
あんなのがいつも俺んナカに…?
長く、血管が浮き上がった凛々しい形。濃い赤みを帯び、先端は濡れて光る。扱くたびにビクビクと脈打つ様子は、少しだけ怖くて。
あんなに激しくするなんて……さっきのじゃ足りなかった?
Tシャツを咥えた口から漏れるくぐもった吐息が、脱衣所に響く。汗が首筋を伝い、腹筋を濡らす。
これは……やばい……いろんな意味で…
颯の色気たっぷりの姿に、身体が反応してしまう。
だけど、颯の愛は自分だけでいいはずなのに、こんな風に一人で快楽を貪る姿に、心は揺れる。情緒が乱れていく。
なんで…?
颯の目が一瞬、ドアの隙間に気づく。がっかりしたようにも見えたけれど、Tシャツを咥えたまま、俺を見る。
「あーあ、起きちゃったんですか?」
颯の手がさらに速くなり、見られている事すら興奮材料にしてるみたいで。
「ごめん…俺……覗き見するつもりじゃっ…」
「…………へぇ」
まるでこうなる事まで予想してたみたいな顔。颯の手が激しく動き、目の前で見せつけられる自慰行為に、俺は無意識に勃起していた。
「っ…………なぁ……颯…」
足元に座り込み、唇を寄せ、先端にそっとキスを落とす。汗と体液の混ざった塩辛い味が、俺の舌を刺激して、もう堪らない。
「なんで俺じゃないの」
俺は目を閉じ、颯の匂いを深く吸い込む。雄の濃密な香りは容易く脳を蕩けさせる。髪を撫でられたのを俺はイエスと捉えて、ゆっくりと口に含んだ。
「……ん…」
颯の熱と硬さが舌を押し、口内を満たす。脈打つ感触、滑らかな表面と血管の凹凸、奉仕する側のはずなのにどうしようもなく気持ち良い。
颯は微かに息を詰め、そのまま首を垂れて俺を見つめた。
「……侑成さん、」
呼ばれても、ただ熱を含んだ視線を上目づかいで返すだけ。逆にそれが良かったのか、颯は唇の端を少しだけゆがめ、いつもの余裕を滲ませながらも、どこか切ない表情で続けた。
「僕ね……疲れてくると、変になるんです。身体と気持ちも。……性欲のスイッチ、壊れてんじゃないかってくらい、制御効かなくなる」
頬にかかる髪を、指先でそっと払う。
なんだそんな事…と思うけれど今は飲みこもう。
「痛いことも、激しいことも、苦しいことも、どこまでやっていいのか分からなくなって、自分がちょっと怖いんです」
俺はその言葉を肯定するように、献身的に舌を這わせる。根元まで深く飲み込み、喉の奥で締め付ける。そして先端にキスをする。それを繰り返していると、だんだん颯の本音が剥がれ落ちていくのだ。
「壊したくないのに……全部忘れちゃう。……愛してるのに、壊しそうになるんです」
そう言って、颯は俺の頬に触れ、ゆっくりと親指で唇の端を拭うように撫でてくれた。
「だから……足りない部分は自分で済ませようと思ったんです。侑成さんのこと大事だから。大切にしたいから。……壊したいわけじゃないんです」
颯の言葉に、心が震える。同じ気持ちだって、俺だって止まらないって、それを伝えたくて俺はさらに激しく舌を動かす、すると颯が低く唸り、俺の髪を掴んで指示する。
「……もっと強く吸って。舌、根元までしっかり使って…」
俺は頷く、言われた通りに。唾液が溢れ、淫らな水音が響こうとも、喉の奥まで押し込まれようとも。
「あー…………きもちい…もっと速く、喉で締めて」
唾液が顎を伝い、床に滴る。颯の吐息が荒くなり、俺の頭を押さえる。もっと、もっと、そう言いたげな颯は世界で一番美しくて蕩けそうだ。
「侑成さん……めっちゃ気持ちいい…そのまま、もっと吸って……」
颯の腰が小さく動き、ちんぽが喉を突く。その瞬間、熱い脈動が俺の口内を満たす。濃厚な白濁が舌に広がり、雄の匂いが下腹まで刺激した。
「…………っ…侑成さん、だめ…飲まないで、口の中見せて」
俺は従い、口を開ける。白濁が舌に溜まり、唾液と混ざって糸を引く。颯の目が光り、指を口に突っ込む。細くて長い綺麗な指が白濁をかき混ぜ、ぬるぬると舌を弄ぶ。
なんでこんなにも、いちいち俺の性癖をくすぐるんだろう…
「……俺は、颯にめちゃくちゃにされたいよ」
