【完結】婚約破棄と追放をセットでくらった件 〜神スキルで逆転人生〜

長船凪

文字の大きさ
23 / 125

23 王と弟。そして次の約束。

しおりを挟む
 ネオの元で治療を受け、そしてカレーを食べた後にツェーザルロの王弟、ローラント・ガイスラー・ベレム・オスカー・ヴィヒトリ・ツェーザルロは、オラール侯爵家のニコレットから招待を受けて、その屋敷に向かった。

 そして国王ダリルの方は弟ローラントからとある若者を子爵にするという文書を受け取り、その返事として魔法の伝書鳥を弟の元に飛ばした。

 どういう者に爵位を与えるのかという王の問いに、弟は命の恩人だと返事をした。

 そして自分の他にも三人の貴族令嬢も救われていると。

 それなら仕方ないなと、王は納得しつつなんとなく察した。
 弟の病のことは周知していたからだ。

 これは賊に奇襲をかけられたとか、魔物に襲われた時に助けて貰ったという報告が無かった上、そもそも本人の武力が高いので、ならば病の方であると推測できる。

 そして弟が子爵までは爵位を与えられる権限は王自ら許可している。
 代わりにヴィヒトリ辺境伯として国防の大事なところを引き受けてもらっているからだ。

 無論弟の、ローラントの人格を信頼しているからこそである。

 そう、有能な人材をスカウトして国力を上げる許可を出しているが、この権限で弟が実際に爵位を与えたのは今回が初めてであった。


 ◆ ◆ ◆ ◆◆◆ ◆ ◆ ◆

 ~ 主人公視点 ~

 そしてユージーンに実はジョーではありません発言をした俺は、ようやく肩の荷をおろし、スッキリしてから今夜は魔道具で掲示板で情報検索をした。


「うん? なんと! 竹があるって情報書いてくれてる人がいるぞ!」
「へー、どこ?」

「これは王弟殿下のヴィヒトリ辺境伯領内じゃないか!」

 行ける!! そこなら行ける!

「へー奇遇だねぇ」


「運命的だよ! 辺境伯が王家からシーズンになればタケノコが食えるってんで貰ったものを植えたら勝手に増えて竹林ができたらしい」

 成長早いし、間引かないと大変なんだよ。


「タケノコ?」
「固くて立派な竹に育つ前の柔らかいやつな、3月初旬から5月中旬にとれたりする」
「へー、春なんだね」


「まあ、ひとまずは明日の海水浴を楽しもう! 短パンでいいよな?」
「うん、全裸よりはいいと思うよ」


 プライベートビーチではないから下くらいは履く。
 全裸だと股間のあれがプラプラして魚肉ソーセージと間違われて魚に食いつかれると困るし。


 ふと、イヤーカフが熱を持った。
 ニコレット様が俺に連絡をしてきて、思い出した!
 しまった、三年はここに留まるって言ってたのを今思い出した!
 どうしよう、月一の治療の為になんとか行き来すれば許してくれるか?


「子爵になられると、レベッカ嬢から伺いました。お祝い申し上げます」
「あ、ありがとうございます!」

 やはり情報は行ってる!

「それから迎えの馬車をやりますから三日後に私の家においでください。例のお二人が衣装店の者を呼ぶそうです、例の司祭のような服を作るために」
「ああ、なるほど、ありがとうございます。三日後なら空いていますから伺います」


 まだあのお二人はニコレット様のとこにいたんだな。

 でも貴族を向かえられるホテルとかがそう多くないなら確かにニコレット様の屋敷がいいか。


「ネオ様は最近、お忙しいのですか?」
「明日は海で遊んだりするくらいですが」
「海で!? どなたと!?」
「普通にユージーンです」

「あ、あの茶髪のお付きの男性ですね」
「そうです、彼、今度は騎士になる為に資格試験を受けてくれるようです」

「まあ、騎士に?」
「はい、子爵になる俺の護衛騎士をやってくれるみたいで」
「まあ! それは素敵ですね! 私からも装備のプレゼントをしましょうか!?」
「装備は主になる俺から贈るものでは?」

