【完結】婚約破棄と追放をセットでくらった件 〜神スキルで逆転人生〜

長船凪

文字の大きさ
4 / 125

04 物件探し

しおりを挟む
 翌朝もパンにフライを挟んで朝食に持ち、景色のいいとこで食べようって話して出かける。

 ひとまず、ずっと宿屋暮らしだと逆に費用が嵩みそうなので借家探しだ。

 雑貨屋の前を通り過ぎようとすると、竹製品の釣り竿とカゴなどがあった。
 こちらの世界にも竹がどこかに生えてるんだな。


「海が近いから釣りも悪くないな」
「ネオ、竿はまた今度。遊ぶ前に借家探しだよ」


 俺の視線が釣り竿に注がれてるのでユージーンが釘を差して来た。


「わ、わかってるよ。でも釣りで魚釣れたら食費が浮くよな? 餌はミミズとかの虫でもそのへんにへばりついてる貝でもいいと思うし」

「釣りねぇ、なんにもかからない日のほうが多いと思うよ」
「まあ、それはそうだな……」
「川で罠を作った方がまだ取れる気がする」

「川魚より海魚のが美味い気はするけど、そちらも夏だし、悪くないかもな」


 そのうち川遊びもしてみたい。
 何しろ俺はあちらの世界で過労死したから、リラックスできるゆったり時間も必要だ。


「えーと、とりあえず酒場か食堂かな」
「ユージーン、借家探しなら不動産屋、いや貸家を扱うとこじゃないのか?」

「貸家を扱う店がどこにあるか聞くんだよ、この国は僕も初めて来たんだし」
「そういやそうだな」


 納得である。
 とりあえず情報収集は酒場と相場が決まってるが、まだ朝だ。


 なので朝は食堂、夜が酒場になってるとこに来た。
 そしてまず、俺達は飲み物にレモン水を頼んだ。


「貸家を扱っているところをご存知ないですか?」 


 と、ウエイトレスに訊いてみた。


「あちらの緑色のトンガリ屋根のとこよ」
「ありがとう」
「お兄さん達、注文はレモン水だけ?」


 ハッ!!
 にっこり笑ってるけどウエイトレスのお姉さんから圧を感じる!


「あ~、ごめん。さすがに飲み物だけは失礼か。じゃあ……あちらのテーブルと同じパイを」
「ミートパイね」
「ああ、ユージーンはどうする?」
「あちらのテーブルと同じじゃがいも料理を」

「はーい! かしこまり!」
「ネオ、持ってきたお魚挟んだパンはどうする?」

「なんならまたあの場所の例の占い師にお礼にあげようか? あの人のおかげで儲かったし、神スキルに目覚めた」
「なるほど」

 俺達は貸家が開く時間まで時間がまだあるので、ミートパイとジャーマンポテトに似た料理を分け合って食べた後、例の占い師に会いに行った。

 でもあの場所にはもう占い師はいなくなっていた。
 あの簡易な作りの店もない。


「腹ペコ占い師、移転したのかな」
「儲からなくてお腹空かせてたなら、ありうるね」
「占い、驚異の的中率だったのに」

 ◆◆◆

 仕方ないので、貸家屋に向かった。
 目印は緑のトンガリ屋根。

 扉ノックした後、開けてカウンターに座るお姉さんに問いかける。


「すみません、ひと月単位くらいで借りれる家とかありますか?」

 お姉さんは俺達の頭から足先まで軽く見やってから、物件の資料を棚から取り出して言った。


「ありますよ、旅行中の方ですか?」
「そんな感じです」


 どうやら旅行中の人に見えるらしいな。


「では、こちらの物件とこちらの物件などがおすすめですよ」
 

 二つほど物件を紹介してくれた。
 やや古い一軒家とアパートみたいな建物だ。


「ユージーンどう思う?」
「アパートだと隣人に気を使うから、この予算なら多少古くても一軒家が良くないかな? 海も近くて景色がいいって書いてあるし」


 確かに、急に貴族が治療を頼みに来た時にアパートだと隣人とかがびびるよな。

「じゃあこの一軒家の内見、下見をさせてもらうことにするか」


 車持ちなら海の近くは潮風で車がはよやられるとか心配しないとだが、そんなものはこちらの世界にはない。
 馬車の世界だ。

 そもそも向こうの世界でもマイカーはまだ買ってなかった。
 資金を貯めてる最中に死んだ。
 はー、切ない。
 こんなことになるなら節約生活するよりもっと美味しいもの沢山食べておけばよかったな。


