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第四話
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「早くしろ!!」
スティーブンが見張りを立たせながら叫ぶと、盗賊の一人が血相を変えて口を割った。
「……婆さんだよ! あのローブ被った呪術師の婆さん、アイツに雇われたんだ。馬車のルートもその婆さんから聞いた。――――だが石のことは、何も聞かされてない」
「なん、だと……?」
スティーブンはあっけなく告げられたその言葉に耳を疑い、一瞬ナイフを落としそうになる。
「本当だって、信じてくれよ!」
見張り役が必死に声を上げる。
「それじゃあ石はどこにある!?」
理解が追いつかぬまま尋ねると、盗賊たちは皆困ったように顔を見合せ、スティーブンを余計に混乱させた。
「そこの、棺の中だ」
言って、一人の盗賊が横たわる棺を指さすと、残りの二人が棺の両端を持ってスティーブンの前に寄こした。
「けど、それは――――」
スティーブンは、男の制止も聞かずホミの遺体と棺の隙間に置かれたその石を手に取ってしまう。
直後、
「あああぁぁっーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーぁぁっ!!」
石が突如直視できないほどの暴力的な光を放ち、辺り一帯が白く塗りつぶされた。焦ったスティーブンは目を覆うとして石を取り落とし、零れ落ちたそれは服の隙間から彼の胸元にぶつかると途端にどろりと溶けだして肌の内側に入り込んでしまった。
「融合、した……」
「だから止めたんだ、俺は」
盗賊たちは口々に言いながら無我夢中に金品をかき集めると、恐れをなして逃げて行った。
*
数時間後、血色の悪い肌に脂汗を掻きながらも、スティーブンは馬を引き連れ自力で城へ帰った。正面では騎兵隊の面々が今更のように顔を揃えていたため、彼は裏口に回った。深い影が落ちた城の裏側は、地面がむき出しになり、覇気のない草木が散在としている。
スティーブンが見張りを立たせながら叫ぶと、盗賊の一人が血相を変えて口を割った。
「……婆さんだよ! あのローブ被った呪術師の婆さん、アイツに雇われたんだ。馬車のルートもその婆さんから聞いた。――――だが石のことは、何も聞かされてない」
「なん、だと……?」
スティーブンはあっけなく告げられたその言葉に耳を疑い、一瞬ナイフを落としそうになる。
「本当だって、信じてくれよ!」
見張り役が必死に声を上げる。
「それじゃあ石はどこにある!?」
理解が追いつかぬまま尋ねると、盗賊たちは皆困ったように顔を見合せ、スティーブンを余計に混乱させた。
「そこの、棺の中だ」
言って、一人の盗賊が横たわる棺を指さすと、残りの二人が棺の両端を持ってスティーブンの前に寄こした。
「けど、それは――――」
スティーブンは、男の制止も聞かずホミの遺体と棺の隙間に置かれたその石を手に取ってしまう。
直後、
「あああぁぁっーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーぁぁっ!!」
石が突如直視できないほどの暴力的な光を放ち、辺り一帯が白く塗りつぶされた。焦ったスティーブンは目を覆うとして石を取り落とし、零れ落ちたそれは服の隙間から彼の胸元にぶつかると途端にどろりと溶けだして肌の内側に入り込んでしまった。
「融合、した……」
「だから止めたんだ、俺は」
盗賊たちは口々に言いながら無我夢中に金品をかき集めると、恐れをなして逃げて行った。
*
数時間後、血色の悪い肌に脂汗を掻きながらも、スティーブンは馬を引き連れ自力で城へ帰った。正面では騎兵隊の面々が今更のように顔を揃えていたため、彼は裏口に回った。深い影が落ちた城の裏側は、地面がむき出しになり、覇気のない草木が散在としている。
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