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05 ニコレットの事情
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~ ニコレット嬢視点 ~
私はオラール侯爵家のニコレット・モリス・オラール。
貴族の令嬢です。
今は入浴後で自室の鏡台の前。
わりと自慢のハニーブロンドの髪のお手入れ中です。
髪を乾かしたりブラシをかけるのはメイドのアンネリが手伝ってくれます。
そして私には持病があり、月に一度くらいの間隔でマギアストームという魔力の嵐に体内を蹂躙され、苦しみぬいていました。
ところが数日前、ようやくよく当たるという占い師に出会い、私に取っての救世主の存在が近づいていると予言をもらいました。
お金を積んで詳しく聞くと、胸を揉んでもらうと手のひらから魔力を吸い上げてくださるそうです。
治療の為にでも、胸を揉ませるというのは恥ずかしい行為では有りますが、あの痛みには耐えられません。
行為の最中はあまり人に見られたくないため、護衛騎士すらつけずに、侍女のサーラだけを伴い、現れると聞いた灯台に日参しておりました。
私の救世主様の見た目は銀髪で容姿の整ったお方と言われてましたし、密かにこの胸も高鳴っておりました。
そしてあの運命の日、また発作が起こり、苦しみもがき倒れていたところで、ついに現れてくださいました!
キラキラした銀髪のキレイなお顔の男性が!
あの方は自らをネオと名乗り、平民だから姓はないとおっしゃっていたけれど……。
ああ、あの方に胸を揉まれている最中、急激に心地よくなって……恍惚としてしまいました。
私はテーブルセットのところに居る侍女のサーラに声をかけることにしました。
今はお茶会やパーティーの招待状、手紙の類の整理をしつつも、いつも私の話し相手をしてくれますから。
「ねえ、サーラ、ネオ様って本当に平民かしら?
とても素敵な方だったわ」
「あの気品のある顔立ち、それからお倒れになっていたニコレット様をレディと呼び、手を差し伸べてる様はとても平民には見えませんでした」
「そうよねぇ。遠い田舎から来たか没落貴族か何かではないかしら」
「少なくとも王都の社交界ではお見かけしなかった方ですね」
「ともかく、私の命もかかっていますし、ネオ様にはなんとかこの地に長く留まっていただきたいわ。ひとまず手持ちのお金を全部お渡ししたけど、まだ十分ではないから宿に居る間にまた伺いましょう」
「ええ、今は贈り物を集めている最中ですから」
コンコンと、私の部屋の扉をノックする音が聞こえました。
「言ってるそばからまた届いたようですね」
「ええ。お入り」
「ニコレットお嬢様、注文されていたお届けものがまた届きました」
「ありがとう、それも贈り物だから明日の昼前には馬車に積んでおいて」
「かしこまりました」
「ところでニコレットお嬢様、これから出す手紙は二通でよろしいのですね?」
「ええ、ひとまず同じ派閥の、お友達の令嬢にだけ。慎重にいかなければ」
同じ病の、マギアストーム持ちの友人は私にもいます。
命に関わりますから一応紹介はしますけど、奪われないように釘を差しておかねばなりません。
独占などされてはたまったものではありませんもの。
「ところでお嬢様、10日後に約束されてる婚約者のパストル様とのデートで着るドレスはお決めになりましたか?」
「もう行きたくなくなったわ、あのパストルときたら、多分浮気しているもの」
あの人が普段使う香水とは違う甘い香り……。
あんなに甘い香りの香水は女性しか使いませんし。
「ええ!? こんなにお美しいお嬢様が婚約者ですのに!」
メイドも思わず驚愕して声をあげています。
「婚約者をネオ様に変更出来ないものかしら、いずれ夫になってくださったら、私の命も安泰ですのに」
「でも側にいる男性がネオ様には魔力はないけど吸収はできたんだねと言っていたような……つまり魔力無しです」
「貴重な魔力吸収のできる治療師ですよ! 魔力の有無などどうでもいいわ!」
「あら? でも平民なら魔力無しが普通ですので、あの発言から推測するとやはり元は貴族なのでは?」
「希望が出てきたわ、流石に平民と結婚したいと言ってもお父様はお許しにならないでしょうけど、元でも貴族であれば」
「いえでも、お嬢様、婚約破棄はそう簡単にできるものではありませんよ」
「浮気調査をしましょう! 婚約破棄の理由になります!」
「あ、なるほど……かしこまりました! 探偵を雇います!」
私はオラール侯爵家のニコレット・モリス・オラール。
貴族の令嬢です。
今は入浴後で自室の鏡台の前。
わりと自慢のハニーブロンドの髪のお手入れ中です。
髪を乾かしたりブラシをかけるのはメイドのアンネリが手伝ってくれます。
そして私には持病があり、月に一度くらいの間隔でマギアストームという魔力の嵐に体内を蹂躙され、苦しみぬいていました。
ところが数日前、ようやくよく当たるという占い師に出会い、私に取っての救世主の存在が近づいていると予言をもらいました。
お金を積んで詳しく聞くと、胸を揉んでもらうと手のひらから魔力を吸い上げてくださるそうです。
治療の為にでも、胸を揉ませるというのは恥ずかしい行為では有りますが、あの痛みには耐えられません。
行為の最中はあまり人に見られたくないため、護衛騎士すらつけずに、侍女のサーラだけを伴い、現れると聞いた灯台に日参しておりました。
私の救世主様の見た目は銀髪で容姿の整ったお方と言われてましたし、密かにこの胸も高鳴っておりました。
そしてあの運命の日、また発作が起こり、苦しみもがき倒れていたところで、ついに現れてくださいました!
