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ねこりんご

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入学式

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 さて、入学式だ。
 入学式は校舎の地下にある大講堂で行われるそうだ。
 大型のエレベーターに乗って地下へ行った。一体この学校にはどれだけエレベーターがあるのだろうかという程、この学校には生徒用エレベーターが多数ある。しかし階段はあまり無い。きっとこの学校は富豪の令嬢もいるから、そういう人のために生徒用エレベーターがあるのだろう。
 大講堂はやはり大きかった。写真で大講堂をはじめ映画館や大図書館も見たことはあったが、実際に見ると迫力が全然違う。ちなみに、学校と家がかなり離れているので入試もオンラインで行われた。かといって家でしたわけではない。学校指定の建物で受けたのだ。
 奥の壁には大きな楕円の窓のようなものが付いていた。一体、何に使うのだろうか。
 大講堂には一から五年までの全校生徒と先生が居る。
 入学式のプログラムが配られた。校長先生の話、校歌、先生紹介は分かるのだが、色奉納という謎の項目があった。何だろう、と不思議がっていると、キャウラ先生から説明が入った。
「入学式の途中で皆さんに色奉納をしてもらいます。色奉納とは、皆さんが一人一人前に出て、魔術器具に魔力をこめる儀式です。この奉納を新入生全員がやれば、1年間学校の鐘が皆さんの魔力のおかげで動くのです。」
 なるほど。学校の鐘は一年生のおかげで動いているのか。
 先生が見本を見せる。
 楕円の窓に向かって歩いて行った。
「これは屋上の鐘と繋がっている管です。」
 窓ではなく管なのか。
 先生が窓に触れた。そうすると、先生が身につけている魔石と同じ色の、枯葉のような模様が現れた。実に神秘的だ。それに、さっきは管だと説明されたが、模様が映っている辺りは窓にしか見えない。
 「出席番号順に行います。触れれば良いだけなので、簡単でしょう。」

 入学式が始まった。
 校長先生が登壇し、話し出す。
 校長先生は五十代くらいの女性だ。黒いドレスのような服に身を包んでいる。
「皆様」
 校長先生が一言喋っただけで新入生からざわめきが起こった。
 マイクを使ってないのに、広い講堂の中全体に声が広がったのだ。
「ご入学、おめでとうございます。」
 そう一言言っただけで、校長先生は黙った。
 そしてゆっくりと壇から降りて行った。
 ……今のは何だったんだろう。
 たった一言だけだった校長先生の話に情報量が詰め込まれすぎていて、少し混乱してきてしまった。
 校歌を聴いた後、色奉納の時間になった。
 順番に呼ばれていく。
 どうやら奉納中に楕円に映る模様は人によって違うみたいだ。太陽だったり、一面の花畑だったり、雨だったりする。
 ヒスイは川のある森の風景だった。
 やっとわたしの番だ。名前が呼ばれて、わたしは立った。
 ゆっくりと前に歩いて行く。
 ステージの奥までカーペットの上を歩いて行き、楕円の前まで来た。
 楕円に手を近づけた。すると、手から何かを吸い取られたような感覚がした。これがわたしの魔力か。小学校や中学校では碌に魔術具を扱っていない。魔法を使えない人もいるからだ。昔に少しだけ魔術具に触れた記憶もあるが、やはり魔力を使う感覚はよく分からない。
 炎の赤に映し出されたものは、やはり炎だ。
 少し見入っていたようだ。すぐに炎は消えた。わたしはさっきの道とは違う通路を使い、席に戻る。
 色奉納も滞り無く終わった。
 先生が紹介される。
 わたしのクラスの担任、キャウラ先生や数名の先生が並ぶ。
 あ、あの先生、さっき暖色寮に居た人だ。
 優しそうな先生だなぁ。
 その隣には眼鏡を掛けた怖そうな先生や、ショートカットの厳しそうな先生も居る。
 ……キャウラ先生って何でこんなに小さいのかな。
 失礼な質問だが、すごく気になる。いつか分かる日が来るのだろうか。

 教室に戻ったらまた説明がなされる。授業などについてだ。
 校則や一年間の行事予定等について、先生に配られた大きいプリントを見ながら説明を聴く。
 ……寮対抗のビッグアート大会ってなんだろう。学校説明パンフレットに少し写真が載っていたのは見たことがあるけど、実際の大会を見たことが無いのであまりよく分からない。
 三十分程の説明を聴いた後は寮に戻る準備をする。歓迎会が行われるそうだ。
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