【完結】婚約破棄と追放をセットでくらった件 〜神スキルで逆転人生〜

長船凪

文字の大きさ
38 / 125

38 猫耳少女

しおりを挟む
「大変だ! 獣人の幼女がゴブリンに攫われている! マーヤさん、何とかなりませんか!?」

 俺がマーヤさんを振り返ると即座に、

『ストーンバレット!!』

 マーヤさんの石礫の魔法がその場にいたゴブリン五体全てに炸裂した。

 そう、素晴らしいコントロールで幼女には当たってないのだ。
 ゴブリンの急所のみ撃ち抜いている。
 手にしていた奴らの武器の棍棒も地面に散らばる。


 しかしゴブリンは急所を撃たれ、そのまま肩に担いでいた幼女を落としてしまったので、慌てて駆け寄ろうとする俺。

 しかしユージーンに肩を掴まれ、騎士が代わりに幼女の元に走ってくれた。



「ネオ、非戦闘員の護衛対象が迂闊に近づいてはダメだよ」
「そ、そうだな! ソル卿! その子大丈夫ですか!?」

 俺が幼女に駆け寄り抱き起こした騎士のソルさんに声をかけると、


「後頭部をおそらくそちらに転がっている棍棒で殴られてるせいか、ぐったりしてます!」

 という返事が来た。

 確かにゴブリンは武器として棍棒を持っていたので、そうなのかも。


「レリアさん、お願いできますか?」
「はい! ネオ様、任されました!」


 すぐさま巫女のレリアさんが治癒魔法をかけてくれた。
 治療後にそっと草むらの上に寝かせ、その状態で声をかけてみた。
 人間嫌いだといけないからな。


「お嬢ちゃん! 大丈夫かー? おーい」
「……んん? ハッ! 人族!?」

「俺達は確かに人だけど、そこのお姉さんがゴブリンを倒して、そっちのお姉さんは君の頭の怪我を魔法で治してくれたんだよ」

 俺は手のひらをマーヤとレリアさんの方に向けて味方アピールをした。

 猫耳幼女は俺とマーヤさんとレリアを見た後に、地面に倒れてるゴブリンに気がついた。

「……人族が、あたしを……あ、ありがと」
 

 お、信じてくれたようだ。


「君に聞きたい事があるんだが」
「なに?」
「君の村に醤油……ていうか、黒くて辛い、豆から作られる調味料はないかな? お料理に使うものだよ」
「ソイソース? ある」

 マジか! やった!

「やっぱりあるんだ! じゃあスープとかに溶かす、味噌、てゆーか、茶色いとろっとした調味料もある!? 味はしょっぱい系かな」
「茶色い……ミィソならある」

 ミィソって言うのか! やや掠ってるから、信憑性高い!


「味噌があるなら、穀物の米ってのも、もしやあるかな? 初めは緑の葉っぱで秋に黄金色になる植物知ってる?」
「……草?」

「うーん、確かに草っぽくはあるかな。認識できてないだけで食べてるかも。でも醤油と味噌あるだけでもありがたい! ところで味噌、ミィソは豆から作るのかな?」
「しらない」

「だよねー」

 幼女だしな。
 そもそも日本の若者だって味噌の原材料が分かってない人多そうだ。

 でも味噌があるなら、この幼女が米を違う呼び名で気がつかずに食ってる可能性はある。
 俺は質問をつづけた。


「とにかく、俺達は君の村に行って、交易をしたいんだけど」
「こうえき?」
「ミィソとソイソースを買いたいんだ、お金とか、何かと交換して欲しい」
「ふーん……」

 幼女は俺達を一人ずつ観察した。

 王弟殿下は、本当は50人くらいは俺の護衛につけたかったらしいが、武装した集団がまとまって獣人の村に行くと侵略者だと警戒されるだろうから、断念したと言っていた。
 ここで少数精鋭で来た事が吉とでるか!?


「お願い! この通り! 買い物したらすぐ帰るし! 君たちに酷いことは決してしないから!」

 俺が手を合わせて懇願してる間に幼女はゴブリンに殴られた自分の後頭部を撫でた。

「エイダにもそのおねーさん、まほうかけてくれる?」


 幼女はレリアさんを見てる。


「ん? 君の知り合いが怪我でもしてるのかな?」
「病気……」
「治せるかは、病気にもよりますが、私が診てみましょう」

「よし、話は決まったな。お嬢ちゃんの村に案内してくれ」
「うん」
「あと子供が一人で村の外に出たら危ないよ、魔物が多いし」

「やくそうさがしてた……」
「え、エイダさんて人の為に?」

「うん。いつのまにか……近くにゴブリンいて殴られた」
「こんな健気な子を殴るなんてゴブリン、許せないな」


 この子を巣に連れ帰って食料にしようとしてたのか、繁殖に使おうとしてたのかは分からんが、とにかく許せない。

「ところでお嬢ちゃん、あなたのお名前は?」

 レリアさんがそう言ってようやく名を聞くのを忘れてたのに気がついた俺。

「ラーレアルテ」

 ほほー、ラーレアルテちゃんて言うのか。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)

みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。 在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。