キラキラした銀髪のキレイなお顔の男性が!
あの方は自らをネオと名乗り、平民だから姓はないとおっしゃっていたけれど……。
ああ、あの方に胸を揉まれている最中、急激に心地よくなって……恍惚としてしまいました。
私はテーブルセットのところに居る侍女のサーラに声をかけることにしました。
今はお茶会やパーティーの招待状、手紙の類の整理をしつつも、いつも私の話し相手をしてくれますから。
「ねえ、サーラ、ネオ様って本当に平民かしら?
とても素敵な方だったわ」
「あの気品のある顔立ち、それからお倒れになっていたニコレット様をレディと呼び、手を差し伸べてる様はとても平民には見えませんでした」
「そうよねぇ。遠い田舎から来たか没落貴族か何かではないかしら」
「少なくとも王都の社交界ではお見かけしなかった方ですね」
「ともかく、私の命もかかっていますし、ネオ様にはなんとかこの地に長く留まっていただきたいわ。ひとまず手持ちのお金を全部お渡ししたけど、まだ十分ではないから宿に居る間にまた伺いましょう」
「ええ、今は贈り物を集めている最中ですから」
コンコンと、私の部屋の扉をノックする音が聞こえました。
「言ってるそばからまた届いたようですね」
「ええ。お入り」
「ニコレットお嬢様、注文されていたお届けものがまた届きました」
「ありがとう、それも贈り物だから明日の昼前には馬車に積んでおいて」
「かしこまりました」
「ところでニコレットお嬢様、これから出す手紙は二通でよろしいのですね?」
「ええ、ひとまず同じ派閥の、お友達の令嬢にだけ。慎重にいかなければ」
同じ病の、マギアストーム持ちの友人は私にもいます。
命に関わりますから一応紹介はしますけど、奪われないように釘を差しておかねばなりません。
独占などされてはたまったものではありませんもの。
「ところでお嬢様、10日後に約束されてる婚約者のパストル様とのデートで着るドレスはお決めになりましたか?」
「もう行きたくなくなったわ、あのパストルときたら、多分浮気しているもの」
あの人が普段使う香水とは違う甘い香り……。
あんなに甘い香りの香水は女性しか使いませんし。
「ええ!? こんなにお美しいお嬢様が婚約者ですのに!」
メイドも思わず驚愕して声をあげています。
「婚約者をネオ様に変更出来ないものかしら、いずれ夫になってくださったら、私の命も安泰ですのに」
「でも側にいる男性がネオ様には魔力はないけど吸収はできたんだねと言っていたような……つまり魔力無しです」
「貴重な魔力吸収のできる治療師ですよ! 魔力の有無などどうでもいいわ!」
「あら? でも平民なら魔力無しが普通ですので、あの発言から推測するとやはり元は貴族なのでは?」
「希望が出てきたわ、流石に平民と結婚したいと言ってもお父様はお許しにならないでしょうけど、元でも貴族であれば」
「いえでも、お嬢様、婚約破棄はそう簡単にできるものではありませんよ」
「浮気調査をしましょう! 婚約破棄の理由になります!」
「あ、なるほど……かしこまりました! 探偵を雇います!」
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