「っ…だめです、そんなの今言われたら…」
「だって俺、颯のだもん」
その瞬間、颯の目が揺れた。迷いと、愛しさと、欲望と、すべてを孕んだ瞳が潤んだ。
「ずるいってば」
その言葉とともに、俺の後頭部に手が伸びた。次の瞬間、深く、熱く、口づけが交わされる。
それから毎晩、飽きることなく身体を求め合った。
時間を忘れて、何度も、何度でも。指の一本さえ離したくないとばかりに、ひたすらに、熱を交わした。
溺れるのではなく、溶け合うという言葉が似合う。
そんな日々だった。
仕事と学業の両立で毎日疲れている颯だったけれど、疲労と比例する性欲に俺たちは抗うことなく毎日、身体を重ね続けた。
それが何日か…何週間か……続いた頃だった。
———
今日は、ほんの少し、空気が違っている。
「……ん、まだ行くなよ……」
寝ぼけた声で縋るようにしがみつくのは俺で、それを「僕も行きたくない」なんて、にやにや笑いながらキスで黙らせてくるのが颯だった。
「侑成さんの寝起き声、可愛すぎなんですよ。そんな甘えた声出されたら、また抱きたくなる」
「……言うなよ、こっちが恥ずかしい……」
「えーっ、僕はもっと言いたいですけど?大好きです、世界でいちばん、愛してる」
「……っ、お前ほんと、もう……っ」
顔を背けても、容赦なく追いかけてくる。ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ、と、口元も頬もあごも、何度も甘く愛られ、「好き好き好き」「僕のもの」「離れたくない」「侑成さんって名前、僕が呼ぶだけのためにあると思ってる」とかなんとか。
聞いてるこっちが恥ずかしくなるほどの愛の爆撃を浴びせられる。
何度も唇を奪われ、そのたびに「んっ……」と甘い声が漏れた。離れたくない気持ちが、体温になって伝わってくる。
けれど
ふと、視線の端に映る。
ベッドのそばに置かれた、大きな黒のスーツケース。今日から颯は海外での撮影に入る。
「……5日間、長くね」
「うん。でも絶対すぐ帰ってきますから。侑成さんが寂しくならないように、動画も写真もいっぱい送りますよ?」
「お前のことだから、忙しくてそれどころじゃなくなるんじゃないの」
「……それでも、絶対に送ります」
そう言って、最後にもう一度、心を込めたキス。唇と唇を重ねたまま、時間が止まってしまえばいいとさえ思った。
「……行ってらっしゃい」
「行ってきます。侑成さん、大好きですよ。」
「ん。行ってらっしゃい」
「もーっ、侑成さんも好きって言って」
「……好き」
いまだに面と向かって好きというのは照れがある。それに言った時の颯の反応ったらさ、本当困る。可愛すぎて気が狂うから。それからも甘ったるい言葉を何度も交わした。
一緒に降りていく。マンションのエントランスに吹き抜ける朝の風は少し冷たかった。スーツケースのタイヤを押さえながら、颯が一歩前に立つ。少し眠そうな瞳で、でもきゅっと俺の手を握ってきた。
「……あ、そうだ」
颯がふいに何かを思い出したように言う。俺が「ん?」と返すと、まるでいたずらを思いついた子どものような顔で言った。
「今日からの5日間はひとりえっち禁止ですからね」
「………………は?」
思わず間抜けな声が出た。耳が正しければ、今、俺は性欲解消の自由を奪われたらしい。
「いや待って待って、え、ちょっと待って……俺たち、昨日の夜も、その前も……」
「その前の前も、そのもっと前もしてましたよね?」
「……うん」
「でしょ?」
颯はこともなげに笑って言う。
その笑顔が、またすごくいい顔してるから困る。
「だから……ね、僕も我慢するから、侑成さんも我慢して?」
「…………5日間も……?」
「うん。ちゃんと我慢して、溜めて溜めて……帰ってきたら」
すっと、指先が俺のシャツの胸元に触れた。
人差し指でくるりと円を描くように、なぞりながら
「すっごいの、しましょ?」
「……………」
鼓動が、跳ねた。
なんだその言い方。
なんだその目つき。
なんでお前は、そんな……!!