「では、案内の者をお呼びしますね」


 案内の者は小さめの荷馬車に乗ったおじいさんだった。


「なるほど、これに乗せて行ってくれるんだな」
「徒歩じゃなくて助かったよね」
「じゃあお客さん、乗ってくれるじゃろか?」
「はい、よろしくお願いします」


 ◆◆◆

 海のそばの一軒家に来たら流石のオーシャンビューじゃん!
 白い壁でわりとかわいい作りだし、悪くない。

 アパート系よりやや高くはなるが、貴族が訪ねて来ることがあるなら、こちらのが良いはず。

 中も古いし掃除も必要だが、補修すればなんとかなりそうだ。

「ホコリとか蜘蛛の巣とかあって掃除がいるけど悪くない」
「じゃあ、ネオ、ここでいいんだね?」

 俺はユージーンに頷いてからおじいさんの方に向き直った。

「ところでおじいさん。
掃除は借り手の俺たちが自分でしなきゃだめかな? 俺達あと2日は宿にいるから掃除を頼める人がいたら助かるんだけどさ」

「銀貨5枚が出せるなら掃除の者を雇って掃除させておきますがのぅ」
「じゃあお願いします」

 俺がおじいさんに支払いすると、

「自分達でやらなくて大丈夫だったの?」

 節約はどうした?
 という目でユージーンが俺を見てくる。

「汗だくになって掃除とか今はしたくないんだ……」
「しょーがないなぁ」

「それと手付け金だけは今払ってくださいますかのぅ?」
「あ、はい」


 俺はまた巾着からおじいさんの契約書に書いてある手付け金分を払った。
 後は掃除の後にひと月レンタル分をまとめて払う。


「はい、どうも。鍵はこちらで予備の鍵は掃除の時に掃除の者が使うので、掃除が終わってからのお渡しになるんじゃが」
「はい、それで大丈夫です。よろしくお願いします」


 それからランチは男二人で海を見ながら浜辺の木の下に座って朝に食いそびれたフライサンドを食べた。
 爽やかな潮風を感じながら……。

 これ、かわいい彼女とだったらかなりいいシチュなんだがな!
 まあ、ユージーンも女の子ではないがイケメンだからいいか!
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)

みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。 在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。

転生者は力を隠して荷役をしていたが、勇者パーティーに裏切られて生贄にされる。

克全
ファンタジー
第6回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作 「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。 2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門日間ランキング51位 2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門週間ランキング52位 転生者のブルーノは絶大な力を持っていたが、その力を隠してダンジョンの荷役として暮らしていた。だが、教会の力で勇者を騙る卑怯下劣な連中に、レットドラゴンから逃げるための生贄として、ボス部屋に放置された。腐敗した教会と冒険者ギルドが結託て偽の勇者パーティーを作り、ぼろ儲けしているのだ。ブルーノは誰が何をしていても気にしないし、自分で狩った美味しいドラゴンを食べて暮らせればよかったのだが、殺されたブルーノの為に教会や冒険者ギルドのマスターを敵対した受付嬢が殺されるのを見過ごせなくて・・・・・・

外れスキル《コピー》を授かったけど「無能」と言われて家を追放された~ だけど発動条件を満たせば"魔族のスキル"を発動することができるようだ~

空月そらら
ファンタジー
「鑑定ミスではありません。この子のスキルは《コピー》です。正直、稀に見る外れスキルですね、何せ発動条件が今だ未解明なのですから」 「何てことなの……」 「全く期待はずれだ」 私の名前はラゼル、十五歳になったんだけども、人生最悪のピンチに立たされている。 このファンタジックな世界では、15歳になった際、スキル鑑定を医者に受けさせられるんだが、困ったことに私は外れスキル《コピー》を当ててしまったらしい。 そして数年が経ち……案の定、私は家族から疎ましく感じられてーーついに追放されてしまう。 だけど私のスキルは発動条件を満たすことで、魔族のスキルをコピーできるようだ。 そして、私の能力が《外れスキル》ではなく、恐ろしい能力だということに気づく。 そんでこの能力を使いこなしていると、知らないうちに英雄と呼ばれていたんだけど? 私を追放した家族が戻ってきてほしいって泣きついてきたんだけど、もう戻らん。 私は最高の仲間と最強を目指すから。

収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?

