俺って何故か押入れから異世界へ行き来ができるっぽい!〜 商人であり聖者でもある男の異世界を巡る日々 〜

長船凪

文字の大きさ
51 / 111

51 海神の夢

しおりを挟む
 夜に不思議な夢を見た。
 ポセイドンに似た容貌の海の神様がおそらくは俺の奉納したシャイ◯マスカットを「これは美味しい! 皮ごと食べられるとは!」

 などと言っておおいに喜んでいたし、

「曲の奉納もよかったぞ、目が冷めたら枕元の返礼品を受け取るといい」

 と、おっしゃっておられた。

 つまり水場でミラの足を浸けて魔力回復を図っていた時にBGM代わりに流していた、あのMP3のハープ奏者の曲も気に入ったという解釈でいいのかな。


 なんにせよここの神様がゴキゲンのようでよかった!

 この調子なら帰りも海龍の口に噛まれることはなさそうだ。

 セクシーな踊り子衣装とかを買ったりしたけれど。



 朝から夢から目が冷めたら、本当に枕元に贈り物らしきものがあった!

 それは筆と縦長の帳面のようなもの。
 製本は穴に黒い紐を通して結んであるタイプ。
 時代劇で丁稚や商人が持っていそうなやつで、ここは西洋ファンタジー風の異世界だと思っていたのに何故かこの道具は和風だ。


 帳面の表紙をめくると、呪符作成用と書いてある。
 火や水や突風などの言葉や絵をこの筆で書いて一枚だけ使用分を破るとその現象が起こるらしい!

 凄い!! 

 しかも墨汁やインクのようなものは筆を紙につけたとたん現れる魔法がかかっている為に不要とある!

 かなり凄いものをいただいた!
 張り込んでシャイ◯マスカットを捧げたかいがあった!!

「大変だ、ジェラルド! 凄いものを海神様からいただいた!」
「はぁ?」
「ほら、この帳面!」
「冗談だろ?」
「本当だって! あ、そうだ、何か書いてみよう」

 ふと、棚の上に洗顔用の桶のようなものが見えた。
 まだ水などは入っていない。

 俺は帳面にお湯と書いて一枚破って、桶に入れたら桶いっぱいのお湯が出現した!


「おお! 出た! ほんとに出たぞ!」
「マスターおめでとうございます」

 いつの間にかベッドの脇で寝ていたミラも起きていた。

「ありがとうミラ!」

「本当に凄いな! でもそれはいちいち紙を破って使うなら貴重な一枚をお湯ごときで無駄にしたのでは?」

 !!

「ま、しかしあれだよ! お試しは危険度の少ない分かりやすいもので一回はやる必要あるから!」
「まあ、ショータがそれでいいならいいが」
「あ、そうだ、ミレナには次に使うまでビックリさせたいから秘密な」
「ああ」

「とりあえずこれで顔を洗おう」
「そうだな」

 俺は早速このお湯で顔を洗った。


「ジェラルドどうかな? 俺の顔、急にイケメン、すんごい美形になってたりしないかな?」

「さっぱりはしたようだが、特にいつもと変わらないぞ」
「あ、そうか、神様のお湯なら、何か特殊効果あるかと思った」
「それなら美しくなる水とか書く必要があるのでは?」
「なるほど!」

「マスターは元から男前ですよ」
「そんな事を言ってくれるのはミラくらいだよ、ありがとう!」


 今日はミラにドレスを着せてお出かけだ。
 とりあえずトートバッグに入ってて貰うけど。


 ミレナには特に何も無かったふりをして、宿を出た。


「ショータ、なんか機嫌がよさそうね? 何かいいことあった?」
「や、宿が綺麗だったからさ! ほら、そこの藤の花っぽいやつの前で記念撮影しようぜ!」
「ふーん、確かにこの蔓性の花はキレイだからいいけど」

 ミラはトートバッグの中で静かにしていたので、そっと出して、一緒に宿と記念撮影をした。


 朝の公園にて朝食の支度をすることになった。
 先日買ったキンメダイが早く食べたかったので!