「す……すっごいの…?」
「帰ってからのお楽しみ、ですよ」
くすくす笑う颯の横に、ちょうど迎えの車が滑り込んでくる。
「じゃ、行ってきます」
軽くキスを落とされ、ぱたぱたと颯が車に向かって歩いていく。その後ろ姿を見送るだけの俺は、もはや数日後の自分の末路に怯えるしかなかった。
「……5日間も、ダメ……って、マジか……」
呟いて、額に手をあてる。
キュンがすごいのに、欲もすごい。
なにこれ、まじでどうすればいいんだ俺。
ていうか……すっごいのって……何されちゃうの俺…
そして今日も、俺たちの関係が始まった玄関で、颯の帰りを待つ。
時計は深夜0時を回る。
俺は今夜も颯の命令を忠実に守っていた。
全裸で、膝をつき、尻を突き出した姿勢で、疼く穴を自分でほぐしながら颯を待つ。俺にとって、颯の言葉は絶対だから。10歳も年下の颯に躾けられてしまった俺は、痛みも屈辱も快楽に変える性癖に溺れていた。
指は、颯に「使われる」準備を整えるため、自分の奥を執拗に弄るばかり。
「は……っ♡はー…………っ゛♡…」
汗と熱で火照る身体、颯がこの扉を開けるのを想像するだけで、心臓は破裂しそうに高鳴る。
そのタイミングで、本当に玄関のドアが開く音が響いた。
「ただいま」もなしに、颯の姿が現れる。何も言わない。外と夜の匂いをまとったまま、玄関に跪く俺を見下ろす。
颯の唇が、鼻で笑うように歪んで、視線が俺の無防備な姿を舐めるように這うのだ。
「今日は、ちゃんと"準備"して、"待て"もできて偉いですね」
颯の嘲るような声に、身体がビクンと震えた。羞恥と興奮が混ざり合い、目は潤んで頬が紅潮する。
「昨日は……ごめんなさい…今日はちゃんと、した…から」
そう、昨夜は準備が間に合わなくて、いきなり颯のを挿入されてもてすぐに馴染まなくて……怒られて……真っ赤になるまで尻を叩かれて……乱暴に指で無理矢理広げられて……
「颯が昨日っ……してくれたの思い出しながらっ…ちゃんとほぐしたから……っ」
声は掠れ、懇願するほどに震えてしまう。颯は光のない目のままうっすら笑い、靴を脱ぎながら一歩近づく
「侑成さん、健気でほんとに可愛い」
「っ……♡」
シャワーも浴びず、俺の知らない匂いをまとったままの颯の手が、俺の髪を乱暴に掴んだ。
「じゃあ、使いますね」
颯の声は低く、支配的だった。後ろから俺の首筋に指を這わせ、まるで所有物だと確かめるように触れる。俺は床に額を擦りつけ、颯に乗られながら縋った。
「ん……っ!!♡♡♡」
颯は満足そうに笑い、俺の髪を更に強く掴んで顔を上げさせる。その目は獣のように鋭く、俺のすべてを見透かすようだった。
次の瞬間、颯は俺の身体を引き寄せ、まるで自分の欲望を満たす道具のように扱い始めた。颯の熱と匂いが、俺をさらに深い服従へと導く。
「ケツ穴もっと見えるように指で広げて。」
「っ…♡♡♡ん…ぁ♡ちんぽ……♡♡♡当たっ、て…♡」
「ギンギンでしょ、侑成さんのせいだよ……帰ってくる時も車ん中で一生勃起してたんですから」
「ごめっ……なさ…ぁ゛♡♡♡~~~~ぁっ…♡♡っ゛♡」」
「あー…………挿入った…」
「まっ…て、、♡おっきい…のっ、♡、、ゆっくり…♡」