「主は剣を渡し、あとはお金を用意するものだと思いますわ。でも盾、マント、ブーツ、衣装も全部となりますとほら、色々出費がかさむのでは?」 


 ニコレット様は俺のふところ具合を心配してくれてるのか。
 そういや王弟殿下は領地くれるってんで、小切手は返したんだよな。

 他の騎士や使用人の給金の事を考えるなら、多少援助して貰った方がいいかな。

 もしかしたらイケメンのユージーンのことを気に入ってるのかもしれないから、プレゼントしたいのかもしれないし?


「わかりました。では剣とマント以外はお言葉に甘えます」
「ええ! お任せくださいまし!」


 剣とマントは主になる俺が選んでやりたい。
 今ユージーンが持ってる剣は、父親が騎士見習いの時に使っていたものらしいけど予備として持っていて貰おう、形見なんだろうし。

 盾は……マントより高そうだし、お言葉に甘える。
 剣と同様命を預けるものだし、ニコレット様なら侯爵家の名誉にかけてきっと良いものを用意してくれるだろう。


「感謝します、ニコレット様」
「あの、その代わりと言ってはなんですが……」

 お、そうきたか。


「はい? また魔力吸収の治療をしますか?」
 

 どうせ衣装の時とか、会う予定もあるし、小まめに吸っておくのもいいかも。


「そ、それもいいのですが、明日の海遊びを見に行ってもよろしいですか?」
「え? そんなことでいいのですか? でも俺、いえ、私共は海に入りますよ?」
「私は砂浜か船から眺めますので!」


 流石に貴族でもこちらの世界の人達、まだ水着はお持ちでは無いらしい。


「分かりました」
「海辺へは私共は勝手に参りますからネオ様達は先に向かっていてかまいません」

「はい、ではそのように」


しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)

みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。 在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。

転生者は力を隠して荷役をしていたが、勇者パーティーに裏切られて生贄にされる。

克全
ファンタジー
第6回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作 「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。 2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門日間ランキング51位 2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門週間ランキング52位 転生者のブルーノは絶大な力を持っていたが、その力を隠してダンジョンの荷役として暮らしていた。だが、教会の力で勇者を騙る卑怯下劣な連中に、レットドラゴンから逃げるための生贄として、ボス部屋に放置された。腐敗した教会と冒険者ギルドが結託て偽の勇者パーティーを作り、ぼろ儲けしているのだ。ブルーノは誰が何をしていても気にしないし、自分で狩った美味しいドラゴンを食べて暮らせればよかったのだが、殺されたブルーノの為に教会や冒険者ギルドのマスターを敵対した受付嬢が殺されるのを見過ごせなくて・・・・・・

外れスキル《コピー》を授かったけど「無能」と言われて家を追放された~ だけど発動条件を満たせば"魔族のスキル"を発動することができるようだ~

空月そらら
ファンタジー
「鑑定ミスではありません。この子のスキルは《コピー》です。正直、稀に見る外れスキルですね、何せ発動条件が今だ未解明なのですから」 「何てことなの……」 「全く期待はずれだ」 私の名前はラゼル、十五歳になったんだけども、人生最悪のピンチに立たされている。 このファンタジックな世界では、15歳になった際、スキル鑑定を医者に受けさせられるんだが、困ったことに私は外れスキル《コピー》を当ててしまったらしい。 そして数年が経ち……案の定、私は家族から疎ましく感じられてーーついに追放されてしまう。 だけど私のスキルは発動条件を満たすことで、魔族のスキルをコピーできるようだ。 そして、私の能力が《外れスキル》ではなく、恐ろしい能力だということに気づく。 そんでこの能力を使いこなしていると、知らないうちに英雄と呼ばれていたんだけど? 私を追放した家族が戻ってきてほしいって泣きついてきたんだけど、もう戻らん。 私は最高の仲間と最強を目指すから。

収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?