 キャンプセットを設置し、朝食のおにぎりとアオサの味噌汁と刻み生姜を乗せたキンメダイの煮付けを作って食べた。


「やはりキンメダイは美味いな! お安く買えてよかった!」
「甘辛の汁のやつが美味いな」
「塩焼きも、今回の、この煮たのも美味しいわね」
「塩おにぎりはおかわりあるからな」

 ジェラルドが塩おにぎりを食べきった後で、

「辛いのはないのか?」
「えーと、高菜と明太子なら」
「えーと、野菜のやつ」

「はい高菜おにぎり」
「ありがとう」

「ねー、ショータ、次の観光プランは? 何かあるの?」


「宿の壁にポスターがあったぞ、歌と演劇が見れるところがあるんだって、芸術鑑賞もよくないか?」

「劇場もいいが夜には願いを込めてランタンを飛ばす祭りがあるらしいぞ」

「それはキレイだろうけどドームの天井にランタンはぶち当たるんじゃないの?」

「後でランタンは巨大な空飛ぶクジラが回収する」
「ファンタスティック! それは楽しみだ!」


 映えるだろうな。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

ペーパードライバーが車ごと異世界転移する話

ぐだな
ファンタジー
車を買ったその日に事故にあった島屋健斗(シマヤ)は、どういう訳か車ごと異世界へ転移してしまう。 異世界には剣と魔法があるけれど、信号機もガソリンも無い!危険な魔境のど真ん中に放り出された島屋は、とりあえずカーナビに頼るしかないのだった。 「目的地を設定しました。ルート案内に従って走行してください」 異世界仕様となった車(中古車)とペーパードライバーの運命はいかに…

男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)

大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。 この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人) そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ! この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。 前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。 顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。 どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね! そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる! 主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。 外はその限りではありません。 カクヨムでも投稿しております。

高身長お姉さん達に囲まれてると思ったらここは貞操逆転世界でした。〜どうやら元の世界には帰れないので、今を謳歌しようと思います〜

水国 水
恋愛
ある日、阿宮 海(あみや かい)はバイト先から自転車で家へ帰っていた。 その時、快晴で雲一つ無い空が急変し、突如、周囲に濃い霧に包まれる。 危険を感じた阿宮は自転車を押して帰ることにした。そして徒歩で歩き、喉も乾いてきた時、運良く喫茶店の看板を発見する。 彼は霧が晴れるまでそこで休憩しようと思い、扉を開く。そこには女性の店員が一人居るだけだった。 初めは男装だと考えていた女性の店員、阿宮と会話していくうちに彼が男性だということに気がついた。そして同時に阿宮も世界の常識がおかしいことに気がつく。 そして話していくうちに貞操逆転世界へ転移してしまったことを知る。 警察へ連れて行かれ、戸籍がないことも発覚し、家もない状況。先が不安ではあるが、戻れないだろうと考え新たな世界で生きていくことを決意した。 これはひょんなことから貞操逆転世界に転移してしまった阿宮が高身長女子と関わり、関係を深めながら貞操逆転世界を謳歌する話。