一気に来る圧迫に振り返れば、引き締まった腹筋と胸板を浮かび上がらせた颯と目が合う。大好きな颯の、汗と雄の匂い、それらが鼻腔を刺激する。
「なにこれ、もう奥?」
「お゛っ♡お゛ぉっっ♡、、、だめ、もお…っ♡そんな奥っ♡、、、ちんぽでひろげるの…だめ゛ッ♡い゛ッ!?♡い゛…ッ♡あ゛ッ♡ないっ♡奥♡もお゛♡、、、ないよッ♡」
「侑成さんの下品ケツ穴がこんな浅いわけない、でしょっ」
奥を突き上げられた衝撃。
俺にはどうにもコントロールできるものじゃない。絶頂で撒き散らした白濁が広がり、濃厚な精液の匂いが鼻をつく。
「だからさぁ、オナホのくせに勝手にイくなって何回言えば分かるの」
「ごめ……っ゛、なさ…………で、でも…っ゛」
颯の嘲る声すら俺を絶頂へと導く。床に爪を立て、掠れた声で懇願した。
「ま、まだっ…大丈夫…っ゛…がんば、る、からっ゛…やめない゛っ………でっ……」
「そんなん当たり前だから」
颯は汗で濡れた尻を両手で鷲掴みにしてくる。整えられた爪が尻肉に食い込み、明日には赤い痕を残すんだろう。次の瞬間、颯の熱く脈打つ欲望が、俺の疼く穴に一気に突き刺さる。
「…!!♡あぁ゛…っ♡、、い゛♡、っ、…すご、ぉ゛…ッ゛」
「ここ好きですもんね」
距離はゼロだ。肌と肌が密着し、汗と体液が混ざり合う淫らな音が廊下に響きっぱなし。颯の高速ピストンは容赦なく、俺をガクガクと揺らし、内壁を擦り上げるたび、俺の獣のような喘ぎが溢れる。
「ぁ゛♡すきい゛っ♡奥ちんぽでがんがんされるのっ♡は♡はー………♡はっ♡あっ♡」
「ケツ上げて、動きにくい」
「っう♡……ぁ、い゛♡♡♡」
「足がくがくさせながら目イってんの可愛すぎ…」
「ぃ♡ぁっ♡っ゛ん゛‼︎‼︎」
「ケツ叩かれて締め付けんのも、ちょーかわいい…」
「っ゛♡や、だも…む、り…出るっ、イくっ、い゛きたい゛ッ……‼︎」
惨めな姿を晒す俺に颯は「じゃあ」と何かを企んだ。
「お尻5回叩かれるのイかずに我慢できたらイっていいですよ、それ以外でイったらやり直し。頑張ったらご褒美です」
「へ…ぁ、、?は…ぁ゛、い…」
その場で再び四つん這いになって尻を突き出す。汗と蜜で濡れた穴はさっきまで颯のちんぽをぐっぽり咥えていたというのに、今はただひくつくだけ。
颯は汗で滑る尻を片手で掴む。次の瞬間、颯の熱く脈打つちんぽが、再び穴に突き刺さる。
「んい゛っ⁉︎♡♡♡♡」
「あ、いきなりすぎました?ちんぽ挿れながらのが、気持ち良いかなと思って」
あまりに軽いノリで言うけれど、俺には耐え難く歯を食いしばった。
「はい、まず1回目いきますよー」
颯の手が高く掲げられ、最初のスパンキングが振り下ろされる。パチン!という鋭い音が響き、痛みと快楽が混ざり、俺の体は電流のような震えに襲われる。
「っ、ふ……ふー…………♡♡う゛ッ゛♡♡」
「我慢できましたねえ、偉いですねえ」
あやすようなその声とは裏腹に、強い力で2回目のスパンキングが尻を打った。汗と精液の匂いが漂う中、情弱な俺はあっけなく限界を迎える。まだ濃厚な精液が、先端からぱたぱたっ…と虚しく落ちるのは誤魔化せるわけもない。
「ぁ……う……ごめんなさい…っ゛」