転生者は力を隠して荷役をしていたが、勇者パーティーに裏切られて生贄にされる。

克全
ファンタジー
第6回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作 「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。 2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門日間ランキング51位 2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門週間ランキング52位 転生者のブルーノは絶大な力を持っていたが、その力を隠してダンジョンの荷役として暮らしていた。だが、教会の力で勇者を騙る卑怯下劣な連中に、レットドラゴンから逃げるための生贄として、ボス部屋に放置された。腐敗した教会と冒険者ギルドが結託て偽の勇者パーティーを作り、ぼろ儲けしているのだ。ブルーノは誰が何をしていても気にしないし、自分で狩った美味しいドラゴンを食べて暮らせればよかったのだが、殺されたブルーノの為に教会や冒険者ギルドのマスターを敵対した受付嬢が殺されるのを見過ごせなくて・・・・・・

外れスキル《コピー》を授かったけど「無能」と言われて家を追放された~ だけど発動条件を満たせば"魔族のスキル"を発動することができるようだ~

空月そらら
ファンタジー
「鑑定ミスではありません。この子のスキルは《コピー》です。正直、稀に見る外れスキルですね、何せ発動条件が今だ未解明なのですから」 「何てことなの……」 「全く期待はずれだ」 私の名前はラゼル、十五歳になったんだけども、人生最悪のピンチに立たされている。 このファンタジックな世界では、15歳になった際、スキル鑑定を医者に受けさせられるんだが、困ったことに私は外れスキル《コピー》を当ててしまったらしい。 そして数年が経ち……案の定、私は家族から疎ましく感じられてーーついに追放されてしまう。 だけど私のスキルは発動条件を満たすことで、魔族のスキルをコピーできるようだ。 そして、私の能力が《外れスキル》ではなく、恐ろしい能力だということに気づく。 そんでこの能力を使いこなしていると、知らないうちに英雄と呼ばれていたんだけど? 私を追放した家族が戻ってきてほしいって泣きついてきたんだけど、もう戻らん。 私は最高の仲間と最強を目指すから。

収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?

木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。 追放される理由はよく分からなかった。 彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。 結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。 しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。 たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。 ケイトは彼らを失いたくなかった。 勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。 しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。 「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」 これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。

侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 〜元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!〜【奨励賞】

のびすけ。
ファンタジー
気づけば侯爵家の三男として異世界に転生していた元プログラマー。 そこはどこか懐かしく、けれど想像以上に自由で――ちょっとだけ危険な世界。 幼い頃、命の危機をきっかけに前世の記憶が蘇り、 “とっておき”のチートで人生を再起動。 剣も魔法も、知識も商才も、全てを武器に少年は静かに準備を進めていく。 そして12歳。ついに彼は“新たなステージ”へと歩み出す。 これは、理想を形にするために動き出した少年の、 少し不思議で、ちょっとだけチートな異世界物語――その始まり。 【なろう掲載】

はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~

さとう
ファンタジー
10歳になると、誰もがもらえるスキル。 キネーシス公爵家の長男、エルクがもらったスキルは『念動力』……ちょっとした物を引き寄せるだけの、はずれスキルだった。 弟のロシュオは『剣聖』、妹のサリッサは『魔聖』とレアなスキルをもらい、エルクの居場所は失われてしまう。そんなある日、後継者を決めるため、ロシュオと決闘をすることになったエルク。だが……その決闘は、エルクを除いた公爵家が仕組んだ『処刑』だった。 偶然の『事故』により、エルクは生死の境をさまよう。死にかけたエルクの魂が向かったのは『生と死の狭間』という不思議な空間で、そこにいた『神様』の気まぐれにより、エルクは自分を鍛えなおすことに。 二千年という長い時間、エルクは『念動力』を鍛えまくる。 現世に戻ったエルクは、十六歳になって目を覚ました。 はずれスキル『念動力』……ただしレベルMAXの力で無双する!!

異世界転移「スキル無!」~授かったユニークスキルは「なし」ではなく触れたモノを「無」に帰す最強スキルだったようです~

夢・風魔
ファンタジー
林間学校の最中に召喚(誘拐?)された鈴村翔は「スキルが無い役立たずはいらない」と金髪縦ロール女に言われ、その場に取り残された。 しかしそのスキル鑑定は間違っていた。スキルが無いのではなく、転移特典で授かったのは『無』というスキルだったのだ。 とにかく生き残るために行動を起こした翔は、モンスターに襲われていた双子のエルフ姉妹を助ける。 エルフの里へと案内された翔は、林間学校で用意したキャンプ用品一式を使って彼らの食生活を改革することに。 スキル『無』で時々無双。双子の美少女エルフや木に宿る幼女精霊に囲まれ、翔の異世界生活冒険譚は始まった。 *小説家になろう・カクヨムでも投稿しております(完結済み

五十一歳、森の中で家族を作る ~異世界で始める職人ライフ~

よっしぃ
ファンタジー
【ホットランキング1位達成!皆さまのおかげです】 多くの応援、本当にありがとうございます! 職人一筋、五十一歳――現場に出て働き続けた工務店の親方・昭雄(アキオ)は、作業中の地震に巻き込まれ、目覚めたらそこは見知らぬ森の中だった。 持ち物は、現場仕事で鍛えた知恵と経験、そして人や自然を不思議と「調和」させる力だけ。 偶然助けたのは、戦火に追われた五人の子供たち。 「この子たちを見捨てられるか」――そうして始まった、ゼロからの異世界スローライフ。 草木で屋根を組み、石でかまどを作り、土器を焼く。やがて薬師のエルフや、獣人の少女、訳ありの元王女たちも仲間に加わり、アキオの暮らしは「町」と呼べるほどに広がっていく。 頼れる父であり、愛される夫であり、誰かのために動ける男―― 年齢なんて関係ない。 五十路の職人が“家族”と共に未来を切り拓く、愛と癒しの異世界共同体ファンタジー!

処理中です...