ホームレスは転生したら7歳児!?気弱でコミュ障だった僕が、気づいたら異種族の王になっていました

たぬきち
ファンタジー
1部が12/6に完結して、2部に入ります。 「俺だけ不幸なこんな世界…認めない…認めないぞ!!」 どこにでもいる、さえないおじさん。特技なし。彼女いない。仕事ない。お金ない。外見も悪い。頭もよくない。とにかくなんにもない。そんな主人公、アレン・ロザークが死の間際に涙ながらに訴えたのが人生のやりなおしー。 彼は30年という短い生涯を閉じると、記憶を引き継いだままその意識は幼少期へ飛ばされた。 幼少期に戻ったアレンは前世の記憶と、飼い猫と喋れるオリジナルスキルを頼りに、不都合な未来、出来事を改変していく。 記憶にない事象、改変後に新たに発生したトラブルと戦いながら、2度目の人生での仲間らとアレンは新たな人生を歩んでいく。 新しい世界では『魔宝殿』と呼ばれるダンジョンがあり、前世の世界ではいなかった魔獣、魔族、亜人などが存在し、ただの日雇い店員だった前世とは違い、ダンジョンへ仲間たちと挑んでいきます。 この物語は、記憶を引き継ぎ幼少期にタイムリープした主人公アレンが、自分の人生を都合のいい方へ改変しながら、最低最悪な未来を避け、全く新しい人生を手に入れていきます。 主人公最強系の魔法やスキルはありません。あくまでも前世の記憶と経験を頼りにアレンにとって都合のいい人生を手に入れる物語です。 ※ ネタバレのため、2部が完結したらまた少し書きます。タイトルも2部の始まりに合わせて変えました。

最凶と呼ばれる音声使いに転生したけど、戦いとか面倒だから厨房馬車(キッチンカー)で生計をたてます

わたなべ ゆたか
ファンタジー
高校一年の音無厚使は、夏休みに叔父の手伝いでキッチンカーのバイトをしていた。バイトで隠岐へと渡る途中、同級生の板林精香と出会う。隠岐まで同じ船に乗り合わせた二人だったが、突然に船が沈没し、暗い海の底へと沈んでしまう。 一七年後。異世界への転生を果たした厚使は、クラネス・カーターという名の青年として生きていた。《音声使い》の《力》を得ていたが、危険な仕事から遠ざかるように、ラオンという国で隊商を率いていた。自身も厨房馬車(キッチンカー)で屋台染みた商売をしていたが、とある村でアリオナという少女と出会う。クラネスは家族から蔑まれていたアリオナが、妙に気になってしまい――。異世界転生チート物、ボーイミーツガール風味でお届けします。よろしくお願い致します! 大賞が終わるまでは、後書きなしでアップします。

異世界に転生した俺は英雄の身体強化魔法を使って無双する。~無詠唱の身体強化魔法と無詠唱のマジックドレインは異世界最強~

北条氏成
ファンタジー
宮本 英二(みやもと えいじ)高校生3年生。 実家は江戸時代から続く剣道の道場をしている。そこの次男に生まれ、優秀な兄に道場の跡取りを任せて英二は剣術、槍術、柔道、空手など様々な武道をやってきた。 そんなある日、トラックに轢かれて死んだ英二は異世界へと転生させられる。 グランベルン王国のエイデル公爵の長男として生まれた英二はリオン・エイデルとして生きる事に・・・ しかし、リオンは貴族でありながらまさかの魔力が200しかなかった。貴族であれば魔力が1000はあるのが普通の世界でリオンは初期魔法すら使えないレベル。だが、リオンには神話で邪悪なドラゴンを倒した魔剣士リュウジと同じ身体強化魔法を持っていたのだ。 これは魔法が殆ど使えない代わりに、最強の英雄の魔法である身体強化魔法を使いながら無双する物語りである。

異世界召喚された俺の料理が美味すぎて魔王軍が侵略やめた件

さかーん
ファンタジー
魔王様、世界征服より晩ご飯ですよ! 食品メーカー勤務の平凡な社会人・橘陽人(たちばな はると)は、ある日突然異世界に召喚されてしまった。剣も魔法もない陽人が頼れるのは唯一の特技――料理の腕だけ。 侵略の真っ最中だった魔王ゼファーとその部下たちに、試しに料理を振る舞ったところ、まさかの大絶賛。 「なにこれ美味い!」「もう戦争どころじゃない!」 気づけば魔王軍は侵略作戦を完全放棄。陽人の料理に夢中になり、次々と餌付けされてしまった。 いつの間にか『魔王専属料理人』として雇われてしまった陽人は、料理の腕一本で人間世界と魔族の架け橋となってしまう――。 料理と異世界が織りなす、ほのぼのグルメ・ファンタジー開幕!

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

処理中です...