「イったらやり直しって言いましたよね?雑魚すぎ」
そうして与えられた2回目のチャンスも、スパンキングが3回目を迎える前に、快楽に耐えきれず絶頂に達する始末で。床に滴る白濁が増えただけ。
「やり直し」
「っ、ひぁ…あ゛……い…ッ」
スパンキングの音、肌と肌のぶつかる音、何度目かのやり直し。ようやく迎えた5回目のスパンキング……
それを乗り越えた時。
「いい子でしたね」
次の瞬間、浅いトコばかりだった颯のピストンが怒涛の勢いで始まる。四つん這いの俺を物のように。腰を掴み、まるで所有物を刻むように。
「~~~~ッ♡♡あぁッ゛♡ん゛ぉッ♡、、、きもち、いこれ゛…っ♡ん゛ぃ…っ♡、、、ひッ…あ゛ぇ゛♡」
「なんでそんなに……可愛いんですか、侑成さん……」
颯の右手が首筋を滑り、後ろから口内に強引に指を突っ込まれる。颯の指が舌を押し潰し、唾液が溢れて顎を伝う。目は涙で潤み、喉の奥から溢れる喘ぎ声をどうにもすることはできなくて。
「疲れてたのに……侑成さんの顔見たら、全部、どうでもよくなる……」
腰を打ちつけながら、縋るように頬をこすりつけてくるその姿が、とにかく愛おしくて。
「……好き…侑成さんの……歪む顔……気持ちよくて、僕……興奮しちゃう……こんなひどいの…やめられない……どうしても……無理……」
言いながら、颯の動きはどんどん速さを増し、欲望を刻み込んでいく。
「……好きすぎて、おかしくなるの……止められない…」
喘ぐような声で告白して、その直後、颯の身体がびくんと大きく震えた。
熱い息を吐き、奥で一方的に絶頂を迎えた。
汗が背中に滴る。
俺を押し潰すようにしながらも、背中に顔を埋める颯は、どこか小さくて弱かった。
でも同時に、その愛は、どうしようもないほど真っ直ぐで、狂おしいほど深いものだと伝わった。
颯の乱暴な愛は、俺にとっての至上の快楽であり、この上ない幸せになってしまったらしい。
行為の余韻が残るまま、互いに汗を拭って、また肌を重ねて、それから、たしかに俺たちは眠ったはずだった。
ほんの少し肌寒さを感じて目を覚ますと、隣にいるはずの颯がいないことに気付く。
時計は朝の4時前。
喉が渇いて、水でも飲みに行ったんだろ
と、起き上がるつもりだったのに。
ふと、脱衣所から小さく水音が聞こえた。水道?にしては不規則なリズムだ。
足音を立てずにそっと覗いたそこには
颯がいた。
Tシャツとパンツだけの姿。Tシャツの裾を歯で咥え、引き締まった腹筋が露わになっている。
鋭い目元と柔らかな唇、からは想像もつかない、オトコ味溢れる姿。颯の手が、自分を激しく慰めている……
あんなのがいつも俺んナカに…?
長く、血管が浮き上がった凛々しい形。濃い赤みを帯び、先端は濡れて光る。扱くたびにビクビクと脈打つ様子は、少しだけ怖くて。
あんなに激しくするなんて……さっきのじゃ足りなかった?
Tシャツを咥えた口から漏れるくぐもった吐息が、脱衣所に響く。汗が首筋を伝い、腹筋を濡らす。
これは……やばい……いろんな意味で…
颯の色気たっぷりの姿に、身体が反応してしまう。
だけど、颯の愛は自分だけでいいはずなのに、こんな風に一人で快楽を貪る姿に、心は揺れる。情緒が乱れていく。
なんで…?