木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。 追放される理由はよく分からなかった。 彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。 結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。 しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。 たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。 ケイトは彼らを失いたくなかった。 勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。 しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。 「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」 これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。

侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 〜元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!〜【奨励賞】

のびすけ。
ファンタジー
気づけば侯爵家の三男として異世界に転生していた元プログラマー。 そこはどこか懐かしく、けれど想像以上に自由で――ちょっとだけ危険な世界。 幼い頃、命の危機をきっかけに前世の記憶が蘇り、 “とっておき”のチートで人生を再起動。 剣も魔法も、知識も商才も、全てを武器に少年は静かに準備を進めていく。 そして12歳。ついに彼は“新たなステージ”へと歩み出す。 これは、理想を形にするために動き出した少年の、 少し不思議で、ちょっとだけチートな異世界物語――その始まり。 【なろう掲載】

はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~

さとう
ファンタジー
10歳になると、誰もがもらえるスキル。 キネーシス公爵家の長男、エルクがもらったスキルは『念動力』……ちょっとした物を引き寄せるだけの、はずれスキルだった。 弟のロシュオは『剣聖』、妹のサリッサは『魔聖』とレアなスキルをもらい、エルクの居場所は失われてしまう。そんなある日、後継者を決めるため、ロシュオと決闘をすることになったエルク。だが……その決闘は、エルクを除いた公爵家が仕組んだ『処刑』だった。 偶然の『事故』により、エルクは生死の境をさまよう。死にかけたエルクの魂が向かったのは『生と死の狭間』という不思議な空間で、そこにいた『神様』の気まぐれにより、エルクは自分を鍛えなおすことに。 二千年という長い時間、エルクは『念動力』を鍛えまくる。 現世に戻ったエルクは、十六歳になって目を覚ました。 はずれスキル『念動力』……ただしレベルMAXの力で無双する!!

異世界転移「スキル無!」~授かったユニークスキルは「なし」ではなく触れたモノを「無」に帰す最強スキルだったようです~

夢・風魔
ファンタジー
林間学校の最中に召喚(誘拐?)された鈴村翔は「スキルが無い役立たずはいらない」と金髪縦ロール女に言われ、その場に取り残された。 しかしそのスキル鑑定は間違っていた。スキルが無いのではなく、転移特典で授かったのは『無』というスキルだったのだ。 とにかく生き残るために行動を起こした翔は、モンスターに襲われていた双子のエルフ姉妹を助ける。 エルフの里へと案内された翔は、林間学校で用意したキャンプ用品一式を使って彼らの食生活を改革することに。 スキル『無』で時々無双。双子の美少女エルフや木に宿る幼女精霊に囲まれ、翔の異世界生活冒険譚は始まった。 *小説家になろう・カクヨムでも投稿しております(完結済み

五十一歳、森の中で家族を作る ~異世界で始める職人ライフ~

よっしぃ
ファンタジー
【ホットランキング1位達成!皆さまのおかげです】 多くの応援、本当にありがとうございます! 職人一筋、五十一歳――現場に出て働き続けた工務店の親方・昭雄(アキオ)は、作業中の地震に巻き込まれ、目覚めたらそこは見知らぬ森の中だった。 持ち物は、現場仕事で鍛えた知恵と経験、そして人や自然を不思議と「調和」させる力だけ。 偶然助けたのは、戦火に追われた五人の子供たち。 「この子たちを見捨てられるか」――そうして始まった、ゼロからの異世界スローライフ。 草木で屋根を組み、石でかまどを作り、土器を焼く。やがて薬師のエルフや、獣人の少女、訳ありの元王女たちも仲間に加わり、アキオの暮らしは「町」と呼べるほどに広がっていく。 頼れる父であり、愛される夫であり、誰かのために動ける男―― 年齢なんて関係ない。 五十路の職人が“家族”と共に未来を切り拓く、愛と癒しの異世界共同体ファンタジー!

処理中です...