木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。 追放される理由はよく分からなかった。 彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。 結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。 しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。 たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。 ケイトは彼らを失いたくなかった。 勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。 しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。 「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」 これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。

侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 〜元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!〜【奨励賞】

のびすけ。
ファンタジー
気づけば侯爵家の三男として異世界に転生していた元プログラマー。 そこはどこか懐かしく、けれど想像以上に自由で――ちょっとだけ危険な世界。 幼い頃、命の危機をきっかけに前世の記憶が蘇り、 “とっておき”のチートで人生を再起動。 剣も魔法も、知識も商才も、全てを武器に少年は静かに準備を進めていく。 そして12歳。ついに彼は“新たなステージ”へと歩み出す。 これは、理想を形にするために動き出した少年の、 少し不思議で、ちょっとだけチートな異世界物語――その始まり。 【なろう掲載】

はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~

さとう
ファンタジー
10歳になると、誰もがもらえるスキル。 キネーシス公爵家の長男、エルクがもらったスキルは『念動力』……ちょっとした物を引き寄せるだけの、はずれスキルだった。 弟のロシュオは『剣聖』、妹のサリッサは『魔聖』とレアなスキルをもらい、エルクの居場所は失われてしまう。そんなある日、後継者を決めるため、ロシュオと決闘をすることになったエルク。だが……その決闘は、エルクを除いた公爵家が仕組んだ『処刑』だった。 偶然の『事故』により、エルクは生死の境をさまよう。死にかけたエルクの魂が向かったのは『生と死の狭間』という不思議な空間で、そこにいた『神様』の気まぐれにより、エルクは自分を鍛えなおすことに。 二千年という長い時間、エルクは『念動力』を鍛えまくる。 現世に戻ったエルクは、十六歳になって目を覚ました。 はずれスキル『念動力』……ただしレベルMAXの力で無双する!!

異世界転移「スキル無!」~授かったユニークスキルは「なし」ではなく触れたモノを「無」に帰す最強スキルだったようです~

夢・風魔
ファンタジー
林間学校の最中に召喚(誘拐?)された鈴村翔は「スキルが無い役立たずはいらない」と金髪縦ロール女に言われ、その場に取り残された。 しかしそのスキル鑑定は間違っていた。スキルが無いのではなく、転移特典で授かったのは『無』というスキルだったのだ。 とにかく生き残るために行動を起こした翔は、モンスターに襲われていた双子のエルフ姉妹を助ける。 エルフの里へと案内された翔は、林間学校で用意したキャンプ用品一式を使って彼らの食生活を改革することに。 スキル『無』で時々無双。双子の美少女エルフや木に宿る幼女精霊に囲まれ、翔の異世界生活冒険譚は始まった。 *小説家になろう・カクヨムでも投稿しております(完結済み

五十一歳、森の中で家族を作る ~異世界で始める職人ライフ~

よっしぃ
ファンタジー
【ホットランキング1位達成!皆さまのおかげです】 多くの応援、本当にありがとうございます! 職人一筋、五十一歳――現場に出て働き続けた工務店の親方・昭雄(アキオ)は、作業中の地震に巻き込まれ、目覚めたらそこは見知らぬ森の中だった。 持ち物は、現場仕事で鍛えた知恵と経験、そして人や自然を不思議と「調和」させる力だけ。 偶然助けたのは、戦火に追われた五人の子供たち。 「この子たちを見捨てられるか」――そうして始まった、ゼロからの異世界スローライフ。 草木で屋根を組み、石でかまどを作り、土器を焼く。やがて薬師のエルフや、獣人の少女、訳ありの元王女たちも仲間に加わり、アキオの暮らしは「町」と呼べるほどに広がっていく。 頼れる父であり、愛される夫であり、誰かのために動ける男―― 年齢なんて関係ない。 五十路の職人が“家族”と共に未来を切り拓く、愛と癒しの異世界共同体ファンタジー!

処理中です...