颯の目が一瞬、ドアの隙間に気づく。がっかりしたようにも見えたけれど、Tシャツを咥えたまま、俺を見る。
「あーあ、起きちゃったんですか?」
颯の手がさらに速くなり、見られている事すら興奮材料にしてるみたいで。
「ごめん…俺……覗き見するつもりじゃっ…」
「…………へぇ」
まるでこうなる事まで予想してたみたいな顔。颯の手が激しく動き、目の前で見せつけられる自慰行為に、俺は無意識に勃起していた。
「っ…………なぁ……颯…」
足元に座り込み、唇を寄せ、先端にそっとキスを落とす。汗と体液の混ざった塩辛い味が、俺の舌を刺激して、もう堪らない。
「なんで俺じゃないの」
俺は目を閉じ、颯の匂いを深く吸い込む。雄の濃密な香りは容易く脳を蕩けさせる。髪を撫でられたのを俺はイエスと捉えて、ゆっくりと口に含んだ。
「……ん…」
颯の熱と硬さが舌を押し、口内を満たす。脈打つ感触、滑らかな表面と血管の凹凸、奉仕する側のはずなのにどうしようもなく気持ち良い。
颯は微かに息を詰め、そのまま首を垂れて俺を見つめた。
「……侑成さん、」
呼ばれても、ただ熱を含んだ視線を上目づかいで返すだけ。逆にそれが良かったのか、颯は唇の端を少しだけゆがめ、いつもの余裕を滲ませながらも、どこか切ない表情で続けた。
「僕ね……疲れてくると、変になるんです。身体と気持ちも。……性欲のスイッチ、壊れてんじゃないかってくらい、制御効かなくなる」
頬にかかる髪を、指先でそっと払う。
なんだそんな事…と思うけれど今は飲みこもう。
「痛いことも、激しいことも、苦しいことも、どこまでやっていいのか分からなくなって、自分がちょっと怖いんです」
俺はその言葉を肯定するように、献身的に舌を這わせる。根元まで深く飲み込み、喉の奥で締め付ける。そして先端にキスをする。それを繰り返していると、だんだん颯の本音が剥がれ落ちていくのだ。
「壊したくないのに……全部忘れちゃう。……愛してるのに、壊しそうになるんです」
そう言って、颯は俺の頬に触れ、ゆっくりと親指で唇の端を拭うように撫でてくれた。
「だから……足りない部分は自分で済ませようと思ったんです。侑成さんのこと大事だから。大切にしたいから。……壊したいわけじゃないんです」
颯の言葉に、心が震える。同じ気持ちだって、俺だって止まらないって、それを伝えたくて俺はさらに激しく舌を動かす、すると颯が低く唸り、俺の髪を掴んで指示する。
「……もっと強く吸って。舌、根元までしっかり使って…」
俺は頷く、言われた通りに。唾液が溢れ、淫らな水音が響こうとも、喉の奥まで押し込まれようとも。
「あー…………きもちい…もっと速く、喉で締めて」
唾液が顎を伝い、床に滴る。颯の吐息が荒くなり、俺の頭を押さえる。もっと、もっと、そう言いたげな颯は世界で一番美しくて蕩けそうだ。
「侑成さん……めっちゃ気持ちいい…そのまま、もっと吸って……」
颯の腰が小さく動き、ちんぽが喉を突く。その瞬間、熱い脈動が俺の口内を満たす。濃厚な白濁が舌に広がり、雄の匂いが下腹まで刺激した。
「…………っ…侑成さん、だめ…飲まないで、口の中見せて」
俺は従い、口を開ける。白濁が舌に溜まり、唾液と混ざって糸を引く。颯の目が光り、指を口に突っ込む。細くて長い綺麗な指が白濁をかき混ぜ、ぬるぬると舌を弄ぶ。
なんでこんなにも、いちいち俺の性癖をくすぐるんだろう…
「……俺は、颯にめちゃくちゃにされたいよ」
「っ…だめです、そんなの今言われたら…」
「だって俺、颯のだもん」
その瞬間、颯の目が揺れた。迷いと、愛しさと、欲望と、すべてを孕んだ瞳が潤んだ。
「ずるいってば」
その言葉とともに、俺の後頭部に手が伸びた。次の瞬間、深く、熱く、口づけが交わされる。
それから毎晩、飽きることなく身体を求め合った。
時間を忘れて、何度も、何度でも。指の一本さえ離したくないとばかりに、ひたすらに、熱を交わした。
溺れるのではなく、溶け合うという言葉が似合う。
そんな日々だった。
仕事と学業の両立で毎日疲れている颯だったけれど、疲労と比例する性欲に俺たちは抗うことなく毎日、身体を重ね続けた。
それが何日か…何週間か……続いた頃だった。
———
今日は、ほんの少し、空気が違っている。
「……ん、まだ行くなよ……」
寝ぼけた声で縋るようにしがみつくのは俺で、それを「僕も行きたくない」なんて、にやにや笑いながらキスで黙らせてくるのが颯だった。
「侑成さんの寝起き声、可愛すぎなんですよ。そんな甘えた声出されたら、また抱きたくなる」
「……言うなよ、こっちが恥ずかしい……」
「えーっ、僕はもっと言いたいですけど?大好きです、世界でいちばん、愛してる」
「……っ、お前ほんと、もう……っ」
顔を背けても、容赦なく追いかけてくる。ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ、と、口元も頬もあごも、何度も甘く愛られ、「好き好き好き」「僕のもの」「離れたくない」「侑成さんって名前、僕が呼ぶだけのためにあると思ってる」とかなんとか。
聞いてるこっちが恥ずかしくなるほどの愛の爆撃を浴びせられる。
何度も唇を奪われ、そのたびに「んっ……」と甘い声が漏れた。離れたくない気持ちが、体温になって伝わってくる。
けれど
ふと、視線の端に映る。
ベッドのそばに置かれた、大きな黒のスーツケース。今日から颯は海外での撮影に入る。
「……5日間、長くね」
「うん。でも絶対すぐ帰ってきますから。侑成さんが寂しくならないように、動画も写真もいっぱい送りますよ?」
「お前のことだから、忙しくてそれどころじゃなくなるんじゃないの」
「……それでも、絶対に送ります」
そう言って、最後にもう一度、心を込めたキス。唇と唇を重ねたまま、時間が止まってしまえばいいとさえ思った。
「……行ってらっしゃい」
「行ってきます。侑成さん、大好きですよ。」
「ん。行ってらっしゃい」
「もーっ、侑成さんも好きって言って」
「……好き」
いまだに面と向かって好きというのは照れがある。それに言った時の颯の反応ったらさ、本当困る。可愛すぎて気が狂うから。それからも甘ったるい言葉を何度も交わした。
一緒に降りていく。マンションのエントランスに吹き抜ける朝の風は少し冷たかった。スーツケースのタイヤを押さえながら、颯が一歩前に立つ。少し眠そうな瞳で、でもきゅっと俺の手を握ってきた。
「……あ、そうだ」
颯がふいに何かを思い出したように言う。俺が「ん?」と返すと、まるでいたずらを思いついた子どものような顔で言った。
「今日からの5日間はひとりえっち禁止ですからね」
「………………は?」
思わず間抜けな声が出た。耳が正しければ、今、俺は性欲解消の自由を奪われたらしい。
「いや待って待って、え、ちょっと待って……俺たち、昨日の夜も、その前も……」
「その前の前も、そのもっと前もしてましたよね?」
「……うん」
「でしょ?」
颯はこともなげに笑って言う。
その笑顔が、またすごくいい顔してるから困る。
「だから……ね、僕も我慢するから、侑成さんも我慢して?」
「…………5日間も……?」
「うん。ちゃんと我慢して、溜めて溜めて……帰ってきたら」
すっと、指先が俺のシャツの胸元に触れた。
人差し指でくるりと円を描くように、なぞりながら
「すっごいの、しましょ?」
「……………」
鼓動が、跳ねた。
なんだその言い方。
なんだその目つき。
なんでお前は、そんな……!!
「す……すっごいの…?」
「帰ってからのお楽しみ、ですよ」
くすくす笑う颯の横に、ちょうど迎えの車が滑り込んでくる。
「じゃ、行ってきます」
軽くキスを落とされ、ぱたぱたと颯が車に向かって歩いていく。その後ろ姿を見送るだけの俺は、もはや数日後の自分の末路に怯えるしかなかった。
「……5日間も、ダメ……って、マジか……」
呟いて、額に手をあてる。
キュンがすごいのに、欲もすごい。
なにこれ、まじでどうすればいいんだ俺。
ていうか……すっごいのって……何されちゃうの俺…
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